「AI半導体様には足を向けて寝られない」 ちょる子さんとkenmoさんが語る2026年末の日経平均予想と前半戦の明暗

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概要

テレビ東京WBSの企画「となりのインベスター」に、2人の個人投資家が出演した。1人は2人の娘を育てながら5億円の資産を運用するママ投資家のちょる子さん。もう1人は会社員時代に300万円から投資を始め、同じく5億円の資産を運用するkenmoさんである。2026年も残り2カ月半となった10月時点で、2人は年末の日経平均株価を予想し、AI半導体株が主導したここまでの相場を振り返った。同じ相場でも2人の結果は大きく分かれ、ちょる子さんは大きな利益を確定させた一方、kenmoさんは「前半戦は本当に苦労した」と語っている。この記事は座談会の前編にあたる。

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2026年の日経平均の推移

番組はまず、ここまでの株価の動きを確認した。日経平均は年初に5万1000円台で始まり、半導体関連株が主導して堅調に推移した。2月には早くも5万8000円台に上昇し、3月は年度末の調整が入ったものの、4月に急反発して一気に6万円台へ乗せた。6月中旬には史上最高値となる7万2000円台を記録した。その後はAI半導体株が調整局面に入ったが、徐々に回復し、再び7万円に迫っている。収録時点の水準はおよそ6万8000円だった。

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ちょる子さんの予想:6万8000円、一度下げてから戻す

ちょる子さんの年末予想は6万8000円で、収録時点とほぼ変わらない。ただし横ばいで推移するという意味ではない。本人のイメージでは、一度下がってから再び上がり、最終的に今と同じ水準に落ち着くという。

ちょる子さんは、現在の相場ではAI半導体株を中心に資金が流入しているとみている。そのうえで、資金調達の度合いや、一部セクターで足元の信用(クレジット)リスクが高まっている点を懸念している。この問題が表面化すれば、一旦売られるリスクがあるという見立てだ。一方で、AI半導体相場全体は好調だと考えており、懸念が落ち着けば再び買いが入るとみる。日経平均の約40%を半導体が占めるため、AI半導体が順調でも値動きには波があるだろうというのが予想の前提になっている。

AI半導体の影響は今後も続くかという問いに、ちょる子さんは「ここが一番のテーマになる」と答えた。根拠として挙げたのは、前日に公表されたIMFの世界経済見通しである。世界全体のGDP見通しは引き上げられ、その最大の要因はAIと半導体だった。一方、日本のGDP見通しは0.7%で据え置かれた。AI半導体は好調でも、金利上昇と原油高が足を引っ張るためだという。ここからちょる子さんは、今後はセクターが二分されると予想する。AI半導体は強気でよいが、金利上昇や原油高の影響を受ける業界は業績面で厳しくなるという見方である。

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kenmoさんの予想:7万3282円、TOPIXの底上げに期待

kenmoさんの予想は7万3282円と、かなり細かい数字だった。kenmoさんは、現在の6万8000円台は日経平均にとって「居心地がいい」位置で、上にも下にも行かずにしばらく推移しているとみる。そのうえで、6月に日経平均がピークをつけてから信用取引の期日である約半年が年末にあたること、年末特有の資金の流れがあることを挙げた。この2点から、年末に一度は7万2000円をトライすると考え、そこを少し超える7万3000円程度をイメージしたという。下2桁の「282円」に根拠はなく、「おぼろげに見えてきた数字」だと本人は話している。

kenmoさんがもう1つ注目するのは、ちょる子さんも触れた二極化の話に関連して、日経平均とTOPIXの動きの違いである。AI半導体主導の日経平均が強い一方で、足元ではTOPIX改革が進んでいる。TOPIXへの新規組み入れ銘柄と除外候補銘柄が発表され、600銘柄以上が除外候補に入った。これまで1600銘柄ほどあったTOPIXの構成銘柄は、1000銘柄を切る見通しだという。kenmoさんは、これにより海外投資家も含めてTOPIXへの買いが入る可能性があるとみる。これまでのような日経平均一極の相場ではなく、日本株全体が底上げされつつ、日経平均が年末にかけて7万3000円を目指す流れになるというのが、kenmoさんの描くシナリオだ。

