40代・50代が夏服で「若作り」に見えないために WYMの新作を開発者自ら「買うべき/買わなくていい」に分ける

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概要

ZOZOTOWNでブランド「WYM」を手がけるGenjiが、自社の2026年夏の新作を40代・50代男性向けに仕分けた動画である。取り上げるのは、時代遅れに見えず清潔感が出る夏のアイテムと、買うと無理な若作りや頑張りすぎの印象になるため避けたほうがいいアイテムだ。Genjiは「ファッションを感覚ではなくロジカルに解説する」と前置きし、自社商品でも勧めないものは勧めないという立場で話を進める。

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企画の前提:自分のブランドから「買わない方がいい服」を挙げる

Genjiによれば、WYMはZOZOTOWNの当日の人気ランキングでナイキに次ぐ2位に入っており、40代・50代のランキングでも上位にアイテムがあるという。価格はユニクロにプラス1000円程度で揃えられる、というのが本人の説明だ。

この企画が「ガチ」だと強調する理由は、WYMが数年前にGenji自身が立ち上げたブランドだからである。会社は売り上げがあってこそ成り立つので、売上につながらないことを言うのは怖い、とGenjiは率直に話している。そのうえで、40代・50代に向かない色やアイテムを1つでも持ち帰ってほしいとしている。

前提1:年齢とともに増える「カジュアル要素」を清潔感で中和する

最初の論点は、40代から受け入れなければならない「残酷な」事実である。Genjiは赤ちゃんと高齢者の画像を比べ、年齢を重ねると人間そのものにカジュアルな要素が増えると説明する。肌の質感、首のしわ、髪のキューティクル、AGAの進行、歯の着色など、10代・20代にはなかった要素が出てくる。これは清潔感とは逆方向の要素だという。

一方で、女性は男性に対して強く清潔感を求める、とGenjiは言う。妻から夫へ、娘から父へ、40代から始まる新しい恋愛でも同じだという主張だ。Genjiはこれを食べ物にたとえる。新鮮な料理や果物は誰でも食べるが、傷んできた果物や匂いのする魚、期限切れかもしれない食品は口にするのが怖い。子どもが無条件に愛されるのは新鮮だからであり、清潔感は新しいものからしか生まれない、というのがGenjiの考えだ。だからファッションでは、年齢とともに増えるカジュアルな要素を、清潔感のあるもので中和することが大事になるという。

20年前の感覚で服を選ぶとかっこよくならず「時代遅れ」と言われる原因もここにある、とGenjiは見る。特に夏は半袖というだけで大きなカジュアル要素になり、スーツを最もきれいめな状態とすれば、短パンは論外だという。そのため、夏はほかの季節以上に清潔感を考える必要があると述べる。

前提2:「程よいトレンド」が清潔感を補強する

2つ目の論点は、1つ目を実践するうえでの「程よいトレンド」である。清潔感だけを追うと、白のぴったりした細いパンツに白いシャツをタックインしてベルトを締める、という格好になる。Genjiはこれを「なんだかおかしい人」になってしまう例として挙げた。

Genjiは、程よいトレンドを意識するメリットを2つ挙げる。1つは、トレンド感のある服は「最近買った服」に見えるので新鮮さが感じられ、それが清潔感につながること。逆に細いパンツのような時代遅れのアイテムは、10年、15年前に買ったものに見える。その年数分の汗や汚れが蓄積しているように見え、「ちょっと匂いがしそう」という印象になるという。

もう1つは、女性が世の中の価値観に合わせられている相手と一緒に歩きたがる、という点だ。男性は周囲の目をあまり気にしないが、妻や娘にとっては、世の中の価値観に合っていない夫や父は恥ずかしい存在になる、とGenjiは話す。

ただし、若いインフルエンサーやブランドが発信する「今のトレンド」を40代・50代がそのまま着ると、かえって無理をしているように見える。そうした服には清潔感が欠けていることも多い。40代・50代に合うトレンドとそうでないトレンドがあり、その区別がこの動画の主題だとGenjiは位置づけている。

