オルカンやS&P500の投資先を説明できるか:渋澤健会長がインデックス一極集中の危うさを語る
テレ東BIZ ダイジェストテレビ東京の番組「社長、質問があります!」の最終回で、コモンズ投信会長の渋澤健氏がゲストとして出演した。渋澤氏は渋沢栄一の玄孫で、銀行や証券会社を通さずに投資信託を直接販売・運用するコモンズ投信の会長を務める。質問するのは、WBSキャスターの豊島晋作氏、元トレーダーの志田憲太郎氏、個人投資家のちょる子氏、投資歴4年のタレント兒玉遥氏の4人である。
この回の中心テーマは、新NISAで広く買われているオルカン(全世界株式インデックス)やS&P500をどう見るかだ。渋澤氏は、インデックス投資は分かりやすく見えるが、実は中身が見えにくく、資金が一部の大企業に集中する構造が資本市場全体をいびつにしていると指摘した。
「その500社、言えますか?」
話は渋澤氏の逆質問から始まった。新NISAが始まり、オルカンなどのインデックスファンドを買って成績も良いという人が多いと思うが、実際に何に投資しているのか、と出演者に尋ねたのである。
出演者の一人は、内容はあまり調べておらず、S&P500という500社を「プロが選んでくれたんだな」と理解したうえで、無心で積み立てを続けていると答えた。渋澤氏は、ほとんどの人がそうした感覚だろうと応じた。
そのうえで渋澤氏は、S&P500のパフォーマンスのほとんどは、おそらく10社程度によって生み出されていると述べた。500社に投資しているというより、実質的にはその10社に投資しているのとほぼ同じパフォーマンスになっている、という見方である。ではその会社をすべて言えるかと問われた出演者は「全部は言えない」と答え、渋澤氏は「見えないですよね」と返した。
渋澤氏によれば、インデックス投資で投資家に見えているのは数字だけだ。だから、分かりやすく見えて実は分かりにくい投資だという。
時価総額の大きな企業に資金が流れ続ける構造
渋澤氏は、資金がインデックスに流れる傾向は日本だけでなく世界でも起きていると見ている。それ自体は悪いことではないとしたうえで、10年、20年と積み重なると資本市場全体にかなり悪い影響が出てくるはずだと語った。
理由として挙げたのは、時価総額の大きい会社に資金がどんどん流れていく仕組みである。投資家が安心して積み立てているつもりのお金も、実際にはその大部分が10社から20社程度に集中して向かっているという。
具体例として渋澤氏は、最近ある大型企業(字幕では「なんとかX」)が上場した件に触れた。その株は「上がるに決まっている」と言う。インデックスファンドは買わなければならないからだ。価値が高いか安いか、将来性があるかどうかとは関係なく、時価総額の大きい会社がIPOすると、インデックスに組み入れられて機械的に買われる。出演者の一人は、インデックスを成立させるために買うのだと理解し、納得していた。
渋澤氏は改めて、それは悪ではないと断りつつ、結果として今の市場は非常にいびつな状態になっていると述べた。すべてがインデックス投資になってしまうのは危ない、というのが渋澤氏の立場である。
インデックス全盛の時代にもいずれ終わりが来て、また循環していくのかという質問に対しては、自然界とはそういうもので、投資にも自然の世界の側面がある、と答えるにとどめた。
インデックスとアクティブ、どんな比率で持つか
続いて番組は「インデックスかアクティブか」という問いに移った。インデックスファンドしか持っていない人がアクティブファンドも持ってみようと考えたとき、どのくらいの割合が理想的か、という質問である。
字幕は聞き取りが不明瞭だが、渋澤氏は、本当に迷って分からないのであれば半々にするのが一番ではないか、という趣旨で答えたとみられる。あくまで「分からないのであれば」という条件付きの答えである。
