「政治とカネ」から法人減税の総括まで 林芳正氏が中田敦彦氏の質問に答えた総裁選対談
中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY2025年の自民党総裁選を前に、中田敦彦氏のYouTubeチャンネルで候補者の林芳正氏との対談が行われた。中田氏は通り一遍の質問を避けるため、視聴者のコメント欄を集計し、関心の高い問いを林氏に投げかけたと説明する。前半の中心は「政治とカネ」で、政治資金の公開ルール、旧文通費、派閥、責任の取り方が取り上げられた。後半は物価高対策、減税、財源論、実質賃金、法人税へと進んだ。全体を通して林氏は、「禁止より公開」を徹底する制度づくりと、財政の信認を重視する慎重な立場を示した。中田氏はその立場に対し、国民感覚とのずれや再分配のあり方について繰り返し問いを重ねた。
自民党とYouTube――野党時代に始めた発信が先細った経緯
対談の冒頭、林氏は自身がYouTubeで注目された経験を語った。10年以上前、あるテレビ局の新春特番の歌合戦で政治家対決があり、林氏はピアノを弾いて「レット・イット・ビー」を歌った。その動画がYouTubeで大きく広がったという。真面目な話をした動画は伸びないのに、あの動画だけは伸びた、と林氏は笑う。ライブではギターが8割、ピアノが2割で、中学時代からバンドをやっていたこと、地元の下関から近い福岡の音楽シーンでチューリップ、甲斐バンド、海援隊をコピーしていたことも話した。
自民党のネット発信について、林氏には「もったいない話」があるという。鳩山政権で野党に転落した際、自民党は党本部を挙げてニコニコ動画で12時間の生配信を行い、ネットサポーターズクラブを作ってオフ会も開いた。林氏によれば、新しい発信手段への取り組みは自民党が最も早かった。ところが与党に戻ると皆が忙しくなり、政府としての発信も増えたため、党の発信は弱くなっていった。林氏はこれを「ウサギと亀みたいになっちゃった」と表現する。
中田氏はYouTubeの特徴として、コメント欄による双方向性を挙げた。林氏も自身のチャンネルのコメントを気にしており、国民や視聴者の意見がリアルタイムで分かると認めた。
5万円ルールの「抜け道」とアメリカのFEC方式
中田氏が最初に取り上げたのは、政治資金規正法で年5万円以下の寄附者の名前が公開されない点だ。このルールは「ザル」と言われ、大企業が社員名義で分散購入すれば、まとまった金額を入れられてしまう。
林氏は、昨年の総裁選からアメリカの連邦選挙委員会(FEC)にならった仕組みを提唱してきたと説明した。1円単位まで全部を記載させると、若い議員の事務所は秘書3人ほどで回しているため、その作業ばかりになってしまう。そこで、報告をすべて第三者機関に出させる。第三者機関は、基準額の5万円以下であっても不審な点があれば突き返し、是正に応じなければ公表する。林氏によれば、この機関は公認会計士や税理士などの専門家を入れ、自民党からも立憲民主党からも共産党からも等距離に置かれた中立機関で、国の予算に対する会計検査院のような位置づけになる。林氏は、この方式は与野党ですでに合意に向かっており、自身の政策プランにも入れていると述べた。政治資金パーティーについても、小泉進次郎氏らの論戦を経て「禁止より公開」が世論調査で多数になった。そのうえで林氏は、公開するならここまで細かくやらないと抜け道になると強調した。PayPayなどの電子決済が普及すれば、データをそのまま出してチェックしてもらう形にできるという見通しも示した。
番組はここで補足解説を挟んだ。現行法では年5万円以下の寄附と1回20万円以下のパーティー券購入は氏名の記載が不要で、この仕組みを悪用した例として西松建設事件を紹介した。同社がダミー政治団体を使い、社員名義で分散して寄附やパーティー券購入をさせ、実質的な企業献金を隠していたこと、約6500万円が虚偽処理だったと報じられたことに触れている。
献金の「両引き検索」と第三者機関の独立性
中田氏は、大企業や特定業種を優遇できると疑われる租税特別措置(租特)と、現在の政治資金の仕組みが組み合わさると癒着につながると指摘し、議論の状況を尋ねた。
林氏が示したのは、デジタル化による検索可能な公開だ。「林芳正」と検索すれば献金している企業が一覧で出てくる。逆に「トヨタ」と入れれば、その企業がどこに献金しているかが出る。どちらの方向からも検索できるようにし、ある議員が特定企業に有利な仕事をしているという疑いがあれば、誰でも確かめられるようにする。「ここまでやらないと公開にならない」と林氏は言う。整備にかかる期間については、システムだけなので1〜2年ほどでやってもいいと答えた。
中田氏は、政治家はこの分野にメスを入れたくないだろうと思っていたと率直に述べた。そのうえで、問題があるときだけ公開する方式では、第三者機関が政治と一体化して不透明になるおそれはないかと問うた。林氏は、委員の指名の段階で独立性を担保することが要になると答えた。アメリカのFECでは共和党推薦と民主党推薦の委員が互いを徹底的にチェックし、そこに党派に属さない有識者が加わる三者構造になっている。日本でもそうした仕組みにしなければ公開にならない、というのが林氏の考えだ。
旧文通費・立法事務費と「年収6000万円相当」
次に中田氏は、調査研究広報滞在費(旧文通費)を取り上げた。月100万円の旧文通費に加えて立法事務費が月65万円あり、いずれも非課税だ。中田氏の計算では、年間約2000万円の非課税収入は、税率50%の人にとって4000万円の収入に相当する。これに議員報酬とボーナスの約2000万円を足すと、国会議員の収入は年6000万円相当になる。林氏も「そうですね」と応じた。番組の補足解説は、旧文通費は年1200万円で2025年から領収書提出が義務化されたが自動公開はなく罰則もないこと、立法事務費は年780万円で会派経由のため配分が不透明であることを付け加えている。
林氏は、議員報酬は確かに自分たちの給料だが、旧文通費のようなお金は「5人から10人ぐらいのオフィス」の経費として見てほしいと説明した。衆議院なら有権者は30万人ほどいて、後援会への文書発送や移動に費用がかかる。小さな会社の経費と考えればイメージが変わるのではないか、という説明である。公設秘書は3人まで公費で、それ以外は自前で賄っている。特に官房長官である現在は、地震などに備えて東京から30分以内の場所にしか行けないため、地元で支援者の声を聞く支部や人員が欠かせないという。
これに対し中田氏は、政治家の立場に立てば理解できるとしながらも、生活に困窮している国民にはその説明が届きにくいと指摘した。例として、政治家がスーパーを視察したときに秘書から財布を受け取っていた件を挙げ、「5人も6人も秘書がいるのか」という感覚とのずれがあると述べた。旧文通費の公開義務化は前進だが、それなら立法事務費も公開すべきではないかとも問うた。林氏は、自民党では立法事務費はすべて党に入っており、各党が同じ条件で公開する方向の議論になると答えた。さらに、不記載問題をきっかけに不満が噴き出した今こそ、徹底的に公開して、どれだけのコストで何をしているかを理解してもらう機会だと述べた。中田氏は、非公開の制度は「政治家は悪いことをしない」という信任を前提に余地を残していたもので、その信任が不記載で裏切られたことが今の怒りの正体ではないかと整理した。
責任の取り方――選挙は終わっても党としては終わっていない
不記載問題の原因究明について、林氏は経緯を順に挙げた。検察の捜査と裁判、政治倫理審査会での弁明、岸田内閣での役職停止や除名といった党内処分、選挙での非公認である。林氏は、司法で無罪になっても政治責任はあり、信頼を裏切られたと思う人が多ければ選挙で通らないと述べた。衆院選と参院選で議席を大きく減らしたのは、その洗礼を受けたということだという。
中田氏は、選挙で洗礼を受けたから禊が済んだという考え方ではなく、立法府として適切な法整備をすることが国民の望む責任の取り方ではないかと問いかけた。林氏は政倫審で野党が質問に立つ意義を説明したうえで、こう述べた。個々の議員については、説明して納得してもらえた人が戻ってきた。しかし党全体としては、選挙が終わったから説明も終わったとはならない。それが過半数割れという結果であり、先の参院選の総括文書にも反省が書かれている。党としては終わった話ではない、というのが林氏の立場だ。
派閥の解散と麻生派の存続、宏池会の件
中田氏は、清和会(旧安倍派)では派閥ぐるみで還流や不記載が行われていたと確認したうえで、他派閥にも似た状況があったのではないかと尋ねた。林氏は、二階派では裁判に至ったものはなかったと述べた。自身の宏池会については、客観的に説明しなければならないとしたうえで、不記載はなかったが、誰かが返したお金を帳簿担当者が記載していなかった件があったと説明した。同時期に問題化したため強い批判を受け、官房長官就任後も会見で説明し、最終的に岸田総理(当時)が責任の取り方として派閥解散を決めたという。
なぜ麻生派だけが解散しなかったのかという問いに、林氏は派閥の性格から答えた。派閥は大学でいえば公認の体育会ではなく、学生が自由に作るサークルのようなものだという。麻生氏から聞いた話として、昔はどこかに属するのが当然ではなかった。大きい派閥が5つ、小さいものが10ほどあっても、全部合わせて党全体の半分程度で、「この人をいつか総理総裁に」と思う人が集まるグループだった。それが中選挙区制のもとで膨らみ、田中角栄氏の時代には100人を超えた。林氏は、これは本で読んだ知識だと断っている。小選挙区制になると党が公認や人事を決めるようになり、小泉内閣では閣僚を派閥推薦でなく一本釣りで選んだことで力関係も変わった。
解散の際に決まったのは、派閥がパーティーを開かないことであり、林氏は麻生派もこれを守っているはずだと述べた。派閥を残すかどうかは自主的な集まりの問題で、法律もルールもない。若手が10人集まる勉強会まで禁止するのか、何人以上ならだめなのかという定義の問題にもなるという。
政治資金パーティーと企業献金の位置づけ
中田氏は、派閥のパーティーは禁止されても個人のパーティーは続くことに「抜け道感」があると指摘した。また、政党交付金は企業・団体献金が政策に介入するのを防ぐため、国民からサブスクのように一律に集める仕組みとして作られたのではないかと問うた。
林氏は、企業・団体献金の廃止と政党交付金の導入がセットだったという説について、その場にいた伊吹文明元衆院議長が「そんなことはなかった」と証言していると紹介した。企業献金は、八幡製鉄事件の判決を根拠に、自由主義経済を守るために企業にも一定の範囲で政治活動の権利があるという考え方に立つ。政党交付金は、それとは別に各政党へ公平に配る仕組みとして議論された。ただし林氏自身は当時まだ議員ではなかったと断っている。アメリカでのインターン時代に見た、かごに小切手を入れていくファンドレイジングパーティーも、当時の議論のイメージにあったと聞いたという。そのうえで、納得のいく公開を徹底すべきだと繰り返した。
適正な経費とDX、「地上戦」との折り合い
中田氏は、今の国民感覚で妥当な報酬と経費はどれくらいかと尋ねた。林氏は5人規模の事業を例に、1人500万円として人件費で2500万円、そこに事務所代や電話代がかかると試算した。
中田氏は、DXはそもそも人件費を大きく下げる改善であり、手紙、ポスター、紙の手続きといった秘書業務自体を変える方向はないのかと迫った。チームみらいのように新しい方法で有権者に訴える例も挙げた。林氏は、会合に代理人を出す代わりにオンラインやタブレットで対応することは可能だとしながら、握手して「この人はやってくれそうだ」と感じてもらうことは、デジタルの情報だけでは「ちょっと自信がない」と答えた。有権者がそれで良いと考えるなら時代の変化とともにその方向に進めばいいが、まだ来てほしいと思う人に「うちはデジタルしかありません」と言っていいのかは迷いが残るという。
中田氏が、経費込みで6000万円が妥当か、2000万円減らして4000万円程度なら想像がつくかと重ねて問うと、林氏は「4000〜5000万、6000万ぐらい」と幅を持たせた。1年生議員と当選を重ねた議員でも違うため、まず経費を全部公開したうえで国民に判断してもらう、という結論に落ち着いた。
総裁選の紙投票への問題提起
