木原官房長官会見(2026年10月8日午後):農水大臣の続投、相次ぐ個人情報漏洩、沖縄の米軍事件、食料品の消費減税

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概要

木原官房長官の10月8日午後の定例会見では、冒頭発言はなく、記者からの質問に答える形で進んだ。主な質問は4つあった。農林水産大臣の発言をめぐる説明責任と続投、不正アクセスによる個人情報漏洩を受けて開かれた関係省庁会議、沖縄県知事からの要請と米軍関係者による事件、食料品の消費税率引き下げの効果をどう測るかである。いずれについても、官房長官は総理答弁や既定の方針をなぞる慎重な答弁にとどめた。

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農水大臣の発言と続投をめぐって

NHKの記者は、農林水産大臣が自身の発言や選挙活動中に手配したシャトルバスについて報じられている点を取り上げた。大臣はこの日の国会で説明し、これまでも記者団の取材に応じてきた。記者は、これで説明責任を果たしたと考えるかを尋ねた。あわせて、高市総理が午前の参議院本会議で大臣を続投させる考えを示したことについて、国民の理解を得られるかも問うた。

官房長官は、大臣が参議院本会議で行った説明の内容を紹介した。大臣は、本年5月の自民党支部の会合での発言について、自らの不徳によるもので不適切だったと自覚していると述べた。そのうえで発言を撤回して謝罪し、今後は農林水産大臣としての責任の重さを胸に刻み、二度と繰り返さないよう自らを律して職務に全力を尽くすと述べた。官房長官はそう承知していると答えた。

シャトルバスなど政治活動に関する事柄については、それぞれの政治家が質疑に応じて対応すべきものだという考えを示した。大臣はその観点から説明したのだろう、というのが官房長官の受け止めである。説明責任を果たしたかどうかについて、官房長官自身の評価は示さなかった。

続投への国民の理解については、高市総理の本会議答弁を引用した。総理は、政治家の発言については本人が適切に説明することが重要であり、しっかり説明したうえで襟を正して職責を全うしてほしいと述べた。官房長官は「この発言に尽きる」と答え、それ以上は踏み込まなかった。

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相次ぐ不正アクセスと個人情報漏洩への対応

共同通信の記者は、全国の企業で不正アクセスによる個人情報の漏洩が相次いでいることを受け、政府がこの日に開いた関係省庁会議について質問した。再発防止に向けて、政府としてどのような方策を取るのかを尋ねた。

官房長官によると、分野を問わず事業者団体などを狙ったサイバー攻撃で個人情報などが漏洩する事案が起きており、対策は急務である。一方で、これらの事案の背景や相互の関連性は現時点では明らかではないと述べた。政府は情報収集で実態の把握に努め、各種の注意喚起を行っている。警察当局は国際共同捜査の推進などを通じて検挙や実態解明を進めていると承知している、とも説明した。

この日の会議は、高度化・巧妙化する攻撃手法への対策を強化するため、古川大臣の出席のもとで開かれた。会議では、国家サイバー統括室を中心に早急に情報を整理・分析し、幅広い事業者に注意を呼びかける方針を決めた。会議での議論を踏まえ、国家サイバー統括室が個人情報を取り扱う事業者向けに新たな注意喚起を近く出す予定だという。

官房長官は当初この会議を「関係閣僚会議」と呼んでいたが、答弁の途中で「関係省庁会議」が正しいと訂正した。

4:44

企業の対策に限界はあるのか、AIは関係しているのか

関連質問として、別の新聞社の記者が2点を尋ねた。1点目は、政府はこれまで企業に注意喚起を呼びかけてきたが、企業による対策には限界があると認識しているのか。開催の経緯や被害拡大の防止策も含めて聞いた。2点目は、一連のサイバー攻撃に生成AIが関わっていると見ているのかである。

官房長官は「限界があるかどうか」という質問の趣旨を確認したうえで答えた。個人情報の漏洩を伴うサイバー攻撃が多数起き、国民が不安を感じている。高度化・巧妙化する攻撃手法に対し、官民が連携して対策を強化することが急務だと述べた。企業の対策に限界があるかどうかを直接評価する答えではなかった。

続けて、国家サイバー統括室が出す新たな注意喚起を踏まえて、各事業者に対策を講じるよう求めた。万が一被害にあった場合は、所管省庁や警察などの関係機関に速やかに通報・相談してほしいと呼びかけた。政府は個別の事案に応じて、対処に関する助言などの支援を行っているという。生成AIの関与については、答弁で触れなかった。

6:42

沖縄県知事の要請と米軍関係者による事件

沖縄の報道機関の記者は、米軍関係者が強盗殺人容疑で逮捕された事件を受けた沖縄県知事の要請について質問した。知事は前日に高市総理や木原官房長官と面会し、事件の再発防止策と、負担軽減や振興策を協議する沖縄政策協議会の早期開催を求めていた。知事は、米軍関係者による事件が繰り返されていることについて、米軍の綱紀粛正や人権教育が全く機能していないと言わざるを得ないと述べていた。

記者は、沖縄の基地負担軽減を担当する官房長官として、事件が繰り返されてきた沖縄の現状をどう受け止めているかを尋ねた。さらに、要請を受けて米側とどう協議し、政府としてどんな対策を取るのか、沖縄政策協議会を開くならいつ頃かも聞いた。

官房長官は、米軍関係者による事件は地元に大きな不安を与えるもので、あってはならないと述べた。在沖米軍は6日に措置を公表し、すでに実施している。官房長官はこれを、米軍が事件を重く受け止め、綱紀粛正と事件の発生防止に迅速に対応していることの表れだと理解していると答えた。米側の発表では今後さらに行動指針を精査するとされており、実効性のある措置をどう取るかについて日米間で協議を続けたいと述べた。

沖縄政策協議会については、前日の面会で高市総理が、要望をしっかり受け止めて適切に対応すると伝えたと説明した。具体的な日程は現時点で決まっていない。協議会は官房長官自身が主催するものであり、知事の要望を踏まえて開催に向けて対応したいと述べた。開催時期の目安は示さなかった。

8:58

食料品の消費減税の効果をどう測るか

最後に、記者が食料品の消費減税の効果について質問した。高市総理は7日の代表質問で、消費減税を円滑に実施するため、価格の動向などを把握する関係府省庁連絡会議を立ち上げると表明していた。政府は食料品の消費減税が価格の引き下げに有効だと説明している。記者は、減税の効果を測るうえで、消費、所得、物価、GDPなどのどの指標が改善する必要があると考えているのかを具体的に尋ねた。

官房長官はまず減税の位置づけを説明した。今回の飲食料品にかかる消費税率の引き下げは、税や社会保険料の負担、物価高に苦しんできた中・低所得者の負担軽減が最重要課題だという認識に基づくものである。足元の物価上昇を踏まえ、令和11年度に本格導入する負担軽減のための支援金までのつなぎとして行うという。

そのうえで、引き下げた税率分は基本的に価格に反映されると認識していると述べた。このため、注目する指標としては、一義的には飲食料品の物価を見ていくことが重要だと答えた。今後は関係府省庁連絡会議で、価格動向の把握などのテーマに各省庁が連携して取り組むとした。記者が挙げた消費、所得、GDPなどの指標については、具体的な目標や改善の基準は示さなかった。