研究データで選ぶはちみつ5種:推しの「ジャラハニー」が5位になった理由

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概要

腸内環境の研究に取り組む下川先生が、はちみつが腸内環境にどう関わるのかを説明し、5種類のはちみつをランキング形式で紹介した回である。下川先生自身はオーストラリアで出会った「ジャラハニー」を強く推している。それでも今回は「研究データがどれだけあるか」を基準に順位をつけたため、推しのはちみつは5位になった。聞き手の三浦氏との対話で話は進む。

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砂糖と比べたときのはちみつの3つの利点

下川先生は最初に、はちみつが腸内環境にとって良いのかどうかを取り上げた。通常の砂糖と比べると、はちみつには3つの点で優れたところがあるという。

1つ目はオリゴ糖を比較的多く含むことだ。オリゴ糖は乳酸菌やビフィズス菌の餌になる。2つ目は抗菌作用で、悪玉菌を減らす働きが期待できる。3つ目はポリフェノールで、腸管バリアを整える役割がある。ただし2つ目と3つ目について、下川先生は「物によっては」と何度も付け加えた。はちみつなら何でも同じではなく、種類によって差がある。この点が後半のランキングにつながる。

一方で、甘いことに変わりはないという注意もあった。はちみつには果糖やブドウ糖が多く含まれるため、血糖値への影響で言えば「バッと上げる側」だと下川先生は言う。はちみつが良いからといって、おやつの代わりに1瓶まるごと食べるような「くまのプーさん」のような食べ方はやりすぎだという。目安はティースプーン1杯程度だ。論文でも1日10g程度の低い量を扱うものが多いので、甘いものを全部はちみつに置き換えるのはだめだと強調した。量を守るなら、善玉菌にも悪玉菌対策にも腸管バリアにも役立ちうるので「めっちゃ推し」だという立場である。

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ミツバチ1匹が一生で集める量

はちみつの貴重さを示すために、下川先生は三浦氏にクイズを出した。ミツバチ1匹が一生のうちに集めるはちみつの量はどれくらいか。三浦氏は、スーパーで売っている350〜450g程度の瓶で5本分くらいと答えた。

正解は、ティースプーン1杯にも満たない量である。ヨーグルト1杯分にもかけられない。市販の瓶1つを満たすには、およそ1000匹分の一生が必要になるという。下川先生はこれを「命の結晶」と表現した。だからこそ、どんなときにはちみつが効果を発揮しやすいのかを知っておきたい、と次の話題に移った。

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はちみつの効果が報告されている場面

下川先生は、はちみつの効果について研究で示されている例を順に挙げた。

やけど。 1つ目は「食べる」のではなく「塗る」使い方である。キッチンのアルバイト経験があり、やけどを何度かしたという三浦氏に向けて、はちみつを塗るとやけどの治りが早くなると説明した。

口内炎。 首や頭、顔、あごなどの頭頸部にがんができ、放射線治療を受けると口内炎が起きることがある。そのとき、はちみつをなめたり塗ったりすると治りやすくなるという報告があるという。

咳。 はちみつ飴があるように、咳が出始めたときに寝る前にティースプーン1杯なめると、咳が明らかに治まりやすいというエビデンスもあるという。

脂質と血糖。 甘いものなのに意外だが、コレステロールや中性脂肪は下がりやすいという。ただしこの研究で使われた量は1日40gと多く、下川先生は「あんまりお勧めしない」と付け加えた。この研究では、悪玉のLDLコレステロール、総コレステロール、中性脂肪、空腹時血糖がいずれも低下したという。

空腹時血糖とは何かという三浦氏の質問に、下川先生は健康診断を例に説明した。健診で朝食を抜いて来るよう指示されるのは、空腹時の血糖値、つまり「ベース」を知るためだ。何も食べていないのにベースが高ければ、糖尿病の可能性が高い。もう1つの指標は食後の血糖値である。糖尿病や糖尿病予備群の人は食後の血糖値が下がりにくく、食後2時間たっても200前後と高ければ糖尿病が疑われる。はちみつの研究で下がったのは前者のベースラインのほうだという。

