げんじがわむうに語る夏の購入品9点:素材、はき心地、そして国内ブランドの価格

YouTubeで開く ↗
概要

低身長向けファッションを発信するYouTuberのげんじが、同じく低身長向けに発信しブランド「shiun」を運営するわむうを招き、自身の夏の購入品を紹介した回である。普段はカメラに向かって一人で話すげんじが、今回は19時過ぎにアサヒスーパードライで乾杯し、「ねえねえ聞いて、俺こういうの買ったんだ」と友人に見せるような落ち着いた雰囲気を試している。紹介されたのは9点で、話は素材や着心地の説明にとどまらず、国内ブランドの価格設定への問題提起にも及んだ。

14分で読めます

なぜわむうを呼んだのか

わむうは身長164cmで、低身長男子に向けたブランド「shiun」で洋服などを作っている。わむうによれば、ファッション誌では長身の外国人モデルが前提になっていて、服を好きになっても参考にできるものがなかった。そんなときにげんじの低身長向けの動画を見て、この分野の発信は必要だと感じ、自分でも始めたという。

げんじがわむうを選んだ理由は、服の感性が近いことにある。二人ともブランドを運営しており、提案する服も似てきている。わむう本人も、げんじに影響を受けて似た方向になってきたと認めている。げんじは、相手がモード一辺倒やストリート一辺倒の人なら自分の服を「いい」と言ってもらっても嘘になってしまうと話し、わむうの率直な反応を聞きたいとした。

OUR LEGACY「RIGID POPOVER」:古着感はあるが古着にはない色

げんじが「最近買って一番いいと思った」と最初に出したのは、OUR LEGACYのニットのプルオーバーである。素材はコットンとナイロンで、青く見える部分がナイロンのフィラメント糸だ。ナイロンは光を反射するつやのある糸で、よく見ると青と赤が点々と浮き出ている。その結果、玉虫のように見る角度で色が変わり、何色かと聞かれても答えにくい色になっているとげんじは説明する。素材、色、デザイン、シルエットがすべて良く、約9万7000円という価格も「かっこいい」と言う。

着方にも工夫がある。編みがかなり甘く透けるため、げんじは自身のブランドWYMの1265円のインナーTを下に合わせた。接触冷感、防臭、吸水速乾の機能がある商品だという。タンクトップを合わせて肩の透け感を見せる方法もあるが、このニットの雰囲気にはUネックのインナーのほうが合うと判断した。わむうは、着丈が短めのコンパクトな作りと長めの袖を評価し、同系色のインナーが自然に収まっている点もほめた。

げんじは、古着のような雰囲気がありながら古着では出せない色とネックの広がりがこの服の魅力だと話す。編みが甘いので涼しく肌離れもよく、コットンのさっぱり感とナイロンのタフさがあるため伸びすぎない。実際に着てみると風がよく通り、相当涼しいという。

STEVE MONO「GURKHA SANDAL」:痛くならないレザーサンダル

2点目はSTEVE MONOのグルカサンダルだ。げんじはこのブランドをよく知らなかったが、ユナイテッドアローズのサイトで見て気に入り、初めて購入した。

げんじはこれまでレザーサンダルを何足も買い、歩き心地や痛さのせいで何度もはかなくなってきた。去年は、レザーサンダルをはきたいのに結局スニーカーサンダルを選んでしまうことが多かったという。このサンダルは革がとても柔らかく、カットの柔らかさもあって「このタイプでこんなにはきやすいのか」と衝撃を受けたと話す。わむうも実際に触って柔らかさを確かめ、「レザーサンダルで痛くならないなんてことがあるのか」と驚いた。デザイン性、白い太めのステッチ、柔らかい茶色も評価された。ソックスの上からでも素足でもはけ、わむうはシルバーアクセサリーとブラウンの組み合わせを夏らしいと評した。ストラップのバックルは小さいほうが可愛いが、小さいと留めにくいという「あるある」も出た。