DXに関連して、中田氏は総裁選の投票が紙で行われていることに疑問を呈した。昨年の総裁選で、国会議員が名前を呼ばれて1人ずつ紙を入れる光景を見た。過半数に届かず決選投票になり、同じ光景がもう一度繰り返されたときには「ひっくり返りそうになった」という。デジタル化やAIを進めると言う人たちが紙で投票しているのを見て、DXに不安がよぎったと述べ、M-1グランプリの1本目と2本目のネタのように、少なくとも2回目には工夫があってもいいのではないかと提案した。
林氏は「考えたことがなかった」と認めた。参議院の本会議では賛否ボタンによるデジタル投票ができること、マイナンバーカードの普及で本人確認の課題が解決に近づいたため、国政選挙でもスーパーで不在者投票ができるような仕組みが可能になるかもしれないことを話した。一方で、アメリカの議会もガチャンと入れる方式だと付け加えた。
物価高対策――短期の給付と長期のユニバーサルクレジット
後半は物価高対策に移った。林氏は、石破政権の給付金を引き継ぎつつ、長期的には英国のユニバーサルクレジットの日本版を作る構想を掲げている。
給付金について林氏は、参院選の公約として約束したこと、そして何よりすぐ実施できることを理由に挙げた。岸田内閣で給付と減税をセットで行った際、給付は年末までに市町村で始められたが、所得税の減税は年1回の仕組みのため反映が翌年6月になり、半年かかった。今から減税を決めても来年6月の物価状況は分からない。メールでも「今困っている」という声が届くので、電気・ガス代の支援に加えて給付を行うのは、すぐできるという意味で「ありかなと思っている」と述べた。ガソリンの暫定税率廃止も与野党で合意しており、年内のなるべく早い実施を目指すという。
ユニバーサルクレジットについて林氏は、児童手当や住居手当のようにばらばらの社会的支援を一本化する仕組みだと説明した。収入、子育て費用、税金、保険料を家計簿のように見て、負担感に応じて支援する。中田氏が「症状ごとに薬を出すのではなく、人間ドックで全体を見てから薬を出す感じ」とたとえると、林氏は「いただき、それ」と喜んだ。英国では15年かかったとされるが、林氏は前例があればコロンブスの卵のように早くできると考えている。全国民のデータを取るのではなく、世帯を類型化してポイント化するなどして、総裁任期の残り2年で目処をつけたいという。
林氏はさらに、欧州の先進国と比べると、日本では住民税を払い始める所得層で税と保険料を合わせた負担が「ポコっと」跳ね上がると説明した。英国はこの段差に気づいてなだらかにしたのだと思う、と述べ、その穴を埋めるのがユニバーサルクレジットだとした。給付は一度きりだが、この仕組みは恒常的なので、子どもが中高生のあいだは支援が続くと分かり、家計の見通しが立つ。
中田氏は、参院選で示された「NO」には、給付が少なく遅かったという不満と、恒常的な減税を求める気持ちの2つがあったのではないかと問うた。林氏は両方あると答えた。
シンガポール型の即時給付はなぜ難しいか
中田氏は、国民番号と口座が紐付いていて、建国記念日にスマホの銀行アプリへお祝い金が入るシンガポールの例を挙げた。日本でもマイナンバー、銀行ネットワーク、スマホを組み合わせて、発表の翌週や翌月に給付が届く仕組みは作れないかと尋ねた。林氏は「ここまでの質問をされたことはない」と驚き、まさにその検討をしてきたと明かした。
林氏によると、マイナンバーカードの普及率は6〜7割で、紐付けられた公金受取口座は約6000万口座に達している。ただ、紐付けは義務化できないため、残りの人をどうするかが問題になる。シンガポールは人口が東京規模で、全員に義務付けているのではないかと林氏は見る。また全銀ネットの送金能力では、1億人に送るには数か月かかってしまう。公約作りの際には、6000万人には国から直接配り、口座のない人には自治体が配る案も検討した。しかし、例えば下関市には、市民のうち誰がその6000万人に含まれるかのデータがない。国のデータを市町村ごとに分ける作業が必要になり、そのたびに「時間がない」という結論になったという。
ユニバーサルクレジットは恒久的な制度なので、支払い方もこの機会にきちんと作れば、ずっと使えると林氏は言う。毎年使う制度になれば、全銀ネットの側も設備投資を考えるだろうとも述べた。
減税の選択肢――社会保険料、所得税、消費税
中田氏は、維新が掲げる社会保険料の引き下げ、国民民主党の所得税の壁、れいわなどの消費税減税のうち、林氏のビジョンに入りうるのはどれかと尋ねた。
林氏が最も近いとしたのは社会保険料だ。維新とはすでに半年ほど議論を重ねている。保険料を下げるには医療の支出側をどこで減らすかを決める必要があり、不安を招かないよう案を出し合って何往復も議論していると説明した。
所得税については、払い始めるのが年収340〜350万円程度なので、本当に厳しいその下の低・中所得層には届かず、高所得層にも効いてしまうと指摘した。財源がいくらでもあるならやってもいいが、金利がある中では困っている人に絞るべきだという。中田氏が、所得税減税を掲げる小林鷹之氏の案では困窮層への恩恵が少ないのではないかと確認すると、林氏はそれを認めた。
消費税について林氏は、民主党政権時代の三党協議の経緯を説明した。逆進性対策には、公明党が主張した軽減税率と、民主党(現在は立憲民主党)が主張した給付付き税額控除の2案があった。後者は時間がかかるとして軽減税率が採用された。最近、石破総理と野田代表の間で、マイナンバーの普及で状況が変わったとして給付付き税額控除の議論の場が立ち上がった。林氏はこの方向を支持する。消費税は社会保障に充てられ、医療などには保険料に加えて国費が半分ほど入っている。ここを削れば給付が切られるという不安につながるので、社会保障と一体で議論すべきだという。
中田氏が、税の原則である「公平・中立・簡素」からすると軽減税率も給付付き控除も簡素ではないと指摘すると、林氏は、軽減税率の線引きでイートイン問題が起き、「国税Gメンがマクドナルドを全件取り締まるのか」という話になったと振り返った。最も簡素なのは単一税率だが、所得が10倍の人がコメを10倍食べるわけではないので逆進性が生じる、と説明した。
財源論――金利のある世界、トラスショック、MMT
財源があるかないかで対立する議論について、林氏は慎重な立場を明確にした。アベノミクス期はマイナス金利で緩和していたが、ロシアのウクライナ侵略による石油高騰などでデフレから押し出されるように脱却し、金利がプラスの世界になった。同じ借金でも利払いが膨らむスピードが違い、市場もそれを知っている。緩いことをすればアタックされ、トラスショックのようになると林氏は述べた。
トラス元英首相は林氏が外務大臣だったときのカウンターパートで、チャーミングでシャープな人だったという。TPP加盟の話もしたが、財政の話はしたことがなかったので、あの展開には驚いたと振り返った。中田氏は、自国通貨建て国債だから大丈夫だという信念で財源を示さず大減税を打ち出し、国債と株が暴落して2か月もたずに退陣したと整理した。林氏は、英国はEUを離脱し独自通貨ポンドを使っている点で、円を持つ日本と同じだと指摘した。
自民党内にもいる、MMT的な発想で国債を増発すべきだという意見や、減税を阻んでいるのは財務省だという議論について問われると、林氏は「実験するわけにいかない」と答えた。失敗して困るのは政府ではなく国民で、リスクをどこまで取れるかは「博打」のような感覚があるという。能登の地震やパンデミックで必要な支出はするが、財政をきちんとする姿勢を市場に示し続けることが大事だとした。単年度のプライマリーバランス黒字化はほぼ達成目前で、次の目標は世界一高い債務残高の対GDP比を圧縮することだ。経済が成長すれば分母が増えるので、借金が少し増えても比率は下がりうると説明した。
自民党内で同じ考えの人は「結構多いんじゃないか」と林氏は見る。「緊縮財政派」「財務省と結託している」「ザイム真理教」といったレッテルで1〜2分の議論で結論を出されると伝わりにくいと述べつつ、ドイツやアルゼンチンのハイパーインフレのようになってはならないと強調した。また、借金は数十年後の納税者のお金を今使うことでもあると付け加えた。
実質賃金1%上昇目標と国家の役割
林氏が掲げる実質賃金1%上昇の目標について、林氏は、物価が2%上がるなら給料が3%上がる状態、つまり給与明細で3%増を実感できる状態だと説明した。
中田氏は、国が企業に賃上げを強制できるのかと問うた。林氏は、強制できるのは最低賃金だけだと認めた。政府にできるのは、成長戦略で企業の収益を伸ばして賃上げにつなげることと、人件費を増やした企業の法人税を軽くする税制で後押しすることだという。中田氏は、賃上げ優遇税制は租特であり、「公平・中立・簡素」から外れていくと反論した。国家の役割が富の再分配なら、それは税制設計で行うべきで、企業に賃上げを要請するという経路は間接的で受け入れにくいと述べた。
林氏は、賃金は労使交渉で決まるのが基本だと認めた。そのうえで、安倍政権以来の政労使会議は、メディアも入れて世の中の機運を醸成する「運動論」であり、国家の権力的な再分配とは性格が違うと説明した。中田氏は、空気の醸成を12〜13年続けても課題が解決していないのは、企業が利潤追求を許されているからであり、内部留保が過去最高なのに賃金に反映されないなら、法人増税と消費減税で再分配すべきではないかと踏み込んだ。
法人減税は「うまくいかなかった」――税制大綱の総括
これに対し林氏は、党税制調査会で実はずっと議論してきたと明かした。民主党政権からの交代直後、シンガポールなど各国が法人税を下げ、引き下げ競争が起きる中で、国際競争力を保つために日本も下げた。ところが2〜3年前の税制大綱には、法人税を下げても設備投資や賃金の増加にはつながらず、「うまくいかなかった」と明記されているという。それがアベノミクスの定義に含まれるかは分からないとしながらも、法人減税の効果があまり出なかったことは文書に残っていると述べた。
内部留保には海外投資に回った分もあるが、現金も増え続けている。自社株買いで1株あたりの価値を上げることも自由ではあるが、それよりも設備投資や賃上げに使ってほしいという議論を中でしてきたと林氏は言う。中田氏が、株価が4万円を超え4万5000円をうかがうのに誰も喜んでいないと指摘すると、林氏も、昔は株価が上がるとみんなが喜んだが、今は大企業の業績と国民生活が乖離していると認めた。その因果をリバランスする方向は「ありだと思います」と述べた。具体策としては、法人税率を全体として引き上げ、研究開発や将来の賃上げに使う企業だけ負担を軽くすれば、より効き目が出るという方向の議論がすでにあるという。
林氏は、政策は良かれと思ってやるが、思い通りにいかなければ方向転換すべきだと語った。自由貿易で最も安いところで作ればよかった時代とは違い、オーストラリアが新型コロナの発生源に言及したら中国がワインを買わなくなった例や、日本が外交問題で鉱物の輸出を止められた例のように、貿易がカードに使われるようになった。当時はなかった「経済安全保障」という言葉が生まれたように、時代に合ったことをやる必要があると述べた。
中田氏は、法人減税に効果がなかったという話を自民党から聞いたのは初めてだと述べた。アベノミクスは成功していたが財務省の増税で成長が止まった、という議論ばかりが聞こえ、大企業を優遇して国民生活を困窮させる体制を本当に反省しているのか分からなかった。それが経済でも政治とカネでも信頼を損なっていたが、そうした総括があるなら状況は変わるかもしれない、と率直に語った。林氏が「今度その紙を持ってきますよ」と言うと、中田氏が「紙じゃなくてデジタルがいい」と返し、林氏は「1本取られた」と応じた。
対談の最後、中田氏はまだ聞きたいことがあるとして、総理になった後に改めて話を聞かせてほしいと依頼し、林氏はこれを受けた。林氏は、どこを軸に発信すべきか学びがあったと述べて対談を締めくくった。
月100万円で、立法事務費が65万円。これが非課税なんですよね、全部。国会議員さんって年収6000万円相当なんだな。これが不記載をきっかけにして、爆発しちゃうっていう。
総裁選を紙で投票されてるじゃないですか。紙じゃなくできないですかね? デジタルトランスフォーメーションに不安がよぎったんですよ。なるほど。
アベノミクスへの反省というか、うまくいかなかったって書いてあるんです。緊縮財政派だ、財務省と結託している、ザイム真理教みたいなことね。そういうレッテル貼りで一番困るのは国民の皆さんなんですね。マーケットの人もみんな知ってますから、アタックされちゃうんですね。トラスショックみたいになっちゃう。
パーフェクトヒューマン。ここまで質問されたことないです。本当ですか?