半袖オープンカラーシャツ:丈・襟の開き・鮮やかな青が「無理」のサイン

最初に取り上げるのは、5月1日発売の「MICRO SPAN CROPPED H/S SHIRT」だ。前回発売したレギュラーカラーの接触冷感シャツに続くシャツの2作目で、丈を短くし、肩の落ち方を抑えた開襟タイプである。4色展開のうち、チャコールは勧められるが、ブルー、ストライプ、ホワイトは勧めない、とGenjiは言う。基本的には前作のレギュラーカラーシャツを推している。

ブルーのシャツは現在非常に人気で、Genjiはミュウミュウがトレンドの起爆剤になったと説明する。10代・20代の男性や30代にとっては、着ればデートが成功するような「スペシャルなカラー」だという。ただ今回は前作よりも明るいブルーで作ったため、鮮やかすぎると感じている。40代・50代が自然には選ばない色をあえて選ぶところに、無理をしている感じが出てしまうという判断だ。

Genjiはここで、X(旧Twitter)で炎上していた話題に触れる。40代の男性が1Kに住み、女性との関係しか考えていないような部屋だ、という投稿をめぐって議論が起きていたという。この例のように、40代の下心が見えると引かれてしまう。40代が20代前半の女性に受けるような格好をしているのを見ると、「40代でしょ」「本来なら結婚しているはず」と受け取られる、というのがGenjiの見立てだ。若い層に支持されているブルーのシャツに40代が乗っかるのは悲しいが違う、と述べている。

代わりにGenjiが勧めるのは、40代・50代ならではの色気、セクシーさ、大人の余裕を生かした色・シルエット・アイテム選びである。具体例として、レギュラーカラーの「COOL TOUCH MICRO SPAN H/S SHIRT」に5月から加わる新色ブラウンを挙げた。黒は安定した選択肢だが、黒だけでは物足りない。その中で、落ち着いたブラウンは20代や19歳より40代が着たほうが圧倒的にかっこよく見える大人の色だという。レギュラーカラーのデザインも大人らしく、例年より着丈を短くしているものの、開襟シャツのようなボックスカットではない。

Genjiは開襟シャツの問題点を3つに整理している。着丈が短いこと、首が開きすぎていること、ブルーやストライプの色が鮮やかすぎること。この3点が、40代が無理をしてしまうポイントだという。開襟シャツを気に入った場合はチャコールなら大人っぽく着やすいとし、白も悪くはないが、白ならレギュラーカラーのほうが圧倒的に勧められるとした。今年32歳のGenjiは、自分が40代・50代ならブラウンのレギュラーカラーか、チャコールのシャツを買うと話している。

ヘンリーネックTシャツ:トレンドとしては正しいが、黒以外は勧めない

次は、タックインもできる新しいヘンリーネックの「REFINED RIB STRETCH HENLEY TEE」だ。Genjiはまず、なぜ今ヘンリーネックなのかを説明する。多くの人のクローゼットにある夏のTシャツはほぼクルーネックで、ユニクロやGU、無印良品を通じて世界中に行き渡った。そうなるとおしゃれの価値観は「希少性」へ移る。ヘンリーネックは希少性があり、ルメールなど様々なブランドも提案しているので、時代遅れではなく旬のトレンドだ、というのがGenjiの説明である。

そのうえで、このヘンリーについて40代・50代には黒以外は勧めないと言う(直後に「チャコールもいい」とも付け加えている)。Genji自身はこの商品をとても気に入っている。着丈が短く、袖も長すぎない。ユニクロのエアリズムコットンオーバーサイズTシャツのように肘が隠れる袖丈は、この5年ほど続いている。肘が見える程度の袖丈には程よい希少性があり、腕も見えすぎない、というのが評価の理由だ。

白を勧めない理由として、Genjiは白のヘンリーが高齢者のステテコのような印象を与えかねない点を挙げる。20代・30代で清潔感のある人なら、その印象を逆手に取って着こなせる。しかし40代・50代ではその印象に引っ張られ、トレンドとして着ているのではなく、昔から持っている下着を着ているように見えかねないという。

サイズ感にも注意点がある。この商品は、ニット素材で4000円台だった前作のヘンリーよりもトレンド要素を強めて作ったもので、価格は2000円台に抑えた。一方で着丈はかなり短い。175cmのGenjiがMサイズを着ると、つり革をつかむ程度なら問題ないが、手を上げるとお腹がほんのり見え、下に着たインナーも少しのぞく。お腹まわりの毛やへそが見えると危ういので、40代・50代には前作のニットヘンリーのほうが勧められる、とGenjiは話す。