この流れで、わむうはshiunで出したレザーサンダルに触れた。第2弾は来年の予定で、スポーツサンダル型とレザーサンダルの2型を試行錯誤しているという。

markaware「Comfort Fit S/S Shirt」:リネンの代わりになるウール

3点目はmarkawareの半袖シャツである。げんじは特にmarkawareを探していたわけではない。リネンのような軽くてとろみがあり、肌離れのよい素材が年々好きになり、そうした服を探していた。このシャツはトロピカルウールで、ほぼリネンのような質感だという。オンラインで購入し、届いてから、げんじのブランドLIDNMがビンテージ風の服で頼りにしている工場と同じところが手がけていると知ったそうだ。

価格は3万6300円である。げんじは、自分たちのブランドの生産スタイルならもう少し安くできるとしつつも、良いシャツだと評価した。形はベーシックで、サイズ1でもかなり大きく、着丈も長めである。わむうは厚手のカフスを良いと言ったが、げんじは「正直、このカフスの厚さは嫌」と返した。袖をまくると硬いカフスが目立ち、いかにもまくっている感じになるからだ。それでも、リネンの価格がかなり上がっている今、トロピカルウールの少し硬いシャリ感はかえって新鮮だとまとめている。

撮影の途中で二人は、このしっとりした進め方が滑っているかもしれないと不安を口にし、視聴者にコメントで感想を求めた。げんじは、わむうの「根本的に自信がない」性格こそが長所だと話す。人が考えきれないところまで考えるからこそ、デザインや発信の言葉、低身長の人のために何ができるかといった点に力を注げるのだという。げんじ自身も根本的には自信がなく、謙虚に静かにやっていきたいタイプで、その点が似ていると話した。

Steven Alan「Slub Regular Collar Short Sleeve」:2万円以下の半袖

4点目はSteven Alanの半袖シャツで、価格は1万9800円だ。素材はテンセルを主体に、リネンが少し混ざっているという。テンセルはもともとリネンのような風合いになりやすく、そこにリネンが加わることで、リネン100%には見えないものの良い質感になっているとげんじは説明する。わむうは触ってみて、意外に張りがあると反応した。

とろみのあるシャツは古い印象になりがちだが、このシャツにはワンウォッシュがかかっているので、そうした雰囲気にならない。げんじはドレープ感、張り、とろみ、そして桃の皮のような肌触りを挙げ、今回買った半袖の中で一番良いと言う。わむうは、以前なら1万3000円前後だった価格帯が6年ほどで上がったと振り返りつつ、仕方ないことだと受け止めた。そのうえで、半袖はサイズ感が難しいので、2万円以下でこの出来は良いと同意している。

BATONER「SUMMER WOOL T-SHIRT」と価格をめぐる問題提起

5点目はBATONERのサマーウールTシャツで、価格は2万6400円である。ここでげんじは価格について踏み込んだ話を始めた。ボーダーに見える同じようなTシャツは、自分のブランドWYMなら1万円以下で出してきたという。

げんじはまず、あくまで自分の立場からの話で申し訳ないと前置きした。そのうえで、品質やブランド力、生地代が価格に反映されていることは認めている。ただ、ファッションインフルエンサーが紹介すれば、それを良いと思って買う人が出てくる。本来は安く作れる服でも、アパレル業界の構造やブランド力のせいで、たとえば9900円で出せるものを2.2倍以上の価格で買うことになっているのではないか、と問いかけた。高い服を買うことに満足感を覚える人がいるのは理解できる。それでも、果たしてそれで本当に良いのかと考えているという。わむうは、一般的な感覚では半袖Tシャツに2万6000円は高く、同じ生地なら安いほうがいいという考えも分かると応じた。視聴者にはお小遣い制の人も多いという点も挙がった。