収録時点から5000円以上の上昇を見込む予想だが、kenmoさんは今の相場のボラティリティの大きさを強調する。5%や8%は簡単に動くため、年末は6万8000円程度かと思っても、1〜2週間で一気に上がってしまう環境だという。逆に下がる可能性もあるのは怖いと認めつつ、年末にかけて右肩上がりであってほしいという願望も込めた予想だと話した。

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「午尻下がり」の格言をどう見るか

2026年は午年で、相場には「午尻下がり」という格言がある。ちょる子さんは少し気にしていたと認めた。ただ、5万1000円で始まった年であることを考えると、そこまでは下がらないと思うという。下がっても10%程度、つまり6万2000円くらいだとすれば、予想レンジは6万2000円から7万3000円の間になる。ちょる子さんはこれを「予想も何もない感じ」と笑った。

kenmoさんは、5年前や10年前なら格言をかなり意識していただろうと話す。10年前はデフレからインフレへ徐々に移行する途中で、デフレマインドがまだ強く、株よりも現金で持つ価値が高い時代だった。今はその逆で、現金の価値がどんどん目減りしており、何らかの資産で持つことに価値があるという。株価は円に対する値付けであり、その円の価値がインフレ下で目減りしている以上、暴落を考えすぎない方がよいというのがkenmoさんの考えだ。

もちろんボラティリティの大きさには注意が必要だとしたうえで、kenmoさんは、相場が大きく動いたときに慌てて売ると二度と買い戻せなくなる、と指摘する。大きく下がって大きく上がる相場を今年は何度も見てきたからだ。そのため、アノマリーは意識しつつも、下がったらきちんと買うという姿勢でいるべきだと話した。自分はもともとネガティブな性格なので、ネガティブ思考になりすぎないよう、アノマリーを意識しすぎないようにしているという。

ただし、気にすべき点として、kenmoさんは11月の米中間選挙を挙げた。その動向次第では、ポジションのリスクオフもありうるという。警戒しながらもポジションはしっかり持っておく、というのが現在のスタンスである。

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ちょる子さん:1月にAI半導体を「フルフル」で買う

ここから話題は、2026年10月までの振り返りに移った。AI半導体株に投資したかという問いに、ちょる子さんは「めちゃくちゃしました」と即答した。1月から2月にかけては、AIと半導体を「フルフル」で買っていたという。

今年最も利益が出た銘柄は、収録前に確認したところ、東京エレクトロン、第一工業製薬、AIメカテック(字幕では「アイメカテック」)、アドバンテスト、古河電工の順だった。いずれも1月に購入し、住友電工やJX金属も買っていたという。

1月に買った理由について、ちょる子さんは衆議院解散を挙げた。もともと今年中に解散があると予想していたところ、高市さんが解散の話をした。解散となれば期待から海外投資家の資金が一気に流入し、先物主導で相場が上がると考えたという。そこでAI半導体関連銘柄を中心に買った。中でも東京エレクトロンは日経平均への寄与度が高い銘柄なので、特に集中して買った。解散の話が出たのは金曜日の夜11時か11時半ごろで、まだ「解散するかもしれない」という程度のニュアンスだったが、ちょる子さんは「これは買わなくてはいけない」と思い、PTS(私設取引システム)で大量に買ったという。

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「ガチャガチャ動かす」売買スタイル

東京エレクトロンを売ったのは、2月の決算後、2月末ごろだったという。ちょる子さんは自らの売買を「ガチャガチャ動かす」と表現する。決算期には、AI半導体関連で最初に決算を発表したディスコが高値をつけたのを見て、AI・半導体セクターはかなり堅調だと判断し、他社の決算もまたいで保有するという動き方をしていた。

東京エレクトロンも、1カ月ちょっとで手放した後に何度も買い直している。イランショックが起きた際には、4月第1週の月曜日に買うと決めており、東京エレクトロン、アドバンテスト、古河電工を買いに行ったという。こうした売り買いを繰り返した結果が今年の大きな利益につながった、とちょる子さんは振り返る。

