トヨタ、いすゞ、ティアフォーに見る自動運転の現在地:インフラ協調、AIトラック、オープンソース戦略
テレ東BIZ ダイジェストこの動画は、テレビ東京の経済番組から自動運転に関する3本の企画をまとめたものである。トヨタが実証都市で進めるインフラ側の安全対策、いすゞ自動車が開発する高速道路向けの「AIトラック」、そして自動運転ソフトウェアのスタートアップであるティアフォーの加藤真平CEOへのインタビューを扱う。3社はそれぞれ異なる立場から、日本の自動運転をどう実用化するかという問いに取り組んでいる。
トヨタ:車の進化だけでは防げない4割の事故
静岡県裾野市でトヨタが進める実証都市「ウーブン・シティ」では、歩行者用信号を取り付けた柱に「スマートポール」と呼ばれる装置が設置されている。スマートポールはセンサーなどを備え、車から見えない死角の状況を認識して車に伝える。
トヨタによると、現在の死亡事故のうち車の進化で防げるのは6割ほどで、残りの4割は死角からの飛び出しによる衝突などであり、インフラ側の対策で防げるという。トヨタは自動運転にインフラの力を組み合わせることで交通事故ゼロを目指すとしている。
番組ではこの後、スタジオでガードレールやスマートポールがトヨタ独自の技術かどうかが質問されている。ただし、収録された字幕はこの質問で途切れており、回答の内容は含まれていない。
世界の動き:CESでのNVIDIAの発表と米国の無人トラック
いすゞの企画は、今年1月に米ラスベガスで開かれた世界最大級のテクノロジー見本市CESの場面から始まる。会場では中国製ロボットの実演なども披露されたが、番組が特に取り上げたのはNVIDIAのジェンスン・フアンCEOによる発表である。周囲の状況を自ら判断して自律走行する自動運転向けAI「アルパマヨ」が紹介され、無人運転の安全性能を飛躍的に高めるものだと説明された。番組は、自動運転の市場規模があと3年でおよそ18兆円に達するという試算も紹介している。
この会場には、いすゞの開発チームも視察に訪れていた。メンバーの一人は、自分たちはAIについては素人であり、全員が手探りで方法を持ち寄り、先端を走る人たちのやっていることをどうすれば自分たちもできるようになるかを模索している状況だと語っている。
番組によれば、先行するアメリカでは昨年春に無人トラックの商用運行が始まり、運転手のいないトラックが荷物を運んで規模を拡大している。一方の日本は、昨年に商用車メーカー4社による共同実験が行われた段階で、国もようやく自動運転の開発を後押しし始めたところだという。
いすゞのAIトラック:高速道路での完全無人運転を目指す
いすゞは大型トラックを使って自動運転の実験を重ねており、目標は高速道路での完全無人運転である。番組では、合流車線から走行車線を走る2台の車の間に合流する場面が映された。トラックは並走する車を先に行かせてから無事に合流した。続いて、前方の障害物に気づいて車線を変更する様子も示された。車が自ら判断を下すことから、いすゞはこれを「AIトラック」と名付けている。
開発の陣頭指揮を執る佐藤浩氏は、人流・物流の社会課題としてドライバー不足や人手不足があり、運転を少しでも自動化することで物流をより効率化できるのではないかと語る。番組は、4年後の2030年に日本で物流危機が起き、ドライバー不足によって輸送力が最大25%不足すると言われていることを紹介した。佐藤氏は、生活のためにも日本という国が生き残るためにも物流の維持・確保は必要であり、「今やらなきゃまずい」という気持ちがあるから急いでいると話している。
開発にあたっていすゞが頼ったのは、アメリカ・シリコンバレーの技術者たちである。映像では「ドライバーレス」「セーフティーファースト」といった言葉が交わされる。一方で、実際の道路は予測困難なことだらけだ。開発現場では、めったに出会わない危険な場面をいかに集めて対応できるようにするかが課題として語られている。目標は来年度中の実用化とされるが、無人運転で安全を守れるのかという問いが番組全体を通じて投げかけられている。
いすゞという会社の歩み
番組はいすゞの企業としての経緯にも触れている。神奈川県の藤沢工場を中心に生産し、小型トラック「エルフ」や大型トラック「ギガ」を主力とする。年間売上は3兆円以上で、従業員は世界21カ国で4万人を超える。