げんじが共感した例として挙げたのが、YouTuberのなかむの動画である。なかむは案件ではなくGUの動画を撮り、GUの服が安いうえに品質も良く衝撃を受けたとして、国内ブランドの元気のなさに触れていた。げんじはこれに深く共感したという。WYM、LIDNM、Llifeを運営する立場から見ると、既存の価格設定はアパレルの構造上やむを得ない面もあるかもしれない。海を越えて日本に届くほどの魅力があるインポートブランドは別として、国内ブランドは価格と向き合わなければ存続が厳しくなる、というのがげんじの考えだ。一方で、現状を受け入れている人が大多数であることも認め、わむうがそうした人たちに配慮した発言をするのは仕方ないとしながらも、「それだと飲まれるぜ」と投げかけた。

わむうは、同じような服を高いコストで提案し続ければ日本のブランドが衰退していくので、日本を盛り上げようという話かと受け取った。げんじは、それはまた別の動画になりそうだと答えている。好きな人が高いお金を払って満足しているなら、その循環に自分が文句を言っても仕方ない。それでも、妥当な価格で買いたい人は絶対に多いはずだ、というのがげんじの立場である。

話を服に戻すと、このTシャツはブラックとブラウンの糸を天竺の組織で交互に使っているため、非常に細かいボーダーになっている。ボーダーと呼んでいいのか分からないほどで、その見え方がきれいだという。涼しく肌離れもよい。げんじは、BATONERを着ていると幸せな気分になるとも話した。わむうは日本の工場を応援したいと言い、1万円以下で出せるのは生産数の多さがあるからだと指摘した。げんじは、BATONERも生産数は同じくらいではないかと推測したが、聞いたわけではないと断っている。GUなら3000円台でTシャツが買えるなかで、その10倍以上の価格で買ったウールTシャツについて、げんじは「すごくいい」と言う。自分でも毎年ウールTを出していると付け加えた。わむうは、洗濯が難しいといった点はあってもウールTは良いと同意した。

COMOLI「Ripstop Convertible 6-Pocket Pants」:一度嫌になったデザインを超える

6点目はCOMOLIのパンツで、価格は約7万4800円である。COMOLIはシーズンごとに珍しい素材のパンツやシャツを出すが、これはいかにもCOMOLIらしい王道の素材感だとげんじは言う。暑いときにハーフパンツに切り替えられるコンバーチブル仕様に、リップストップ素材、COMOLIらしいシルエット、ドローコードを組み合わせている。

げんじはこのデザインに一度抵抗を感じていた。2年前から去年あたりに、膝で切り離せるリップストップのパンツが若い人の間で流行り、GUからも出た。大きなポケットのカーゴパンツも大流行していた。良いデザインなのに、トレンドとして消費されたせいではきたくてもはけない感じがあったという。わむうも同じ感覚があり、すとんと落ちるきれいめなスラックスの気分になって、それを自分のブランドにも反映させてきたと話した。それでも二人とも「COMOLIがやっているなら正解だ」と感じてしまうと笑う。げんじは、ストレートやタイトなシルエットに移りたいと思っていた時期に、このしっかりしたワイドをはけるのはCOMOLIならではだと語った。実物は軽く、光にかざすと透けるほどで、風通しも良い。

この途中で、わむうには15分後に友人とげんじの会社のナンバー2との食事の予定があり、5分後には出なければならないことが明かされた。げんじは、わむうが好かれている理由は低身長仲間のリーダーだからではなく、単純に面白いからだと話した。長尺の動画では最初から最後まで格好をつけていることもあると指摘すると、わむうは、疲れていて早く撮影を終えたいときもあると正直に答えた。

ATON「COTTON SILK VIERA LOOSE FIT SHIRT」と「令和の大人カジュアル」

7点目はATONのシャツで、価格は4万2900円である。げんじはこれまでATONをあまり買っていなかった。コットンとシルクの平織りで、シルク入りの生地は薄くきれいな印象になりがちだが、これは肉感があり、とろみもある。色はブラウンを超えて赤茶に近い。げんじはタンクトップの上に羽織って着た。Steven Alanのブラウンからこちらの赤茶へと、グラデーションで楽しめるのが良いという。

