矢野ななかと平子祐希、衣装だけを手がかりに「ドラマチックな別れ」を即興で演じる
佐久間宣行のNOBROCK TV「佐久間宣行のNOBROCK TV」の企画「アドリブでドラマチックに別れチャレンジ」の回である。ゲストは矢野ななか。共演相手はアルコ&ピースの平子祐希で、決まっているのは「最終的に二人が別れること」だけだ。事前の打ち合わせはなく、互いが何の衣装を着てくるかも知らされない。二人は約20分の即興で、親子の会話から始め、母親の浮気疑惑、アンドロイドの実験、死んだ恋人の告白へと話を移していった。
企画の趣旨:対決ではなく協力プレイ
矢野はこれまで「めんどくさい女シリーズ」に出演し、芸人と即興で言い合う回を重ねてきた。前回は大水との共演で、時給を上げてほしいという話がサスペンスに発展したと紹介される。司会はこれを踏まえ、毎回芸人とバトルをしてきたので、今回は「バトルじゃなくて協力プレイで出口を探してみよう」と設定を変えたと説明した。
ルールは一つで、二人は別々の部屋で好きな衣装を選ぶ。相手も自分で選んだ衣装で現れるため、顔を合わせたときに初めて組み合わせが分かる。司会は「別れるのだけ決める」と言い、何をもって別れとするかは二人に任せた。平子が「八百万の別れってありますからね」と応じると、司会は、二人で決めてくれればよい、こちらはドラマチックな別れが見たい、と返している。
矢野は収録前から「何も決めれないです」「何も考えてきてないです、今日」と話し、本当に考えようがないと不安を見せていた。収録冒頭には、この場がまだ緊張すると打ち明けている。司会によると、矢野はサブチャンネルにも出演しており、そこで「学園ドラマよりは不倫の方が性に合います」と話していたという。
共演者に平子が選ばれた理由
司会は平子に矢野を紹介する際、経歴を挙げた。15歳で事務所に入り、16歳で自らグラビアをやりたいと申し出て名前を広め、20歳で、それほど大きくない事務所にいながら深夜ドラマの3番手や4番手に起用されるようになった。過去に芸人とエチュードのような即興を何度もやってきたので、今回は演技に定評のある平子と組ませたいという話になった、という説明である。
平子は「太田プロダクション」と名乗る俳優風の挨拶で登場し、チャンネルをよく見ていると話した。続けて「設定とかその場で適当に決めちゃっていいですか」と確認し、「元々カップルで」と言いかけたが、カップルかどうかも決まっていないと知らされた。
衣装選び:制服と医者の白衣
衣装を選ぶ場面では、ポリス、医者、制服などが候補に並んだ。矢野はポリスを手に取って「可愛くないですか」と迷い、医者の衣装を見ては研修医のパターンもいけると口にしたが、最終的に制服を選んだ。大きめのスーツが合わずに「スーツ設定使えねえのかよ」とこぼす声も入っている。
矢野がサブチャンネルで学園ものは向かないと話していたことから、司会は「学園物やりたくないって言ったのに」と笑った。平子は白衣姿で登場し、制服の娘と医者の父という組み合わせから芝居が始まった。
第一幕:医者の父と、看護師を目指す娘
平子が「ただいま」と入り、矢野が「おかえり」と迎え、二人はそのまま親子として話し始めた。娘は部活が早く終わったと言い、父はオペが早く済んで今日は久々に家でゆっくりできそうだと返す。中間テストの話になり、父は赤点を取ったらディズニーの約束はなしだと念を押す。来年は大学だから忙しくなるぞ、という台詞まで出てきた。司会は「こいつらナチュラルに始めたな」と驚いている。
娘はここで、将来の夢が決まったと明かす。医者として人の命を救う父を見て、それを一番近くで支える看護師になりたいと思ったという。父は嬉しさを見せつつも、看護師も大変な仕事だからしっかり勉強しなさいと諭し、「パパはバックアップしないからな」「自分の力で何とかしなさい」と突き放した。司会は、二人が幸せな場面から入ったことに触れ、平子が「やるな」という顔をしたと実況している。ここから別れにどうつなげるのか、と司会は見守っていた。
第二幕:娘が持ち出した母の浮気疑惑
