大人向けに舵を切るWYM:26AW 1stコレクションで語られたカーコート、レザーグローブ、ブーツ、そしてMODERNsとの協作ジャケット

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概要

WYMを手がけるGENJIが、2026年秋冬(26AW)WINTER 1stコレクションのラインナップを紹介した動画である。今月のリリースは2回に分けて行われ、前回はこのシーズンを象徴するフェイクスエード素材のアイテムが中心だった。今回はWYM初のカーコート、再販リクエストの多かったトップス、新カテゴリーのブーツとレザーグローブ、そして限定ジャケットが紹介される。

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どのアイテムの説明でも、GENJIは「大人のためのWYM」という方向転換を繰り返し口にする。価格帯は据え置いたまま、素材や設計の水準を大人の服好きが満足するところまで引き上げる、というのが動画全体を通した話者の立場である。

WYM初のカーコートとその背景

最初に紹介されたのは「ARTIFICIAL GRAIN CAR COAT」だ。GENJIは、心の底から紹介できるのが嬉しいアイテムだと語る。

GENJIによると、ここ2シーズンは短丈のアウターが圧倒的な人気を集めていた。今期はレザーアウターのデザインの幅が広がっており、その中でも特に注目されているのがカーコートだという。姉妹ブランドのLIDNMでは26SSと26FWに続けてカーコートを発売し、どちらも1分以内に完売したと話者は報告している。それを受けて、満を持してWYMからもカーコートを出すという流れである。

話者はカーコートの歴史にも触れた。ルーツは1900年代初頭、自動車の黎明期に生まれたモータリングコートにある。当時はオープンカーが多く、風や寒さ、埃から体を守るために長丈で防寒性の高いコートが着られていた。LIDNM版は1930年代のヴィンテージウェアのデザインを色濃く残したものだった。一方WYM版は装飾を削ぎ落とし、よりクリーンで現代的なデザインにアレンジしたと説明している。

大きさと重さのバランスを取った素材設計

素材は本革らしい質感を出すために湿式製法を採用した。表面には型押しではなく、本革のシボを再現したシートを重ね、より自然でリアルな表情にしたという。

GENJIが特に強調したのは、サイズ感と素材の厚みの兼ね合いである。カーコートはがばっと羽織る大きさがあるからこそおしゃれで渋い。しかし、その大きさに重厚で肉厚な素材を組み合わせると、大きさがもろに出てしまう。そこで素材は厚くしすぎない程度に設定した。その結果、見た目以上に着やすく、適度な柔らかさによって体に沿って落ちるドレープが生まれ、大きめのシルエットでも重たく見えないバランスになったと話者は述べる。素材の構造、加工方法、シルエットとの相性まで考えて仕上げた合皮素材だという。

価格は9,900円。カラーはブラックとブラウンの2色で、ブラウンはブラックにかなり近い大人向けの色味にしたと説明された。

価格は変えずに「大人のWYM価格」へ

カーコートの価格発表に続けて、GENJIはブランドの方向性を語った。WYMは学生向けではなく、大人が満足するクオリティとデザインのブランドになっていく。ただし、大人にもファッションのハードルを低くして小さな挑戦を繰り返してもらい、新しいおしゃれの価値観を一緒に開拓したい。だから価格をラグジュアリーにするつもりはない、というのが話者の説明である。価格帯そのものは同じでも、概念としては「新たな大人のWYM価格」で手がけていくと述べている。

スマホ操作できるシープレザーグローブ

次はWYM初のレザーグローブ「SMART TOUCH SHEEP LEATHER GLOVES」である。最大の特徴は、本革でありながらスマートフォンをタッチ操作できる点だ。

GENJIは8〜9年前にタッチ対応グローブを使った経験を振り返る。当時は、なかなか反応しないがぎりぎり反応するような状態だった。WYMでグローブを作るなら、触れたり触れなかったりする状況はなるべく避けたかったという。スマホの保護フィルムや機種によって多少の差は出る可能性があると留保しつつ、普通に触れて細かいタップもできると話者は述べる。ただし文字入力については、そもそも素手でも打ち間違えるので、正確なフリック入力などはグローブを外した方がよいとも付け加えた。歩きながらのスマホ操作は控えるべきだという世の中の認識にも触れ、それは自分のおすすめでもあると断っている。

レザー自体に導電剤を使っているため、指先だけでなく触れた部分で操作できるという。手のサイズによっては、指を曲げた関節部分の方が細かいタッチをしやすい人もいるだろう、と実演を交えて説明していた。

