中間選挙後の米国株をどう見るか:民主党が巻き返した場合の注目銘柄、ネクステラエナジーとアムジェン
テレ東BIZ ダイジェストテレビ東京「アメ株Updateプレミアム」に大和証券の柴田光浩氏が出演し、11月3日に投開票が予定されているアメリカ中間選挙の後の株式市場について解説した。地上波の放送では、民主党が議席を増やした場合に追い風を受けるヘルスケア2銘柄を紹介しており、この配信ではその続きとして、再生可能エネルギー関連のネクステラエナジーと、バイオ医薬品大手のアムジェンを取り上げている。柴田氏の立場は、中間選挙を通過すれば政治の不透明感がひとつ晴れ、株価は業績に沿って動きやすくなるというものだ。
中間選挙後の株価は「悪材料出尽くし」で上がりやすい
聞き手はまず、過去の中間選挙後に株価がどう反応してきたかを尋ねた。柴田氏によれば、過去を振り返ると、選挙結果にかかわらず中間選挙後の株価は上昇しやすい傾向がある。市場は選挙結果そのものより、選挙が控えていること自体を不透明要因と捉えるため、選挙前は株価の上値が重くなる。選挙を通過すると悪材料が出尽くし、株価は業績に沿って動くようになるという説明である。
今回については、株価収益率(PER)がやや低下傾向にあると柴田氏は指摘する。長期金利の上昇もPER低下の一因だとしたうえで、株式市場に過熱感がないとも言えるとの見方を示した。中間選挙が過ぎて政治の不透明感が後退すれば、業績に沿った値動きになりやすいというのが同氏の見立てだ。
ネクステラエナジー:再エネ政策の揺り戻しへの期待
ここから、民主党が下院で多数派になった場合の注目銘柄の解説に移る。1社目のネクステラエナジーについて、柴田氏は世界最大級の再生可能エネルギー発電事業者であり、フロリダを地盤にガス発電や原子力発電も手がけている会社だと紹介した。
再生可能エネルギーに消極的だったトランプ政権からの揺り戻しが期待されるのか、という問いに対し、柴田氏は昨年トランプ大統領が成立させた税制改革法(OBBBA)に触れた。この法律では、風力・太陽光の発電施設は2027年末までに稼働を開始しなければ税額控除を受けられないことになった。ただし今年7月4日までに建設を開始すれば対象になるという条件もあり、ネクステラエナジー自身も、当面の開発案件はカバーできそうだとコメントしていたという(対象となる年は字幕では聞き取れない)。
そのため目先の業績への影響は結局小さいと柴田氏は見る。それでも、中間選挙で民主党が巻き返した場合には「政策リスクの低下」というイメージにつながり、株価にはポジティブに働くだろうと話した。
ドミニオン・エナジーとの統合と配当成長
今後の注目点として柴田氏が挙げたのは、今年5月に発表されたドミニオン・エナジーとの統合である。ドミニオン・エナジーは米東海岸南部、バージニア州やノースカロライナ州を地盤とする電力会社で、統合は2027年の完了を目指している。規模を拡大することで顧客基盤が厚くなり、発電能力の確保にもつながると同氏は見ている。
その背景として、来年以降はデータセンターの増加で電力需給の逼迫が強まると言われている点を挙げた。供給側が優位な事業になっていく可能性があり、それに向けて供給力を高めていると捉えればポジティブな話だろう、という評価である。
加えて、もともと業績の見通しやすいビジネスモデルで配当も安定しており、会社は2028年まで配当を年6%成長させるとしている。柴田氏は、この配当が株価の下支え要因にもなるだろうと述べた。
ネクステラエナジーのリスクと株価の動き
リスクについて柴田氏は2つのシナリオを示した。ひとつは、ここまでの話がトランプ政権の支持率低下で共和党が中間選挙で苦戦するケースを想定したものであり、そうならずに大統領・上院・下院を共和党が押さえる「トリプルレッド」が続いた場合は、いったんネガティブな株価反応になるだろうという点。もうひとつは、民主党が巻き返した場合でも、データセンター建設への反対が想定以上に強まり、電力需要の見通しが低下してしまうケースである。
株価チャートについて柴田氏は、統合を発表した5月以降、株価は軟調になっていると説明した。既存株主の持ち分の希薄化など、統合に伴うリスクが意識されたのではないかとの見方だ。ただし長期的には規模拡大がプラスに働くと考えており、長期目線で見るのがよいとしている。
アムジェン:民主党の保険拡充姿勢が安心材料に
2社目のアムジェンについて柴田氏は、バイオ医薬品を得意とする製薬企業であり、バイオ医薬品の先駆け的存在として赤血球や白血球の増殖薬で成長してきた歴史があると紹介した。現在はM&Aによる買収も活用しながら、がん治療薬や炎症の治療薬に特に力を入れているという。
