フェリーで日帰りのエストニア・タリン:ほぼ予備知識なしで歩いた一日

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概要

旅系YouTuberのおさだは、フィンランドのヘルシンキに滞在中、フェリーで隣国エストニアの首都タリンへ日帰りで出かけた。この国を訪れるのは初めてである。以前の配信で次の行き先を発表した際、視聴者から「フィンランドに行くならエストニアにも行った方がいい」という声が多く寄せられた。調べてみると良さそうだったので、行くことにしたという。出発前の知識は「バルト三国の一つ」「電子国家として有名」の2点だけで、本人も「謎の国」と呼んでいた。動画は、ほとんど下調べをしないまま港から旧市街、展望台、市場、カフェ、夕食まで一日を歩き、最後に日帰り旅としての感想を述べる構成である。

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早朝のヘルシンキ、ウエストターミナル2

朝6時に動き出したおさだは、ヘルシンキ中心部から15分ほどのフェリー乗り場「ウエストターミナル2」に着いた。乗るのはタリン行きの7時半の便だ。チケットは事前にネットで往復分を購入し、オンラインチェックインも済ませていた。発行されたQRコードを見せれば乗船できる。

出国の手続きがあると思い込み、1時間半前に急いで来たが、そこまで早く着く必要はなかった。ゲートが開いたのは出発40分前の6時50分である。ターミナルにはトイレや軽食の店もあったが、まだ開いていなかった。

待ち時間に、おさだは調べた入国情報を話している。特別な書類は要らない。90日以内ならビザも不要である。現地の配車アプリはBoltを使う。日本との時差は6時間ほど。通信は、ヨーロッパで使っているeSIMがそのまま使えるだろうという見立てだった。フェリー代は往復38ユーロで、本人の換算で約6,500円、片道なら3,000円ほど。安いと感じたことも、行くと決めた理由の一つに挙げている。荷物を持たない乗客が多く、ヘルシンキから日帰りで行く人が多いのだろうとおさだは推測した。

想像を超える大きさの船

おさだは「ボートの少し大きいもの」くらいを想像していた。実際に港にいたのはTallinkの大型客船で、本人は「豪華客船」と驚いている。ここまで大きな船に乗るのは初めてだという。

船内案内図では、フロアは3階から10階まである。8階にはスターバックスが入ったカフェとロビーがあり、窓際の席にはコンセントも付いていた。乗客は座席指定がないので、海が見える席を取ろうと急いで乗り込んでいた。おさだも窓際の席を見つけ、水のボトルを置いて場所を確保してからコーヒーを買いに行った。ラテは4.7ユーロで、地上より少し高いかもしれないと話している。アイスのアメリカーノを頼もうとしたが、ホットしかなかった。前日も同じことを言われたそうで、「ヨーロッパにはアイスの文化がないのか」と首をかしげていた。

時刻表では7時半発のはずが、7時20分には船が動き出していた。10分前の出航である。やがて店も開き始めた。フィンランドの人気ブランド、マリメッコの商品を扱う店や、スロットのようなゲームのコーナー、化粧品売り場まであり、おさだは船の規模に改めて驚いている。

船内での朝食

9階と10階は飲食のフロアだった。9階にはパブやバー、バーガーキング、サンドイッチなどの軽食売り場が並び、奥にはシェフが料理を作るキッチンもある。サーモンのパンは9ユーロ、約1,700円である。10階にはレストランがあり、犬を連れた客もいた。

おさだは、ミートボールや卵、トマトなどを自分で取るスタイルの店で朝食をとった。料金の仕組みが最初はわからず、重さで決まるのか、食べ放題なのか迷っていた。会計は12(通貨は「ドル」と言っているが、文脈上はユーロとみられる)で、2,000円ほど。船に乗り慣れていないおさだは、ときどき少し揺れる程度で「思ったより揺れない」と話している。乗船時にパスポートの確認がなかったことにも触れていた。

タリン到着、港周辺は開発の真っ最中

ヘルシンキからタリンの港まではぴったり2時間だった。ヨーロッパ域内の移動なので、国内線のような感覚で審査らしいものもなく入国できた。帰りの便もすでに予約してあり、同じ港からヘルシンキへ戻る予定である。

外に出ると快晴だった。訪問日は9月8日で、おさだが確認した予報では最高気温19〜20度、最低17度。日本の秋のような気温で過ごしやすいという。港を出てすぐの場所にはバスやタクシーの乗り場がある。おさだは旧市街までの約1.5km、20分ほどを歩くことにした。

