ZOZOTOWNのランキング上位に並ぶ服が、なぜ大人にはおしゃれに見えにくいのか:げんじの解説

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概要

ファッションインフルエンサーのげんじは、この動画で、ZOZOTOWNのランキングやTikTok、Instagramでよく見かけるにもかかわらず、大人が着るとおしゃれに見せにくい服を取り上げている。対象は、ユニクロやしまむら、ライトオンで無難に済ませた結果の「ファッションに無関心なNG」ではない。ファッションが好きで追いかけるうちに行き着き、本人にはかっこよく見えてしまう服である。話者はこうした現象が2026年以降に増えると見ている。判断の基準は、多くの人からおしゃれだと思われること、そして隣を歩く相手に恥ずかしい思いをさせないことだ。

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話者は、不動産のプロが勧めない物件や、薬剤師が勧めないサプリメントの話に需要があるのと同じだと説明する。アパレル業界で12年活動し、3つのブランドのディレクションを手がけ、総フォロワー数は300万人を超え、Forbesの「30 Under 30」にも選ばれた自分だからこそ踏み込める、というのが話者の立場である。そのうえで、特定のアイテムを好きで買っている人には不快な内容かもしれないと前置きしている。

スマホの画面では「単体で目立つ服」が選ばれやすい

話者はまず、なぜこうした服がランキング上位に来るのかを説明する。ZOZOTOWNでは多くの商品が小さなスマホ画面に並び、おすすめも次々に表示される。その中では、無地の落ち着いた商品よりきらびやかなアイテムのほうが目立つ。話者はドラッグストアの棚にも同じことが言えると例えている。

話者が以前から繰り返しているのは、おしゃれな人は組み合わせで考えて服を買うのがうまい、という点だ。ところが気づかないうちにアイテム単体で見てしまい、単体のかっこよさだけで選ぶと、カジュアルな要素ばかりが集まる。話者はこれを落とし穴と呼ぶ。

もう一つの要因として、顔立ちの問題も挙げている。過去の動画で、整った顔は「綺麗め」の側に分類されるという話をしており、そうした顔のインフルエンサーには似合うアイテムがとても多い。その人が勧めるスマホ上の目立つアイテムを誰でも同じように着こなせると考える人もいるが、それは誰でもかっこよく見せられる服ではない、というのが今回の主題である。

ハーフジップの半袖トップス

最初に取り上げたのは、ハーフジップ系の半袖トップスだ。話者は実際にZOZOTOWNのセールで2点を購入して紹介している。この種のアイテムは安く作りやすく、デザインがキャッチーだという。

話者によれば、2〜3年前は大きなカジュアルトレンドの時期で、話者自身もWYMからハーフジップの半袖トップスを出して好評だった。当時のムードには合っていた。しかし最近はXでも話題になっていたように、ZOZOTOWNでカジュアルなアイテムがかなりセールになっており、トレンドは変わりつつあると話者は見る。フォーマルで落ち着いたファッションが人気になる中で、ハーフジップには不利な点がある。ジップのデザインそのものがカジュアルで、襟を立てた状態もカジュアルに見える。寝かせても、ジップの開きから裏側の縫製が見えてしまう。

話者は、ハーフジップ自体が悪いわけではないと強調する。WYMの過去作は、ジップの大きさなどに綺麗めの要素があった。問題は、市場に多いものが「ハーフジップ×何か」という掛け算になっている点だ。紹介した1着はハーフジップにオーバーサイズを掛け合わせ、素材はポリエステル・レーヨン・ポリウレタンの伸縮性があるポンチ素材だった。柔らかく、綿素材のようなきちんとした印象にならない。もう1着はハーフジップにトラックデザインを組み合わせ、コードが付き、サイドにもジップがあり、色はハワイアンブルーだった。話者は、単体で見れば見どころが多く可愛いと感じると認めている。ただ、組み合わせるとカジュアルが集合したデザインになる。