というわけで、本日のゲストは総裁選候補、林芳正さんです。よろしくお願いします。よろしくお願いします。今日初めましてということですよね。そうなんですね。忙しい中ありがとうございます。
一度お会いしたいと思っててね。本当ですか? オリラジ、やっぱりね。知っていただいたんですか? NSC10期でね。すごい。だって同期もすごいじゃないですか。僕ら一番見てた頃だから。これはもうちょっと一本取られちゃいました。パーフェクトヒューマン。ヒューマンまで。これは全部丸裸にされてますね、僕は。分析されてますね。画面を通じてね。
お笑いタレントとしてデビューしまして、そこからYouTubeやらせていただいてるんですけど、YouTube、最近たくさんお出になってる。そうですね。去年の総裁選挙の時に、やっぱりこっちも大事だなって言うんで。
もう10年、もっと前か。某テレビ局の新春の特番で、歌合戦ってあったんですよ。それで政治家対決みたいなのがあって、林さん出てくださいって言われて、ピアノ弾いて「レット・イット・ビー」歌ったのね。そしたらもうYouTubeでそれがわーっと。普通に真面目な話すると、しょぼしょぼしょぼっと。だけどあれは、なんだかわーっと。
あれ、ピアノだけじゃなくてギターもお弾きになりますよね? ギターが多いんですよ。ギターが大体ライブの時8割で、ピアノが2割ぐらいで。芸術もあるということで。バンドだから。そうですか。もう中学校の時から。その時代ですね。素晴らしい。
うちは下関なんで。そうですよね、地元が。福岡の音楽がすごい熱い頃で。なるほど。チューリップ、それから甲斐バンド。武田鉄矢さんの海援隊ってね。もうみんなやってました、コピーして。なるほど。もうルーツからね。それがYouTubeでまさかバズるとは。バズりましたね。
でもYouTubeも発信力として、自民党の方でもやっぱり視野に入ってるってことですよね。これはもったいない話があって、一回野党になったじゃないですか、鳩山政権が。あの時に、こっからはやっぱりいろんな発信の仕方って言って、一番早かったんですよ、うちは。そうなんですか。
党本部も全部使って、ニコ動12時間ぶっ続けライブみたいなのをね、トークライブとか、このライブもやって。ニコ動やってらっしゃったイメージありますね。そうなんですよ。それでネットサポーターズクラブっていうのを作って、会員もいて、オフ会とかもやってとかね。
それで与党戻って、みんな忙しくなっちゃって。なるほど。それでもうどんどん、政府としての発信もあるんで、だんだんちょっと弱くなってきちゃった。そうか。じゃあ、下野していた時に始めるの早かったけども、なんだかウサギと亀みたいになっちゃってね。なるほど。
でもやっぱりまたその時以上にYouTubeの普及度違いますし、何が一番違うって、この双方向性。コメント欄っていうのがあるんですよね、バンバン。ご自身でもチャンネルやってらっしゃいますよね。はい、来ます。ああいうところのコメントって見る派ですか? 見ない派ですか?
これ見てると、画像的にこんななっちゃってるんで。だけどやっぱり気になりますよね。確かに。ニコ動と違ってYouTubeって下の方に出るじゃないですか。あれを見ると結構国民の意見とか視聴者の意見が分かって。しかもリアルタイムだしね。そうなんですよ。
それで今回、通り一遍の質問するのも失礼だと思いまして。どんなこと今自民党に聞きたいのかと、コメント欄探したんですよ。なるほど。集計しまして、そこから関心度の高い質問行きたいと思うんですけども、よろしいですか? はい、お願いします。
結構今、物価高対策とかお話しされてると思うんですよ。その話も後で聞きたいと思うんですけど、やっぱりこの自民党が今非常に厳しいというのが、かなり久しぶりのことですよね。
ですね。一回野党になった時が鳩山政権ですから、あの時バーンと落ちて。その前も土井たか子さんが社会党の党首の時に、やっぱり消費税の時にね。「山が動いた」ってのが。2009年、1989年、この辺りですよね。すごいさっと出てきますね。さすが。
だから安倍さんの一回目の時も結構、年金の記録問題で。なるほど、00年代半ばあたり。そうですね。それ以来ってことか。周期的に、ダメじゃないかってのあるんですね。
この自民党さんの大ピンチって、最初やっぱりあれでしたよね。不記載問題から始まって。そう、やっぱり不記載。あれが大きい。やっぱり政治とカネ、経世会の頃から火がつくと結構ダメージ大きいじゃないですか。あるんですよ。これを林さんがどう改善してくれるのか、すごい国民期待してると思うんですけど。
そうですね。まず政治資金規正法ですよね。あれって5万円ルールあるじゃないですか。5万円以下であれば寄附者の名前が出ないっていう非公開ルールが、結構気になってるらしいんですよ、国民が。なるほどね。あれってもっと改善するルールにできるんですかね?
これはもうすでに与野党で合意して。これ、アメリカの制度を取り入れたらどうかって、私、去年の総裁選挙で。FECっていう、フェデラル・エレクション・コミッション、連邦選挙委員会。それで5万円以下ぐらいだったかな、向こうもね。
要するに1円以上全部やると、全部こうやって、うちの事務所は比較的秘書が多い方ですけど、若い人なんてのはもう3人ぐらいでやってるんで、もうそればっかしになっちゃうんで。なるほど。もう1円っていうのはなかなか全部つけるの難しいと思いますけども、それを全部出すと、第三者機関に。
それで第三者機関がチェックすると、例えば基準が5万円であっても、5万円以下でもこれおかしいじゃんって言うと突き返して。それでこれをなんだっつって、ここが納得したら。これはもう自民党からも立憲からも共産党とか、みんな等距離の中立機関で、ここでチェックして。会計検査院みたいなもんですね。なるほど。
これでダメなら突き返して、言うこと聞かないやつは公表します。こういう仕組みになってんですね。アメリカがそういう仕組み。アメリカ、FEC。そういうのがあるんで、やっぱりそれがいいんじゃないのと。じゃあ一歩前に進みそうですね、それは。これやると、そうした問題なくなると思います。
5万円以下ルールってザルなんて言われてて、結構大企業が社員で分散購入すれば、まとまった金額入れられちゃうって。入れられちゃうんですよ。そこをそのチェック機関を設けることで塞ごうっていう議論が。専門的な人を、公認会計士とか税理士とか全部入れて、それで中立的に見ると。これだから、国の予算は全部会計検査院のところで指摘事項って出るじゃないですか。
なるほど。じゃあ政治資金パーティーに関しては、やっぱり禁止より公開の流れっていうことで。まさにこれは小泉さん頑張ってもらって、与野党でいろいろ論戦して、禁止より公開だと、今世論調査やると多くなったんですけど。だから公開っていうのも、そういうとこまで細かくやらないと抜け道になっちゃうから。確かに。
そうですよね。その抜け道に関しては、特にデジタルとかも進むと、本当に手続き上も楽になりますし。決済も楽だしね。PayPayとかいろいろあるから。そういうのでやっとくと、もうそのままデータ出せば、そのまま行ってチェックしてもらってっていうね。これ、もし林総理ってなったら、そこら辺もしっかりと進めていける感じ。ですね。私のプランの中にそれ入れてます。素晴らしい。
ここで補足の解説です。政治資金規正法では、1年間で5万円以下の寄附や、1回20万円以下の政治資金パーティー券購入については、寄附者・購入者の氏名を報告書に記載しなくてもよいと定められています。つまり匿名寄附や匿名購入が合法的に認められているのです。
この制度を悪用した典型例が、過去に発覚した西松建設事件です。西松はダミー政治団体を使い、企業資金を社員名義で分散して寄附・パーティー券購入をさせ、実質的な企業献金を隠蔽していました。記載された収入総額のうち約6500万円が虚偽処理であったと報じられています。
このように法律上、記載不要とされる制度の抜け穴を悪用すれば、匿名資金を政治に流し込む手法が可能です。透明性確保のためには、匿名禁止、報告義務強化など抜本改革が不可欠と言えます。
これともう一つセットで国民の方が関心が高いのが、租税特別措置法。租特ね。言われてるやつですね。大企業とか特定業種を税制優遇できるっていうふうに疑われちゃう仕組み。これと現在の政治資金規正法がセットになると、癒着になるじゃないですか。そうですね。ここって今どういう議論が進んでるんですか?