道中では、タリンもヘルシンキと同じくサウナで知られていると紹介している。おさだはフェリーの中でそれを知ったので、今回は準備が間に合わなかった。港の近くでは工事が多く、新しく近代的な建物が次々に建っている。ショッピングモールのようなおしゃれな店も並び、おさだは「もっと古いヨーロッパのようなイメージだった」と、勝手に抱いていた印象とのずれを語った。中心部に近づくにつれて雰囲気が変わり、ヨーロッパらしい街並みになっていく。

旧市街の入り口、ヴィル門から市庁舎へ

旧市街の手前には花屋が並ぶ一角があった。おさだは、プレゼントにひまわりは「なんで?」となりそうで、やはりバラのような赤い花の方が大事にされている感じがする、と独り言のように話している。

旧市街への入り口に選んだのは、港から最も近いヴィル門である。旧市街を囲む門はほかにもあるらしい。門には階段があり、今は入れないものの上から眺められる造りになっている。おさだは、昔はこうした場所で敵の侵入を防いでいたのだろうかと想像していた。門のすぐ脇にはマクドナルドがあり、「敵が侵入してきたらまずマックでお腹を膨らます」と冗談を言っている。

10時ごろの旧市街はまだ開いていない店も多かった。ケバブ店や、豚の置物がある人気店らしい店が並ぶ。フィンランド国旗を掲げた店も何軒かあった。おさだは、ヘルシンキからの旅行客が多いからだろうと推測している。道行く人は半袖・半ズボンや半袖・長ズボンで、外でコーヒーを飲んで一日を始めるのがちょうどいい気候だという。

エストニアの工芸品を扱う店にも立ち寄った。店内は木の良い香りがして、木製のカップやスープ用らしい器、ヘラ、コースターが並んでいた。ブルーベリーやオレンジのジャム、トナカイの製品もあった。おさだは、木がよく採れる国なのか、果物が有名なのかと推測しながら見て回っている。

遠くから見えていた尖った建物は、教会ではなく旧市街の中心に建つタリン市庁舎だった。おさだは最初「タウンホール」と呼び、あとで市庁舎だと言い直している。演奏会の告知が出ており、1階には飲食店も入っていたことから、「万能な市庁舎」と評した。脇のラエコヤ広場は旧市街の中心で、朝から人が多い。まわりには飲食店が並び、写真を撮るのにも良さそうだという。

坂を上がって大聖堂と展望台へ

展望台に向かう途中、おさだはクロワッサンや大きなパンが並ぶパン屋をのぞいている。展望台までの道は石畳の坂や階段が続き、ベビーカーでは通れない道もある。歩くのは大変そうだと話していた。

坂を上ると、アレクサンドル・ネフスキー大聖堂が現れた。人気の大聖堂らしく、おさだは正面まで回り込んで見ている。その向かいには、政府機関が入っているトームペア城があり、ここでも多くの人が写真を撮っていた。さらに聖母マリア教会も観光客でにぎわっていた。おさだはどれも「ノーマークだった」と繰り返している。

展望台は人であふれていた。眼下には、屋根がオレンジ色でそろった旧市街の街並みが広がり、その奥に海が見える。おさだは、あれはバルト海だろうかと話している。印象に残ったのは、旧市街と、フェリーが着いた港側の対比だった。旧市街はオレンジの屋根が続き、港側は都会的な景色になっている。手すりに鳥がとまり、「わざわざ移動してきてくれてありがとう」と話しかけながら撮影していた。

市庁舎1階の店で、スプーンなしのスープ

昼食は市庁舎1階の店でとった。おさだは店名を「3ドラ」と読んでいるが、自信はなさそうだった。スープがおいしいと評判の店である。店内は薄暗く独特の雰囲気で、メニューは4種類ほどしかない。客はみなスープを頼んでいた。

出てきたスープは量が多いうえ、スプーンがなかった。ほかの客も器に直接口をつけて飲んでいる。香りはトマトのミネストローネに近い。味は「めちゃくちゃ美味しい」と言いながらも、具が多いのでスプーンですくいたかったと繰り返していた。飲み進めてようやく、ニンジンや玉ねぎ、肉などの具にたどり着く。最後は底にくっついた具が取れず苦戦していた。

バルティ・ヤーム市場と古着への苦手意識

市庁舎から歩いて10分ほどで、バルティ・ヤーム市場に着いた。1階には果物の売り場があり、イチゴや大きな果物が並ぶ。スープでしょっぱくなった口に、今度は果物の甘さが欲しいという。市場の中には、屋台だけでなくきちんとした店舗が入った屋内モールもある。