創業は大正5年である。昭和に入ってトラックの国産化に成功し、以来日本の物流を支えてきた。昭和30年代からは乗用車にも本格参入し、人気小型車「ジェミニ」や、イタリア人デザイナーを起用した「ピアッツァ」を発売した。しかし平成に入ると過剰投資から経営危機に陥り、乗用車事業からの撤退を余儀なくされた。番組はここで、いすゞがなぜ令和の今日まで生き残れたのかという問いを示すが、字幕にはその答えまでは収録されていない。
ティアフォー:自動運転に取り組む理由
3本目は、自動運転のノウハウを持つソフトウェア企業ティアフォーの加藤真平CEOへのインタビューである。冒頭の予告では、同社が半導体を試作してその設計を公開することについて、NVIDIAのような巨大企業がいる中でなぜあえて半導体を自ら作りオープンソース化するのか、という質問が示される。NVIDIAとの関係について加藤氏は、ティアフォーの既存のオープンソースベースの技術とNVIDIAのオープンソースベースのAIを組み合わせる、と答え始めている。
自動運転に着目した理由を問われると、加藤氏は、もともと技術に強い関心があり、研究者や大学教員としても活動してきたと説明する。自動運転はロボットやAIの技術を必要とする技術的に挑戦的なテーマである。また、自動車産業は日本の「虎の子」の産業であり、自動運転技術は産業にも貢献できる。さらに交通事故をなくしたり移動を支援したりといった社会課題の解決にも直結する。技術・産業・社会のすべてがそろったテーマはなかなかなく、そこに魅力を感じて始めたという。
オープンソースで「世界連合軍」を組む
ティアフォーの強みについて加藤氏は、同社は自動運転車そのものを開発する会社ではなく、誰もが自動運転車を作れるようにプラットフォームを提供する会社だと説明する。そのプラットフォームを自社ですべて作るのではなく、オープンソースとして世界中の誰もが開発に携われるようにしている点が最大の特徴だという。一社で作れば莫大な費用がかかるが、世界中のソースを取り込むことで、自社の研究開発投資を限定的に抑えられる。
加藤氏によれば、現在は世界の数社が先行して自動運転システムを開発しているが、「世界連合軍」を組めば同じ技術をより早く、手の届くコストで実現できる。高水準な技術をより早く安く作れることがオープンソースの最大のメリットであり、それが先行者に追いつき追い越す方法だと考えている。
ソフトウェアを公開しながらどう収益を得るのかという質問に対しては、収益は実際に自動運転車を作れるようにすることや顧客のサービスを支えることへの対価、つまり製品の販売、サービスの提供、ライセンスから得ていると答えた。オープンソースはあくまで開発の段階で、すべて自社で作るか、公開されているものを使うかの違いにすぎず、ビジネスの面では製品販売とライセンス提供を行っていると説明している。
分野ごとに異なる到達度:「5合目」のたとえ
自動運転のゴールを100とした場合に現在どの段階にいるかという質問に、加藤氏は分野によって時間軸が大きく異なると答え、山の「5合目」にたとえて説明した。
公共交通、工場内の搬送、建設機械、産業機械といった分野は5合目を確実に超えている。できるかどうかではなく、できることはすでに分かっており、どう社会実装を拡大し、どう量産するかという5合目から上の段階にある。閉鎖空間での自動運転はすでに商用化も始まっており、拡大や量産といった現実的な課題をこなしていく段階だという。
一方、ロボットタクシーはちょうどその境目にあり、まだ難しい技術を抱えながらも、どう拡大するかを同時に考えている段階だとする。さらにその先にある、自家用車がどこでも走れるようにすることや、ヒューマノイドのようなものがどこでも歩けるようにすることについては、ようやくこれから5合目に向かうところではないかと加藤氏は見ている。
過剰な投資競争には今は加わらない
加藤氏は、自動運転レベル4は技術的には実現できる段階に来ているが、どのようなコストで、どのような車両で実現するかが問題になると話す。公共交通や工場内搬送といった比較的限定された環境であれば、現実的なコストでレベル4を実現できると考えており、ティアフォーはこの分野ですでに強い位置を占めているため、ここでシェアを伸ばしたいという。
レベル4の領域をタクシー、トラック、自家用車といったより複雑な環境に広げようとすると、コストがかかり、多様な車種の開発も必要になる。この領域は現在、世界各国で巨大な投資競争になっている。加藤氏は、オープンソースのプラットフォームという立場から、少し過剰なこの投資競争に今参加するのではなく、技術を見極めたうえで、オープンソースの価値を最大限発揮できるタイミングで投資するという方針を示した。環境や車種を分析し、先行して逃げ切れる領域と後方から追い上げるべき領域を住み分けて事業を進めるのが同社の戦略だという。