トランプ政権下と比べてどうかという問いに対し、柴田氏は、地上波の放送でも話したように民主党も共和党も薬価の引き下げには積極的であり、トランプ政権も同様なので、その点は今と大きく変わらないだろうと述べた。違いが出るのは医療制度への姿勢で、トランプ政権が政府の医療費を抑えようとしているのに対し、民主党は医療へのアクセス改善、つまり保険の拡充に前向きだと説明する。治療を受ける患者数という観点では、民主党の巻き返しが安心材料になるというのが柴田氏の見方で、聞き手の「一部の逆風が緩和するイメージか」という確認にも同意した。
主力薬と開発中の薬
その他のポイントとして柴田氏は、複数の主力薬が堅調に推移していることと、期待できそうな開発中の薬を持っていることを挙げ、中期的な売上拡大が見込めるとした。
直近の決算では、高コレステロール治療薬「レパーサ」や骨粗しょう症治療薬「イベニティ」が好調に推移しており、今後も拡大余地がありそうだという。小細胞肺がんの薬も好調だった。また「ユプリズナ」は複数の希少疾患に効く薬で、昨年、筋力が低下する難病向けに承認された。従来の薬より投与回数が少なく利便性が高いため、長期的に伸びていくのではないかと言われていると紹介した。
開発中の薬で柴田氏が注目するのは、話題の肥満症治療薬「マリタイド」である。肥満症治療薬の市場が拡大しているだけでなく、この薬は月1回や四半期に1回といった投与間隔で試験が行われている。既存の治療薬は週1回程度の投与なので、成功すれば利便性が高まり、一定の需要を取れるのではないかと同氏は見ている。
アムジェンのリスク
リスクとしては、肥満症治療薬のような開発中の薬で治験データが思わしくないなど、新薬開発の失敗を挙げた。薬価引き下げのリスクも含め、ひとつの分野や1つの薬に依存している会社は厳しいが、アムジェンはそうした会社ではない点が安心材料だと柴田氏は述べた。続けて「この会社特有の要因」について話し始めたところで、字幕は途切れており、その内容は確認できない。
アメ株Updateプレミアムです。今日のゲストは大和証券の柴田光浩さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
このコンテンツでは個別銘柄についてのコメントなどもしていますが、投資はあくまでご自身の判断と責任のもとでお願いします。そしてまた、モーサテプレミアム会員の皆様からの質問をリアルタイムで受け付けていますので、チャット機能をお使いください。
さて、テーマはこちらです。「中間選挙後を見据える」ですね。
はい。
来月3日にアメリカで中間選挙の投開票が予定されています。地上波では民主党が議席数を増やした際にポジティブな影響が出る銘柄をお伝えしましたが、そもそもこれまでの中間選挙後の株価の反応はどういった形が一般的だったんでしょうか?
はい。過去を振り返りますと、中間選挙の結果に関わらず株価は上昇しやすいという傾向があります。
はい。
選挙結果がどうなるかというよりは、選挙そのものが不透明要素と捉えられて事前に上値が重くなるんですけど、選挙を通過しますとアク抜けをして、業績に沿って株価が動くようになります。
はい。今回に関しても、PERはやや低下傾向にありまして、これは長期金利が上昇しているので、それもPER低下の一因にはなっていると思うんですけれども、株式市場に過熱感がないということも言えるのかなというふうに思います。中間選挙が過ぎて政治の不透明感が一つ後退することで、業績に沿った動きになりやすくなると思います。
ここからは中間選挙後を見据えて、民主党が下院で多数派になった場合の注目銘柄を解説していただきたいと思います。地上波ではヘルスケアの2銘柄について説明していただきましたけれども、こちらではまず再生エネルギー関連銘柄のネクステラ・エナジーから見ていきたいと思います。こちらはどういった企業なんでしょうか?
はい。ネクステラ・エナジーですね。世界最大級の再エネ発電事業者になりまして、フロリダを地盤に、ガス発電とか原子力発電なんかも行っているという会社になります。
これ、再生エネルギー分野に消極的だったこれまでのトランプ政権から、ある種の揺り戻しがあるかもしれないということなんでしょうか?
そうですね。昨年トランプ大統領が成立させましたOBBBAっていう、税制度を大きく改革した法律があるんですけど、ここで風力と太陽光の発電施設というのは、2027年末までに稼働開始しなければ税額控除を受けられないというのがありました。
ただ、今年の7月4日までに開始すれば大丈夫という条件もありましたので、ネクステラ・エナジー自身も、202年までの開発案件をカバーできそうというふうなコメントも出していました。
なので、目先の業績には結局影響は小さいわけなんですけども、中間選挙で民主党が巻き返した場合には政策のリスク低下っていうイメージにつながって、株価にはポジティブになるだろうと思っています。
今後注目すべきポイントはどういったところになりそうですか?