2階はフリーマーケットのような衣料品のフロアで、アンティーク調の店や古着のエリアがあった。おさだは、古着は苦手だと話している。誰かが着ていたものを着るのは気が進まない。昔これを着て誰かが亡くなっていたかもしれない、と考えてしまうからだという。女性向けの丈の短い服を見かけると、自分の好きな服装を紹介しようとした。しかし男性が女性の服をあれこれ語るのはよろしくないと言いとどまり、「薄着が好き」とだけ話して締めている。

「エストニア最古のカフェ」でアイスコーヒーとピスタチオケーキ

続いて、エストニア最古とされるカフェを訪れた。店の奥には歴史を感じさせる絵が飾られていたが、満席だったので持ち帰りにした。アイスコーヒーを頼んだつもりが、出てきたのはミルク入りのカフェラテのような飲み物だった。おさだは「この国のアイスコーヒーはこういう感じなのか」と受け止めている。

一緒に頼んだのはピスタチオのケーキである。売れていたから選んだという。上のムースはなめらかで、下の生地はクッキーのような食感だった。上に乗った硬い球体をチョコレートだと予想していたが、映像はそこで切り替わり、正体はわからないまま終わっている。

太っちょマルガレータと聖オラフ教会

旧市街へは、朝とは別の門から入り直した。スール・ランナ門である。脇にはエストニア海洋博物館があり、おさだは門と博物館が一体なのだろうかと推測している。丸みを帯びたこの門には「太っちょマルガレータ」という愛称があると紹介したが、由来については「よく分からない」と正直に話していた。

門のすぐ近くには聖オラフ教会がある。この名前から、おさだは中学か高校のころに『アナと雪の女王』のオラフに似ているといじられた話を始めた。そのため「感慨深い教会」だという。「嬉しくありません」と言いつつ、「顔面をとんがらせれば似ているかもしれない」と自分で認めてもいる。最近スウェーデンでスナフキンに似ていると言われたことにも触れた。人気キャラクターなので光栄ではあるが、嬉しくはないそうだ。

見つからない雑貨屋と、レトロな薬局

その後は、目当てにしていた人気の雑貨屋を探して歩いた。洞窟のような空間に店が並ぶ一角も歩いたが、店は見つからなかった。おさだは「今日はしっかり爆買いして帰ると決めている」と宣言している。雑貨なんてどうせ買わないだろう、という視聴者の声を先回りして打ち消すためで、信用を紡ぐのは大変だが失うのは一瞬だと母が言っていた、と付け加えた。そこで、複数の店が並ぶ建物で買い物をすることにしている。ただし、実際に何を買ったかは動画には映っていない。

市庁舎のある中心部のすぐ脇では、人が次々と入っていく古い建物を見つけた。中は薬局で、薬の匂いがし、レトロな歯磨き粉など体に効きそうな品が並んでいた。隣にはアンティークショップもあった。

夕食はショッピングセンターのビュッフェ

帰りのフェリーの時間があるため、夕食は早めにとった。店はショッピングセンターの上階にある、Lidoというビュッフェ形式の人気店である。何店舗かあるチェーンらしい。おさだは仕組みがわからず、前の客の真似をしてトレーを取った。

店内はピザ、サラダ、じゃがいも、サーモン、ケバブ風のチキン、パンケーキなどのデザートと、コーナーごとに分かれている。ピザは1切れ1.45ユーロで約300円、本人の感覚では「結構安い」。ポテトは店員がよそうコーナーだった。ほんの少しでいいと思っていたが、どんどん盛られて多くなってしまった。スープはミートスープ、ボルシチ、チキンスープ、チーズマッシュルームスープなどがあり、280gで3ユーロ、400gで4ユーロと重さで料金が決まる。昼にスープを飲んでいたが、周りの客がみな頼んでいたので、チーズマッシュルームスープを選んだ。

会計は全部で11ユーロほど。何がいくらだったのかは最後までわからなかったという。店内は2フロアあって広く、水槽も置かれていた。ポテトとチキンは「美味しい」と評している。自分で取ったマッシュルームスープは「普通」だった。

日帰りを終えての評価

食事をしながら、おさだはタリンでの一日を振り返った。今回はヘルシンキからの往復で帰りのフェリーの時間が決まっていたため、遠出やサウナはできなかった。それでも日帰りで十分楽しめる。1泊するのも良さそうだという。

全体の評価は控えめである。「絶対に来た方がいいとまでは言えない」としたうえで、ノーマークの謎の国だったが来てよかった、と締めくくった。動画の中では、港側の近代的な開発地区と、オレンジ屋根の旧市街という二つの顔が最も印象に残った発見として語られている。一方、出発前に挙げていた「電子国家」としての側面については、動画の中で触れられることはなかった。