母親の帰りが遅いという話題から、娘が「ママってさ、浮気してる」と切り出し、芝居の向きが変わった。司会は「仕掛けた」と反応している。
娘はまず、推し活グッズを買うために母の財布からクレジットカードを取ったとき、遠い場所のレシートが入っていたことを挙げた。場所は埼玉のスーパーだという。父が、主婦は1円でも安ければ遠くのスーパーまで行くものだと言い返すと、娘は「うち医者だよ。裕福じゃん」と返し、交通費の方がかさむと指摘した。
次に娘は、母のリップが変わったと言う。母は何年も父からもらったディオールの赤いリップを使い続けていたのに、イヴ・サンローランの05番に変わっていたという話である。父は05番が赤みの強い色なのかオレンジ寄りなのかを気にしてみせ、司会は「すごいディテール楽しそうだな」と笑った。父は、母とのデートでその赤い口紅が似合うと言ったら母が喜んだという思い出を語り、娘は「その話何回も聞いた」と受け流す。父が母の好きなところとして、聡明で誰にでも優しく、ショートカットが似合うことを挙げ、家庭を裏切る人ではないと言うと、娘は「ママってさ、そんな女じゃないよ」と否定した。
中学時代の三者面談と「初恋」の先生
父が、知っていることを全部教えてくれと迫ると、娘はため息をつき、自分が中学生のときにも母が浮気していたと打ち明けた。相手は担任の小山先生で、母よりだいぶ年下だった。娘は、浮気をする人は夫や恋人とまったく違うタイプを選ぶものだと言い、小山先生は父とは違って可愛らしい雰囲気の細身の人だったと説明する。そのうえで、小山先生は自分の初恋の相手でもあったと付け加えた。
父が、どうやって浮気を知ったのかと尋ねると、娘は三者面談の空気がいつもと違い、別の話があるからと廊下に出され、そのあと覗いたら二人がキスしていたと答えた。司会は「三者だよ」と突っ込んでいる。
父は、なぜ今まで黙っていたのか、そのときどう思ったのか、家族はどうなると思ったのかと、娘の気持ちを一つずつ聞き出していく。娘は、両親に離婚してほしくなかった、パパがかわいそうだと思った、家族がバラバラになると思って辛かったと答えた。今回は2回目なのでパパに辛い思いをしてほしくない、ママに注意しようかとも考えたが、自分も女だから分かる、ああいうときは言われてからでは引かない、とも話している。
平子は後の振り返りで、自分は父親役なので母の浮気を別れの理由にし、夫婦の別れか家族の別れへ持っていこうとしたのだろうと、この展開を説明している。
第三幕:父は研究員、娘は感情実験のアンドロイド
娘が感情をあふれさせたところで、平子は話をまったく別の方向へ動かした。「そうか、7」とつぶやき、娘を「製造番号07」と呼んで、喜怒哀楽の実験は成功したようだと言い出したのである。ディズニーランドで喜び、テスト勉強を頑張り、家族の浮気に胸を痛める。お前は優秀なアンドロイドだ、と続けた。
父は自分を、オペなどしたことのない研究員だと明かした。ヒューマノイド型のアンドロイドは非常に難しいシステムで、これまで何体も失敗を重ね、07が初めての成功だという。娘が「違う。私は人間だよ」と抵抗し、「全部偽物ってこと? 私のパパじゃないの?」と問い詰めると、研究員はもっと今の気持ちを聞かせろ、もっとデータを取りたいと迫った。娘が涙を流すと、涙が流せるのか、大したものだと感心してみせる。ママはチップに埋め込まれたデータにすぎず、ディズニーランドの約束も、小さい頃の遊びの記憶も、祖父母も、すべて研究者側が埋め込んだ記憶だと告げ、これで世界中に売れる、会社は安泰だと喜んだ。司会は「よく浮かぶな、そんなの」「さすが平子」と繰り返し驚いていた。
第四幕:アンドロイドに宿っていた「亡くした恋人」
研究員が、さらに改良を重ねて世界に流通するレベルに高めると言うと、今度は矢野が切り返した。「なくした恋人は、何回私を作り直しても戻ってきませんよ」。研究員は、あいつのデータをお前のチップに埋め込んだ覚えはないとうろたえる。アンドロイドは、無意識だったのか、そういうところが抜けている、無意識に私を作っちゃったんだね、と恋人の口調で話し始めた。
