2026年秋冬メンズトレンド国内編:ブラウンとグレー、レザーとヘンリーネックの読み方

YouTubeで開く ↗
概要

ファッション系YouTuberのげんじが、2026年秋冬のメンズトレンドを国内市場に絞って解説した動画である。前回の海外コレクション編の分析を受けて、日本では実際にどんな色とアイテムが広がるのかを説明している。取り上げたのは4系統のシーズナルカラーと7つのアイテムで、げんじ自身のコーディネート画像を多く見せながら進む。

12分で読めます

前提:海外編の「ヘリテージリバイバル」と日本のタイムラグ

げんじは前回の海外編で、今期のテイストを「ヘリテージリバイバル」「ヘリテージの再解釈」とまとめた。この言葉はげんじ自身の命名だという。昨年まで続いたカジュアルの大トレンドの反動として、多くのブランドのコレクションに次の3つの傾向が見られたと説明する。フォーマルなアイテムを土台にしていること、クラシカルな重みと温かみのあるカラーパレット、そして細身へ絞られていくシルエットである。

げんじによれば、海外コレクションの提案は早く、日本国内に流れ着くまでには1〜2年のラグがある。海外では昨年の段階からフォーマルな提案が出ていた。日本では今シーズン、カジュアルからフォーマル回帰、綺麗めなスタイルへの移行が加速するという見立てである。

ただし、カジュアルトレンドを牽引してきたデニムは消えない。質感やシルエットを変えて、トレンドとして続くとげんじは言う。スキニー全盛の時代にもデニムはあったのだから、デニムは欠かせないという理屈だ。そこで持ち出されるのが、げんじが10年ほど提唱してきた「中和理論」である。綺麗めとカジュアルのバランスを取る考え方で、カジュアルなデニムに綺麗めのトップスやアウターを合わせて中和できるかどうかが重要になると説明する。

あわせて、レザーのトレンドも素材感やシルエットを変えて続くこと、2026年春夏に日本で一気に広がったヘンリーネックのトップスが、秋冬でさらに広がることも予告された。

シーズナルカラー①:2種類のブラウン

最初の色としてげんじが強調したのは「ブラウングラデーション」である。海外コレクションで今期最も多くのブランドに見られたのがブラウン系だった。国内では、そのブラウンが大きく2種類に分かれて提案されていたという。

1つ目はアッシュブラウンだ。げんじはこれを、ダークブラウンとダークグレーを混ぜたような落ち着いた色味と表現する。もともとカジュアルな色だったブラウンを、トレンドに合わせて綺麗め側に寄せたものだという。2つ目はヴィンテージブラウンである。昨年からのミュウミュウのトレンドを引き継いだヴィンテージウェア由来の色で、少しカジュアル感を残している。スウェードやレザーなど今季らしい素材と組み合わせることで、よりクラシックな印象になると説明した。

げんじは、アンセルム、シュタイン、ヨークといった20代にも人気のブランドのブラウンをフレッシュだと評価している。一方で、渋めのブランドが展開するブラウンも、トレンドと関係なく格好いいと話す。

国内ブランドのコレクション画像には、背が高く顔の小さいモデルが写っているものが多い。それでは自分の着こなしを想像しにくい人もいるだろうとげんじは考え、自身が組んだコーディネートを多く見せる方針をとった。今年の春夏や昨年秋冬に組んだものも含まれる。ブラウンについては、海外コレクションでも自身の画像でもレザーが多かったとして、スラックスも合わせやすいが、特に「レザー×ブラウン」を勧めている。

シーズナルカラー②:グレー

げんじはグレーを、ブラウンと並ぶ今期の最重要色と位置づける。クリーンでシャープな印象のグレーは、広がりつつあるフォーマルなスタイリングと相性が良いというのが理由だ。国内ではグレーのワントーンコーディネートが非常に多く提案されていたという。そこにブラウンやサックスブルーを合わせると、一気に今季らしいスタイリングになると説明する。

モノトーンの中では黒ばかり選ぶ人や、有彩色に目が行く人が多いとげんじは見ている。そのうえで、黒・グレー・白のうちグレーを徹底的に意識してほしいと呼びかけた。関連する事例として、LIDNMのサマーコーデュロイパンツの色味にもグレーの気分が強く影響していたことを挙げる。その結果、感度の高い客にすぐ購入された背景があったという。

シーズナルカラー③④:ベージュ・オリーブとサックスブルー

ブラウンと同じアースカラーの流れで今期増えてきたのが、ベージュとオリーブ系である。コーディネートに軽さと柔らかさを足しつつ、クラシックな雰囲気も出せる色だとげんじは言う。例として、撮影日の自身の出勤コーデを紹介した。ナイスネスのベージュのパンツに、白とWYMの黒のタンクトップを合わせたものだ。HERILLのパンツ(げんじの3rdチャンネルで紹介したもの)のような色味も勧めている。