これは今度はデジタルを入れて公開するために、例えば林芳正って検索かけると、ずらずらって出てくるわけですね、献金してる企業があればね。林さんに献金してる企業が出る。出る。なるほど。今度は例えば何でもいいんだけど、トヨタって引くとトヨタがだーっと出てくる、どこに献金してるか。両方検索可能なの。両引きが可能なんですね。すごい。
それで誰々がこういう仕事してて、この人がこういうこと有利になってんじゃないかって、もし疑いがあれば検索かけて、この人だけじゃないよねと、こっちから言ってんのは割と広くやってるよね、とかね。そういうのが、もう誰でも見れるようにすると。なるほど。ここまでやらないと公開にならないと思うんですよね。
これって今その議論が進んでるとしたら、具体的にどれぐらいで整備できる感じなんですかね、イメージ的には。システムだけですからね。そんなに、1年とか2年とか、もうそれぐらいでやってもいいと思います。
じゃあ不記載問題だけではなく、政治資金における不透明性の入り口と出口の問題が同時に今、解決に向かってるとこなんですか? やっぱり公開だっていうんであったら、それぐらいやらないと公開にならないですね。
私の中で、これは政治家さんメス入れたくないだろうなって勝手に思ってたんですよ。もう入ろうとしてる。ですね。もうその方向で進んでると思いますけどね。与野党でいろいろ議論してましたから、この1年もね。なるほど。
僕は最初からこのFEC方式っていうのは、去年の公約っていうか、総裁のプランに入れてたんですよ。それ実現今しつつある。この第三者機関がチェックして、OKじゃなければ公開するっていう。まずこれおかしいじゃないのと、やり直ししなさいっつって。それで直さなきゃね。
さらに国民視点に立つと、自動公開ではなくて、おかしい時に公開の場合は、この第三者機関の権限によっては一体化してしまって、不透明なものになってしまうっていう疑いもあるのかなと思ったんですよ。
これはもうここのトップから、この委員みたいなの、多分置くと思うんで、その指名をする時に独立性を担保すると。おそらくFECも与野党、向こうは二つしか党がないんで、両方の党から推薦する人と、もう第三者の有識者みたいな、そういう人がきちっとやりますって仕組み。
なるほど。このチョイスをやっぱりズルしないかどうか見たいですね。そこも見てもらいたい。アメリカの場合は、この人は共和党推薦ね。おそらく共和党から出た人は共和党寄りかもしれないから、民主党は徹底的にやります。今度、民主党の推薦は共和党が徹底的にやるという。その党派じゃない中立的な人が入って、三者交流する。そういう構造になってるんですね。日本もそうなっていくんですね。やっぱりこれ作んないと公開っていうことにならないと思いますね。
じゃあこの二つのブラックボックスだけでなく、もう一個お伺いしたいのが政治家さんの経費。経費。名前が長いやつありますよね。旧文通費ね。そうです。調査研究広報滞在費という。全部覚えてる。パーフェクトヒューマン。パーフェクトヒューマン。林さんの前では。すごい。林さんこそですから。これ私も今言い淀んでたんで。
旧文通費こと調査研究広報滞在費。あれがなかなかの金額ですよね。すごいんですよ。月100万円で、かつ立法事務費が65万円。これが非課税なんですよね、全部。これ年間で計算すると2000万円。非課税ってことで考えると、普通の人が2000万円のお金を残そうとすると、50%を取られるラインだとすると4000万円分の価値があるわけじゃないですか。
それプラス議員報酬が年間1500万円、プラスボーナス500万円の2000万円。これ足すと国会議員さんって年収6000万円相当なんだなっていう。そうですね。
ここで補足の解説です。国会議員の収入は二つあります。まず課税される報酬。月約130万円の議員報酬と年2回のボーナスを合わせると、年収はおよそ2000万円。さらにその上に、非課税で自由に使える経費があります。
調査研究広報滞在費は年間1200万円。領収書の提出は2025年から義務化されましたが、自動公開はなく、範囲も曖昧で罰則もありません。立法事務費は議員1人当たり年間780万円。会派を通じて配られるため配分は不透明で、公開義務もありません。
つまり課税収入約2000万円に加え、非課税で約2000万円。これは手取り換算でおよそ4000万円に相当し、合計すると議員1人当たり年6000万円規模になります。それほどの巨額が扱われながら、透明化ルールが十分に整っていないことが、国民の政治不信を強めていると言えます。
これ、やっぱり今まさにおっしゃっていただいた通り、1人っておっしゃったでしょ? 議員報酬は確かに我々の給料ですけども、この文書交通費みたいなやつは、大小様々だけど、大体5人から10人ぐらいのオフィスですよね。チームですね。チームでこういう企業があると、そういう小規模な、そこに経費として払われるお金。なるほど。
考えてみてもらうと、この人たちが交通費使います。いろんな文書を作ります。有権者は大体衆議院だと30万人ぐらいでしょうかね。そういう人たちの後援会の人たちに出すとか、移動するとか、この10人の会社の経費だと。そういうふうに見てもらうと、少しイメージが変わるのかなと思います。
政治家さんからすると、いっぱい人いるんだよ、全部私のとこにお小遣いじゃないんだよというお話で。私が政治家さんの気持ちになったら理解できるんですけど、今、生活に困窮してる国民に、そのエクスキューズって届きづらくはありますよね。ですよね。そんなに10人も従えて、スーパーで買い物する時にお財布もらってる場合じゃないんじゃないかっていう。
そういう人が話題になってましたね。結構今そういう時代らしいんですよ。政治家さんがスーパーに調査に行ったっていうだけでも、一個努力じゃないですかっていう目線もあれば、財布もらう人いる? とか、そんな5人も6人も秘書さんいる? っていう感覚で言うと、ちょっとこのエクスキューズが時代とのずれ、ちょっとあるのかな。そうですね。ここってどうなってくるんですかね。
秘書さんは3人は公費で出てまして、それ以外は自分で賄ってる。なるほど。私設・公設みたいなのあるんですね。特に地元には私設の秘書さんが多いですから。自分が東京で、特に今私、官房長官なんで、もう30分以内のとこしか行けないんですね。なるほど。なんかあったら、地震があったりとか。だからもうずっと。ここは15分ぐらいで来れましたけど。
だからやっぱりその分、地元で支援してくれる皆さんとか、いろんな皆さんのご意見聞くとか。支部が必要ですね。支部がやって、そこに人がいてっていうのは当然かかる経費なんで、これはもう自民党だけじゃなくて、あらゆる政党で議論をして、どれぐらいは必要なんですかねってのは、もうずっとやってきた議論ではあるんですね。
ただ、調査研究広報滞在費って今、公開するっていう義務付けが今年からされたんでしたっけ? そうですね。はい。これって前進んでるなっていう。これ決まって来年から実施だったか、ちょっと今手元にないですけども。おそらく今年の夏ぐらいから施行されてるんじゃないかなと思うんですけど。
ただやっぱりそうなると国民視点に立つと、立法事務費もこれ公開なんじゃないのかっていう。そこら辺の議論も進んでるんですか? そうですね。立法事務費は党によって、議員に交付される場合もあるかもしれないし、うちなんか全部党に入ってますから。党の方でやっぱりきちっと、これは各党同じような条件で公開をすると、こういう議論だと思いますね。
そうですよね。国民がやっぱり義務として納税をきっちりやってる中で、生活も厳しいという時に、領収書のいらない非課税のお金っていうのが、どうも現代からすると理解しづらいところがあります。ちょっと自分と比べてどうなのっていうね。これがまさに中田さんの言うように不記載、そこですよね、をきっかけにして爆発しちゃうっていう。
これもういい機会だと思いますよ。徹底的に公開して、理解していただいて、これだけのコストかけてこういうことやってるのね、っていうのを分かってもらえるようになるまでは。
この制度設計自体が、言ったら非公開ですっていうのも含めて、政治家さんへの「悪いことしないですよね」っていう信任をもとに余地を置いてたところもあったと思うんですけど、それがまさに不記載によって裏切られてしまった。これが今の怒りじゃないですか? あの不記載問題って何だったんだろうっていう原因究明って、あれ進んだんでしたっけ?
そうですね。まず捜査が入りましたよね。検察が入って、裁判やって。裁判に進んだやつは今もう裁判進んでますんで。それから国会に呼ばれて、政治倫理審査会ってところでもいろいろと弁明をして。まず岸田内閣で処分されましたよね。役職停止とか、除名になったり。党内処分がありましたよね。党内処分があって。そして選挙の時に、今度は公認されないというようなこともありましたね。
過去もいろんな不祥事があった時に、やっぱり処分をされて。法律はもう司法が裁きます。そうですね。法律で結局無罪になったとしても、私は政治責任ってあると思って。今中田さんおっしゃったように、信頼裏切られたな。信頼裏切られたなと思う人多ければ、もう通らないんですよね。その通りですね。
だから政治責任は最後は一生懸命説明して、それでも、この人ちゃんと説明してるし、頑張って、もう一回もらおうかなと思った人が多ければ選挙で通ってくる。確かに。だからもう衆議院の選挙と参議院の選挙で、まさにたくさん数減りましたよね。減りましたね。まさにそういうところで洗礼を浴びたということだと思います。
洗礼を浴びたから禊が済んだというプロセスというよりも、国民が望んでいる、法的プロセスではない政治的責任の取り方というのは、やっぱり立法府の代議士としては適切な法整備をするっていうのが責任の取り方なのかなって。
そうですね。そのために政治倫理審査会ってのがあって、そこで弁明をして、野党も質問するんですね。与野党はやっぱり談合して聞いてんじゃないって、党内だけでやると仲間じゃないのっていうのもあるから。だから野党が質問に立って、しっかり弁明してもらうと。これに加えて、さっきの選挙のプロセスがあって。
ただ私はこないだなんかの番組でも言ったんですけども、個々の議員は確かに、残念ながら落選した人もいるし、戻ってきた人もいると。この人はそういう努力をして、納得してもらった人が多くて帰ってきましたと。だけども、じゃあ党全体として、自民党全体として、もうこれで選挙終わったからというわけにはいかないんじゃない? 確かに。
やっぱりあの問題も終わりましたね、説明も終わりましたねということには、党としてはなっていないのが過半数割れということだと思うんで、これは党としてはまだ終わった話ではないと。こないだの参議院選挙の総括文書にも、反省しなきゃいけないと書いてますから。
これって事実確認した時に、旧安倍派である清和会が、派閥内のルールとして還流する仕組みであったり、不記載の仕組みっていうものをやっていたと。派閥ぐるみであったというのが明らかになったと思うんですけど。そうですね。あれって旧安倍派、清和会っていうところが強調されてたんですけど、他の派閥も似たような状況にあったっていうニュースもありませんでしたっけ?
