コアウィーブ・ショックの根にあるのは米金利の高止まりだ 藤代宏一氏が読む日経平均急落

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概要

日経平均株価が歴史的な下落を記録した日、テレビ東京の緊急ライブ配信で、第一ライフ資産運用経済研究所の藤代宏一氏が藤井由依アナウンサーの質問に答えた。市場では米新興クラウド企業コアウィーブの株価急落が「コアウィーブ・ショック」と呼ばれ、AI投資への警戒感が広がっていた。藤代氏は、コアウィーブの資金調達をめぐるニュースそのものよりも、米国のCPI(消費者物価指数)を受けた金利の高止まりが問題の根源だという立場をとった。

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過去3番目の下げ幅、大半は半導体3銘柄

藤井アナによると、この日の日経平均の終値は前日比3318円安(4.90%安)の6万4425円だった。下げ幅は、2024年8月5日の「令和のブラックマンデー」と1987年のブラックマンデーに次ぐ過去3番目の大きさである。日経平均はこれで6営業日続落となった。下げ幅の大部分は特定のハイテク株によるもので、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの3銘柄だけで日経平均を2100円以上押し下げた。

藤代氏は、この日の値動きは「ほとんど半導体で説明可能」だと述べた。先週後半から半導体株は世界的に再び調整に入っていた。そこに前日のコアウィーブ・ショックが加わり、特定銘柄の下げが強く効いたという見方である。

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コアウィーブとは何か、なぜ「受け皿」が崩れたのか

藤代氏の説明では、コアウィーブはデータセンターを運営して貸し出すことで収益を上げる企業で、「ネオクラウド」などと呼ばれる。メタ、Amazon、Microsoftのようなハイパースケーラーは、主に自社のAIモデルを動かすために自前でデータセンターを建てている。これに対してコアウィーブは、データセンターを貸す側で収益を立てている点が違う。大きく括れば同じAI関連銘柄に入る。

藤代氏は、6月以降の相場の傾向も説明した。半導体製造装置株が下がっても、その分をハイパースケーラー株が買われて埋める「シーソー」のような形になっていたという。AIの設備投資を計画する側がハイパースケーラー、それを担う側が半導体製造装置で、両者のバランスが取れていた。ところが前日はこの両方が崩れ、中でもコアウィーブが大きく売られた、というのが藤代氏の整理である。

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きっかけは保険会社からの調達報道か、CPIか

藤井アナは、下落のきっかけを次のように整理した。コアウィーブが新たな資金調達先として保険会社を検討しているとのニュースが出た。これで既存の金融機関からは調達できないのではないかという不安が広がり、社債利回りが急騰した。

これに対して藤代氏は、本当のきっかけは米国のCPIだったと考えていると述べた。財務に負担をかけているAI企業にとっては、金利が下がってほしいところである。金利が上がり続ければ投資計画が狂い、レバレッジを効かせた企業の財務負担にまで懸念が及ぶのは当然だという。藤代氏は、コアウィーブの報道自体にはそれほど不気味さを感じないとし、問題の根源は金利の高止まりだと語った。

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総合CPIとコアCPI、どちらを見るか

藤代氏は続いて、米CPIの読み方を説明した。インフレが鈍化しているかどうかは、見る指標によって評価が分かれる。インフレが深刻だという文脈で使われるのは、エネルギーと食料を含む総合指数(ヘッドラインインフレ)だ。こちらは3月以降の原油高で跳ね上がり、3%台後半まで来ている。

一方、FRB内部などでインフレは落ち着いていると考える人たちが見ているのは、食料とエネルギーを除いたコアCPIである。藤代氏によると、この人たちは次のように解釈していた。総合指数が上がるのは原油高のためで当然であり、コアCPIは下がっている。原油や関税の影響が落ち着けば総合指数もコアの水準に戻るので、今のインフレは一時的と見てよい。

そのため多くの人がコアCPIの鈍化を期待していたが、前日の結果はわずかに上昇した。市場予想2.5%に対して、結果は前年同月比2.6%と0.1ポイント上振れた。藤代氏は前月から0.2ポイント上がったと補足した。グラフで見れば過去に何度もありそうな上振れである。それでも影響が大きくなった理由について藤代氏は、直前まで「コアCPIがあと1〜2回下がれば、織り込まれている年内利上げの確率は一気に後退する」と見られていた点を挙げた。その期待が裏切られたのが全体像だという。