渋澤氏は新NISAの積立枠にも触れた。積立枠(字幕では月10万円)をフルに使っているのであれば、成長投資枠を使うなど方法はいろいろあると述べた。そしてほとんどの人は枠をフルに使っているだろうと言い、出演者の一人が迷わず「はい」と答えた場面では、スタジオに笑いが起きた。
ライフステージと「100万円を1000万円にする」難しさ
出演者の一人は、適切なバランスはライフステージによってかなり変わるだろうという考えを示した。若い人なら、多少損をしても今後の給与所得で取り返せる。しかし引退世代になって給与所得がなくなると、損をせずに増やさなければならなくなる。
一方で、番組を見ている人も含め、個人の目的の多くはお金を増やすことだろうとも語った。最初から資産が多い人は別として、100万円を1000万円にする過程が一番難しいというのが、この出演者の見方である。1000万円から1億円、1億円からさらに増やすことはそれほど難しくないが、100万円の段階で全力で張れば資金を失ってしまう。かといってリスク管理を重視すると、相場の流れについていけない。このジレンマをどう考えるかが渋澤氏に投げかけられた。
さらに別の出演者からは、個人投資家が銘柄を選ぶ際の悩みも出た。手がかりはチャートや前日比、あるいは日常生活で「この会社の商品だ」と気づく程度しかなく、銘柄を選ぶ理由を見つけるのが難しい。どこを見るのがおすすめか、という質問である。
この切り抜きは、これらの質問が投げかけられたところで終わっている。渋澤氏の回答は収録されていない。なお冒頭の予告部分では、日本の「論語と算盤」的な資本主義がアメリカの強欲な資本主義に成長スピードで勝てるのかという疑問や、これまで日本を支えてきたモデルが大きく変わり、新しい価値を作れる時代に入っているのではないかという渋澤氏の発言も流れた。ただし、それらの議論の詳細もこの動画には含まれていない。
最近、新NISAも始まって、インデックスでオルカンなんか買ってるよ、成績もいいよって人、多いと思うんですけど。
インデックス投資してますと、何に投資してます?
S&P500っていう500社を、なんとなく無心で積み立てを続けてるって感じです。
そうですね。その会社、何ですかっていうと、全部言えます?
全部は言えないです。ですよね。見えないですよね。
だから僕、インデックス投資っていうのは分かりやすく見えるんですけど、実は分かりにくくて、何に投資してるか全く分かんないんですけど、時価総額が大きい会社にお金がどんどん流れちゃうわけなんですよ。危ないんですよね、全てがインデックス投資になっちゃう。
日本の「論語と算盤」的な資本主義が、アメリカのそういう強欲な資本主義に、成長スピードとかで勝てるのかなっていう疑問を持ってる人もいると思うんですけど。すごい……今までの日本を支えてたモデルが圧倒的に変化する。過去のが否定されて、これからの新しい価値を作れる時代に入ってるんじゃないのかなっていう。
社長、質問があります。
ゲストは渋沢栄一の玄孫、渋澤健。銀行や証券会社を通さずに投資信託を直接販売・運用するコモンズ投信の会長を務める。
それでは早速始めてまいります。お願いします。
渋澤会長に質問をぶつけるのは、ワールドビジネスサテライトキャスターの豊島晋作、元トレーダーの志田憲太郎、個人投資家のちょる子、投資歴4年のタレント、兒玉遥の4人。新NISAで大ブームのオルカンやS&P500。渋澤はこれをどう見る?
最近、新NISAも始まって、インデックスでオルカンなんか買ってるよ、成績もいいよって人、多いと思うんですけど。
インデックス投資してますと、何に投資してます? こっちから質問しちゃった。
インデックスですか?
インデックス、何に投資してます?