彼女は「嬉しい。また会えて」と言いながら、自分はもう死んでいるのだから次の恋をしなよと告げる。研究員が、お前は何の感情もないアンドロイドとして作ったはずだと否定しても、彼女は、奥さんのデータを埋め込まれるなんて自分なら一番嫌だと言い返す。さらに、自分が死んだ原因は彼の浮気だったと明かした。最初は彼を殺そうと思うほど憎かったが、彼が一番傷つき苦しむのは、一番愛した女が自分のせいで死ぬことだと考え、一生記憶に残る女になってやろうと思った、という告白である。
研究員は、あれはただの一度きりの遊びで何でもなかったと弁解し、「これは俺悪くない」と子どものような態度を見せる。彼女は「そういうとこ嫌いだよ。ガキみたいな顔するとこ」と返した。それでも、何回も私を作り直しているなんて私のことがすごく好きなんだね、こんなことをされても嫌いになれなかった、とも言う。ただ、このままでは二人とも幸せになれないし、結婚する人は人生をずっと共にできる人がいい、浮気はどんな理由があっても許せない、と結論づけた。そして「もう1回私は死ぬ。スイッチ切るよ」と言い残す。
研究員は「7、待て」と慌てたが、すぐに「スイッチはここなんだ」と自分で彼女を止めた。「07も失敗だ。こんなデータ仕込んだ覚えはない」「ドラマチックモードに勝手に切り替えるんじゃない」と吐き捨て、「8番、手かけるぞ」と次の個体に取りかかる。ここで芝居は終了した。
振り返り:互いの設定を否定しなかった二人
終了直後、司会は「すごくない? 2人」と興奮気味だった。矢野は「怖かった」と繰り返し、パパと言われた瞬間から頭が固まった、止まったら終わるからしゃべり続けたと話した。
平子は、恋人同士の別れしか想定していなかったと明かしている。教師との恋のような設定を考えていたところに制服の娘として来られたので、父親として母の浮気を別れの理由にしようとした。娘の名前が7だと気づいた時点で、製造番号にしようと決めたという。さらに矢野が、亡くした恋人をもとに自分を作り直したのだと返してきたとき、平子は「ちょっと泣きそうになって、こんな悲しい話があるかと思った」と語った。司会も、自分のせいで死んだ人をアンドロイドで7体目まで作り直していた話だとまとめ、親子の別れのあとにアンドロイドからさらに別れたと振り返っている。
芝居は20分ほど続いたといい、司会はノーカットで出せると判断した。ただ、内容がかなり重く「朝一にやる仕事じゃない」とも漏らしている。平子は、以前の回で矢野が恋愛ものを演じていたのを見ていたので、シリアスな方向にも行けるのかと驚きながら演じていたと話した。
司会が評価したのは、二人とも相手が出した設定を一度もなかったことにしなかった点である。矢野によると、即興の練習のときから「ノーと言うな」「相手を否定したら即興は終わるから受け入れ続けなさい」と言われ続けてきたという。平子が「じゃあ先生が良かったですね」と返し、この回は締めくくられた。
どうも、NOBROCK TVです。本日のゲストは矢野ななかさんです。お願いします。お願いします。
さあ、ということで、どうした? まだ緊張するから、この場が。そうか。素の場がね。素のがまだ緊張しちゃう。うん。
ちょっと待って。なんかあれね、サブチャンネル出てくれてんですけど、こないだ。そうなんだ。そう。なんか、なっちに近い役柄で仕事のオファー来てる。「もうなっちでお願いします」「あれでいいです」みたいな。「あれで大丈夫です」っていうね、オファーとか。
不倫もめ上げてね。はい。もう無事。でもサブチャンネルで言ってたのは、「学園ドラマよりは不倫の方が性に合います」って言ってた。学生より不倫。学生より不倫の方が向いてんだね。おかしな話。
ということで今回の企画はこちら。アドリブでドラマチックに別れチャレンジ。今回はめんどくさい女シリーズやってもらって、前回ラバーガール大水君と、要は時給上げてくれっていう話からサスペンスになるみたいなのやったんですけど。今回はちょっと設定を変えて、ほら、毎回もう芸人とかね、バトルをしてたじゃない。うん。バトルじゃなくて協力プレイで出口を探してみようって。