追い上げの時期を問われると、自社の技術水準と自動車メーカー(OEM)の量産計画の両方が整う必要があるとしつつ、遠い未来ではないと答えた。政府が2030年代に自動運転車両1万台を実装するという目標を掲げていることを挙げ、その目標に貢献できる時間軸で追い上げを進めたいと述べている。
IPOの資金はAIと半導体へ
上場(IPO)の目的について加藤氏は、これまでは技術開発を主体に会社を進めてきたが、上場を機に自動車メーカーとともに量産事業へと移行し、自動運転の効果をより広い範囲に、より低コストで届けたいと説明した。そのためにAIをさらに改善し、半導体のような新しい分野に技術開発の焦点を移していく。上場で調達した資金は200億円弱で、主にプラットフォームの中のAIや半導体の開発に充てるのが基本的な考え方だという。
半導体メーカーのルネサスとの協業について問われると、加藤氏は、半導体は今も非常に重要な技術であり、今後もAIや自動運転の市場を支える最重要課題だと答えた。そのうえで、現状では自動運転、特にレベル4を実現しようとすると、ごく限られた半導体でしか実現できない状況にあると指摘している。字幕はこの発言で終わっており、ルネサスとの協業の具体的な内容や、半導体を自ら試作して設計を公開する狙いについての詳しい説明は収録されていない。
静岡県裾野市でトヨタが進める実証都市、ウーブンシティ。歩行者用の信号が取り付けられたこの柱。スマートポールと呼ばれるもので、センサーなどを備えている。
車からは見えない死角部分の情報をスマートポールが認識することで、車に伝えることができるのだ。
トヨタによると、現在の死傷事故のうち、車の進化で防げるのは6割ほど。残りの4割は、死角からの飛び出しによる衝突など、インフラ等の対策で防げるという。自動運転にインフラの力を掛け合わせて、トヨタは交通事故ゼロを目指す。
はい。先ほどお話しされていたガードレールでしたり、今VTRにあったスマートポールは、トヨタ独自の技術なんでしょうか?
今年1月、アメリカのラスベガス。そこに降り立ったのは。
カンフーを披露する中国製ロボット。会場には映画『スター・ウォーズ』の世界を思わせる自装も。ここは最先端のテクノロジーが集まる世界最大級の見本市、CES。中でも人々を驚かせたのが、NVIDIAのフアンCEOによる発表でした。
thinking AI
周囲の状況を自ら判断し、自律走行する自動運転向けのAI、アルパマヨ。このAIは無人運転の安全性と精度を飛躍的に高めるといいます。
暮らしを変える自動運転。その市場規模は、あと3年でおよそ18兆円に達するという試算もあります。
会場には商談に臨む日本人の一行がいました。大手トラックメーカー、いすゞ自動車です。あのいすゞが自動運転の開発に乗り出していたのです。
AIみたいなところは素人なので、もうみんなが手探りでいろいろ方法を持ってきて、本人が寄り集まって、いかにこの天才がやってる人たちのことをできるようになるかっていう、あがいてる。そういう感じ。そう、本当、手探りって感じ。
先を行くアメリカでは、去年春、無人トラックの商用運行がスタート。運転手のいないトラックが荷物を運び、規模を拡大しています。
一方、日本は昨年、商用車メーカー4社による共同実験が行われた段階。国もようやく自動運転の開発を後押しし始めました。遅れを取り戻そうとになっている日本の輸送業界。
いすゞはこの大型トラックで自動運転の実験を重ねています。目指すのは高速道路での完全無人運転。その実力は。
合流車線から走行車線の2台の間を目がけ、合流します。並走する車を先に行かせると、無事合流を果たしました。続いては前方の障害物に気づいて、車線を変更します。
車が自ら判断を下す、名付けてAIトラック。まもなく、あのいすゞが挑む自動運転。陣頭指揮を執る佐藤浩さんには、開発にかける強い思いがありました。
人流、物流の社会課題として、ドライバー不足、運転手不足というものがございます。その分を少しでも自動運転化することによって受け負うことで、物流をより効率よくしていくことはできるんじゃないかと。
4年後の2030年、日本を襲うと予測される物流危機。ドライバー不足によって、輸送力が最大25%足りなくなるといわれています。
我々の生活もそうだし、日本って国がきちっと生き残っていくために、この物流を維持する、確保するっていうのは必要なんだろうと。今やらなきゃまずいぞという気持ちがあるので、急いでると。