私は内容をあんまり調べていなくて、S&P500っていう500社を、なんとなくプロが選んでくれたんだなっていうのだけ理解しながら、無心で積み立てを続けてるって感じです。
そうですね。多分ほとんどの方々はそういう感覚だと思うんですよ。S&P500に投資しても、ほとんどのパフォーマンスが多分10社ぐらいです。だから僕もインデックス投資っていうのは分かりやすく見えるんですけど、実は分かりにくくて、何に投資してるんですか、全く分かんないですから。どちらかっていうと、500社に投資ではなくて、その10社に投資、ほぼ同じパフォーマンスなんですね。
その会社、何ですかっていうと、全部言えます?
全部は言えないです。
ですよね。見えないですよね。だから僕、インデックス投資っていうのは見えてるのが数字だけであって、日本だけじゃなく世界でもそういうインデックスの方に流れてると思うんですよね。だけどそれは別に悪いことじゃないんだけども、10年、20年ぐらいそれが積み重なると、結構悪い影響が全体の資本市場にも起こってると思うんです。
どんなところですか?
時価総額が大きい会社にお金がどんどん流れちゃうわけなんです。だから自分が安心して積み立ててるお金っていうのが、実はほとんどのお金が10社、20社ぐらいにぶっと行ってて。この前、なんとかXが上場したじゃないですか。
はい。
上がるに決まってますよ。だって買わなきゃいけないんだもん、インデックスファンド。だから価値が高いか安いか、これからの将来性、関係なく、時価総額が大きい会社がIPOしたら、ボンと入ってくると買わなきゃいけない。
そうか。インデックスを成立させるためにってことですか。なるほど、なるほど。
もちろんそれは別に悪ではないし、だけど結果的にはすごくいびつになっている状態が今。だからそういう意味では危ないんですよね、全てがインデックス投資になっちゃう。
じゃあ、インデックスの時代はいずれはちょっとまた終わりが来て、また循環していくってことですか?
自然界っていうのはそういうことで、投資っていうのはまさに自然の世界のところの側面もありますので。
ここで究極の命題、インデックスかアクティブか。投資家はどんな選択をしていけばいいのか。
インデックスファンドしか持ってませんっていう人に対して、これからアクティブ投資をやってみようかなと思った時に、どのぐらいの割合が理想的ですかね?
ご自身の判断でいいんじゃないですか? もう本当に迷って分からないんだったら、一番は半々っていうのが一番無難じゃないですか。分からないんであればですよね。例えば、つみたてNISAやってると、今、枠が10万円ありますよね。それでそこにフルに10万円使ってるんであれば、さらに積み立てするには成長枠を使うとか、いろいろありますけど。多分ほとんどの人たちは、フルに使ってらっしゃいます?
はい。
すごい、なんか迷わず「はい」と。意外と肉食だった。
ライフステージで私は結構変わるんだろうなと思ってて、若い人だったらこれから給与所得で取り返せるから多少損してもいいけども、引退世代になると給与所得がなくなってくると、損しないで増やさないといけないってことになるんで。どういうバランスが自分のライフステージに合ってるか。ちょっとちょる子さんにもう聞いた方がいいかもしれないって話になっちゃうんですけど。個人だと、やっぱりこういう番組を見てらっしゃる方も含めて、多分目的はお金を増やすことっていうのはあると思うんですよね。他の面ももちろんあるけど。であれば、個人で最初からお金をいっぱい持ってる人は別だけども、例えば100万円から1000万円にするっていう過程が多分一番難しいと思うんですよね。
100から1000、1000から1億。
そう思います。
1億をもう100万円増やすのはそんなに難しくないけども、100を1000にするのは難しい。その中で全力で張っていくと死んじゃう。だけどリスク管理してると相場の流れについていけない。こういった、このジレンマみたいなのってどうですかね?
個人投資家目線で銘柄を選ぶ時に、どうしてもチャートとか前日比とか、あとは日常の中で「あ、ここの会社の商品」ぐらいしか、日常でその銘柄を選ぶ理由となる部分が難しいなと思うんですけど、どういったところを見るのがおすすめですか?
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