話者は、こうした服が上位に来るのは不思議ではないとも述べる。アルゴリズムやAIのおすすめ機能で自分の好みを突き詰めると、足し算で「好き」が詰まったものに行き着く。一方、大人の感性でいえば、引き算の美学が反映されたものを好きになるのがかなりおしゃれなマインドだという。さらに、4000円以下で買える価格の安さがハードルを下げ、挑戦しやすくしているとも指摘した。肩が大きく落ちたシルエットにも注意が必要だという。

代わりに勧めたのは、スキッパーデザインのシャツ、ユニクロで紹介したようなポロシャツ、首開きの形が異なるプルオーバー、あるいはフロント全体がボタンで留まるアイテムである。後者のほうが子供っぽくならないと話者は述べる。

ライン入りの半袖ゲームシャツ

似た理由で、半袖のゲームシャツも挙げた。ランキング上位に長くあるもので、20歳前後の男女がディズニーでお揃いにする様子を想像すると微笑ましい、と話者は言う。イベントのときに着るなら高校生や大学生にはよいとしつつ、以前のショート動画で扱ったデートのように、食事や買い物の場面では難しいという。

話者の基準は、多くの人からおしゃれに思われ、隣の人を恥ずかしくさせない服とは、カジュアルと綺麗めのバランスが中和された服だ、というものだ。半袖はそれだけで非常にカジュアルな状態である。その上で、このシャツはモノトーンであってもベースの素材がカジュアルで、切り替えのデザインも、袖のデザインも、チーム名を掲げるようなデザインもカジュアルだ。ラインの入った服はパンツでもジャージ素材でも、大人の感性で選ぶものではなくなってきていると話者は述べる。

大学のキャンパスでは周りの全員がおしゃれに気を使っているため、差別化の手段として有効な面はあると話者は認めている。宮下パーク周辺でも同じだという。しかしキャンパスを出て、駅、カフェ、レストラン、商業施設の待ち合わせ場所に行くと、急に浮いて見え始める。

半袖デニムジャケットと半袖テーラードジャケット:ルーツとの矛盾

3つ目は、半袖のデニムジャケットと半袖のテーラードジャケットだ。話者の印象では、ユニクロやGUで売っていない半袖デザインが、ZOZOTOWNのランキングで年々増えている。ユニクロの半袖はTシャツ以外ではシャツ、ポロシャツ、ヘンリーネック程度で、GUに半袖パーカーはあっても、半袖のデニムジャケットやテーラードジャケットはあまり想像できない。ZOZOTOWNやTikTokでしか買えないから売上が立つ、と話者は分析する。

デニムのほうは分かりやすいと話者は言う。夏のコーディネートはもともとカジュアルになりやすい。そこにカジュアルな素材、ボタンやジップ、ヴィンテージ加工が重なるので、半袖パーカーと同じく、すべてがカジュアルな服になる。

では、綺麗めのテーラードジャケットなら半袖のカジュアルさと釣り合うのではないか。この疑問に対して話者が示したのが、デザインのルーツという考え方である。デニムジャケットはもともと炭鉱で働くとき、腕を傷つけないために長袖で、破れにくい素材でガシガシ使えることを狙って生まれた。テーラードジャケットは体のバランスを整え、相手への敬意と、自分が整っていることを示すための服だ。ビジネスや結婚式などで失礼がないよう、長袖で整った状態を作ることに意味がある。

話者は、半袖の服すべてがダメなのではなく、半袖のルーツを持つ服か、長袖のルーツを持つ服かが大事だと説明する。半袖のテーラードは、敬意を示したいのかどうかが分かりにくい。半袖デニムは、体を守りたいのか、肌を出して涼みたいのかが矛盾している。おしゃれかどうか以前に「なぜ?」という疑問が浮かんでしまう、というのが話者の見方だ。デニム以外の素材でデニムジャケット型にしたものも、ワーク由来のデザインと半袖が矛盾するので同様だという。話者は、これが分からないのは普通のことで、一緒に学んでいけばよいとも付け加えている。

