元ライバルの大江戸温泉物語と湯快リゾートはなぜ統合したのか:GENSEN HDの経営陣が語るコスパとリピーターの宿づくり

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概要

1泊2食付きで1万円台の温泉宿を東日本中心に展開していた「大江戸温泉物語」と、同じビジネスモデルを主に西日本で展開していた「湯快リゾート」が経営統合し、GENSENホールディングスとなった。宿の名称は大江戸温泉物語に統一された。番組は、利益を出してそれを顧客満足につながるサービスに投資するこのチェーンの経営を、元ライバル企業出身の2人への取材とスタジオトークで掘り下げている。社長の川﨑俊介は湯快リゾート出身、副社長の橋本啓太は大江戸温泉物語出身で、2人とも現場からの叩き上げである。スタジオには、『蛇にピアス』で芥川賞を受賞し、その後も数々の文学賞を受けてきた作家の金原ひとみと、京大卒で音楽以外にも活動の場を広げるクリエイターのヒャダインが出演した。

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インバウンド客は約7%、中心はまだ国内客

スタジオではまず、インバウンドの増加で宿泊業はどこも好調ではないかという質問が出た。大江戸温泉物語の場合、インバウンド客の割合は7%ほどだという。報道で言われるほどインバウンドに支えられているわけではなく、客層はまだ国内が中心だと経営陣は説明した。

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良い宿の条件は「また来たい」と思われること、そしてコスパ

良い宿の条件を問われると、橋本は社内の合言葉として「また来ていただく」ことを挙げた。何度でもここに来たいと思ってもらえる宿こそが良い温泉旅館だというのが、同社の考え方だという。つまり重視しているのはリピーターである。

川﨑は別の角度から、近年よく言われる「コスパ」が重要だと述べた。宿泊を「1時間あたりいくらか」で見ると、1泊5万円の旅館はおそらく確実に良い宿だろうが、1万円で泊まれる宿と比べて本当に5倍の差があるのか、という見方もあるはずだと川﨑は話す。宿泊料金を時間あたりで考えたことはなかったという反応がスタジオから上がった。

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お台場の日帰り温泉から、旅館再生ビジネスへ

大江戸温泉物語の出発点は、2003年にお台場にオープンした日帰り温浴施設である。都会の真ん中で江戸の風情を楽しめる「お風呂のテーマパーク」だった。その後、経営難の温泉旅館を買収して再生するビジネスを東日本中心に展開していく。

湯快リゾートも同じく温泉宿を再生するビジネスモデルで、西日本を中心に宿を増やした。ライバル関係にあった両社は2024年に経営統合し、宿名を大江戸温泉物語に統一して大規模なホテルチェーンとなった。現在は価格やサービスの異なる4つのブランドを運営している。手頃な価格の「スタンダード」、無料サービスなどを充実させた「プレミアム」、高級志向の「TAOYA」、ペット連れ向けの「わんわんリゾート」である。

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開業前の宿で従業員の声を直接聞く

7月中旬の熱海では、新しい宿の開業を前に関係者向けの内覧が行われていた。湯快リゾート出身の川﨑は昨年GENSENの社長に就任した人物で、フロントスタッフとして湯快での仕事を始めた。店舗に行けばフロントの従業員と普通に話をし、後になって相手が社長だと気づかれることもよくあるという。

川﨑は現場の声を聞くことを大切にしており、この日も開業前に本社の幹部とともに従業員の意見を直接聞く場を設けた。皆が思っていることを話してもらうことで、経営陣として何をすべきかが本当に分かるタイミングだ、という趣旨のことを川﨑は従業員に伝えている。大江戸出身で、長年現場の仕事を務めてきた副社長の橋本も同席した。

従業員からは、客室が離れている場合に必ず苦情が出るという指摘があった。これに対して経営陣は、離れていることを事前に知ったうえで来てもらえば苦情はおそらく減るとして、予約時の案内を徹底する方針を示した。若い従業員からは、ストレス発散の方法を教えてほしいという質問も出た。答えた経営陣の一人は、問題から逃げないほうがかえって楽だとし、原因をすべて洗い出し、こうすれば解決するだろうという策を考えて実行し、解決するのが一番だと話した。番組は、統合からまだ2年の会社が、現場の声をもとにより良い宿を目指している姿として描いている。

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4ブランドに分けた理由:ドミナント戦略と自社競合

スタジオでは、全国75施設を示すボードを前に、なぜ4つのブランドに分けたのかが問われた。川﨑によれば、施設は基本的にすべて温泉宿である。もともと湯快リゾートも大江戸温泉物語もスタンダードだけを展開していたが、統合のタイミングでは、湯快リゾートにプレミアム、大江戸温泉にTAOYAがあり、わんわんリゾートは当時湯快リゾートが1館運営していた(川﨑は「1館やってたのかな」と記憶をたどる形で説明している)。

出店当初はドミナント戦略をとり、広告や物流の効率化を狙って同じ地域に集中的に出店していた。しかしその後、自社の店舗同士が競合になりうるという問題が出てきたため、差別化としてプレミアム、TAOYA、わんわんリゾートを展開したと川﨑は説明した。

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ペットツーリズムに応える「わんわんリゾート」

番組は、ペットと一緒に旅をする「ペットツーリズム」を旅行業界の新たなトレンドとして紹介し、わんわんリゾートの設備を取材した。施設ではペット用のおやつが食べ放題で、ドッグランもある。客室にはペット専用の露天風呂と専用ドライヤーが備えられ、夕食も飼い主と一緒にとることができ、ペット用の特別メニューが用意される。宿泊客は、他の施設よりも充実していたと感想を述べ、おやつもたくさん食べていたと話した。

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統合のきっかけは同じオーナー、両社は互いに真似し合っていた

統合の理由について川﨑は、両社のオーナーが同じになった時期があり、ビジネスモデルも似ていたため、合併すればよりシナジーが生まれると考えたと説明した。統合前もそれぞれの経営は順調だったという。

両社はライバル企業だったため、相手がどんな価格でどんなサービスを提供しているかを常に見ており、真似し合うこともあった。その結果、大江戸温泉物語か湯快リゾートかを客の側もあまり区別していなかったはずだと川﨑は振り返る。

それでも、同じ業態とはいえ別々の会社が統合すれば、さまざまな軋轢があったのではないか。スタジオからそう問われ、経営陣が答え始めたところで、この映像は終わっている。