ただ、これが協力プレイになるかどうかちょっとわかんないですけど、お相手の方と、とにかくドラマチックに別れてんだよっていう。別れるのだけ決めるんで。別れなきゃいけないんです。別れなきゃいけない。じゃあそこに一応向かいます。向かうっていう。向かってみます。向かってみてください。その後でも、その時どうなるかわかんないもんね。そう。もう全くわからない。
今回のチャレンジは1個ルールがあって、別室で衣装を好きに選んでもらう。こういうやつで行きたいなっていうね。それ、あっちも着てくるから。おかしいよ、それ。そうすると、「うわ、この衣装か」となって。へえ。何も決めれないです。何も決めれない。何も考えてきてないです、今日。はい。本当に考えようがなさすぎて。俺たちもね、何選ぶかわかんないから。俺もわかんないです。じゃあもう怖すぎるよ、今日。
さあ、ということで、矢野さんがね、全て預けるのにやっぱふさわしい人間がいいんじゃないかということで、今回のお相手はこちらです。こんにちは。太田プロダクション、アルコ&ピース平子です。俳優の挨拶。俳優の挨拶。お願いします。
番宣に来られたみたい。いやいや、全然僕好きで、このチャンネルめちゃくちゃ見てて緊張しちゃうんですけど。
ちょっと平子さん。はい。ちょっと面白い子がいまして。へえ。変わった子でさ、15で事務所変わって、16で「私、自分でグラビアやります」って事務所に言って、グラビアやって、自分をちゃんとグラビアで名前を売って。もう20歳で、そんなでかい事務所でもないのに深夜ドラマの3番手とか4番手をつかむっていう。へえ。
過去、芸人と結構やってきたんですけど。エチュードみたいな。はい。やっぱ平子さんと見たいっていうことになりまして。なるほど。設定とかその場で適当に決めちゃっていいですか?
そう。だから一応、設定というか、お互い好きな衣装を着てくると。はい。それを見てどうなるかはわかんない。お互い何やろうか、どこに向かってんの、空気を見つつ、最終的にこっちで見たいのは「別れてよ」ってだけ。
お別れ。じゃあ元々カップルで。カップルかどうかもわかんない。なるほど。別れるっていう。別れることだけ決めてくれる。でも八百万の別れってありますからね。そう。別れるのが、何が別れかは2人で決めてもらえると。こっちはドラマチックな別れを見たい。はい。そんなのを昨日オファーかけてこないでください。
可愛い。可愛い。ポリス。うん、いいですね。ポリスいいですね。こんな、こういったのもありながら。可愛くないですか? どうですか? 可愛いじゃん。
医者。うん。女医。女医だ、女医だ。研修医とかいうパターンも行けますね。
制服。これ制服チャンス。結構制服いいですね。結構あり。
でかい。でかすぎ。でかい。アンドレ・ザ・ジャイアントの古着かなんかだと思って。スーツ設定使えねえのかよ。
じゃあ楽しみだな。どうなるんでしょう? どういう衣装を選んだのか、2人が。そしてこっから、どういう別れになるのか。
あれ。なっち、学園物やりたくないって言ったのに。学園物やりたい。さあ、なっちの後入ってくるのは平子です。平子さんが入ってきます。
ただいま。あれ? お帰り。2人が選んだのが。今日早かったんだ。うん。部活早く終わった。そっか。部活早く終わった。なんか久々だね。パパもオペが早く済んでね。パパ。今日はパパにした。久々に家でゆっくり過ごせそうなんだ。医者と娘。頑張ったよ。
もう中間出たか? うん。結果まだ出てないけどね。終わった。どうやって行くの? 約束した通り、今回赤点取ったらディズニーの約束はなしだからな。つまんない。
こいつら。期末頑張って、来年は大学。おい、こいつらナチュラルに始めたな。こっから塾も忙しくなるからな。
私ね、将来の夢決まった。なんだ? ママにばっかり言って、パパにも教えてくれるのか? ママにはまだ言ってないんだけどね。うん。看護師さんになりたいなって思って。おお。看護師。衣装見て決めた。今までそんなこと一言も言ったことないじゃない。一体どうして?