二階派、それから我が宏池会。二階派は結局裁判に至ったものはありませんでしたし、我々は我々のことなんで、客観的に説明しなきゃいけないと思うんですけども。我々の場合は不記載というのはなかったんですね。そうですね。ただ、誰かがお金を返したのがあって、それをこの帳簿つけてる人が書いてなかったっていうのがあったんで。同時に出たもんですから、我々も随分批判を受けてですね。
説明をして、私、官房長官になってからも、その件は自分に関することですから会見でもお答えして。そして最後は当時の岸田総理が、そういうことが、指を指されることがあったんで、責任の取り方としては派閥を解散しようということで解散を決定。ありましたね。
あれで不思議だったのが、麻生派だけは解散しなかったじゃないですか。そうですね。あれは党内でどういう認識になってるんですか? これはやっぱり派閥っていうのは、大学で言うとサークル。要するに大学公認で体育会みたいのあるじゃないですか。これは大学との関係がきちっと、公認みたいなのなんだけど、学生たちが自由に作っているのがサークルと。ちょっと例えがあんまり良くないですけど。
歴史紐解くとあれですよね。もともとは総裁選のための集団だったんじゃないんですか。そうですね。これはそもそも昔、麻生総理から聞いたことあるんですけども、昔は全員がどっかに入ってるっていう意味が全くなくって、いろんなグループが、大きいのが5個、ちっちゃいのが10個ぐらいあって、全部足しても全体の半分ぐらいだったと。
この人やっぱりいいよねと。この人いつか総理総裁にって思う人が集まったグループだったんですね。これがやっぱり中選挙区で、どんどん、じゃあ次この人の後誰立てるかっていうのから、総裁選もあるしということで、だんだん膨らんできて、一時はどこにも入ってない人がほとんどいない状況が、中選挙区ですね。
田中角栄さんが元気な頃に100人以上になったことあるんじゃないですか。竹下登さんとか。そうすると、ここが行くんならうちもやっぱり負けずにやんなきゃってなってと言われてますけど、私まだあの頃、中学とか高校なんで、本で読んだ知識ですけどね。
その後小選挙区になって、やっぱり党で公認も決めるし、人事も決まるしというんで、だんだんまた派閥の人が増えてきて、今結構多いですよね。そういう、だからずっと歴史は辿ってきてるってこと。
派閥と族議員と、こういう力が小泉内閣以降、またちょっと力関係が変わってきたりしましたもんね。小泉さんの時は、もう閣僚全部自分でね。今までは派閥から、こういう人がうちにはいるから、ぜひ一緒にやらせてくれみたいなのでやってたわけですよ。それが小泉さんになって「自民党ぶっ壊す」。したらこんな感じで。だからあの時は閣僚を昔風に一本釣り。ほとんどみんなそういう感じになったっていうのは、ものすごい新鮮な。
選挙区制度の変わり方と、小泉内閣以降の族議員とか閣僚の決め方の慣例の変化みたいなのもあって、派閥っていうものの役割自体が小さくなったのは分かったと思うんですよ。ただその上で、今回の不記載問題とかは結構派閥ぐるみで、そういうお金、政治資金パーティーを取りまとめていたっていうところがあった上での批判があってからの解体じゃないですか。そうですね。
にもかかわらずの麻生派の残存っていうのが、どういうふうに自民党内で受け止められていたんだろうと。要するに解党的出直しという時に、ちょっとそこが気になるんですよね。そうですね。
あの時決めたのは、派閥がパーティーをやると、これやめましょう。これはみんな決まりました。従ってその後、派閥を残すかどうかは、さっき言った性格なんで、これを決める法律もルールも何にもないんですね。自主的に集まってんで。勉強会やろうよって講師呼んで、若手が10人ぐらい集まりましたと。これもダメかっていうのがあって、じゃあ何人以上だったらダメかとかね。もう定義の問題にもなっちゃうかもしれないですけど。
とにかく今、不記載の問題で安倍派があれだけ指摘を受けたと。これパーティーだったんですね。だからパーティー、派閥でやらないと。これはもう決定して、麻生派もやってないと思います。
じゃあ今、パーティーをやらないから派閥は残してもという考え方を、麻生さんはなさったんだなという。判断されたと。それ以外の派閥ももう全部。今のお話の流れで言うと、政治資金パーティー自体はこれからまたやっていこうとしてるわけですよね。禁止より公開って流れだとすると。個人のね。派閥のはもうできませんから。なるほど。もうこれ禁止です。
派閥ではなく個人のっていうのが、また、穿った見方をすると、また抜け道感と言いますか。というのは今まで個人はずっとやってるんですよ、もう昔から。
この政治資金パーティーの正当性っていうのが、言ってみたら政党交付金が細川さんの時にできた時のロジックからすると、どうしても企業・団体献金、これがやっぱり政策に介入してしまう可能性が否定できないから、国民一律でサブスクのように取ろうという形で用意されたルールだったと思うんですよ。
交付金ね。政党助成金及び交付金っていうものが、この時に企業・団体献金をやめることと、政党交付金を配ることがセットみたいな議論があったという人もいらっしゃるんですけども、これはその場にいた伊吹さんっていう、議長までやった人が、そんなことはありませんでしたと証言をされて。別の議論なんですか、これって。そうだったんですね。はい。
それはやっぱり我々は自由経済、資本主義ということで、八幡製鉄事件だったかな。企業も一定の範囲で、この国の制度がどうなるか。例えば共産主義になって、全ての企業はもう国有化と、そういう国もありますよね。そういうふうにならないように、自由主義経済を応援するみたいな権利はあるんだろうっていうのがこの判決で。
それに基づいてやるということは当時も議論があって、一方でこの政党交付金はそうでない政党もいますから、一律に公平に各政党に、そういうことをやりましょうと。私がその場にいたわけではないですけど、まだ議員でないですから。そこは別の議論だったというふうに証言はあるということですね。
だとすると、両方併存していても、ルーツ上何か矛盾をきたしてるわけではないっていうのが公式の見解なんですね。ただ、やっぱりこれはきちっと公開をするということで、公開基準も決めながらですね。なるほど。あれが平成元年ですかね。元年ぐらいのことで、今の仕組みになった時から続いてきていると。
アメリカに私ちょっとインターンやってた時も、ファンドレイジングパーティーってのがあって、お茶会みたいなことをやって、かご置いといて、そこに小切手なんですよね、向こうは。小切手。小切手書いて、あんたいいわねっつって、触れ合ってみたいなのをやってるんで。ああいうイメージもその時は議論にあったってことは聞いたことありますけど。
なるほど。その透明化の流れが進んでいる、進んでいくべきなんだって話の中で、先ほどのトータルの量であったりとか、そこら辺の国民の目ってのは厳しくなってきていますよね。もうこれはやっぱり公開、さっき言ったように、納得のいく公開の仕方っていうのを徹底的にやらなきゃいけませんね。
秘書さんがつく、つかないも含めても、その自由経費が非課税で4000万円程度あり、お給料が2000万円程度出てるっていうこの実態が、もし適切な金額だとしたらどれぐらいイメージされます? 今の国民感覚で言うと、政治家さん1人当たりこれぐらいの経費と報酬だったらいいんじゃないかっていう。
5人ぐらいの小規模事業で、どれぐらいの売上でやってるかと。どうでしょうね。5人で1人500万円だとして、2500万円とか、もう人件費かかりますよね。なるほど。オフィス、それから電話代とか。そうすると。
これ、私のお話で、その5人で電話代、事務所代って話とかが、必ず政治家さんなさるんですけど、そのDXって、そもそも人件費が圧倒的に安くなる改善じゃないですか。お手紙出したりとか、ポスター貼ったりとか、紙の手続きをしたりとか、秘書さんがどうのこうのっていうものを、そこそのものを変化させるっていう方向性もあるんですか?
そうですね。やっぱり地元の皆さんと、例えば会合があって誰かが行きますと。そうするとうちは誰か行く代わりに、紙でやりますとか、オンラインでタブレットそこ置いといてください、行きますと。こういうのが全部できるようになればですね。
ただやっぱり人と人が会って、触れ合って、この人いいじゃないと。例えば本人が行く場合、特にそうですけども、やっぱりデジタルだけでは済まないもの。握手してね。この人やってくれそうだなっていうのは、なかなか紙に書いたもの、デジタルの情報だけでは、そこまで行くのかなってのは、私はちょっと自信がないですね。
私の中で、政治家さんがもうお祭りに出たり、いろんな人とのフェイストゥフェイスのコミュニケーションを重ねてって票を頂いてるっていうのも、すごい理解できる上で、上でですよ。そこがすごい強いからこそ、いわゆる地上戦と言われる。地上戦ね。地上戦、空中戦、最近言われるじゃないですか。
地上戦が非常にお強い方が今いらっしゃるからこそ、空中戦ないしDXないしAIの活用っていうものが、今民間ではコストダウンして、スモールビジネスでコスト圧倒的に下げて、人件費下げてやってる。最近で言うとチームみらいとか、圧倒的に新しい方法で有権者にPRする。こういうやり方と、方向性と、おっしゃっていただいてる秘書は減らせないと、紙はなくせないっていう話が、ちょっと相性が悪そうに聞こえるんですよね。
そうですね。やっぱりこれはもう時代の変化とともに、そういう方向に。結局はもう有権者の皆様がそれでよければ、そっちの方向に行けばいいし、まだやっぱり来てもらいたいなっていう人がいると思うんですよね。だからそういう人に、もううちはデジタルしかありませんと言っていいのかなっていうのは残りますけど。
なるほど。フェイストゥフェイスを残した上で秘書を減らすとかも、バランス取ってやっていけたらいいですよね。だから5人って例えばの話で、そういうものを積み上げていって、金額がどれぐらいかなってお尋ねだったんで、それぐらいのオーダーにはなるのかなと。1人の個人としてってよりか、やっぱりチームでやっていますので。
そうすると実質の年収というか、経費含めたのが6000万円ぐらいは妥当? そうですね。4000〜5000万円、6000万円ぐらいは、最低でもね。余地としては4000万円ぐらい、2000万円カットぐらいまでは、なんとかイメージはつくって感じですかね。そうでしょうね。様々だと思います。1年生で通ったばっかりの人と、ずっと当選を重ねてきて、支持者が増えてきてというのとね。
どちらにしても、やはり経費の公開がまず全部あった上で、国民にご判断いただくっていうところから。そうですね。公開ですね。
このDXの話で言うとですよ、全然、喫緊の問題と言いますか、すごくシンプルなところで、この総裁選を私、去年も対談させていただいたり見ていた中で、紙での投票されてるじゃないですか。これね。295人でしたっけ? 295人国会議員がいるんで、党員・党友票295票に換算されるね。
その議員さん295人集まっての紙のあれって、紙じゃなくできないですかね? 参議院は本会議、デジタル投票できるようになってますね。なるほど。それは総裁選において紙で続けてる理由って、なんかあるんですか?
これはやっぱり参議院の場合は、賛成・反対っていうボタンがもうあるので。例えば今回だと議席に、小泉、どういう順番だったかな。小泉、逆からか。小泉、高市、林、茂木、小林ってボタンがあればいいんですけどね。
機械式で考えてらっしゃいます? タブレットとかだったら画面ですぐ出せるのかなって。タブレットでね。そういった形で、紙を1人1人名前呼ばれて入れてくじゃないですか。私も非常に思い入れを持って見てたので、あの1回目見れたんですよ。その後、過半数行かないで決選投票行くじゃないですか。もう一回やります。
もう一回やるじゃないですか。あの時にやっぱりちょっとひっくり返りそうになったんですよ。あまりにもエンタメ性がないというか。紙でね。紙で2回同じ時間、ただ投票してるっていう組織を見て、デジタルトランスフォーメーションに不安がよぎったんですよ。なるほど。
1回目と2回目。そっか。だから2回目が誰が行くかが分かってればってことですかね。単純にイベントとして。イベント。全く同じ絵面の紙投票が。確かにね。1回目はいいって感じですか?