素材はシープレザーで、天然の細かなシボを生かし、ラムと見間違えるほど繊細な表情だという。なめしには植物由来のタンニンを使っている。これは皮本来の表情を生かしながら、使い込むほど風合いが深まる製法だと話者は説明する。しっとり滑らかなタッチに仕上げ、手に馴染むすっきりしたフィット感にした。手の甲には3本ラインのステッチを入れ、それ以外のディテールはミニマルにして、革そのものの表情を引き立てている。手首はウールナイロンのリブ仕様で、袖口から冷たい外気が入りにくい設計だという。

価格は5,500円で、サイズは2展開。手の大きい人でもLを選べば着用できるサイズ感にしたという。GENJIは、大人の男性でも手は寒いので防寒として着けたいし、グローブを着けるとコーディネートの雰囲気が変わって、また違ったファッション性を楽しめると語った。

説明の途中で、GENJIは少し脱線している。ここ1年ほどでチャンネルがだいぶ変わったこと、以前から変えたかったがコンフォートゾーンに入っていたことを振り返った。そして、ファッションも大人からの再挑戦であり、今の自分に正直になって失敗やリスクを恐れないと気持ちいい、と話している。

モヘアブレンドのシャツカーディガンを作り直して再販

「MOHAIR BLEND KNIT SHIRT CARDIGAN」は昨年リリースして好評だったアイテムだ。今年も出るのかというコメントや問い合わせ、DMが多く寄せられていたという。GENJIは、アウター感覚で羽織っても、冬のアウターの下に着てもよい、幅広く使えるアイテムだと位置づける。

今期は大幅にアップデートして再販する。まず編み地をゼロから見直した。昨年の9ゲージから今期は7ゲージへ、少しローゲージに変更している。ニットらしい表情を出しながら重たくならないよう、度目の調整を繰り返し、程よく軽さのある編み地にしたという。

背景には話者自身の実感がある。大人の年齢になると、重たいトップスよりも、高級な雰囲気をまといながら硬くなく、柔らかく軽さのあるニットに惹かれる。GENJIは、そうしたニットを意識的に選んでいる人にも共通する思いだろうと述べ、年を重ねた自分だからこそWYMで実現したかったと語った。

加工も変えた。一度製品洗いをかけて自然な毛羽立ちを出した後、さらに起毛加工を加えることで、糸本来の風合いを残しながら上品で繊細な毛感にしたという。シルエットは昨年より少しコンパクトにした。ただ小さくするのではなく、柔らかな素材感に合う程よいルーズさは残している。襟の設計にも時間をかけ、より立体感のある襟にした。昨年の人気品をそのまま再販するのではなく、素材からシルエットまでゼロから作り直した一着だと話者は説明する。今回からXSサイズも加わる。

5素材の混率に込めた意図

素材はアクリル、ナイロン、ウール、モヘア、ポリウレタンの混紡である。GENJIはこの混率のバランスを「美しい」と表現し、それぞれの役割を説明した。

アクリルは軽さ、柔らかさ、滑らかさのためだ。ただしそれだけだと柔らかすぎるので、ストレスのない着心地のための伸縮性も程よく加えた。その2つだけではやや中性的な印象になりすぎるうえ、長く着られるタフさも必要なので、ナイロンを加えた。そこに天然繊維でしか出せない高級な風合いとして、モヘアとウールをブレンドした。ウール100%やモヘア100%は価格が高く扱いも難しくなる。だからこそこの混紡は「大人のための素材」だというのが話者の主張である。

価格は6,000円を切る5,940円で、10月2日にリリースされる。人気のサイズやカラーは最初の納品分が売り切れることがあり、予約に切り替わると届くのが先になる可能性があると案内していた。また、動画内の一部に実際の色味と異なる映像があると断りを入れている。

着用試験を重ねたダブルジップブーツ

WYM初のブーツ「DOUBLE ZIP HIGH SOLE BOOTS」について、GENJIは本当に好きなアイテムだと話す。細部の調整を何度も重ね、自分だけでなく複数人での着用試験を繰り返したという。

デザインは、Llifeで展開していたダブルジップをWYMにも取り入れたものだ。内側と外側の両サイドにジップを配置し、足首まわりはホールド感が出るよう細身にした。つま先はシャープすぎない、程よく丸みのあるラウンドトゥである。ソールはアウトソール4cmに加えてインソールにも1cmの高さを持たせ、合計5cmのスタイルアップができる設計だ。高さを出しつつ前後の傾斜がきつくならないよう、つま先側にも厚みを持たせ、見た目と歩きやすさのバランスを整えたという。

素材には、WYMがアウターで開発を重ねてきた本革のような表情を持つ合成皮革を使っている。ブーツ用には均一になりすぎない細やかなシボを入れ、より本革に近い表情にした。定番のダービーシューズのように本革で作ることも検討したが、本革にかなり近いクオリティまで素材を作り込めたこと、価格とのバランスを考えたことから、自信を持ってこの素材を採用したと話者は説明する。価格は9,900円、10月2日発売。GENJIは、脱ぎ履きのしやすさ、歩き心地、素材の良さ、身長が盛れる点を挙げていた。