げんじが「わむうはこういう赤い感じは着ないだろう」と振ると、わむうは、ずっと真っ黒だったが最近は色を入れたくなっていると答えた。げんじも、今回は紹介しなかったものの、nonnativeやNICENESSの青やベージュのシャツを買っていると明かした。NICENESSはかなり大きく、わむうが試着すると、ポップな気分になる、特別な日に公園を散歩するような服だという感想が出た。

ここからげんじは「大人カジュアル」という言葉を持ち出した。以前からある言葉で意味は広いが、げんじは「令和の大人カジュアル」という価値観を伝えていきたいという。例として挙げたのが、とろみとシアー感があり、ナチュラルなシワ感のある素材や、首元の抜け感である。わむうは、大人カジュアルの審査員のようだと茶化しながらも同意した。

AURALEE「AIRY LIGHT COTTON CHECK BIG SHIRT」:一番の購入品

8点目はAURALEEのチェックシャツで、価格は4万4000円である。げんじは昔、AURALEEのチェックシャツをYouTubeでよく着ていた。当時はブランドの規模がまだ大きくなく、生地屋の既存の生地を使っていたが、それでもAURALEEらしさがあったという。その後ブランドが大きくなり、生地はほとんどオリジナルになった。このシャツはごく薄いコットンで、シアー感がある。

生地はローンという組織で、非常に甘い平織りだ。げんじは、ギンガムチェックを白黒ではなくブラウンで仕上げた柄の選び方がうまいと言う。ブロードと同じ組織なので、薄いだけでなくパリッとした張りもある。形はベーシックで、少しレディースっぽさがある。わむうは女性が着ても絶対に可愛いと言い、げんじは、甘めのコーディネートではなく、こういう服をさらっと着る大人の女性の雰囲気があると話した。げんじは、この生地はレディースでも使われているのではないかと推測し、ジェンダーレスな感じも良いと評価した。ボタンが意外に大きい点にも触れている。

げんじは同じシャツの半袖も買ったが、何か違うと感じた。わむうは、大人は暑い時期でも長袖をまくってさらっと着るのが良いと応じた。げんじは、今回の購入品の中でこれが「ぶっちぎり」だと言う。わむうもこのシャツを買おうとしており、同じローン素材の無地で、グリーン寄りのペールブルーのシャツはすでに買ったという。二人とも夏のAURALEEからは離れていたが、わむうは、きれいな生地のシャツを着たい流れが来ていて、今AURALEEのブームが来ていると見ている。

MERRELL「MOAB SPEED 2」:15足目の結論

最後は時間の都合で短く、MERRELLのスニーカーサンダルが紹介された。価格は1万6500円である。げんじはスニーカーサンダルを10〜15足ほど買ってきたが、その中でもこれは痛くならず、涼しく、快適だという。流線的なデザインや、Vibramソールのグリップ力も良いと話す。最初は、去年の無印良品のサンダルのような印象に引っ張られるところがあったが、今はこれに落ち着いている。Salomonも近いものを出しているが、こちらのほうがシャープだと二人は話した。

げんじは、これも女性がはいていそうだと言い、AURALEEのシャツにタイトなスカートを合わせてデートに行くような姿を想像した。わむうに彼女がいることが明かされ、その彼女がとてもおしゃれで、何がおしゃれか、何が可愛いかという話を二人でよくするという話になった。

結び

動画は、わむうが食事に向かう前に締めくくられた。げんじは、自分が食事に加わると話しすぎてしまうので、会社のナンバー2とわむうの濃い会話に任せたほうがいいと冗談めかして話している。しっとりした新しい進め方が視聴者に受け入れられたかどうかは、二人とも答えを持たないまま、コメントでの反応に委ねられた。