話者によれば、こうしたアイテムは7〜8年前には選択肢に上がってこなかった。スマホの中での差別化が進むほど、ルーツをたどると成立しないデザインでも、キャンパスでの差別化を狙って提案するブランドは今後も増えるだろうと予想している。

顔の良さが服をかっこよく見せる

話者は、顔が小さく、髪を整えたイケメンのモデルが着れば、ルーツに合わない服でもかっこよく見えると認める。話者の言葉では「顔面の暴力」で、顔がかっこいいと服までかっこよく見える。ネット上で気づいたら欲しくなっている仕組みがどんどん巧妙になっている今、この点を意識してSNSと心の距離を取ることが大事だと話者は述べる。

花柄・レース・整えすぎた半袖:世界観への入り込みすぎ

次に取り上げたのは、黒地に紫の花柄、青系のもの、古着風の柄など、きらびやかな半袖シャツやレース調の服である。話者は、これらはカジュアルではないと言う。問題は別のところにあり、強い世界観を作る服だという点だ。

話者は、日常には悲しいことや面倒なことがあり、ファッションにはそれを忘れて世界にどっぷり浸れる素晴らしさがあると認めている。ただ、それが加速しすぎると、相手には「独特な考えを持っているのでは」「ベクトルが相手でなく自分にしか向いていないのでは」と映る。

同じ文脈で、半袖シャツにVネックベストを重ね、ネクタイを締めるような「整えすぎた半袖」も挙げた。モテるコーディネートとして清潔感や綺麗めが語られることは多い。しかし話者は、綺麗めにすればするほどよいわけではないと言う。半袖であるにもかかわらず、メンズメイクやヘアセット、場合によってはマスクまで使って強引に綺麗さを押し出すと、世界観に入りすぎている印象になり、話を聞いてくれる人なのかという不安や頑張りすぎ感が出てしまう。顔が小さくイケメンなら「楽しんでいる感」に見えるが、全員がそうなるわけではない。恋人や夫がこうした服で横を歩いたらどう見えるかを想像してほしい、と話者は述べる。同じ方向性の女性の横に並ぶなら合うが、そうでない美意識の人のほうが大多数だというのが話者の見立てである。

代案として話者は無地のシャツを勧める。派手な柄シャツより清潔感と落ち着きがあり、慕われやすい人格に見えるからだという。

夏に暑そうな格好は「心配」が勝つ

この流れで話者は、夏のニットベストにも疑問を示した。以前の街頭インタビューでも出た話として、冬に寒そうな格好をしていると、おしゃれかどうかより先に心配が勝つ。夏に暑そうな格好も同じだという。長袖シャツでも首元を開けて袖をまくれば涼しげに見えるが、ニットベストはかなり暑そうに見える。半袖シャツにネクタイを締めるのは、首を温めるマフラーと同じだと話者は例える。「おしゃれは我慢」と言うが、我慢しすぎると「そこまで頑張らなくていい」と見られてしまう。

スウェットパンツ:大学生には欠かせないが、大人には

最後のグループはパンツで、まずスウェットパンツを扱った。話者はその流行を背景から説明する。コロナ禍では、室内でも外でも楽しめるファッションが時代のムードになり、カジュアルトレンドに拍車がかかった。2024〜2025年には、時間のある大学生がスマホで自分のファッションを発信し、スウェットパンツを提案していた。

話者は、大学生にとってスウェットパンツがどれほど便利かを具体的に語る。朝急いで履け、授業で長時間座れ、昼食に出かけ、その後バイトに行ける。タックや加工、トラックデザインが入ったものはキャンパスで差別化でき、安い居酒屋にも溶け込める。話者は「神様」のようなアイテムだとまで言い、自分が大学生なら「おすすめスウェットパンツトップ3」を紹介していただろうと述べる。この文化や学生を否定する気持ちは一切ないとも明言している。