脳への影響。 60歳前後の閉経後の女性は、短期記憶が衰えて物忘れがひどくなりやすい。はちみつをなめてもらうと、それが起こりにくくなったという研究があるという。

腸内細菌。 ビフィズス菌にも善玉・悪玉と一概に言えない種類がある。そのうえで下川先生は、この研究ではビフィズス菌の中でも善玉側が増えやすいという結果が出たと紹介した。

こうした点から、適量のはちみつは腸内環境にも健康にも良いとして、どうしても甘いものが食べたくなったときの代わりにすすめている。ただし、ここまでの話は一般的なはちみつについてである。その中にも優秀なものとそうでないものがあるとして、ランキングに移った。

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5位:ジャラハニー(研究が少ないため推しでも5位)

三浦氏は、以前のヨーグルトの動画で下川先生がジャラハニーの話ばかりしていたことに触れ、1位はジャラハニーだと予想していた。ところが最初に発表された5位がジャラハニーだった。

下川先生は「弁明させてほしい」と前置きして、自分の観点では1位にしたいと話した。推す理由はいくつかある。抗酸化力が非常に高い。ポリフェノールが豊富だ。黒蜜のような味でおいしい。さらに、ジャラハニーには抗菌力の等級があり、抗菌力が強いものには「TA30+」といった表示がつく。オーストラリア西部のパースで出会ったとき、抗菌力も抗酸化力も高く、そもそもおいしいということで「最強のやつを見つけた」と感じたという。

それでも5位にしたのは、研究があまり行われていないからだ。理論上は非常に良いはずだが、データのそろった他のはちみつが強すぎて勝ち抜けなかった、というのが下川先生の説明である。

撮影に持ち込んだのは、下川先生がすでに2本目として使っているものだった。価格は52.50オーストラリアドル。三浦氏は高いと受け止めたが、下川先生はこの品質なら50ドルで買えるのは安いくらいだという。後で出てくるブランドはちみつには2万〜3万円するものもあり、それと比べれば手頃だというのが下川先生の評価である。「まだ時代が追いついていない」のが残念なところだという。

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4位:マヌカハニー(知名度とエビデンス)

4位はマヌカハニーである。下川先生は撮影のためだけに購入し、普段はジャラハニーを使っている。

一般的な知名度はマヌカハニーが最も高いだろう、と下川先生は言う。三浦氏も以前コストコで買ったことがあるという。マヌカハニーには「MGO」という抗菌力の指標があり、MGOの数値が高い高価なものは2万〜3万円する。抗菌力の強さが、マヌカハニーの知名度を押し上げた要因だと下川先生は見ている。

そのため、先に挙げた喉のケアにはマヌカハニーが良いだろうという。風邪をひきやすい人や喉を傷めやすい人には向いている。ただし下川先生は、マヌカハニーのMGOとジャラハニーのTA30+は似た指標だと考えている。喉への抗菌作用だけで選ぶなら、それに加えて抗酸化力も高いジャラハニーを選びたいという。それでも世の中で研究が進んでいるのはマヌカハニーなので、泣く泣く4位にした。知名度とエビデンスで選ぶならマヌカハニー、「俺を信じるなら」ジャラハニー、というのが下川先生の言い方である。ジャラハニーの研究が出てきたらすぐに動画にする、とも話した。

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3位:ハニーデュー(甘露蜜)

3位は「めっちゃマニアック」だというハニーデューで、日本語では甘露蜜と書く。

一般的なはちみつは、ミツバチが花の蜜を集めて作る。ハニーデューは花の蜜ではない。アブラムシなどの虫が木の樹液を吸い、糖分を含んだ甘い液を葉や枝に出す。それをミツバチが集めてはちみつにしたものがハニーデューだ。下川先生は「ちょっと気持ち悪い」とも言っている。

