「一生もの」と売られてきたダウンジャケットは家庭で手入れできるのか ― MBが紹介するcado×EFNALのセルフクリーニングキット

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概要

ファッションバイヤー・発信者のMBは、この動画でダウンジャケットの手入れを取り上げている。中心にある問いは、「一生もの」「10年選手」と言われて売られてきたダウンジャケットを、実際に長く着続ける方法があるのかということだ。MBの立場ははっきりしている。これまでのダウンは汚れ落としと嵩(ボリューム)の維持を両立する手入れ方法がなく、「一生もの」とは言えなかった。しかし、衣類ケア用品のEFNAL(イフナル)と家電ブランドcado(カドー)が共同開発したセルフクリーニングキットによって、ようやくその問題が解決したと考えている。

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冒頭の寸劇:5〜6年前に買ったダウンがしぼんでいる

動画は短い寸劇から始まる。冬が近づき、5〜6年前に奮発して買ったモンクレールのダウンジャケットを出してみる。買ったときは「これを買えば一生もの」と言われ、大事に着てきた。ところが、以前ほどのボリュームがなく、汚れも目立つ。ダウンを洗える店を検索すると対応している業者はあるが、料金はかなり高く、洗えばある程度きれいになっても嵩が減ってしまう。家で手入れができて、嵩も元に戻る方法はないのか、という悩みが提示される。

この寸劇は、後半でMBが展開する業界批判をそのまま先取りしている。高価なダウンを長く着るつもりで買っても、汚れと嵩の減少という2つの問題に手立てがない、という構図である。

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紹介の立場:自社商品ではなく、どこで買ってもよい

MBは最初に、紹介する商品が自社のものではないと説明する。開発したのは、衣類の洗浄スプレーや除菌・消臭スプレーを展開するEFNALと、cadoの共同開発チームで、MBの話では10月15日に発売される。EFNALのスプレーはMBのオンラインショップでも扱っている。

MBは自社サイトでもこのキットを買えるようにしたが、自分のところで買う必要はないと何度も繰り返す。全国のセレクトショップでも取り扱われ、ビームスやバーニーズなどでも扱うと思われ、EFNALの公式ルートもあるかもしれないので、同じ価格で好きな場所から買えばよいという。自社サイトに載せたのは、紹介するにあたってリンク先があった方が視聴者に分かりやすいからにすぎない。cadoからもEFNALからも報酬は受け取っておらず、この動画で利益を上げるつもりもないと強調している。紹介の理由は、話を聞いてあまりに画期的だと感じたからだと述べる。

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「一生もの」と言いながら手入れの方法を示さない売り方

MBは以前から、ダウンジャケットの売り方は「ギリギリ違法なんじゃないか」と思っていると話す。多くの店が「一生もの」「10年使える」「1着買えばずっと着られる」と勧める一方で、手入れの方法をまったく案内していないからだ。これはダウンを販売するすべてのブランドが聞くべき話だという。

MBによれば、ダウンジャケットは大手が大量に売っている商品である。ダウンを詰める機械や製造できる工場には限りがあり、特に国産ダウンの生産背景は大手に押さえられていて、小規模ブランドは新規参入が難しい。小規模ブランドなら細かな手入れの話までたどり着くかもしれないが、ハイブランドや大規模ブランドでは「売って売りっぱなし」のケースが多いのではないかとMBは見ている。

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なぜダウンのクリーニングは難しいのか

「ダウンのクリーニング専門店がある」という反論を想定して、MBは失敗例がかなり多いと説明する。クリーニングに出せば全部きれいになって戻ってくると思われがちだが、実際には成功例も失敗例もある。MBの見立てでは、ダウンのクリーニングはまだ方式が確立していない。手作業で丁寧に汚れを落とせばできるかもしれないが、機械を使って量産体制で処理するのは難しい。

その結果起きるのが、汚れは落ちたが嵩が減るという事態だ。MBは、ダウンジャケットの印象で最も重要なのは嵩だと考えている。ボリュームがあるから格好よく見えるのであって、ぺちゃんこになったダウンは古着のように、長年着込んでだらしなくなった印象になる。ジャケットやリネンのパンツを洗う場合と比べて、ダウンは失敗例が非常に多いとMBは言う。そもそもダウンのクリーニングを断る店も多く、引き受ける店は料金が高いところが圧倒的に多い。

つまり「一生使える」と言いながら、具体的にどう手入れすればいいのかという問いに明確な答えがない。この店に出せば確実にきれいになり、費用はこのくらいで収まる、と言える選択肢もない。MBはこの点をブランド側がどれだけ認識して売っているのかが問題だと指摘する。