物流を救うため走り出したいすゞ。無人で荷物を届ける自動運転の開発を追いました。
社を挙げたAIトラックの開発。頼ったのは、アメリカ・シリコンバレーの頭脳。
ドライバーレス、ドライバーレス。セーフティーファースト、セーフティーファースト。しかし道路は予測困難なことだらけ。
危ない、危ない。たまにしか出会わないシーンをいかに集めて、対応できるようになるか。
無人運転で安全は守れるのか? 目指すのは来年度中の実用化。
とにかくまとめるんだよ。これ競争なんだ。
だんだん危なくなってきて。
いすゞ、自動運転の野望。AIトラックが物流を変える。
いすゞのトラックは神奈川県の藤沢工場を中心に生産。小型のエルフや大型トラックのギガが主力商品。年間売上3兆円以上。従業員は世界21カ国で4万人を超えます。いすゞと聞いて思い起こすのは。
創業は大正5年。昭和に入ってトラックの国産化に成功し、以来、日本の物流を支えてきました。
昭和30年代からは乗用車に本格参入。人気小型車ジェミニや、イタリア人デザイナーを起用したピアッツァを発売。しかし平成に入ると過剰投資から経営危機に。乗用車事業からの撤退を余儀なくされました。
なぜ令和の今日までできたのか。この人たちが大きなヒントを教えてくれました。
自動運転のノウハウを持っているソフト企業であるティアフォーが半導体を試作して、その設計を公開する。NVIDIAのような巨大企業がいる中で、なぜあえて半導体まで作ってオープンソース化するんでしょうか?
NVIDIAとの関係性はどうご覧になっていますか?
ティアフォーの既存のオープンソースベースの技術と、NVIDIAさんのオープンソースベースのAIと、これを組み合わせることで。
はい。ではよろしくお願いします。
はい。加藤さんはそもそもどうして自動運転に着目したんですか?
昔から技術にはすごい関心がありましたし、私自身も研究者、あと大学の教員もやっていたので、自動運転ってすごい技術的にもロボットとかAIの技術が必要ですごいチャレンジングですし、産業的に見ても自動車産業がやっぱり虎の子の産業ですから、自動運転っていう技術は産業にも貢献できますし、最後、やっぱり社会課題の解決っていうところにも直結しますので。
交通事故をなくしたりとか、移動の支援ができたりとか、技術と産業と社会と全部そろったテーマはなかなかないので、自動運転はそういう点ですごい魅力があって始めましたね。
そうですよね。その自動運転の技術の開発が進んでいく中で、改めてティアフォーの強みというのはどういったところになるのでしょうか?
ティアフォーは、自動運転車そのものを開発している会社ではなくて、誰もが自動運転車を作れるようにプラットフォームを提供している会社です。そして、そのプラットフォームの作り方が自社で全部作るのではなくて、オープンソースといって、世界中誰でもこのプラットフォームの開発に携われるようにしているので、本来1社で作るとものすごくたくさんお金がかかりますけど、ティアフォーの場合はもう世界中のソースを使って開発をしているので、自分たちはすごく限定的な研究開発の投資をしながら、オープンソースで取り込んでいけるっていうところが最大の特徴かなと思っています。
オープンソースにすることで、世界中誰でもこの開発に携わることができますから、現在世界で何社か先行して自動運転システムっていうのは開発していますけども、世界連合軍を組めば同じ技術をより早く、より手にできるコストで実現することができますので。オープンソースの最大のメリットは、非常に高水準な技術っていうのをより早く安く作れるということですので、これが結果として先行者に追いついて追い越す方法だと思っています。
ソフトウェアをオープンソースとして公開する一方で、会社の収益、ビジネスモデルみたいなのはどうなっているんでしょうか?
はい。ティアフォーはそのオープンソースを使ってプラットフォームを開発しているんですけども、お客様からお金をいただくときは、本当の自動運転車が作れるですとか、お客様のサービスを支えるですとか、収益はこういった物の販売とかサービスの提供、ライセンスで行っていますので。オープンソースっていうのは、あくまでそれを開発しようとしたときに自社で全部作るか、オープンになっているものを使うかの違いなので、ビジネスという面では我々は物の販売ですとか、ライセンスの提供っていうのを行っています。
そうですね。その実用というのはかなり幅広い定義があると思うんですけれども、自動運転のゴールを100とした場合、今はどの段階にいますか?