4つ目のサックスブルーは、ミュウミュウをきっかけに広がり、いまや定番色として定着したとげんじは説明する。げんじは普段「モノトーン+1色」を推奨しており、アースカラー2色の組み合わせにも触れている。そうした中でもサックスブルーは、ブラウン、グレー、ベージュとの色合わせがしやすく、今期のカラーパレットとの相性が最高だという。

アースカラー同士の相性が良い理由について、げんじは独自の説明をしている。湖の上に島があり、その上に葉の茂った木があって、幹は茶色、というように、人は地球上のこうした色の組み合わせを見慣れているからだという。パープルやピンク、イエローではなくこのパレットを勧める一方で、パープルも今期はやや気分の色だと付け加えている。締めくくりとして、今期はブラック以外にこれらの色を意識してコーディネートを組んでほしいと述べた。

アイテム①:レザーアウター

7つのアイテムの最初はレザーアウターである。ここ数シーズン続くレザートレンドは今年も継続しており、げんじはA-2型、カーコート、ジップブルゾンの3型をマストに挙げる。トレンドが2シーズン続いたことでカラー展開の幅が大きく広がった。中でもブラウン系は、今期のアースカラーの流れとの相性が非常に良いので押さえるべきだという。

やや踏み込んだ4つ目の提案がボタン式のレザーアウターである。これまではジップタイプのレザーブルゾンが主流だったが、国内ブランドでボタンタイプの提案が増え始めているという。LIDNMからもボタンタイプのレザーアウターが出る予定だと告知した。

素材ではスウェードの今季感が増しているとげんじは言う。これまでは合皮の価格帯でスウェード調のアウターをあまり見かけなかった。今期は本革のスウェードはもちろん、合皮のスウェードも一気に流行りそうな気配があるという。合皮が本革のレベルに届くのは難しいとも付け加えている。WYMで以前リリースしたフェイクスウェードのジップブルゾンは人気が高く、特にブラウン系は即完売したという。今期はその再販に加え、テーラードタイプのスウェードアウターもWYMから出る予定だと話した。

アイテム②:テーラードジャケット

海外編でも紹介したテーラードジャケットは、国内でも着実に広がっているとげんじは見る。特に多いのがピークドラペルのダブルジャケットだという。

ここでげんじは自身の年齢に触れた。今年32歳になり、学生っぽく見えないコーディネートへの要望が年々強まっている感覚があるという。20代後半から30代、40代で、高校生や中学生のように見られたくない人にはテーラードジャケットが特に勧められると話した。

アイテム③:デニム

フォーマルへの移行が進む中でも、ボトムスで最も重要なのはデニム素材のパンツだとげんじは言う。ただし中身は変わっている。リアルなヴィンテージ加工はやや落ち着き、ブラックやインディゴの未加工のリジッドデニムがじわじわ広がっていくという見立てだ。

秋冬にホワイトデニムを取り入れたスタイリングも、新鮮で爽やかな印象になるとして強く勧めている。げんじは5〜6年前に白のスラックスのトレンドが一瞬あったことにも触れた。当時はLIDNMやWYMでも好評だったという。ただ今回広がるのは白のスラックスよりも、白のカジュアルなボトムスのほうだと区別している。

シルエットにはフォーマルトレンドが反映されている。ワイドのトレンドが収束し、細身のストレートが増えているという。超細身になるわけでも、すべて細身でなければいけないわけでもない。それでも、細身のほうが新鮮に見える雰囲気は確実に増えていくとげんじは述べた。動画では加工デニム、リジッドデニム、ホワイトデニムそれぞれについて、画像とげんじのコーディネートが示された。

アイテム④:ヘンリーネックはSNS発のトレンド

ヘンリーネックは26SSから一気に広がったアイテムである。げんじはこれを、コレクション発ではなく、SNS時代を象徴する「地上から始まった」トレンドだと位置づける。

げんじが説明する通常のトレンドの流れはこうだ。まず海外コレクションの一流ブランドが発表する。次にドメスティックブランドがそれぞれの解釈を通して発信する。最後に、手頃な価格と潤沢な在庫を持つマス市場を通じて広がる。ヘンリーネックはこの順序と違ったという。SNSを起点に広がったY2Kトレンドの中で、当時のスタイルを再現しようとする人たちがいた。ユニクロやアヴィレックスのように定番としてヘンリーネックを展開していたブランドが、すぐ試せる在庫として受け皿になった。げんじ自身も早い段階でユニクロの長袖ヘンリーネックを紹介しており、そこからスタイリングとして一気に広がったと振り返る。その後ドメスティックブランドでも展開が大きく増え、秋冬でさらに広がるというのがげんじの整理である。展開の早いZARAやCOSはこの夏からすでに様々な形で提案しており、Instagramでもおしゃれな男性たちが気軽に取り入れて発信していたという。