黒に慣れすぎた大人に向けたダークネイビー

「SILK BLEND V-NECK KNIT」は、前回再販して人気だったシルクブレンドニットの新色である。GENJIは、この2、3年で気づけばブラックに慣れすぎてしまい、主張しすぎずに新鮮さのある色が欲しいと感じていたという。これまで新色としてはブラウンや明るめのベージュを出していた。しかし、ブラック感覚で着られてチャコールでもない色はないかと考え、ダークネイビーに行き着いた経緯を語っている。

話者によれば、ダークネイビーは自分でも良いと思いながら不思議と着ていなかった色だという。今は程よく希少性があって少数派になれるのに、落ち着いた清潔感もある。つい黒に依存してしまう自分たちだからこそ良さが際立つ、というのがGENJIの見立てだ。デニムとの組み合わせを推し、袖を少しまくって白を見せる着こなしも紹介した。肉厚すぎないので着ぶくれせず、暖かいという。価格は据え置きの4,400円で、10月2日発売。

and ST出店記念の限定ジャケット

最後に紹介されたのが「Ex. FAUX SUEDE 1st TYPE JACKET」である。WYMのand ST店オープンを記念し、10月9日にand STでリリースされる。オープンから3日間限定の1,000円クーポンもある。さらに10月11日・12日の東京ポップアップでも、数量限定で購入できると案内された。

素材は、すでに発売しているブルゾンやジャケットと同じ、今期開発したフェイクスエードだ。超極細のマイクロファイバーを使い、本スエードのような繊細な毛感、上品でマットな表情、滑らかな肌触りを再現したという。デザインのベースは、デニムジャケットの中でも1936年から1940年頃に生産されていたとされるファーストタイプの最初期モデルである。多くのファーストタイプに見られる胸ポケットのフラップをあえて省いた、極初期ならではの希少なディテールを採用した。デニム特有の無骨さを抑え、フェイクスエードの滑らかな表情と組み合わせることで、ヴィンテージの雰囲気を残しつつ現代的で落ち着いた佇まいにしたと説明している。シルエットは程よくコンパクトにしたが、インナーとのバランスを考えて身幅とアームにはゆとりを持たせた。価格は9,900円。

MODERNsのチームが主導した一着

このジャケットについて、GENJIが最も時間をかけて語ったのは制作の経緯である。WYMの運営に関わる「MODERNs」のメンバーが中心となり、彼らの主導で生まれたアイテムだという。MODERNsには、ネットでは見えない場所で努力しているメンバーもいれば、顔を出して自分たちのフィルターを通してアイテムの良さを発信しているメンバーもいる、と話者は紹介した。

GENJIによると、ブランドが去年の段階でこの方向に進むと決めた中で、この1年、彼らと共にこのアイテムの制作に取り組んできた。会社として任せきりにすれば結果的にアドバイス不足になる。客が満足するアイテムを届けることを最優先したうえで、彼らに挑戦の機会を与えたかったという。「こうしたい」という希望と意思決定は彼らに委ね、会社として実現を全面的に支援した。40代を超える服作りの経験者を含む社内の先輩たちも一緒に作り上げたと話者は説明する。その結果、当初の想像以上に良いものができ、自分でも驚いたと語っている。

販売経路はまだ確定していない。当初はand STと東京ポップアップの2か所限定で出す方向で進めていた。しかし現在は、ZOZOTOWNでも販売できないか調整している最中だという。ポップアップ以降はand STだけになるかもしれず、どうなるかは分からないとGENJIは述べた。そのうえで、今秋冬に着られるタイミングで買えるのは10月の今回の機会だけだと案内している。

GENJIは32歳になったことに触れ、20代の彼らの努力が本当に嬉しい、これが30代というものか、と感慨を口にした。同時に、応援の気持ちから買ってほしいわけではないとも強調している。忖度なく、世の中の一般的なアイテムと同じように見て良いと思った人に、デザインの背景や、単純にかっこいい、気分が上がるという点に共感して手に取ってほしい、と締めくくった。

動画の結び

最後にGENJIは、Instagramに今回特別に撮影したルックを掲載していることを案内した。また、MODERNsとしての活動は社内のさまざまな事情で更新頻度がかなり緩やかになっているが、メンバーの個人チャンネルがあると紹介した。動画はその後、スタイリングムービーへと移って終わる。限定ジャケットがポップアップ後にどこで販売されるかは、動画の時点ではまだ決まっていない。