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イタリアの工房で言われた「なぜ日本人はダウンばかり着るのか」

この問題を考えるきっかけとして、MBはイタリアでムートンを作ったときの経験を語る。商社を通さず現地の工房と直接やり取りした際、職人たちから「なぜ日本人はダウンばかり着るのか」「ムートンを着ればいいじゃないか」と言われたという。ダウンが悪いわけではないが、ダウンしか着ないのは変だ、というのが彼らの意見だった。ムートンは革なので洗わなくても味が出続け、一生使えるものとしてはっきりしている。それに対して、ダウンは一生は使えないよね、と言われ、MBはその通りだと感じたという。

ただし、日本でムートンが選ばれにくいのには価格の事情があるとMBは説明する。イタリアの質の高いムートンは現地で作られているので、現地では日本より手頃に買える。それでも20万円ほどはする。これを日本に持ってくると、革の関税が高く、輸送や代理店を挟むため、ちゃんとしたムートンは50万円ほどになる。そのため日本では中国製ムートンやフェイクムートンに頼らざるを得ず、「ムートンはそれほど機能的ではない、重いし蒸れる」という印象を持つ人が多いという。

イタリアでは冬のヘビーアウターにコート、ダウン、ムートンといった選択肢があり、選べる幅が広いのでおしゃれがしやすい。一方の日本には昔からダウン信仰のようなものがあり、「プレミアムダウンを一生に一度買いましょう」という流れが代理店の力で広まった。ムートンは高価なので候補から外れ、コートは寒いときもあるので、機能的にはダウンが一番だということになる。その結果、一生ものではないのに一生ものとして売られ、しかも手入れの方法は示されていない。MBはこれを「業界の闇」と表現している。

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EFNALのスプレーとcadoの布団乾燥機

この状況に疑問を持ち、働きかけてきたのがEFNALだとMBは紹介する。2〜3年前にEFNALが作ったのが、ダウンジャケットを家で洗浄・除菌できるスプレーだ。MBの説明では、ダウンを放っておくと皮脂などが付いて変色の原因になる。しかし洗うには費用が非常にかかり、失敗することも多い。そこで家で汚れを落とせるスプレーが開発された。

MBはこれだけでもかなりの発明だと評価する。ただし、スプレーは布に含ませて拭き取り、汚れを落とすだけなので、嵩が減る問題には対応できていなかった。ダウンの嵩は着ているうちに少しずつ減り、畳んで保管すればなおさら減る。普通に置いておくだけでも減りやすく、クリーニングに出せば大きく減る。MBは、嵩の減ったモンクレールが格好いいかと言えばそうではないと述べ、家でできて費用もそれほどかからない手入れが求められていたと説明する。

もう一方の構成品がcadoの布団乾燥機だ。MBはこの乾燥機を以前から使っていて、YouTubeでも勧めたことがあるという。キットに含まれるのは、そのまま普通の布団乾燥機である。布団にノズルを差し込んでボタンを押すだけで、ダニ除去と乾燥ができ、湿気も取れる。

MBが特に評価するのは、都市の住環境に合っている点だ。ダニを除去するには天日干しが基本だが、東京で一人暮らしをしている人に布団を干す場所はあるのか、とMBは問いかける。広い家に住む家族ならともかく、都市部に住む人の多くはマンション暮らしで、庭もなく、外に干すしかない。東京は排気ガスも多い。布団クリーニングに出すのも高く、手間がかかる。そうした問題を、布団に差し込んでコンセントを挿し、ボタンを押すだけで解決できるのがこの乾燥機だとMBは言い、デザインも格好いいと付け加える。

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専用ガーメントケースで何ができるのか

MBが「ここからが面白い」と言うのが、セットに付属する専用のガーメントケースだ。ケースには布団乾燥機のノズルを差し込む穴がある。ダウンジャケットをケースに吊るして入れ、乾燥機をセットしてボタンを押すと、MBの説明では消臭ができ、温風によってダウンの嵩が戻るという。

MBはこれで、ダウンジャケットの手入れにおけるこれまでの欠点がすべて解決できると考えている。スプレーで表面の汚れを拭き取り、除菌・消臭をする。布団乾燥機をケースに取り付けて温風を送り、嵩を元に戻す。さらに乾燥機は普段は布団乾燥機として使えるので、1台で2つの用途を持つ。MBはこれを「マジ発明」と呼び、これでダウンジャケットは本当に一生ものになったと話す。