魅力として、げんじはボタンを1つ2つ開けるだけで首元に自然なVラインができる点を挙げる。以前話した「鎖骨トレンド」ともつながり、首元に抜け感が出る。重ね着で首まわりをレイヤードしても重たくならないため、おしゃれを作るうえで欠かせないという。

今は安く挑戦できるので、まだの人はぜひ試してほしいとげんじは言う。すでに1〜2枚持っている人には、今年の秋冬で次のような新しい挑戦を提案した。素材や色を変える、ボタンの多いものにする、あるいは1万円台から2万円台の良い素材のものを買ってみる。

アイテム⑤:中性的なニット

今期のニットについて、げんじは中性的なデザインが急に増えていること自体がトレンドだと言う。この夏、女性たちがヘンリーネックのトップスを着ている姿を多くの人が見たはずだという。クルーネックカーディガン、シャツカーディガン、Vネックも、メンズではまだ格好いいという認識が薄い。しかし女性が着るとかわいいとげんじは話す。こうした中性的なアイテムは適度な抜け感があり、カジュアルなコーディネートにも馴染みつつ、フォーマルな雰囲気も出せるという。

げんじは、メンズとレディースで共通して流行っているアイテムを特に勧めている。女性の間では、クルーネックカーディガンやヘンリーネックが「おしゃれなアイテム」として認識されている。自分でお金を出して買うくらいなのだから、というのがその根拠だ。だから男性がそれらを取り入れると、女性から見てもおしゃれに映るとげんじは考える。さらに、女性は男性が想像する以上にシミラールックのような揃えた装いが好きだとも話す。そこを汲み取って選ぶのも、おしゃれな男性の考え方ではないかと述べた。

アイテム⑥:シャツ

カジュアルから綺麗めへとトレンドが移る中で、必然的に復活しているのがシャツだとげんじは言う。2〜3年前は、シャツを買うタイミングでジップパーカーを買っていた人も多かったはずだと振り返る。ミュウミュウの影響でサックスブルーは根強く人気で、今期はさらに白が注目されている。秋冬なので、先に紹介したニットとのレイヤードスタイリングが多く提案されていたという。

背の高い外国人モデルが着ると難しそうに見え、カジュアルなほうが安心だと感じる人もいるだろうとげんじは認める。そのうえで自身の着用画像を示し、綺麗めに寄りすぎることもなく、新しい気分を取り入れられるアイテムだと話した。

アイテム⑦:革小物(バッグ・ベルト・シューズ)

最後は革小物で、レザーアウターの流れを受けて確実にきているとげんじは言う。3つのカテゴリーに分けて解説した。

バッグでは、昨年から人気のレザーのショルダーバッグが続いている。大きめのサイズが多く提案され、コーディネート全体に存在感と大人っぽさを加えるという。特にスウェード素材のショルダーバッグが今期の注目だ。

ベルトについて、げんじは自身の行動を例に挙げた。仕事柄ユニクロのベルトを10本ほど持っていたが、すべて捨てたという。理由は、Aラインのシルエット、タックインするスタイリング、着丈の短いアイテムが大きく増えたことにある。そうなると、素材感、色、バックルのデザインに個性のあるベルトが格好よく見え、必然的に必要になるとげんじは説明する。ウエストラインが見えることでベルト自体がコーディネートのアクセントとして機能するため、新しいベルトを取り入れることを強く勧めた。特にオールドファッションなモチーフのプレートバックルのベルトが、多くのブランドから提案されているという。Llifeからも新作ベルトが出る予定で、Takeがすでに自身のYouTubeで解説していることにも触れた。

シューズでは、昨年からローファーとルームシューズを組み合わせたデザインが多く提案されている。今期はアウターと同様に、ダークブラウンのスウェードシューズが非常に多く見られるという。靴でブラウン系を意識するのもおすすめの買い方だとげんじは言い、Llifeのスウェードシューズの発売予定も告知した。

結び

げんじは最後に、今回は国内トレンドに絞って、何が流行り、どんなムードになり、どの色を選べばよいかを解説したとまとめて動画を締めた。全体を通した主張は、フォーマル・綺麗めへの移行が日本で加速する中で、次の2点が今季の服選びの軸になるというものである。ブラウン・グレーを中心とするアースカラーを使うこと。そしてデニムやヘンリーネックのように、すでに広がったアイテムを素材・色・シルエットを変えて更新していくことだ。