分野によってすごく時間軸も異なりますので、例えば公共交通ですとか工場の搬送ですとか、建設機械とか、あと産業機械っていうのは、これはもう5合目は確実に超えていて。もう、できるかどうかではなくて、できるって分かっているので、どう社会実装を拡大するかとか、どう量産するかっていう、もう5合目から上のフェーズになってきているかなと思います。
一方で、まだすごい難しい技術もたくさんありまして、ロボットタクシーがちょうどこの境目ぐらいに。まだまだ難しい技術だけど、でももうこれから拡大していくので、難しいものはあるけど、どう拡大するかを同時に考えていたりして。
さらにその先の、本当に自家用車っていうのをどこでも走れるようにするですとか、もっと言うとヒューマノイドみたいなものがどこでも歩けるようになるっていうのでいうと、ようやくこれから5合目に行くところなんじゃないかなと思います。
もう公共交通とか、閉鎖空間での自動運転っていうのは商用化も始まっていますので、あとはどう拡大、どう量産っていう、もう本当にそういう現実的な課題をこなしていくフェーズにも来ている状況ですね。
そうなんですね。自動運転でいうと、5合目を超えたところにいる。
自動運転レベル4っていうのは技術的に実現できるフェーズには来ているんですけど、それをどういうコスト、どういう車両で実現するかっていう話になってくると、いろんな車両タイプ、外的環境がある中で、我々としては公共交通ですとか、工場内の搬送といった比較的限定された環境であれば、現実的なコストで自動運転レベル4が実現できると思っていますので。ここは当社はすでに強いポジションも持っていますので、ここはしっかりシェアを伸ばしていきたいなというふうに思っています。
さらにその自動運転レベル4の領域を拡大して、例えばタクシーですとかトラックですとか、自家用車っていうより複雑な環境に対応していこうとすると、その分コストもかかりますし、いろんな車種の開発も必要になってきますので、ここが今、世界各国で巨大な投資競争になっていますが、当社としてはやはりオープンソースプラットフォームという立ち位置ですので、この少し過剰な投資競争に今参加するというよりも、技術としてしっかり見極めをして、オープンソースの価値っていうのを最大限発揮できるタイミングになったときに、しっかり投資をしていく。
つまり今、投資競争に入っていくよりも、投資のタイミングをしっかり選んで、現実的なコストで自動運転レベル4の実現っていうのが、タクシーとかトラックとか自家用車でできるようになったときに、しっかり入っていく。環境とか車種を分析して、先行して逃げ切れる領域と後方で追い上げるべきところ、これをすみ分けて事業を進めているのが当社の戦略になります。
後方は何年後ぐらいを見ていらっしゃいますか?
これは我々の技術の水準もありますし、やはり自動車メーカーさん、OEMの量産の計画とも兼ね合いがありますので、その両方が整ったとき。でもこれはそんなに遠い未来っていうよりは、もう2030年代に政府は自動運転車両1万を実装するという目標を掲げていますので、ここにしっかり貢献できるような時間軸で追い上げも進めていきたいと思っています。
では、IPOの目的について教えていただけますか?
はい。今まで技術開発主体に会社を進めてきたんですけども、この上場を境に、今後量産、特に自動車メーカー、OEMの皆さんと一緒に量産事業に持っていくことで、さらにその効果っていうのをより広範囲、より低コストにしていくために、AIをさらに良くしていくですとか、半導体のような新しい分野に自分たちの技術開発の焦点を移していくっていう。そういった量産ですとか、新たなAI、半導体の開発にIPOの資金を充てていきたいなと思っています。
その上場で調達した資金はどのくらいになるんですか?
今回、200億円弱、資金を上場を通していただくことができましたので、主にこのプラットフォームの中のAIですとか、半導体の開発に使っていくっていうのが基本的な考え方ですね。
半導体のお話もお聞きしたいんですけれども、半導体メーカーのルネサスと協業するということですけれども、この点についてはどう捉えていらっしゃいますか?
はい。そうですね。半導体っていうのは、まず今も非常に重要な技術ですけども、これからも特にAIですとか自動運転のマーケットを支える最重要課題で、今は自動運転、特にレベル4を実現しようとすると、本当に限られた半導体でしかそれが実現できない状況です。
記事公開 · 更新
