LIDNMとLlifeの26FW秋1stコレクション:Genjiが語る素材・加工・デザインの意図

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概要

LIDNMのGenjiが、LIDNMとLlifeの2026FW「FALL 1st COLLECTION」を1点ずつ紹介した動画である。リリースは8月22日22時と告知された。Genjiによれば、26SSで提案した新しい大人のスタイリングに大きな反響があり、26FWではその方向をさらに進めて、「今着たいシルエット」「着心地のいい素材」「上品なカラーリング」を軸にした「静かな進化」を目指したという。以下では、各アイテムについて語られた素材、加工、デザインの由来、価格の説明を順に整理する。

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ルックのテーマは「架空の音楽家の日常」

秋のルックのテーマは「架空の音楽家の日常」だとGenjiは説明する。都会の喧騒から離れたリラックス感と、洗練された創造性を追う緊張感という、相反する2つの要素を調和させた世界観を表現したという。

Llifeについては、多くの再販リクエストが寄せられていたホーボーバッグを、数は多くないながらリリースに間に合わせて用意できたと述べた。加えて、シューズの新作、ゴールドのブレスレット、Llifeらしいリングも同時に発表すると予告している。

Goat Suede Sports JKT:軽さを優先したスエードのスポーツジャケット

最初に紹介されたのは、Genji自身が着用していたゴートスエードのスポーツジャケットである。26SSで即完したモデルで、今期はカラーパレットの中心になるダークアンバーで出す。ブラウンは少しカジュアルに寄りやすい色なので、チャコール寄りに振ることでブラウンらしさを残しつつ落ち着いたトーンにした、とGenjiは説明する。

素材面で強調されたのは、レザーアウターとは思えない軽い着心地だ。世界的なレザー産地であるトルコ産のスエードを0.75mmの厚みに調整し、空打ちを限界まで入れてかなり柔らかい風合いに仕上げたという。軽くするために裏地をなくし、その代わりに、通常は裏地のあるレザーには施さない加工を裏面に入れて滑りをよくしている。Genjiは、デザインや色だけでなく着心地も購入者に体感してほしいと語った。

デザインソースは1940年代のスポーツジャケットである。Genjiの説明では、当時のスポーツジャケットはカジュアルウェアで、頑丈さが求められていたため、硬さが特徴のホースハイドなどが使われていた。裏地にも防寒のために綿のネル地やコーデュロイが用いられていたという。今回のモデルは、当時のディテールやパターンの構造を取り入れつつ、革はその反対に極限まで柔らかくし、裏地もなくした。80年以上前の服のよさを取り入れながら、今の時代の価値観に合うレザーウェアを作った、というのがGenjiの位置づけである。

スタイリングの例としては、動画内のようにデニムと合わせる方法のほか、白のパンツや銀面(表革)のレザーパンツと合わせたレザー同士の組み合わせも挙げた。サイズはMとSで非常に迷うが、自分の身長・体重ならMを選ぶと話している。

価格は51,700円。Genjiは、世界情勢の影響でさまざまなものが高騰し、レザー自体の価格も大きく上がったため、前回のダークネイビーのモデルから2,000円値上げしたと説明した。本来はもう少し上げなければならない状況だが、2,000円に抑えたという。

Low Twist Cotton 5P Pants:綿で作った白のボトム

続いてGenjiは、今の大人の気分といえば白のボトムだと述べ、白の5ポケットパンツを紹介した。SSで人気だった白ボトムはリネン製だったが、今期はあえて綿を選び、節感を残した白デニム素材にしたという。

素材は縦糸・横糸ともに5番手の太い糸を使い、岡山で織り上げた。Genjiによれば、この番手の糸なら通常は16オンス前後の超ヘビーウェイトデニムになるところを、打ち込み本数をぎりぎりまで減らし、生地の厚みを保ったまま11.5オンスに仕上げた。そのため、はいたときにしっかりした厚みがありながら、ほどよいドレープが出る「不思議な感覚の生地」になり、はき心地も非常にいいと話す。

シルエットは新たに作ったセミワイドで、緩やかなテーパードをかけている。Genjiは、この緩やかなテーパードが前シーズンから提案している大人のスタイリングの要になると語った。ステッチは90年代のLevi'sのアーカイブをイメージし、生地の色からずらしながらも落ち着いたライトグレーを選んだという。価格は16,500円。Genjiは、万能な白のボトムを持っていない人は意外と多いが、一度はくと抜け出せなくなるほど楽しいアイテムだと勧めている。