パパのこと見てたらね。おお。衣装見て決めたわ。こうやって人の命救って頑張ってる人を支えるお仕事って素敵だなと思って。一番近くで支えられるのって看護師さんでしょ。
最初、幸せから始めてる。そっか。そんなふうに考えてたか。おい、ちょっとやるなって顔したな、平子。
まあね。ただ看護師さんだって大変なお仕事だからな。わかってるよ。よりしっかり勉強しないと。だから看護学校を目指して勉強する。そっか。遅いかな、今じゃ。いや、そんなことないよ。ただパパはバックアップしないからな。ええ。自分の力で何とかしなさい。まあ頑張るよ。
そっから別れ、どうやって行くんだ。ママ遅いなあ。なんか今日パート遅くなるって言ってた。そっか。うん。チャーハンかなんか作ってあげよっか。
ママってさ。うん。浮気してる? お、仕掛けた。ママは浮気なんてしないよ。仕掛けた。だってパートだって言ってたじゃない。仕掛けた。なるほど。
でもさ、最近急に帰り遅いよね。おっと。なるほどね。いや、それはパートの繁忙期だから。スーパーに繁忙期とかあるんだ。スーパーに繁忙期はあるだろう。仕入れとか、次の日のほら、いろんな準備とか。
この前ね、ママに推し活グッズ買ってもらおうと思ってお願いした時にね、お財布からクレジットカード取っていいよって言われたの。うん。だからお財布見た時、なんか全然遠い場所のレシートとか出てきた。うわ、すごい設定。
遠い場所のレシート。でもママはいつだって自分のパート先のスーパーで買い物済ましてるじゃないか。そうでしょ。だからおかしいなと思って、知らないとこに。どこのスーパーだった? 埼玉。埼玉。ママわざわざ埼玉のスーパーまで買い物行くっておかしいでしょ。
主婦って1円単位で安ければ、どんだけ遠くてもそのスーパーで買い物するって言うじゃないか。うち医者だよ。裕福じゃん。そんなお金に困ってないでしょ。しかも交通費の方がかさむって、1円でも安いスーパー行ったところで。この設定を、設定、1回し。
他になんか変わったところはなかったか? リップ変えた。リップ? 今までディオールのやつだったの。パパがあげたやつ。うん。ママはずっと何年もあの色のリップ使ってるから。でもイヴ・サンローランの05番だった。05番。5番は赤みが強いのかな? それともオレンジに寄ったのかな? 味っぽいビットのやつ。だってママ、あいつだって赤いのが好きで。だからおかしいでしょ。
すごいディテール。楽しそうだな。ママと初デートした時にパパが、その赤い口紅似合うねって話したんだ。そしたらママ喜んでね。もうその話何回も聞いた。それからずっとこれまで赤い口紅しかつけないはずなんだよね。
パパってさ、ママのどこが好きなの? 聡明で、誰にでも優しくて、ショートカットが似合ってて。だから家庭を裏切ったりする、そんな人じゃないんだ。ママってさ、そんな女じゃないよ。どういうことだ? この先パパいっぱい辛いと思うよ。
なあ、知ってることがあるんなら全部パパに教えてくれ。私が中学の時も浮気してた。小山先生覚えてる? めっちゃしてくれてた。小山先生はだって、ママに比べてだいぶ年下だったじゃないか。だからじゃない。だから浮気する人って、旦那さんとか彼氏と全然違う相手選ぶっていうじゃん。
パパと全然違う人だったもんね。小山先生、可愛らしい感じで。色白で細身で。私の初恋。小山先生とママの浮気はどういう形で知ったんだ?
三者面談でさ、なんかちょっと空気感違うなと思って。私、「別の話あるから廊下出てろ」って言われて、覗いてたらチューしてた。なんか嫌なんだけど、パパとこういう話したくないんだ。三者だよ、中。
お前それ知ってて今までパパに黙ってたのか? 言えるわけないじゃん。だってパパとママ離婚してほしくないし。うまいなあ。ママとはその話したことあるのか? うん。なあ、そんなママの姿見てどう思った? パパがかわいそうって思った。
パパがかわいそう。その後家族はどうなると思った? わかんないよ。そんなとこまで考えられない。うん。ちゃんと教えるんだ。バラバラになっちゃうと思った。家族がバラバラになるってことは、自分の気持ち的にはもっと細かくどうだ?