1回目はその儀式としてどうしても残したいみたいなので言うと、結構お笑いでもM-1グランプリ、トップバッターまで、1回目のネタと2回目のネタみたいな、いろいろ見れたりするんですけど、アレンジがなくシンプル紙投票が続くというのが。なるほど。ちょっと考えたことなかったですね、そこは。
だけど2回目と1回目違って、2回目できるなら1回目でもやれよみたいな。もちろんそれもありますけど。だけどデジタルで、確かにそう言われてみるとできないことはないかもしれないですけど、普通の国政選挙とか市議会とか県議会とかも、基本的には紙で投票してて。国政選挙なんかをデジタルにするって話は、結構前から議論はされてますよね。
あるんですね。でも不在者投票なんかで、スーパーに行って、その時にパッパッパッとできたらねっていうのが昔からあって、やっぱり今マイナンバーカードだいぶ広がってきたので。あの時に議論になってたのは、本当にその人かっていう本人確認がどうやるのっていうのがあったんで。
マイナンバーカードが普及してくると、マイナンバーカードで認証してもらって本人確認して、例えば画面に、じゃああなたの住所の市会議員の候補ですよって、パンってやるみたいなのは、だいぶ可能になるかもしれませんね。
やっぱり国を引っ張って、これから世界を取るんだって言って、デジタルトランスフォーメーションとAIの刷新をいたしますって言った後に、その人たちが紙で入れてるの見ると、ひっくり返りそうになるんですよ。アメリカもこれなんですよね。ガチャンって。なるほど。だからデジタルの国も、あることはあると思う。
面白いというか、クラシックで権威的でかっこいいとは思うんですけど、ちょっとそういうものから、2回目のネタは面白いのかなっていう。これも単純に視聴者の一意見です。
ここからですね、今、政治とお金の話かなり深く聞かせていただきましたし、透明化についてかなり議論も進んでいるということで、ちょっとほっとさせていただきました。視聴者の方も溜飲下がったと思うんですけども。
こっから物価高対策。これもすごい聞かれてると思うんですけど、言ったら給付金ベースで石破政権の流れを引き継ぎながら、長期的にはユニバーサルクレジット、イギリスのやり方ですかね。あれの日本版を構築したいと。そう、そう。その話って結構壮大に聞こえたんですよね。これってどういうイメージなんですか?
そうですね。やっぱり今厳しいんですよって所が随分あって、いろいろ議論した末に、参議院の公約で給付をするというのを公約にしましたんで。この公約いいからもう頑張ってねっていう状況でもなかったし、さっきお話しいただいたように、政治とカネもまだちょっとモヤモヤしてるっていろんなことがあったんで、結果ああいうふうになりましたと。
ただ、一度公約したことなんで、これ全部そのままっていうことは少数与党だから、いかないかもしれないけども。そういう約束したことをやるっていう意味と、もう一つはやっぱりすぐできると。確かに。すぐできるって意味で、やっぱり給付金っていうのは非常に早くて、岸田内閣の時ですね。
やっぱり給付とそれから減税をセットでやるっていうことをやったんですけど、決めてから給付金は暮れまでにスタートできたんですよ、各市町村で。ところが減税は所得税って1年に1回なんで、結局減税くるのは6月なんです。半年かかっちゃって、今からそれ決めても多分同じことが現在起きちゃうんで。そうすると来年の6月とかに物価状況どうなってるかって、わかんないじゃないですか。
なるほど。やっぱり皆さんの声は私もメールでもいただくんですけど、もう今困ってんです、物価高に。だから、ガソリンとかそれから電気代、ガス代もやってますけども、これに加えてこれをやる。給付をやるっていうことは、私はすぐできるって意味ではありかなと思ってます。それからガソリンの暫定税率。これはもう与野党で皆合意してるんで、これも年内なるべく早くって合意してますから、これをやると。これ短期ですね。
ユニバーサルクレジットは、イギリスや他の国でも似たようなことやってるんですけども、例えばお子さんいると児童手当とかですね、住居手当とか、それぞれの仕組みなんですよね。社会的支援がバラバラになってると。そう。それでただですね、やっぱりその時に児童手当だったら子供さん何人いますか、何歳ですかだけで決まるじゃないですか。だけど収入がいくらですか? それから子育てが今みたいに、どれぐらいかかりますか? それから税金はいくらかかってますか? 保険料いくらかかってますか? っていう、家計簿をつける感じで、やっぱり困ってる度っていうか負担感。確かに。大変だと思ってる感がそれぞれ違うと思うんですよ。
なるほど。それぞれの症状にお薬を出すんじゃなく、人間ドックをして全部見てからお薬出す感じですね。いただき、それ。ありがとうございます。いいね、それ。そういうことですよね。人間ドック、まさにね。だけど鼻水止めを出したらこっちには逆になるとかあるから、だからトータルでやるっていうのをやってんですね。
これ素晴らしいなと思う反面、その制度設計ってかなり複雑で高度ですよね。イギリスで15年かかったって言われてんですけど。なるほど。じゃあ超長期プランなんですね。だけど15年かかってもやったってこと、逆に言えばね。一回やってて、これ日本に合わせてやろうと思ってるんで、もう分かってんですよ、何をどうするかって。だからもう15年かかんないと思います。私は、これ今回は3年の任期のうち1年たってやってるんで、2年じゃないですか。この2年で目処がつくぐらいにはしたいと思います。
イギリス15年かけた仕組み作りを日本2年で作れる。イメージより早いですね。コロンブスの卵と一緒で。なるほど。もう1個やり方さえ分かってれば。前例があればいけると。やるっていうね。日本は結構昔から得意で、自動車のもっといいの作ったりとかね。だから、データを1億人全部取るとかいうことをせずに、例えばこういう家がありますねっていくつか類型化して、例えばポイントみたいなのを作るとかね。
非常に短期と長期っていうんで、両面いいなと思った上で、今回参議院で国民からのNOを突きつけられたものは、給付金が良くなかったというよりは、2つの可能性があると思っていて。それは給付金の出し方が少なくて遅いと感じられた。もっと早くて多い給付金なら納得したっていう方向性。もう1個の方向性が一般に受け止められてるように、給付金よりも根本的で恒常的な減税。それが消費減税なり社会保険料の引き下げ、こちらの方に国民の気持ちが強い。このどちらだとお考えですか?
やっぱり両方あるんじゃないですかね。いろんな人がいますんで、みんなが同じ意見だってことはないと思うんですけど、やっぱりメールなんかいただくのは、もう早く。額が多ければ多い方がいいけど、早くしてほしいというのが1つと。それからこのユニバーサルクレジットは、今まさに言っていただいたようにずっとやるんですね、恒常的に。給付はワンショットじゃないですか。だけどユニバーサルクレジットはもう仕組みとして入れるんで。そうすると家計の方は、今の子供が例えば中学高校にいる間、こういう給付があるんだなっていうのが、来年の家計簿、再来年の家計簿まで分かる。そうすると将来の見通しがつきやすくなると。
色々調べたんですけど、欧米、特にヨーロッパの先進国と比べて、うちは、日本はですね、大体住民税をお支払いいただくようなところがやっぱりポコっと上がっちゃってて。というのは、そこより手前は住民税もお支払いがないので。一方保険料って、この45度線っていうか、収入が上がっていくと上がってくから、それ足し上げて全部の負担をグラフにする。ここでポコっと上がっちゃってるんですね、負担が。それでイギリスはやっぱりそこに気がついたと思うんだけど、これをポコっと上がってるところをこういう風に、なだらかに上がってくようにここを埋める形で。不公平感ない形ですね。そこを埋める形でこのユニバーサルクレジットですね。
なるほど。長期のユニバーサルクレジットの効果は確かにと思いつつ、今のお話って短期のお話で言うと、給付金のまず早さと量の問題で言うと、例えばなんですけど、シンガポールで給付金すごく早くて、マイナンバーみたいな形の国民番号と口座が紐付けられていて。例えば建国記念日だとかになると、みんなにお祝い金ということでスマホの銀行アプリにポーンってその日お金入ってる。このスピード感は日本ももしかしたら、これだったら給付金で、例えばやりますよって言ったその次の月とか週にはもうポーンってみんなのスマホの中にしっかり入ってるってなれば、面白いのかななんて思うんですけど。このマイナンバーと銀行ネットワークとスマホなんかをうまく組み合わせたスピーディな給付金って、これからも可能性あります?
パーフェクトヒューマンです。ありがとうございます。ここまでの質問されたことないですよ。本当ですか? 銀行の仕組みまでって。それずっと実はやってて、今ですね、マイナンバーが大体、普及率、5割超えて6、7割。そこで口座を紐付けてくださいって、これは義務付けはできないので、やってくださいねっていうのをやって、今6000万口座ぐらいまで来てるんですね。そうするとそこは割と今みたいに、こういうお金を配ってやるんだけど、そうするとそれ以外の人、これどうしますか? 問題があって。
マイナンバー未登録であったり、そういった銀行アプリとかを使ってない。口座の紐付けを、政府の支払いをみたいなのを作ってくださいってあるじゃないですか。これをやってない人もいらっしゃるので、これをおそらくシンガポールなんかも全員義務付けみたいにして。人口が違いますからね。東京規模ですから。そうなんです。だから、そこを今色々考えて、まさにこの銀行の全銀ネットってのあるんですけど、これのキャパが1日何十万とか何百万件ぐらいの送金のキャパなので、1億人っていうことになると数ヶ月かかってしまうと。
なるほど。その全銀ネットを使ってしても1ヶ月かかるんですか? 結構かかるんです。それイメージとだいぶ違いますね。だからそこをどうするかなと。だから電子決済みたいなの使って。例えばPayPayなんか色々ありますよね。シンガポールにPayNowっていう仕組みがあって、もうかなりスマホで全部支払いとか口座のチェックとかもみんなやってるんですよ。だからそれが全員に一律にあるシステムがあるといいんですよね。
これって結構、いない人もいるからそっちに合わせるとどこまでたっても進まないじゃないですか。だから、ある程度の仕組みを整えて、便利だから使えない人も使ってねって、やっぱり引っ張っていく必要もありますよね。そう。今度の公約作る時にまさにそういう議論もあって、先にこの6000万人に配って、口座作っていただいていたので早かったですねと。残念ながら口座がない方は今まで通り地方自治体でやっていただきますかとかね。そういう検討もしたんですけど、この6000万には国直なんで、今度地方自治体で、例えば山口県、山口市か下関市どっちでもいい。下関市で、自分の下関市民のうち、この6000万人に入ってる人か入ってない人かのデータが下関市にはないと。なるほど。そうすると国のこの6000万人分のデータを全部市町村に分けて、下関市こうですよっていうのをやると、それ以外の人の給付ができるっていう。
だからやっぱり1億超える国で、このシンガポールみたいなことをやるっていうのを今設計してんです。何度もこの議論はしてて、その度になかなか時間がないねっていうことがあってですね。ユニバーサルクレジットだと恒久措置ですから、もう今からずっとやるんで、それに向けて、さっき言ったような年限で作るとすると、その支払い方もちゃんと作れと。ちゃんと作ろうじゃないかっつって、1回作るとずっとそれ使えるんで。そこまで色々実は考えて。
だからそのユニバーサルクレジットに、そういった支払いのスピーディ化とか、そのスマホとか全銀ネットの改善とかも含めての。となると余計に、制度設計はかなり綿密にやる必要ありますよね。だし恒久制度としてやるってことになると、全銀ネット側も、これ毎年やるんだ、じゃあ設備投資しようかなと。こういう風になると思います。
これ、長期と短期の中間であるところの減税。これを国民がかなりと言っていたし、野党もそこをかなり目玉に挙げていたことが特徴な参院選だったと思うんですけど、まさに維新で言うと社会保険料の引き下げ、国民民主が所得税の壁ですよね。他にもれいわとかそういったところが含めて消費税。そうですね。こういった税金が自民党的にはちょっと時間がかかるっていうお話をよく聞いたんですけど、今の話を聞くと、このスピーディな給付金と長期的なユニバーサルクレジットの間にあるものだとしたら、検討可能ではあるじゃないですか、タイミング的な問題だけを言うと。それで言うとそのビジョンの中に入りうるのは、社会保険料、所得税、消費税だとどれですか?