Linen Shirt:PVA混紡と紡績で作るふくらみのあるリネン

Genjiは、服好きの人たちや自分たちの気分が明らかに「白」に向いているとしたうえで、ようやく解説できると前置きして白のリネンシャツを紹介した。

シルエットは、大きすぎない程度にゆとりを入れた新型である。先ほどの5ポケットもそうだが、定番型のアイテムでも毎シーズン新しいシルエットを作り、微調整を重ねてそのシーズンの理想を追っている、とGenjiは説明する。

LIDNMのシャツの特徴として挙げられたのは、カジュアルシャツでありながら、ドレスシャツに使う細番手のステッチと細かい運針で仕上げている点だ。ステッチ幅もパーツごとのバランスを見ながら1mm単位で変えているという。今回は素材感がカジュアルなので、貝ボタンの中でも白度が最も高く、非常に高価な白のボタンを選んだ。

素材は縦糸・横糸に50番手のリネンとPVAの糸を用いている。GenjiはPVAを、ビニロンの名のとおり水に溶ける繊維だと説明した。織った後の整理工程でPVAを溶かすと生地の中に隙間が生まれ、ふわっとふくらみのある生地に仕上がるという。さらに、リネン糸は紡績の段階で一般的なリネンと製法を変え、リネン特有のハリ感をなくしてシワを入りにくくした。仕上げには滋賀の工場でマーセライズとタンブラー加工を施し、柔らかい風合いにしている。価格は19,800円。

Heritage Slub Denim Pants:11工程の加工による「レプリカではない」デニム

去年のAWに発売し、SSの再販でも即完したセミワイドのヘリテージデニムパンツは、再販の要望が多かったことから、今期のコレクションに合う加工感と新しいシルエットに更新して出すという。シルエットは白デニムと同じ、新しいセミワイドの緩めのテーパードである。

生地はデニムの産地として知られる岡山県井原市で織られたスラブデニムだ。縦糸に7番手を使い、横糸との番手に差をつけることで、加工を入れたときにはき込んだヴィンテージデニム特有の縦落ちが出るようにしたとGenjiは説明する。

加工は今回も、国内有数のデニム産地である福山のデニム加工工場と共同で行った。全11工程におよび、レーザー加工でベースを作り、シェービングや手作業でヴィンテージ感を加え、ストーンバイオ、ブリーチ、ソーピングで生地の奥行きを出す。仕上げにオーバーダイとハンドスプレーでヴィンテージ感を足し、150℃のベーキングで定着させるという。Genjiは、こうした複雑な工程を重ねて霧がかったようなフェード感を入れることで、ヴィンテージのレプリカではない独特の違和感を表現したと語った。

価格は17,600円。Genjiは、LIDNMのデニムは幅広いスタイリングに合い、大人っぽく見せて全体を格上げしてくれるので、より多くの人にはいてほしい1本だと述べている。

Linen Tank Top:新色ヘザーオートを加えて再販

Genjiはジャケットの中にタンクトップを着ていた。真冬には着ないが、夏だけでなく春や秋にもタンクトップを着るという前提で、リネンのタンクトップを再販し、新色も加えて8月22日に出すと紹介した。

新色は白パンツとのスタイリングも考えたヘザーオートで、Genjiはすでにさまざまな撮影で使っており、そのよさを強く推している。素材は40番手のベルギーとフランスのミックスリネンを和歌山で編み立てた天竺である。リネンは水を含むと縮みやすいため、防縮加工を施して水洗いできるようにしたという。

リネンの原料価格が上がり続けていることから、今回は変更を加えたとGenjiは断りを入れた。それでも価格は6,000円を切る5,940円に抑えたという。新色を買い足す人や、同じ色・同じサイズをもう1枚買う人がいてもおかしくないと話し、Genji自身ももう1色買うつもりだと語っている。

Wool Jersey Henley L/S Tee:ウール100%のミニマルなヘンリーネック

SSに発売して人気だったウール100%のヘンリーネック長袖Tシャツは、再販と同時に、AWのカラーパレットに合わせた新色ドリフトウッドを加える。

素材は尾州で編み立てたスーパー100'sクラスの原料を使ったウール天竺で、糸の段階でスケールオフ加工をしているため、手洗いしても風合いが保たれるとGenjiは説明する。スポーツやミリタリーにルーツを持つカジュアルなヘンリーネックから、襟や袖のリブをなくしたミニマルなデザインが特徴で、1枚で着るだけで様になる点をGenjiは評価している。価格は13,200円。