辛いよ。だから言わなかったの。黙ってたの。でも今回2回目だから、パパに辛い思いしてほしくないし。だから黙ってようとも思ったし、ママに注意しようかなとも思ったけど、でも私女だからわかるよ。そういう時って全然聞かないもん。言われてからじゃ遅いよね。そうか。
7。いや、製造番号07。何それ? 喜怒哀楽の実験は成功したようだ。ディズニーランドで喜び、テスト勉強を頑張る。おい、ちょっと。家族の浮気に胸を痛める。うわ、ぐるぐる回ってる。お前は優秀なアンドロイドだよ。
嘘をついてすまない。オペなんかしたことないんだ。パパは、いや、俺はご覧の通りの研究員でね。私がアンドロイド? ヒューマノイド型アンドロイドは非常に難なシステムなんだ。さすが平子。うまい。
ファーストから、これまで6体に至るまで様々な失敗を重ね、そして。よく出てくるな、平子。7。どうやらお前が初めての成功だ。違う。私は人間だよ。7。やっぱすげえな。この気持ちをもっと聞かせてくれ。
私に感情を出させたいわけ? そんなの嫌だよ。これ全部偽物ってこと? 私のパパじゃないの? 今の気持ちをもっと聞かせるんだ。もっとデータを取りたいんだ。これすげえな。ママは? そのまま。触んないで。いいからな。そのまま、そのまま。
おお。涙が流せるか。大したもんだ。すごいですよ。ママはお前のチップに埋められたデータなんだよ。そうなんだ。ママなんかいない。そしてパパとの思い出、テスト、ディズニーランドの約束、小さな頃遊んだ記憶。おじいちゃんやおばあちゃん、全ては我々が埋め込んだ記憶なんだ。よく浮かぶな、そんなの。
そうか。今回でようやくだ。これは世界中に売れるぞ。我が社はこれで安泰だ。博士、満足ですか? いや、こっからさらに改良を重ねる。そして世界に流通するレベルにもっと高めるんだ。
亡くした恋人は戻ってきませんよ。亡くした恋人? 亡くした恋人は何回私を作っても、何回作り直しても戻ってきませんよ。ちょっと待て。あいつのデータをお前のチップに埋め込んだ記憶はない。
なんで? 無意識だったの? 変なの。本当そういうとこ抜けてるよね。カウンター。無意識に私作っちゃったんだ。どういうことだよ。あの記憶は俺の記憶だ。お前のデータには残してないはずだ。答えろ。
嬉しい。また会えて。でももうね、私死んだんだよ。次の恋しなよ。すげえな。俺はあの子のデータをお前に埋め込んだ覚えはない。うめえな。そんなに私のこと好きだったんだね。お前はただの何の感情もないアンドロイドだ。俺がそう作った。
嫌だった。奥さんのデータとか埋め込まれるの。私、一番嫌だよ。これすげえな。死ぬ間際、何を思ったと思う? 何思ったの? 死ぬ間際。死ぬ際の記憶があるのか? 私が死んだら、祐希、違う人と幸せになるのかなって。
違う、違うよ。だから俺はこうしてアンドロイドを製作しても。どうしたの? この頬も、この頬も全部再現したんだ。あんたが浮気したじゃん。だから私死んだんだよ。あんたが一生記憶に残る女になってやるって思ったの。
遊びだったんだよ。あんなたかが遊びで命を失うことになるとは思わなかったんです。嬉しい。こうやって私のこと忘れられなくできて。怖っ。ちゃんと覚えててくれたんだ。何回私作り直してんの? めっちゃ好きじゃん。この細い、細い指、手も。でもあんたが悪い。
おい、どこまで行くんだ? あんたが全部なくしたんだよ、私のこと。私のこと壊したのあんたじゃん。何また作り直してんの? バカなの? 無意識だった。
俺が手がけようとしてたのは家庭用アンドロイドだ。どの家庭にも同じように。設定も止まんない。平子すげえな。無意識に自分のあの頃を埋めるためのデータを。祐希、後悔するのちょっと遅かったね。
でもね、聞いて。私こんなことされても、あんなことされてもさ、祐希のこと嫌いになれなかった。じゃあ俺の言い訳ぐらいもっと聞いてくれてもよかったじゃないか。だってこのままじゃ2人とも幸せになれないもん。怖すぎるんだけど。