そうですね。私は社会保険料の議論は維新さんともうずっとやってて。そうなんですね、もうすでに。もう半年ぐらいやってんのかな。まさに社会保険料減らすってことは、保険の中の支出の方を、じゃあどこを減らしますかと。保険料と、これ税金も随分入ってんですけど、それで医療を賄ってますと。すると、保険料下げるためにはこっちもね。ここで不安を招かないようにしなくちゃいけないという議論しながら、かなり案を出して議論してるんで、1番近いのはここなのかなと。すでにもう議論する場があって、議論も何往復もやってて、案も出てるということですね。
なるほど。素晴らしいです。それってじゃあ、もし林内閣ができました、となったら、連立枠組みの拡大の選択肢の中に、及び減税の議論の中に、この維新さんとの連携っていうのが。負担軽減のね、維新さんとはもうすでにやってるので。あるんですね。
それから所得税は、所得税払い始めるのが340万〜350万ですよね。だから本当に厳しいのって、それよりも少し収入が低い層。低所得、中所得と私はユニバーサルクレジットで言ってるんですけども。だから、それが1つあるのと、それからもうやり方によるんですけど、つまり所得税に、所得が高い人にも効いちゃうみたいなところがあるんで、所得税よりは、お金がもういくらでもあるんならやってもいいと思いますよ。だけど一方でお金が、財源論が厳しい。こういう中で金利も出てきた中で、やっぱり本当に困ってる人に絞るという意味では、所得税はちょっとあれかなって。
それ今回の総裁選でも、まさにそれって小林さんが所得税減税って言って、これ中間層を元気にしたいっておっしゃってるけれども、今ご指摘にあったように、いわゆる困窮層であったりとか低所得層。低中ですね。この辺りは言ったら、ちょっと恩恵が少ない、ないし、ないっていう可能性がありますよね。そうですね。だからさっきのグラフで言うと、生活保護があって、それから住民税支払い出すぐらいがあって、それから所得税があって、ここがポコっと上がってるんで、やっぱり所得税、国の方の所得税は、払い出すところが割と右にあるんですね。
だとしたら、これ小林さんが主張してるものよりも、所得税のアプローチよりも社会保険料の方がっていうお話ですね。これもう1個の選択肢としての消費税があるじゃないですか。最も逆進性が高いと言われてる消費税へのアプローチって、やっぱり難しいんですか?
これはですね、消費税の議論を、自民党が野党になって、民主党が与党の時に、自民党と民主党、公明党の与野党で、この議論をしようと。逆進性って言われてますけど、消費税ね、軽減策として2つありますと。1つは軽減税率です。これは主にその時に公明党さんがおっしゃってた。分野ごとにとね。だから例えば今みたいに食品とかね、低い税率にします。これが1つです。プランBが給付付き税額控除。これが当時の民主党さんがおっしゃってて、今の立憲さんもおっしゃってますが、これはさっき言ったように、お金配るところの、さっきの議論もありですね、少し時間がかかるんで、これで行きましょうっつって軽減税率が入ったんですね、消費税の負担軽減対策として。
そういう歴史があるので、石破総理と野田党首の間でこないだお話をされて、この給付付き税額控除についても、マイナンバーもこれもここまで普及してるし、あの時とまた状況が変わってきたということもありですね、もう1度議論しましょうっつって、これは議論の場をもう立ち上げました。なるほど。従ってこっちも走り出すということなんで、私は消費税はここで給付付きの税額控除をやるということ。それから税と社会保障の一体議論っていうのをやっていて、消費税は社会保障に使います。さっき言ったように保険料プラス国のお金がもう半分ぐらい入ってるんで、ここのお金がないとどっか切られるぞっていう不安がこっちにはあるわけですね。だからこの議論はやっぱりセットで。だから保険料と似たとこがあるんです。確かに。
この軽減税率の話であるとか、給付付きであるとかっていう時に、税について何が理想かみたいな、色んなところで調べると、税はこうあるべきの大前提で言うと、公平・中立・簡素。公平・中立・簡素ですね。今度はパーフェクトヒューマンね。さすが、ありがとうございます。勉強させていただきます。この公平・中立・簡素で言うと、この軽減税率とか給付金付きっていうのは、その簡素ではない方向性にいつも聞こえているんですよ。
だから本当色々軽減やるとかね、いうことになるとだんだん仕組みが複雑になって時間もかかってなんで。これと給付付き税額控除と軽減税率、あの時と比べてこっちの方がシンプルだしと。比較で言うとシンプル。比較で言うとシンプルだけど、ものすごい大変だったですよね、最初ね。線引きをするのに、外食でそこで食べたら、持って帰ったらね。コンビニのイートイン問題ですよね。そう。じゃあみんな取り締まりに行きますかと、国税Gメンがマクドナルド全件みたいなね。そういう話があったわけですよね。
だから1番シンプルなのは、もう1つしかありませんと。消費税は1個で何%ですよね。これが簡素なんですね。だからそれでじゃあ公平かと。本当に所得が低い人でも同じ税率かかるしということで、じゃあ所得が高い人がお米10倍食うかと、所得が10倍だったら。食わないですよね。同じ量食うのに所得が10倍の人は、安いじゃないかみたいな。消費税の税額は一緒だけど、払ってる税額と所得を比べると。これ何でもそうなんです。いわゆる逆進性の話。そう、そう。
消費税がいかに難しいか、公平・中立・簡素がいかに難しいかの話をお聞きした上で、先ほど出てきた財源論あるじゃないですか。この財源論ってすごく難しいなと思うのが、その財源はあるっていう方とないっていう方が真っ向からぶつかってるのが、今回の参院選でも行われたと思うんですけど、今おっしゃってる林さんの言葉から察するに、財源は非常にシビアに見なければいけないと思ってらっしゃる。
そうですね。特にアベノミクスの時にマイナス金利で金融緩和をしてましたと。今やっとデフレから脱却っていうか、押し出されるように。状態に、ロシアがウクライナ侵略して石油が上がってっていうんで、ちょっとまさに押し出されるようになってますと。そうすると金利がプラスになってきたんですね。金利のある世界ですね。ある世界になって、そうすると同じ例えば借金をしても、金利が0の時と金利がある時で借金が膨らんでいく、もしくはそのスピードが高くなってる。国債の利払い問題ですね。それがある時に前と同じように、そんな借金しても利払い増えないからねっていう時代でなくなってきてて、それはマーケットの人もみんな知ってますから。あんまり緩いことやってるとアタックされちゃうんですね。
トラスショックみたいになっちゃう。すごいね。さすが。イギリスでね。これ打ち合わせしてないですもんね。ないです。すごいよね、本当淀みなく。まさにね、あれはトラスさんって私の外務大臣のお相手だったんですよ。すごいチャーミングな人だしシャープな人だしね、もう外交についてズバズバ、こっちもおっとなるぐらいね。だけど一緒にTPPを、イギリスもTPP入るんだっていう話もして、経済の面白い話もして、なんですけども、こうなっちゃうのって。確かに外務大臣だから、あんまり金利がある世界とか財政がどうしたとかいう話はしたことなかったけど、ちょっとびっくりしましたからね。
あれはかなり国民の後押しを受けて、かつ積極財政を求める声が高い中で言いましたと。自国通貨建ての国債であるから大丈夫だという信念のもとに大幅減税をやった。財源の発表なく言った。その結果、株価、国債価格、もう大暴落。そうですね。したことで即時に退陣。2ヶ月持たなかったですからね。あれはイギリス固有のことというよりは、日本もかなり参考にしなければいけないことと捉えてるんですか。
イギリスの場合はEU離脱したし、通貨もEUの使ってるユーロじゃなくて。ずっとポンドですよね。だから日本も実は円なんで一緒なんですよ。ただ自民党の中にも、自国通貨建てであればもっと国債を積極的に発行する余地があるっておっしゃってる方もいませんか? MMTというですね、モダン・マネタリー・セオリー、現代通貨理論っていうのをアメリカでも、少数ですけど言ってる人がいらっしゃって、日本でもそれ大丈夫じゃないかと。
そういったMMTないし、MMTに類似するような感覚で、国債の発行余地はまだまだある、ないし、その利払いに関しては恐れるほどではないという論調をもとに、積極的に国債を刷って減税をしないのは、財務省がそれを恣意的に防いでるからっていう議論ありますよね。それってどう思います?
私はこれ実験するわけにいかないんで。実験してみて、トラスみたいになって、1番困るのは我々、我々っていうか政府じゃなくて、国民の皆さんなんですね。だからやっぱり博打を打つっていう感覚があるんですね。博打ってちょっと言葉悪いですけど、リスクをどこまで取れるのかっていうのはやっぱり、金利がマイナスの時ならともかく、金利がプラスになってイギリスと同じような状況にあるわけですね、金利があるっていう。
これ金利に関してもやはり今の為替状況であるとかも含めると、さらに少しずつ上げてく未来が予想されるわけですよね。そうですね。そうなると余計に国債に対しては慎重にならざるを得ない。やっぱり姿勢が大事で、財政をきちっとするという気持ちがあるんだと。なるほど。気持ちはあるけれども、例えば能登で大地震がありましたっていう時に、これが大事だから何も復旧復興してない、こんなことじゃいけないんで、これはやっぱり必要な経費ですよねということ。パンデミック起こった時に大型の補正をやっていろんなことをすると、これも必要ですよねと。
ということはやはりマーケットへの姿勢とか信認、ここが重要だとすると、国債は長期にわたってはやはり減らしていくし、依存しない体制を作らなければいけないっていうのを見せ続ける必要がありますよね。まさにおっしゃる通りで、まずは単年度で、プライマリーバランスって言ってますけども、これは会社で言うと経常黒字になんとかすると。こうしないとお金返せないんで。これはもうすぐ達成までやっと来ましたんで、その次の目標はGDP比に占める債務残高の割合と、今世界一のところを圧縮していく。だからこれは分母が、経済が成長すると、少し増えてもいいということにはなる。
この林さんのようなお考えって、自民党の中で何%の方が思ってます? どうですかね。結構多いんじゃないですかね。この最近の参院選であるとかを見ていると、野党において比較的強気に国債を発行して減税をしていこうという論調が、かなり票を伸ばしてる現状もあるじゃないですか。そうですね。どのように感じてらっしゃるんですか?