ただし、Genjiはこの短さを完全に否定してはいない。丈が短いことで足が長く見え、スタイルがよく見える効果があり、40代・50代にも楽しんでほしい長さだという。粗は自分から探しにいけば見つかる程度だとして、不安な人はLサイズへのサイズアップを勧めている。40代・50代もファッションは好きで、楽しみ方を調整したいだけだ、というのがGenjiの見方である。

スラックス:今回もっとも強く勧めるアイテム

パンツでは、夏向けの「ARC CURVED AMUNDSEN SLACKS」を「めちゃくちゃおすすめ」と推す。涼しく着られ、ドレープがきれいで、ワイドすぎないワイドストレートのシルエットだという。3色展開で、価格は5,940円。

Genjiは、このスラックスをはいて娘と出かければ、周囲に「素敵なお父さん」とうらやましがられ、娘も鼻が高いだろうと語る。妻との外出や、40代・50代から始める恋愛でも同じだという。シルエット、素材感、色のどれもが美しいというのがその理由だ。動画中にGenjiがはいているストライプのパンツは、全身の映像ではストライプがわからないほどさりげなく、そのさりげなさがよいという。

ウエストにも配慮があり、後ろにゴムが入っている。Genjiはベルトで締めてはいているが、拳が2つ入るほどゆとりがあるという。無理なくはけるので、Tシャツ、シャツ、ヘンリーネックなど様々なトップスと合わせてほしいとしている。

リブのタンクトップ:前作で十分だが、「クルーネック以外の首元」は必須

「CLEAN RANDOM RIB TANK TOP」は、すでに発売しているクールドライのタンクトップとは違い、リブ仕様で着丈がやや短く、体に少しフィットする。レイヤードを前提としないデザインだ。Genji自身はストレッチが効いて着心地がよく気に入っているが、40代・50代には前作のタンクトップのほうを勧める。本来なら両方買ってほしいのに、今回のものは買わなくていいと言っている、と自ら驚いてみせる場面もあった。

理由の1つ目は、前作より身幅も着丈も少しタイトで、お腹まわりを拾いやすいこと。ゆとりはそれなりにあるが、気になる人はいるだろうという。2つ目はリブのデザインそのもの。3つ目は、丈が短くなったトップスに合わせたレイヤード向けの長さである点だ。40代・50代には前作の長さの需要があるとGenjiは見ている。色については、黒とチャコールは勧められるが、白とグレーは勧めない。白はステテコの話と同じく、特にインナーとして着るものでは40代・50代にとって危険な色だという。前作を持っているなら無理に買う必要はない、というのがGenjiの結論である。

一方で、ここからが重要だとして、Genjiは40代・50代が程よいトレンド性を取り入れるうえで、首元にクルーネック以外の選択肢を持つことが非常に大事だと強調する。シャツの前を開け、タンクトップで首元の開き具合を演出するのがその方法だ。注意点として、風が吹く場面では脇が見えることを挙げる。20代の韓国アイドルなどは脇を見せるのがうまいが、40代・50代の脇は女性の不快感につながるケースがあるという。風があるときはシャツのボタンを閉め、首元の抜け感だけを残せばおしゃれに見える、とGenjiは提案している。

Vネックの半袖Tシャツ:今年はまだ「早いトレンド」

次に紹介したのは、WYM初のVネックTシャツである。ついこの間までVネックはおじさんっぽく見えるアイテムとされ、クルーネックが主流だった。最近になって人気が出つつあるという。

それでもGenjiは、40代・50代は今年はまだ全色やめておいたほうがいいと言い切る。TシャツのVネックはまだ流行りきっておらず、「程よいトレンド」ではなく「早いトレンド」だという判断だ。しかも40代・50代にとっては、20年前にVネックが流行っていた記憶がある。最近買ったTシャツなのか、昔から持っているTシャツなのか区別がつかない見え方になりかねない、とGenjiは懸念する。当面はクルーネック、ヘンリーネック、半袖シャツなどを勧めている。

