94年続いた京都・文祥堂書店の最後の日々と、ジュンク堂書店那覇店の試み

YouTubeで開く ↗
概要

書店の減少が続くなか、地域で必要とされる本屋とはどういう店なのか。この映像は、京都で94年続いた「文祥堂書店」が閉店を決めるまでの日々を追い、後半では沖縄のジュンク堂書店那覇店で行われたイベントへと移る。

3分で読めます
0:14

寺町の路地にある、配達だけの本屋

4月の京都では、観光客で賑わう寺町商店街から1本外れた路地に、創業94年の文祥堂書店がある。社長は92歳の藤野隆一さん。そこへバイクでやって来るのが長男の祥一さんで、店は親子2人で切り盛りしてきた。

ただし、文祥堂書店は普通の書店のように店頭で本を売っているわけではない。販売は配達のみである。毎日仕入れるのは雑誌で、1冊ずつ伝票を挟んで箱に詰め、自転車の荷台に載せて配達に出かける。届け先は近所の美容室のような店や個人客で、送料無料で本を届けている。かつては1日に100冊を届けたこともあったという。

2:33

25年来の得意先に閉店を伝える

この日、雑誌を届けた先は25年の付き合いがある近所の美容室だった。いつものように雑誌を渡したあと、祥一さんは「突然ですけども店を閉めることになりまして」と切り出し、5月いっぱいまでは続けるつもりだと伝えた。美容室の側は驚きながら、長い付き合いだったので寂しいと応じ、祥一さんは「本当にお世話になりました」と頭を下げた。

3:29

赤字の20年と閉店の決断

番組によれば、店の売上は書籍のネット通販が普及し始めた20年ほど前から赤字が続いていた。常連客のために配達は続けてきたが、売上回復の目途が立たず、閉店を決めたという。

閉店の理由について、藤野さんは次のように語る。自分なりにここまで一生懸命やってきたが、本屋は世の中の流れから取り残されるであろう業種の一つなのだと強く感じた。だから傷が大きくならないうちに手を引きたいと考えた、という。

4:20

古い写真に残っていた返品の山

親子は店の古い写真を見返した。写真に写る60代の頃の姿について、髪がまだ白くなっていないと言い合い、「懐かしいことばっかり」と振り返る。ある写真には返品の山が写っていて、「もうすでにこの時から多分始まってたんでしょうね」という言葉も出た。店の苦境は、写真に残る時期にはすでに始まっていたのではないか、という振り返りである。

5:19

街の本屋に託す思い

最後に語られたのは、街の本屋という場所への思いだった。街の中に店があり、店員がいて、店に入れば紙の匂いやインクの匂いがする。自分で本を探しながら見つけ、店員と少し話をする。そうした小さなコミュニケーションの場はなくなってほしくないし、なくならないと思う。若い世代がそれを脈々と引き継いでくれると信じている、という言葉で締めくくられた。

番組は、書店の全盛期から衰退までを見つめてきた老舗として、文祥堂書店が94年の歴史に幕を閉じたと伝えている。

6:10

沖縄・ジュンク堂書店那覇店のオールナイトイベント

映像の後半は沖縄に移り、ジュンク堂書店那覇店でオールナイトのイベントを企画したエグゼクティブプロデューサーの森本浩平さんが登場する。イベントのゲストには、森本さんの飲み友達だというガレッジセールのゴリさんが招かれた。ただし、字幕はここで途切れており、イベントの内容や森本さんの考えはこの映像の範囲では語られていない。