そうですね。やはり必要なところにちゃんとつけるっていうことがあまり理解されずに、とにかくもう財政さえ黒字になりゃいいんだみたいに、ちょっと思われてるところがある。緊縮財政派だ、財務省と結託している、みたいなね。経済の理論を理解してないがゆえに日本を苦しめている。そんな風にネットで叩かれたりすることもありますよね。そうですね。なんとなくザイム真理教みたいな言葉が踊ったりとかね。そういうレッテル貼りでもう、何分の1の、1分とか2分で結論出すみたいな議論だと、なかなか伝わらないところありますけども。
やっぱり私はさっき言ったように、現実にトラスショックのようなこと起こってるし、少し昔を振り返るとドイツですよね。もうハイパーインフレで苦しんだと。途上国の中でもアルゼンチンとかね、もうこんなカゴにお札抱えて、これでもパン買えないのかっていうね。ああいうことにやっぱりなってはいけないなって思いはありますね。それともう1つは、やっぱり借金ですから、結局これ何年か後に返すわけですね。そうするとその時に、今でもちょっとそれの利払い返してますけど、例えば30年後にこれ返すとすると、その時に税金を払ってる人たちのお金を今使っちゃうっていう。これ、昔よくおっしゃってましたけど、そのこともやっぱり思い出さなきゃいけないなと。
今物価高対策として短期の給付金、長期のユニバーサルクレジット、そして中期的には選択肢としては社会保険料の引き下げが考えうると。これは実行委員のね、議論ですね。お話を聞かせていただきましたし、その際も減税に関しては、財源に関しては国債ではなく慎重にいかなければいけない、というようなお話聞けて非常に勉強になったんですけども。
その上で、実質賃金上昇1%目標。ここをちょっとお話しさせていただきたいなと思ってまして、実質賃金上昇っていう言葉が、結構国民の方だと難しいかなと思うんですけど、あれってインフレ率を差し引いたってことですよね。そうですね。だからもっとざっくり言うと、物価高に負けない賃金上昇と。物価高に1%負けない状況がいいよね。2%物価が上がったら給料が3%上がるっていうこと。つまり、日銀が長く理想としてたインフレ率、緩やかな物価上昇ってのは2%だとすると、実質1%というのが、名目で言う3%。給与明細もらった時に、3%上がったと、今ならね、3%上がってるなっていう実感ですよね。
この賃上げについて、私が岸田政権の頃からやはり賃上げが重要だっていうお話が印象的なんですけども、その賃上げをするということに対して、国家が企業にある意味強制力を働かせたり、規制なり義務化したりっていうことは、これできるんですか? これはできるとしたら最低賃金だけですね。ですよね。この最低賃金を上げるっていうことと、そのベースの給料を賃上げするっていうことは全く違うことじゃないですか?
そうですね。ですからこれはもう政府ができることは、成長戦略を、企業をどんどん成長して収益が上がって、上がったお金で賃金を上げると。これを手助けすることが1つと、それからもう1つは、この税制で、人件費ですね、賃上げにたくさん使ったところは法人税をまけるという、さっきの租特なんだけど、こういうことで賃上げをしやすい環境を作ると。こういうことはやってますね。
ごめんなさい。1個目が成長戦略。成長戦略。これは1個、別議論なのかなって、1回分けたいなと思うのが、要するに分配の問題でいくと、企業への強制力を働かせられるとしたら最低賃金。今2個目に出てきたのはあくまでもプラスのインセンティブですよね。もし賃上げしたら税制優遇するよ。ただこの話も先ほどの公平・中立・簡素からすると、どんどん外れていくように聞こえてしまう。租税特別措置法の最初の議論で、やはりどうしてもそれを優遇して優遇して、賃上げっていうのを全企業にやっていくこと自体が、どうしても歪に思ってしまう。
通常の考え方からするとですよ、国家の役割自体が富の再分配にあるとしたら、賃上げを要請しているという国家の姿勢自体が間接的だなと思ってしまうんですよね。本来であれば誰からお金を取って誰に配るかっていう権力を持ってるのが唯一国家でありますから、それを税制度の設計で行うべきであって、賃上げを要請するというルートがちょっと受け入れづらいんですよ。
なるほどね。これは本来ですね、どこまで国がこの役割を果たすべきかってのは、昔から随分議論があって、大きい政府、小さい政府、あるんですけども、本来賃金は労使交渉で決まるというのが基本であることは間違いないね。ただですね、やっぱりこの労使の場を我々が持って、政労使で会談をして、今こういう状況になってますと。労側からこういう状況ですってのを話してもらって、それで我々できることはやりますよと。こういうのはもう安倍政権の時からずっとやってきて、それなりに成果が上がってきてると。
これはおそらく労使で向き合うと、直接交渉モードになりますけども、みんなでやってくって機運を醸成するっていうことと、それから政労使会見やると必ずメディアが入って、こういうことでやってますという、世の中の雰囲気を醸成するっていえば運動論的なものであって、再分配をするっていうのは国家のいわば権力的行為とはちょっと違うのかも。
そうなんですね。私の中でアベノミクスから、言ったら12年ぐらいですから、13年間ぐらいにわたって、その課題がずっとクリアできてないのではないかと思うのが、空気の醸成っていうのがすごく行われていたにもかかわらず、それが十分になされていないのは、やはり私企業が利潤の追求をルール的に許されてるからだと思うんですよ。だとして企業が過去最高内部留保であるというニュースが出てるにもかかわらず、それが賃金に反映していないという事に対して、国家は動かなければいけない状況に今いるのではないかと思うと、シンプルに考えればですよ、法人増税をして消費減税をしてくれれば、言ったら富の再分配は行われるのではないかって思ってしまうんですけども。
これは自民党の税制調査会の中で、ずっと議論を実はしてきてて。そうなんですね。そうなんです。それで法人税を減税をかつて安倍政権でした時にですね、どういう時代の背景があったかというと、法人税をどんどん、シンガポールにしてもいろんな国が下げてきて、そういう国がどんどん経済が大きくなってきている中で、法人税低い国に企業はどんどん行ってしまうというですね、法人税の引き下げ競争みたいなのが起こっているんではないかと。そういうことがあって、今とちょっと状況違いますけどもですね。それで日本も国際競争力を維持するためには法人税を下げていくと。これ民主党政権から変わった直後ぐらいの議論ですね。これで下げてきましたと。
ところがですね、じゃあその後、去年、一昨年、2〜3年前の税制、税調議論やって、毎年大綱ってのを文書でまとめるんですけども、その大綱にやっぱりこれはうまくいかなかったって書いてあるんです、実は。法人減税をしてシンガポールのように企業の本社を誘致する。そういったことで税収を上げるという作戦は、日本に関してはうまくいかなかったという分析が。そうです。法人税下げたら、誘致をする以外に、行かないとかね、誘致するとか以外にも、これで活性化して、経済成長し、設備投資や賃金が増えるということでやったわけですが、そういう風にはならなかったというのは。
いつの報告にあったんですか? 大綱は3年ぐらい前だったかな。3年前。つまり2022年、3年ぐらいに書いた段階で、それはいわゆるアベノミクスへの反省というか、1個の結論ですよね。アベノミクスは3本の矢で金融、財政、成長戦略なんで、その法人税下げるのが、定義としてアベノミクスはちょっと分かりませんが、とにかく法人税下げたことは所期の効果があまり出なかったっていうのを明記してるんです。
なるほど。それが分かった上で現在の状況というのが、企業最高内部留保、国民の生活困窮というこのミスマッチ。これを要するに再分配で国家が振り分けるためにも、給付金というやり方はあると思うんですけれども、ここから取ってここから増やすということによって、再分配という理屈にならないですか?
そうですね。社会保障の財源っていうのが消費税にあるんで、こことここ、直で繋げるってのはなかなか難しいかもしれませんが、法人税うまくいかなかったと。そうすると法人税を改革をして、今中田さんが言った、まさに内部留保が積み上がってますと。この中でも特にですね、海外に投資を使ったとかこういうのもあるんですが。輸出大企業系ですよね。そうですね。それを除いた現金ってのもあるんですけども、これもずっと増えている。この内部留保の使ったお金の中には自社株買いっていうですね、自分の株を自分で買って、そうすると株の数が少なくなるんで、1株あたりの株価が上がると。これも色々、自由とはいえですね、それよりは設備投資するなり、賃金上げるなり使ってもらいたいねと。こういう議論はもう中で随分やってきたんで。
言ったら今のお話を聞くと、根本的な経済成長につながるというよりは、いわゆる今までの日本の大きい企業の経営者が、株の濃さを濃くしたり、いろんなやり方をして、一部が裕福になったという状態ですよね。昔は株価が上がると、結構みんな良かったねって言ったじゃないですか。褒めてましたよね。今4万円も超えて4万5000円にも行く勢いですけども、割とみんな喜んでる感じないですよね。ないです。やっぱりちょっとそこが離れちゃって。乖離してますよね。完全に日本企業の内部留保であるとか、大企業の業績と国民生活が乖離している。
これはまさにアベノミクスの時にやってきたことの結果なのではないかと思ってるんですけども、そこの因果関係を少しリバランスするっていう方向に。ありだと思います、私は。税調でもそういう文言書いてあるので。その時にどういうアプローチになるんですかね? 法人増税ではないんですかね? 法人税率を引き上げて、例えば研究開発をやった人だけ税を少しあれするとか、使う人ね、ちゃんと将来。賃金上げたらっていうのも、全体が上がってここが下がると、より効き目出てきますよね。そういう方向っていうのは、もう色々議論は出てるんですね。
やはり現実も認識していた上で、リバランスの方向に向けての議論も進んでると。もう常に政策はやってみて、よかれと思ってやるじゃないですか。なるほど。だけどその通り行かなかったら、やっぱり方向転換をして、今の情勢にも合わせて。当時みたいに、この世の中が、ウクライナの戦争もないし、自由貿易でどんどん色んなとこに出てって、最も安いとこでやるという時代とちょっと変わってきて。確かに。
今、経済安全保障っていうことで、例えばあれはオーストラリアがコロナの時に、武漢で起きてるでしょって言ったら、中国政府がですね、そんなこと言うならお前のワイン買わないっていうね、こういうことがあった。それから我が国も、あれ何の時かちょっと忘れましたけども、外交上の問題があった時に、じゃあもううちのミネラルは出さないとかね。そういうことがもう起こるように。貿易をカードに使われちゃう。そうです。だからそういうことにならないために、経済安全保障っていうので守ってきましょうっていう。時代は少しずつ変わってると。でもその頃なかったんですよ、経済安全保障の言葉。確かに、時代は変わってきてる。変わってきてる。時代に合ったことやんなきゃね。
アベノミクスにおいてのどういった総括をされてるのかで、法人減税が実はあまり効果がなかったっていう話を、初めて自民党さんから聞いた気がするんです。今度持ってきますよ、紙を。紙じゃなくて、なんかデジタルがいい。すいません。これは1本取られた。
とはいえですよ。でもそういったメッセージを、私としては勝手に発信されてないようなイメージがあって、アベノミクスはあくまでうまくいってたけど、財務省が増税したから成長ができなかったんだっていう議論に終始していて、本当に反省してリバランスできてるんだろうかと。今のままで言うと、大企業を優遇して国民生活を困窮させるような為替体制を作ったっていう風に見て取れちゃうからこそ、トータルで経済も、あと政治とカネの問題も信頼感がないなという風に見えてしまっていたところがあったんですけど、実際そういう風にお話があるのであれば、またちょっと状況は変わってくるかもしれないですね。そうですね。
今日は、どの辺を肝にして発信したらいいのかっていうの、すごくちょっと学びがありました。本当ですか? ありがとうございます。やっぱりパーフェクトヒューマンに教えてもらって。もうよっぽどですから、芳正さんの経歴に比べたらですよ。踊れないもん、あんなに。踊れるはずです。隠れて踊ってるはず。無理ですね。絶対無理。
すごいたくさんお話聞かせていただきました。ありがとうございます。まだまだ聞きたいこともあったんですけども、もうたっぷりお話聞かせていただきましたので、もしよかったらまた総理になった後にでも。そうですね。お会いしてお話。なってきます。聞いてもよろしいですか? はい。わかりました。いいとも! ありがとうございます。
というわけで、本日のゲストは林芳正さんでした。ありがとうございました。
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