それでも、24〜29歳や30代の大人が履くと、大学生と同じことをしていることになり、子供っぽく、学生っぽく、年齢を分かっていない印象につながると話者は言う。食事の相手、つまり恋人やこれから恋人になるかもしれない人は、相手の服に「ダサくないでほしい」「恥ずかしくないでほしい」という要望を必ず持っている、というのが話者の考えだ。

話者によれば、最近のランキングに上がるのはユニクロのようなシンプルなものではない。デザインにギミックの入ったスウェットパンツで、新鮮さから「楽そう」と買う人が多い。TikTokライブでカーブ系のスウェットパンツが何万本も売れた話もよく聞くという。夏は半袖×スウェットパンツになりやすく、トレンド自体も下火になってきたと話者は見ている。渋谷のスクランブル交差点で差別化したい場面なら合うかもしれないが、大人には社会的な信用が必要になる、という。

装飾の激しいデニムとドーパミン

もう一つは、装飾の激しいデニムパンツだ。話者は、過剰なカジュアルトレンドの中で、ディーゼルやバレンシアガ、ZARAなどのブランドやZOZOTOWNで装飾的なデニムが人気になったと振り返る。話者自身も2年前にZARAのポケットがたくさん付いたデニムを紹介していた。しかし時代のサイクルは速く、今はTPOに合った服が求められるので、かっこよく見せるのが難しいという。紹介したパンツも、新作というよりセールゆえに上位に来ているものだと話者は見ている。

話者は、これからはSNSのアルゴリズムに振り回されすぎないファッションの価値が高まると予想する。セールで安いから買う、金髪の大学生がかっこよく着ていたから買う、顔の小さい男性が勧めていたから買う、ライブ配信の男女ペアが勧めていたから買う。こうした選び方は振り回されている感が出て、結果的に子供っぽいトレンドに行き着く、という。

ここで話者はドーパミンの比喩を使う。派手なデニムは、買ったとき、届いて開けたとき、履いたとき、ドキドキしながら出かけるとき、それを話題に誰かと話すとき、ずっとドーパミンを出してくれる。話者自身も「ドバドバ出したい」気持ちは分かると言う。ただ世の中では、ドーパミンだけでなくセロトニンやオキシトシンに価値があるというムードに変わりつつある、と話者は述べる。スウェットパンツや派手なデニムは、楽で、季節を問わず、安く買えるという意味で自分を幸せにする。しかし、レストランで隣を歩く恋人や夫、マッチングアプリで出会った相手が「SNS由来の恥ずかしいパンツ」を履いていたら、隣の女性は恥ずかしく感じるかもしれない。周りの人を幸せにするのは難しい服だ、というのが話者の結論である。アイテム自体に罪はなく、年齢によって合う・合わないが出てくる、という整理だ。

なぜ話者がこれを言うのか、そして代わりの選択肢

話者は、この話を誰が言うべきかという問いにも触れた。地元の友人やマネージャーの川島が言っても意味がない。大学生向けの服を着ている大人に「年齢に合っていない」と言えば必ず批判を浴びるので、本当は言いたくない。それでも、ファッションインフルエンサーの元祖とも言われ、読者モデル時代を含めて12年、32歳になるまで人より多くの時間をファッションに費やしてきた自分に分かることがあるなら、誰も言わないなら自分が伝える、と覚悟を語っている。

パンツの代わりとして話者が挙げたのは、スラックスへの挑戦、落ち着いたデニム、リアルな加工感を追求したデニムである。一度に全部を変えるのではなく、少しずつ変えてみることを心がけてほしいという。

話者は動画全体を、これからの「かっこいい」とは何か、そしてファッション好きが陥りやすい落とし穴を、感覚ではなく人の感情と服のルーツ・機能・デザインからロジカルに説明する試みだったとまとめている。話者の答えは、スマホの画面の中で目立つ服ではなく、状況と年齢に合い、隣にいる人まで幸せにできる服を選ぶ、というものだった。