はい。今年の5月に、ドミニオン・エナジーという、アメリカの東海岸の南部、バージニア州とかノースカロライナ州を地盤としている電力会社、ここを統合しています。
はい。
これ、2027年の統合を目指してまして、規模を拡大することで顧客基盤が厚くなると。あとは発電能力の確保にもつながるでしょうというふうに思います。
来年以降、データセンターの増加で電力需給の逼迫が強まると言われていますから、供給側が優位な事業にだんだんなっていく可能性があって、それに向けて供給力を高めているというふうに捉えたら、ポジティブな話なのかなというふうに思っています。
また、そもそも業績が見通しやすいビジネスモデルでもありますから、配当も安定してまして、会社は2028年まで配当を年6%成長させると言っています。ですので、配当が株価の下支え要素にもなるだろうというふうに思っています。
業績の安定性っていうのは魅力ですよね。一方でリスクはいかがでしょうか?
そうですね。現在、トランプ政権の支持率低下で、共和党が中間選挙で苦戦するケースというのを想定して話していますけども、そうならずにトリプルレッドの状況が続いた場合は、一旦ネガティブな株価反応になるかなと思います。
はい。
あとは、民主党が巻き返した場合でも、データセンターの建設反対が想定以上に強まると、電力需要の見通しが低下してしまうみたいなケースも、リスクシナリオかなというふうには思います。
わかりました。では株価を見てみましょう。はい、こちらですね。
そうですね。統合発表は5月なんですけど、それ以降に株価が軟調になってまして、既存株主の持ち分の希薄化などの統合リスクが意識されたんではないかと思います。
ただ、長期視点で見れば、規模の拡大は先ほど申し上げたようにプラスに働くと思いますので、長期目線で見ていただければ良いだろうというふうに考えています。
わかりました。
はい。
では続いての銘柄がこちらです。次がアムジェンですね。どういった銘柄なんでしょうか?
はい。アムジェンですね。バイオ医薬品を得意とする製薬企業になります。バイオ医薬品の先駆け的な企業になりまして、赤血球とか白血球の増殖薬で成長したという歴史があります。
現在はM&Aによる買収なども活用してまして、がん治療薬や炎症の治療薬には特に力を入れている会社となります。
これはトランプ政権の時と比較していかがですか?
そうですね。民主党も共和党も、放送でも話したように薬価の引き下げには積極的になっています。ただ、トランプ政権も薬価の引き下げに積極的ですので、結局はそこはあまり今と変化はないだろうと。
一方で、トランプ政権は政府の医療支出を抑えようとしているのに対して、民主党は医療へのアクセスを改善しようとしている。つまり保険拡充に前向きということで、治療を受ける患者数という点では、やっぱり民主党の巻き返しというのが安心材料にはなるだろうというふうに思っています。
一部の逆風が緩和するというイメージなんですかね。
そうです。
わかりました。ではその他のポイントについてはいかがですか?
そうですね。複数の主力薬品が堅調に推移していることと、あとは期待できそうな開発薬品も保有しているという点が特徴です。これによって、中期的な売上拡大が見込めるだろうと。
例えば直近の決算では、高コレステロール薬のレパーサとか、あとは骨粗しょう症の薬であるイベニティ、この辺りが好調に推移していましたし、あとは拡大余地も今後ありそうです。
他にも、小細胞肺がんの薬も好調でしたし、あとユプリズナっていう複数の希少疾患に効く薬が、昨年、筋力が低下する病気、難病なんですけども、それ向けで承認されて、従来の薬よりもこれが投与が少ないということで、利便性が高いので長期的に伸びていくんではないかというふうにも言われています。
開発中の薬剤では、話題の肥満症治療薬。これでマリタイドという薬を開発中なんですけども、これも注目でして、そもそも肥満症治療薬の市場が拡大しているというだけでなくて、この薬は投与回数が月1回とか四半期に1回という形で試験をしてまして、成功しますと、既存の治療薬は週1回ぐらいの投与なので、それよりも利便性が高まるので、一定の需要は取れるんではないかと思われ
本当に薬品の種類が幅広いんですね。一方でリスクはいかがですか?
そうですね。肥満症治療薬といったような開発の薬で、治験のデータがあまり良くないといったような、新薬開発の失敗はリスクになるかもしれないですね。薬価の引き下げリスクも含めて、やっぱり一つの分野とか一つの薬に頼っていると厳しいんですけど、そういう会社ではないのが安心材料だとは思います。
はい。あとは、この会社特有の要件とし
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