利上げ観測の修正と、半導体に売りが集中した3つの理由

藤井アナによると、CPI発表前の市場関係者の見方は、年内の利上げはあっても1回で、10月は据え置き、12月か来年になる、来年には利下げもありうるという声も続いていた。藤代氏はこの見方が修正を迫られたと述べた。2027年の利下げに望みをかけていた人にとっては、短期金利が下がらなければ長期金利も下がりにくい。「来年1年また5%ぐらいの長期金利に付き合わなければいけないのか」という受け止めになったという。

そのうえで藤代氏は、半導体に売りが集中した特性を主に3つ挙げた。

  • 今年に入って大きく買われていたため、そもそも利益確定売りが出やすかった。
  • 一部企業は財務にストレスがかかっており、金利上昇が打撃になる。
  • 半導体は総じてグロース色の強いセクターで、長期金利の上昇が株価の下押し要因として働きやすい。

10月の利上げ確率は、CPI発表前の20%強から一時50%超まで上がり、その後やや落ち着いた。藤代氏は、前日の動きは複雑だったと振り返る。まず「やはり利上げが来るかもしれない」と見て株が大きく下がった。すると今度は、FRBがその株安を見て利上げを見送る方向に傾く。因果の向きが時間単位で入れ替わっていた印象だという。金利もCPI直後に上がって株が売られ、その後はリスクオフの受け皿として金利が下がった。株を見ている側からすればどちらにしても下がったわけで、CPIが失望だったということになる、と藤代氏はまとめた。

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財とサービスの内訳に見える「不気味さ」

藤代氏は、エネルギーを除いたコアCPIを財とサービスに分けたグラフも示した。財の物価は引き続き下がっていることが確認でき、心配は小さい。むしろ今後は関税の影響がさらに剥落していくので、放っておけば元のゼロ付近に戻ると期待される、と藤代氏は述べた。

一方のサービスは、主に家賃と、家賃以外の「スーパーコア」からなる。ここは下がり方が鈍り、横ばいになるか、やや上に反ったようなイメージだという。家賃や住居関連について藤代氏は、米国の住宅ローン金利が7%程度に達し、中古住宅もまったく売れていない状況なので、ある程度落ち着いていくとみている。

ただ藤代氏によると、市場参加者やFRBが懸念しているのは別のシナリオである。エネルギーを含む物価が上がると、労働者が賃上げを要求し、人件費の上昇がサービス価格に反映されていく。この流れが怖いからこそ、FRBは9月に予防的な意味で利上げしたのだという。前日はそのサービスがわずかに上方向へ動いたため、多くの人が不気味さを感じたのだろう、と藤代氏は語った。

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視聴者の質問「半導体株は押し目買いのチャンスか」

チャット欄からは「半導体銘柄は今、押し目買いのチャンスか」という質問が寄せられた。藤代氏は売買の推奨には踏み込まず、指標面の現状を説明した。SOX指数で見ても、予想EPSなどの企業業績は基本的に上向いており、業績見通しは改善している。それに対してPER(株価収益率)は、SOX指数でも米国の情報技術セクターでも日経平均でも下がり続けている。この1カ月ほどは、EPSが上がる一方で株価は横ばいないし下落という傾向にある。藤代氏は、PERで見た割安感はかなり強まっているのが現状だと述べた。

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AI投資の減速は近いのか、調整はむしろバブル回避に働くか

AI関連企業全体への影響を問われると、藤代氏は、AI投資が減速する局面にはまだ相当距離があるとの印象を示した。藤井アナはオラクルもよくニュースになると触れた。

さらに藤代氏は、少しずつ調整を経験するほうが、AIがバブルにならずに済むというプラスの意味もあるとの個人的な見方を示した。藤代氏の説明では、過去のバブルは次のような経緯をたどった。金利が低く調達コストが安いため過剰な投資が起き、無謀な投資計画も通ってしまう。それが遅れて中央銀行の金融引き締めなどで大きく崩れる。これに対してAI投資は、盛り上がった時点ですでに金利が高い状態から始まっていた。最近さらに金利が上がったことで、投資計画は多少なりとも抑えられている。藤代氏はこの文脈で、無謀な投資計画が抑制される面に言及していたが、公開された字幕はこの発言の途中で途切れており、結論部分は確認できない。