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価格と使い方:年1回、準備は30分以内

価格についてMBは、このセットは安いものではなく、4万円台中盤くらいだと説明する。それでも、布団乾燥機として使えるうえ、ダウンの嵩の回復や除菌・洗浄にも使え、ガーメントケースも付くことを考えれば、悪い値段ではない、むしろ安いと思うと述べる。クリーニングに一生出さなくてよくなり、嵩の問題も解決するので、ダウンジャケットを革製品と同じようにずっと使い続けられる、というのがMBの評価だ。

使い方の説明書もあるが、言うまでもないほど簡単だという。表面の汚れをスプレーで落とし、専用ガーメントケースに吊るし、布団乾燥機をセットして電源を入れるだけである。乾燥にかかる時間は別として、セットするまでなら30分あれば十分で、30分もいらないだろうとMBは言う。これを年に1回するだけで、新品同様のダウンジャケットを長く着続けられるというのがMBの見方である。

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プレミアムダウンブームから10〜20年後の現在

MBは、日本でのプレミアムダウンの歴史にも触れる。モンクレールは、日本に入ってきた当初は代理店が「モンクレー」と呼んでいた。タトラスもまだなかった頃で、モンクレーやデュベティカが2005年頃に日本で一気に広まり、プレミアムダウンの流れが生まれた。「ダウンジャケットを一生に1枚買いましょう」という広告代理店の流れに乗って、MB自身も含め多くの人がダウンを買い続けた。カナダグースやタトラスも同様である。

それから10年、20年が経ち、化けの皮が剥がれてきたとMBは言う。嵩が減った、汚れている、変色しているがどうすればいいのか、という状態になっているのが最近の状況で、結局一生ものではなかったと分かってきた。このタイミングでこうした手入れの手段が出てきたことを、MBは「神」だと評している。

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販売員への呼びかけと、「布団乾燥機」としての買い方

MBはダウンを売る販売員に対して、「ダウンジャケットは一生ものです」と軽々しく言ってはいけないと呼びかける。それは優良誤認にあたるという。そのうえで、これからは「ダウンのケアは実は自宅でもできる」と説明し、MBが紹介している動画を見てもらえばいいと冗談交じりに話す。本来は、ダウンを売る時点で「長く使ってもらうために、少し高いかもしれないがこれも一緒に」と提案すべきだったというのがMBの考えだ。手入れの方法を問われて「専用のクリーニング店がある」と答え、嵩が減ることや失敗の確率については答えられない、という状態が放置されてきたことを、MBは強く批判する。ダウンを「一生もの」「10年選手」として売ってきたブランドは猛省すべきだとも述べている。

後半には軽い脱線もある。服好きの夫が、レザーやダウンを買うたびに妻から渋い顔をされているなら、この商品は「布団乾燥機」として買えばいいとMBは勧める。布団乾燥機のパッケージには「ダウン」という文字が一つも書かれていないので、妻のために布団乾燥機を買ってきたと渡し、ガーメントケースとスプレーはついでに買ったと言えば「偽装工作」も完璧だ、という冗談である。家電なので、壊れるまで使える。耐用年数についてはcadoに問い合わせてほしく、修理もできるだろうとMBは付け加えている。

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自社のダウン開発と、MBが「誠実な商売」と考えること

最後にMBは、自社ブランドとの関わりを語る。MBが嫌だと感じていたのは、ダウンの手入れの難しさだった。それが気にかかり、ダウンベストは作れても、ダウンジャケットはなかなか作れずにいたという。このキットがあれば問題が解決するので、ダウンの企画開発がようやく先に進められると、正直ほっとしていると述べる。

MBは改めて、ダウンジャケットは正直に真っ当な商売をするなら「一生もの」とは言えないものだったと振り返る。レザーは汚れや傷、しわが味になるので一生ものだと思うが、MBの説明では、ダウンジャケットは化学繊維なので味が出るというより劣化していく。3〜4年で着終わる服なら問題ないが、一生ものと言いながら手入れの方法を示さないのは「絵に描いた餅」であり、不誠実だと考えている。高価だから一生使いたいのに、一生使う方法が見つからない、という難しい状況が続いていた。

MBは、本来こうしたものはブランド側が企画しなければならなかったと認めたうえで、EFNALがそれを実現したと述べる。今後は販売員もブランドも、これを前提に堂々とダウンを売れるようになるはずだという。そして、検索すれば多くの店で見つかるので、ビームスなど買い慣れた店で買えばよい、10月15日に一斉発売だと繰り返して締めくくっている。