利益額は、東京エレクトロンだけで5000万円、第一工業製薬で4500万円で、いずれも確定益だという。2銘柄でほぼ1億円になる。買った時点でここまで儲かると思っていたかと聞かれると、「こんなに上がると思わなかった」と答え、特に東京エレクトロンの恩恵が大きかったと話した。冒頭の「AI半導体様にはもう足を向けて寝られない」という言葉は、この振り返りの中で出たものだ。

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kenmoさん:1〜2分で800万円の損失

対照的に、kenmoさんは自らを「ちょる子さんにお金を吸われた側」と表現した。前半戦は本当にきつかったという。

kenmoさんによれば、AI半導体相場はあったものの、ボラティリティが非常に大きかった。年始にキオクシアを買って6月に売っていれば5倍儲かった、と今からなら言える。しかし相場の渦中にいると、1日で5%、10%が平気で動き、米国市場が開いた途端に急落してPTSも急落するなど、夜も眠れない状況だったという。

さらに、著名なインフルエンサーなどが「意識をアップデートしなければいけない」「AI半導体にベットしなければいけない」と発信する流れの中で、焦ったトレードもしてしまった。あるとき、デイトレードで普段は取らない大きなロットのポジションを取り、1〜2分で800万円ほどの損失を出したという。ロットの規模は3億〜4億円ほどで、それが2%動いて損失を確定させられた。

この経験から、kenmoさんはメンタル面でもよくないと判断し、一度相場から距離を置くことにした。AI半導体の動きを見つつ、大きく売り込まれていた情報通信セクターの銘柄に逆張りもした。4〜5月ごろには、やはりAI半導体に入らなければいけないと考え、日経平均が一度5万2000円ほどまで下がった後のリバウンド相場では、キオクシアや古河電工など大きく下がった銘柄で「まあまあついていけた」という。それでも、大きく負けたり大きく勝ったりを繰り返す前半戦は本当に疲れるもので、こうした相場は個人的には嫌だと話した。

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中小型株から資金が抜けていく焦り

なぜ焦ってしまったのかについて、kenmoさんは自分の得意分野との関係で説明した。kenmoさんは中小型株が好きだが、前半は中小型株から資金が抜け、AI半導体を買わなければいけないという雰囲気になっていた。中小型株が上がらずAI半導体だけが上がるならまだしも、「中小型株を売ってAI半導体を買わなければいけない」という空気だったという。

その結果、中長期で保有している中小型株のポジションは、何もしていないのに評価額がどんどん下がっていった。会社自体の業績は絶好調で、しっかり成果を出しているにもかかわらず、PER(株価収益率)は下がり続けた。kenmoさんはIRの仕事もしており、多くの中小型企業がIRに力を入れ、業績を伸ばそうと努力しているのを見てきた。それでも市場は誰もそちらを見ず、AI半導体ばかりに資金が向かう。その環境に自分を適応させるのに時間がかかったのは仕事柄もある、とkenmoさんは語った。

kenmoさんによると、今年はAI半導体にがっつり乗れた人と乗り切れなかった人に分かれる相場で、自分は乗り切れなかった側だった。むしろ後半の方が調子がよくなり、パフォーマンスが上向いてきたという。周りに聞いても、日経平均が上昇する中で乗り切れていない人はいたはずだとし、人それぞれ得意な相場があるのだから、自分の得意なフィールドで勝つことが大事だと改めて感じた前半戦だったと締めくくった。

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「2泊3日」の保有期間

前編の最後に、聞き手はちょる子さんに、利益の大きかった銘柄も買ってから長期で保有したのかと尋ねた。ちょる子さんの答えは「2泊3日ぐらいだったと思います」。1億円近い確定益を生んだ取引の多くが、長期保有ではなく短期の売り買いの繰り返しだったことを示す一言で、前編は終わる。

なお、番組冒頭のダイジェストでは、後編の内容として「短期的な目線を捨てたらパフォーマンスが劇的に良くなった」という趣旨の発言や、「来年の日経平均は8万8000円」という強気の予想、「株価だけを上げようとしている会社は継続的には上がらない」「社長がよく変わる会社には気をつけた方がよい」といった発言が予告されていた。