私、ちゃんと結婚する人は人生ずっと一緒に共にできる人がいいって思った。俺だってそう思ってたよ。あんな何でもなかった。本当にただの一過性の遊びなんだよ。私、浮気って絶対許せないんだよね。女がどんなに悪くても浮気ってしちゃダメだと思うの。
最初ね、祐希を殺そうと思った。憎くてたまんなかったから。でもね、祐希が一番傷ついて、一番苦しいことって何かなって思ったの。それ、一番愛した女が死ぬことかなって。怖い。自分のせいで死ぬことかなって思った。でも祐希、気づいてないよね。自分のせいで死んだなんて。これは俺悪くない。そういうとこ嫌いだよ。ガキみたいな顔するとこ。
そしてもう1回私は死ぬ。スイッチ切るよ。7、待て。7、7、7。焦ってバカみたい。おお、目が。そうじゃない。スイッチはここなんだ。うわ。
07も失敗だ。こんなデータ仕込んだ覚えはない。あの野郎。おい、ドラマチックモードに勝手に切り替えるんじゃないよ。すげえ。おい、8番手がけるぞ。8番。
終了。よし、ちょっと待って。何だこれ? すげえな。終了です。ちょっと待って。はい。すごくない? 2人。いいんですか? どうでした、やってみて? ごめん、共有しよう。どうだった? ちょっと待って。怖かった。
いや、俺も最初は入った時何に着替えてるかわかんないから、制服だと思って。うん。どうしようってなって。別にプランないですけど、娘かと思って。うん。別れっていうんだって。恋人の別れしか想定してなかったから。そうだよね。奥さんとか。うん。なんか先生との恋とかに。そしたら娘で来ちゃったから。はい、パパ。そっか。
だからあれでしょ? ママを浮気してることにしたんでしょ? うん。そうしないとね。パパだからね。はい。それで多分だけど、奥さんの浮気で奥さんとの別れか。はい。そっか。家族の別れにしようとしたんだろうね、きっとね。親子設定にしちゃった。はい。そしたら。びっくりした。びっくりした。
いや、もう超びっくり。パパとか言われた瞬間からもう頭固まった。うん。はい。怖い。でも走り続けてる。だって止まったら終わるから。怖かった。マジでやばい。俺もパクパクパクパクして。嘘ですよね。
俺、「あっ」って思ったのは、名前7だってなって、製造番号にしよう。すげえな、あれ。いやいや。すげえすげえ。緊張した。でもさ、アンドロイドから別れ、さらに別れた。だって別れなきゃいけないもんね。うん。
彼女か奥さんを模して俺が作ったことにしたんだよね。そう。はい。「私をそれで作り替えてるよね」っていうので、ここをなぞった時、俺ちょっと泣きそうになって。こんな悲しい話があるかと思った。うん。いや、本当だよ。自分を作り替えてね。それでしかも自分のせいで死んじゃった人を何回も、アンドロイドで7体目だよ。7体目。
何分ぐらいやったの? 20分ぐらい? 30分ぐらい? 20分ぐらいじゃない? うん。じゃあノーカットだな。うん。ノーカット。ノーカット。あれでもノーカットで行けるよね。本当? うん。ヘビーだわ。確かにね。朝一にやる仕事じゃない。そう。
俺はきしたかのとのやつ見てるから、ずっと思ってるのと違う、思ってるのと違う。きしたかのはね、ずっとね、全部主導してくれた。それだけで恋愛の話だったじゃないですか。シリアス行けるのかいって思いながらずっと。
いや、面白かった。今日ね、すごかったんだよ。2人ともね、相手の設定をなしにしないのよ。はい。それをずっと私、即興で言われ続けたんです。ノーって言うなって。練習の時。そう。練習の時からずっと、相手を否定したら即興って終わるから、受け入れ続けなさいって言われ続けて。じゃあ先生が良かったですね。なるほど。ありがとう先生。
我らはのシンデレラ。ゲラゲラと笑ってる白のおじ様ね。お迎えがちょっと遅すぎない? 零時を回って魔法が解けてしまうのだ。
ひどく怖いのまだからの靴履いたまま、あなたの姫様でいたい。
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