この工程を経ることで、通常のはちみつよりオリゴ糖の量が大幅に増える。プレバイオティクスとしての質が大きく上がるので、普通のはちみつより明らかに良いというのが下川先生の説明だ。さらに試験管レベルの情報として、ハニーデューのオリゴ糖は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィなどの酪酸菌を増やすオリゴ糖と種類が似ているという。まだ研究はそこまで進んでいない。それでも下川先生は、ハニーデューは酪酸菌を増やすはちみつなのではないかと予測している。そうした知見が出てくると、推しのはちみつの順位がますます下がってしまう、と冗談まじりに話した。

ハニーデューに研究があってジャラハニーにない理由について、下川先生は地域の違いを挙げた。ハニーデューはヨーロッパで研究されており、ヨーロッパやアメリカは研究が進みやすい。ジャラハニーが「西オーストラリア」ではなく「西ヨーロッパ」の産物だったら、もっと注目されていただろうという。ハニーデューはAmazonや楽天、書店などでも買える。4位や5位と比べると安いことも順位に含めて評価しているという。

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2位:そば蜜(ポリフェノールの量と種類)

2位はそば蜜である。普通のはちみつより明らかにポリフェノールが多く、今回の5種の中でもポリフェノールは最強だという。推しのジャラハニーよりも上であり、下川先生は「悲しい」と漏らした。

今回購入したのは長野県産の非加熱そば蜜160gで、2000円強だったという。そば蜜1つに12種類のポリフェノールと4種類ほどのオリゴ糖が含まれ、腸内環境に良く、ポリフェノールの量も最も多い。三浦氏は、腸内フローラ検査で重視される「多様性」と同じ感覚かと尋ねた。下川先生はそれに同意し、種類が多いことが非常に重要だと答えた。ハニーデューと比べたときの一番の違いも、ポリフェノールの種類の豊富さにあるという。

国産で、長野産のほか北海道産も見かけたという。味は「黒蜜に若干醤油っぽさを掛けた」ような大人の味で、甘いだけではない。甘ったるいものが苦手な下川先生は、そば蜜が大好きになりそうだと話した。

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1位:クローバーハニー(ヨーグルトとの組み合わせ)

1位はクローバーのはちみつである。下川先生自身、成分だけを見れば本当にこれが1位なのか疑問に思っていたという。それでも1位にしたのは、研究が非常に充実しているからだ。

はちみつは単体でなめるより、ヨーグルトにかけて食べる人が多いだろう、と下川先生は考えている。ヨーグルトを食べる目的は、菌をプロバイオティクスとして腸に届けることだ。はちみつによってその効果が高まるなら理想的である。実際に、4種類ほどのはちみつをそれぞれヨーグルトと一緒に食べてもらう臨床試験が行われた。どのはちみつがヨーグルトの菌をより多く腸まで届けられるかを比べたところ、クローバーハニーが最も良い結果を出したという。下川先生によれば、クローバーハニーはビフィズス菌を守り、腸まで届ける働きをする。

三浦氏は、以前のカレーのスパイスの回を思い出した。白米と一緒に食べるスパイスの量が多いほど血糖値の上昇が小さかった、という話である。下川先生も、食べ合わせによる相性の効果という点で同じだと答えた。さらにこの研究では、クローバーハニーを食べた人で善玉(HDL)コレステロールが上がり、悪玉(LDL)コレステロールが下がることも確認されたという。

三浦氏に、ジャラハニーがクローバーハニーに勝っている点はどこかと聞かれると、下川先生は「客観的なデータでは勝っていない」と認めた。理論的には推したいが、データが少なすぎるという。

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選び方の整理と結び

下川先生は、はちみつは種類によって向いている人や食べ方が違うので、目的に合わせて選んでほしいとまとめた。喉が弱い人や風邪をひきやすい人はマヌカハニー、ヨーグルトと一緒に食べるならクローバーハニー、ポリフェノールを多くとりたいならそば蜜という整理である。甘いので敬遠する人もいるだろうが、量にさえ気をつければ生活に積極的に取り入れてほしいという。

そのうえで下川先生は、自分はこれからもジャラハニーを推していくと宣言した。研究が少ないために客観的な順位では5位にとどまるという点は、本人も認める未解決の課題として残った。