シルエットも、同じクロップドフィットのクルーネックTシャツよりさらにコンパクトで、手を上げるとお腹が見える。Genjiを含む服好きは今年このくらいの着丈を着たいと考えており、それを承知で作った。しかし、40代・50代に向けた調整とは両立できなかったという。来年なら発言が変わるかもしれないとも付け加えた。特に白は下着として着る文化もあるので、おじさんっぽく見える危険が強いという。

同じシリーズのクルーネックにも新色が出る。加工感のあるおしゃれな色だが、加工感のあるトップスは汗じみにも見えてしまうので、ややケアが必要だという。新色のブルーは少し若い印象なので、無理に選ばず、欲しくなったら買う程度でいいとGenjiは話している。

クールドライTシャツの新色:黒に近いネイビーとアイスグレー

「COOL DRY DENSE TEE」は、接触冷感と吸水速乾機能を持ち、ZOZOTOWNで好評だというTシャツだ。今回はここから2色の新色が出る。Genjiはこの2色を「めちゃくちゃおすすめ」としている。

ネイビーは黒に限りなく近い深い色で、大人っぽく、シックでモダンだという。アイスグレーは、白の爽やかすぎる印象にほんの少し色を足したもので、オーラリーのようなおしゃれな印象で着られる。モノトーン一辺倒ではないTシャツの選び方として、大人にかっこいいとGenjiは評価している。

グレーのデニム:色のない、新しい「大人カジュアル」

「VINTAGE WASHED CURVED DENIM」には、ひび割れ加工が程よく入ったグレーの新色が加わる。Genjiはこれを勧めるが、合わせ方に条件を付ける。デニム自体がカジュアルなアイテムなので、Tシャツだけだと少し若く見える。清潔感を意識するなら半袖シャツを合わせたい、という。

色についてのGenjiの説明はこうだ。ブラウンやブルーのデニム、たとえばZARAで見かけた崩れたシルエットのデニムなどはカジュアル寄りになる。一方、グレーは無彩色できれいな色なので、新しい価値観の大人カジュアルに向く。Genjiは、従来の大人カジュアルと聞くとアメリカ国旗やウエスタンデザインを思い浮かべるという(自分はよく知らない世代だ、と断ったうえで)。自身が推す「令和の大人カジュアル」は、清潔感があって相手を不快にさせず、大人が着て似合うカジュアルだと定義している。

半袖ニットシャツ:勧めるが、グレー同士の組み合わせには注意

最後は、昨年から出している半袖ニットシャツカーディガン「T/C BASIC HALF SLEEVE KNIT SHIRT」の新色グレーである。Genjiはこれを勧めつつも、優先度では前述のレギュラーカラーシャツのほうが上だとした。丁寧な作りで清潔感があり、涼しいという評価だ。動画では、ZOZOTOWNで1日1000万円以上売れているという、首元が大きく開いた見えにくいインナーTシャツを下に着て紹介している。

注意点として、Genjiは色の合わせ方を挙げる。動画内で試したグレーのデニムとグレーのニットシャツの組み合わせは、スウェットの上下を連想させ、部屋着やパジャマの印象になりやすいという。スラックスを合わせる、アクセサリーを足すといったケアをすれば、おしゃれな人がおしゃれな店で過ごしている姿が想像できるほどかっこいい。しかし、だらしなく見える可能性もある「表裏一体」のアイテムだとGenjiは評している。基本的には今回発売のスラックスと合わせることを勧め、昨年から人気のチャコールは残りわずかだとも話した。

締めくくり

動画の最後にGenjiは、WYMのほかにLIDNMとLlifeというブランドも手がけていると紹介した。そのうえで、大人にはWYMよりLIDNMのほうが勧められると述べている。価格は少し高くなるが、上質で大人に似合う素材、シルエット、デザインを出しているブランドだという。

動画全体を通じてGenjiが示した判断基準は一貫している。清潔感で年齢によるカジュアル要素を中和すること。トレンドは若者向けの「早い」ものではなく、40代・50代に合う「程よい」ものを選ぶこと。そのうえで、短い着丈、大きく開いた襟、鮮やかな色、白のインナー的なアイテムを、自社の新作であっても避けるべきポイントとして挙げた。Vネックについては「来年なら発言が変わるかもしれない」と述べ、評価が変わる余地を残している。