Llife K10 BRACELET:ゴールドチェーンの歴史を背景にしたブレスレット

ここからはLlifeのアイテムである。まずK10ゴールドのネックレスに続くK10ブレスレットが紹介された。

Genjiはゴールドチェーンの歴史から説明を始めた。起源は約4,500年前のメソポタミアにさかのぼり、その後エジプト、ミノア、エトルリア、ギリシャ、ローマへと渡りながら、各時代の職人の手で技術的に発展した。なかでも輪と輪をつなぐ「ループインループ」と呼ばれる基本技法は、数千年前から現代までほとんど姿を変えずに受け継がれてきたという。Llifeはシーズンに流されず長く受け継がれるアイテムをいくつも出していく方針であり、その考えから、歴史的な背景を持つゴールドチェーンを、大人が自然に取り入れられる繊細なブレスレットに仕立てたと語った。

華奢な駒がつながったチェーンは、ネックレスと同様に主張しすぎない細さである。そのため大人のスタイリングに自然な抜けを作れる、とGenjiは説明する。ゴールドはやりすぎになりがちだが、繊細にすると一気に映えるとも述べ、シルバー925などシルバー系のジュエリーは持っていてもゴールドは持っていない人が、さりげなく取り入れられる1本だとしている。

サイズはM(17.5cm)とL(19cm)の2展開で、手首の太さに合わせて選ぶ。ゴールドの相場が大きく上がる中、コストと利益を極限まで抑えたとして、価格は33,000円とされた。

Llife ROCAILLE RING:ロココ様式の「ロカイユ」をリングに

続くロカイユリングは、前回に引き続き英国ヴィンテージジュエリーをテーマにしている。モチーフは18世紀に流行したロココ様式だ。Genjiによれば、ロココ様式はフランスで生まれ、天井装飾や鏡、家具の縁取りに用いられた。その後イギリスに渡り、フランスのものより少し重厚感のあるデザインに変化しながら広がったという。今回はそのムードをリングのデザインに取り入れた。

中心になるのは、ロココ美術を代表する装飾「ロカイユ」である。貝殻や岩を思わせる曲線模様で、ロココ様式を象徴するモチーフだとGenjiは説明する。その曲線的で繊細なラインを配置し、アウトラインは緩やかに波打つ形に仕上げた。素材はシルバー925で、一般的なブランドよりも厚くK10のゴールドメッキを施しているという。価格は24,200円で、数量に限りがあると伝えられた。

Llife LEATHER T-STRAP LOAFER:Llife初のレザーローファー

Llife初のレザーローファーは、王道のコインローファーではなく、Llifeらしい中性的なアレンジを加えたデザインである。取り入れたのは、1920〜30年代に女性の靴で生まれたTストラップのディテールだ。これをローファーに落とし込むことで、クラシカルなローファーに中性的な雰囲気を持たせたとGenjiは説明する。

シルエットはほんのり角をつけたスクエアトゥである。素材について、ローファーは通常、シボの少ないカーフスキンなどきれいな革で作るのが一般的だが、今回はあえて型押しで強いシボを加えた、ベジタブルタンニン仕上げのカウレザーを選んだという。これにより、ローファーでありながら他と被らないデザインにしたとしている。

機能面では、インソールを厚めにして、アウトソールと合わせて4.5cmのさりげない厚底にした。さらに、ストラップ中央の隠れた部分をゴム仕様にして、脱ぎ履きしやすく歩きやすくしたという。価格は26,400円。Genjiは、Llifeのシューズはほとんどが即完し、人気サイズはさらに早くなくなると話している。

Llife COW LEATHER HOBO BAG:再販されるホーボーバッグ

最後は、5月に即完したカウレザーのホーボーバッグの再販である。Genjiによれば、即完の後に受注も行ったが、やむを得ない事情で受注を見送った人が多く、再販のリクエストも多数寄せられていたため、今回再販することにした。

ホーボーバッグのルーツは、19世紀末から20世紀初頭のアメリカで、日雇い労働で生計を立てていた放浪者(ホーボー)が持っていたバッグだとGenjiは説明する。これを現代のライフスタイルに合わせて再構築し、仕切りのないミニマルな構造に内ポケットを付け、両側から長さを調節できる肩紐を採用した。裏地のない一枚仕立てにして、革本来の質感と柔らかさを直接感じられるようにしたという。

革はベジタブルタンニンで鞣したアメリカ産のカウレザーで、耐久性と柔らかさが特徴のトップグレインの原皮を使っている。細かく自然なシボとほどよい光沢が特徴だ。型押しではない天然のシボなので、個体差やシボのムラ感がある点は了承してほしい、とGenjiは添えた。価格は29,700円。

Genjiは、LIDNMとLlifeの26FW FALL 1st COLLECTIONの紹介を以上で締めくくった。動画の後半は、音楽に合わせたルックブック映像になっている。