土鍋炊飯器と炭酸OKボトル、タイガー魔法瓶が熱の技術をどう製品にしてきたか
テレ東BIZ ダイジェスト炊飯器や水筒で知られるタイガー魔法瓶を、番組は「熱を自在に操る」会社として紹介する。本社の入り口には巨大な土鍋が置かれている。会社を率いるのは創業家3代目の菊池嘉聡氏で、「我々が持ってる専門性をいかに事業展開、拡大できるか」と語る。番組冒頭では、物流向けの新製品、医療現場の悩みを解決する取り組み、JAXAと組んだ宇宙分野への進出に触れる。さらに、低迷期のリストラで会社がどん底に落ち、そこから「誇れる技術は何か」を問い直して独自のアイデアで再起した経緯も予告される。スタジオには作家の金原ひとみ氏とクリエイターのヒャダイン氏が出演している。この動画では、そのうちスタジオでの商品紹介、土鍋炊飯器の製造現場、炊飯器技術を応用した調理家電と炭酸対応ボトルが取り上げられている。
昭和レトロの復刻品と、目が動くかき氷器
スタジオには同社の商品がいくつか並べられた。ストライプ柄や花柄の製品について、出演者は懐かしいデザインだと反応する。同社側の説明によると、これは昭和レトロのイメージの柄を近年復刻したもので、機能は最近のスペックになっている。出演者からは、子どもの頃に使っていた、祖父母の家にあった、という声が上がった。
かき氷器「きょろちゃん」も紹介された。氷を削っていくと、本体の目が左右にキョロキョロと動く。削っている間ずっとその動きを楽しめるようにした製品だという。
刃を45度傾けた斜め型ミキサー
出演者が「見たことない」と驚いたのが斜め型ミキサーである。一般的なミキサーの刃は上向きだが、この製品は刃の角度を45度傾けている。番組では、芯をくり抜いたリンゴを切らずに丸ごと入れて従来品と比べた。
従来のミキサーでは水流が水平方向にしか回転しない。斜め型では3方向の水流が生まれ、食材を効率よく刃に当てられるという。結果は一目瞭然で、従来品ではリンゴがほぼ丸ごと残ったのに対し、斜め型では全部粉砕された。同社側は、普通のミキサーの説明書にはリンゴを8分の1に切って入れるよう書かれているほどだが、この製品なら大きいまま入れても砕けると説明する。料理の下ごしらえの手間をできるだけ省きたいという「タイパ」志向の声に応える製品と位置づけている。
量販店の炊飯器売り場で見た3社の違い
都内の家電量販店の炊飯器コーナーには、約80種類もの商品が並ぶ。試食もできるこの売り場で、店員に最近の一押し3機種を聞いた。
象印の「炎舞炊き」は、お米に360度全方位から熱が入り、柔らかくもちもちした炊き上がりになると説明された。パナソニックが開発したのはAI炊飯器で、熱や吸水がどれだけ必要かをAIが判断して炊き上げるという。そしてタイガーの土鍋炊飯器については、土鍋から遠赤外線が出るため、熱がお米の外側だけでなく中までどんどん入り、輪郭を保ちながら中はしっかり炊き上がると紹介された。
土鍋炊飯器が発売されたのは20年前である。番組によれば、そのヒットに後押しされ、タイガーの炊飯器全体の市場シェアはここ数年で急拡大し、30%を超えた。
1300度で一気に焼き固める土鍋の製造
タイガーから土鍋の製造を任されているのは、三重県にある創業90年を超える老舗の土鍋メーカーだ。ただし、精密機械である炊飯器に焼き物の土鍋を組み込むのは至難の業だったという。
工場の窯は入口から出口まで約50メートルあり、最高温度は1250〜1300度ほどになる。普通の土鍋は900度ほどから徐々に温度を上げて焼くが、炊飯器用は1300度ほどで一気に焼き固める。土鍋は焼くと縮むため、サイズにばらつきが出やすい。超高温で焼き固めるとサイズが均一になり、炊飯器用として量産できるという。土鍋メーカーの担当者は、一般的な土鍋と比べて桁違いの精度が求められ、ものづくりのハードルは非常に高いと話す。
この土鍋で重要な役割を果たすのが、タイガーが独自開発した金属を練り込んだシールである。炊飯器本体には土鍋の底を覆うようにIHコイルが内蔵されており、コイルが発する熱をこのシールを通じて土鍋に伝える。シールは職人の手作業で伸ばしながら貼られていく。
炊飯器の技術を応用したワンタッチのグリル調理器
タイガーの本社では、炊飯器の技術を生かした新製品の開発が進んでいた。担当者は、家にある調理家電を一つにまとめた製品だと説明する。
使い方は簡単だ。番組では鶏もも肉を丸ごと2枚並べ、メニューからグリルチキンを選び、肉が冷蔵か冷凍かを選んでスタートボタンを押す。あとはしばらく放っておくだけで、皮はパリッと、中はジューシーに焼き上がった。試食した人は、肉汁がしっかり閉じ込められていると驚いていた。
仕組みとしては、炊飯器で培ったIH制御技術とオーブントースターのヒーター技術を組み合わせ、上下から異なる方法で熱を伝える。さらに5つの高精度センサーを使い、1万通りの温度制御パターンからレシピに合った最適なものを選んで調理するという。自動メニューは全部で50あり、煮込みハンバーグのように「焼く」と「煮る」の両方が必要な料理にも対応する。
炊飯器の安全弁を応用した炭酸対応ボトル
最後の舞台はクラフトビールの醸造所を併設したレストランである。味の異なるできたての生ビールが楽しめる店に、常連客がタイガーの水筒を手にやってきて、ビールを注いでもらう。
この水筒は、ステンレスを二重にして真空状態をつくり温度を保つ真空断熱ボトルで、しかも炭酸飲料を入れられる。通常の水筒に炭酸を入れられないのは、ガスがたまって破裂するおそれがあるためだ。そこでタイガーは蓋に独自の仕組みを設けた。ボトル内にガスがたまると自動的に弁が開き、外へ排出する安全装置である。これは、炊飯器の蓋にある圧力調整用の安全弁を応用したものだという。
このボトルはコロナ禍に発売され、家飲みやアウトドア需要と重なって大ヒットした。飲み頃の温度を6時間以上保てるとされ、店でビールを飲んだ客は「しっかり冷たい」と確かめていた。
番組が冒頭で予告した物流・医療・宇宙分野への展開や、低迷からの再建の詳しい経緯は、この動画の範囲では語られていない。
冷たいまま炭酸を持ち運べるボトルに、ボタン1つで熱々のグリル料理もできる。
熱を自在に操るタイガー魔法瓶。本社の入り口には巨大な土鍋が鎮座する。率いるのは創業家3代目、菊池嘉聡。
我々が持ってる専門性をいかに事業展開、拡大できるか。
今、ビジネスを新たな領域へ。物流に革命を起こす新製品に、医療現場が抱える悩みも解決。さらにJAXAと組んで宇宙に飛んだ。一体何を仕掛けようというのか。
迷走した過去、リストラで会社はどん底に。誇れる技術は何か。オンリーワンのアイデアが起死回生へと導いた。
『蛇にピアス』で芥川賞。その後も数々の文学賞を手にしてきた作家の金原。京大卒のクリエイター。音楽界にとどまらずマルチに活躍する2人が、唯一無二を極めるタイガー魔法瓶の再生物語を読み解く。
タイガー魔法瓶の商品の一部を持ってきていただいたんですけど、ちょっとデザイン的に懐かしい感じがしますね。こちらの2つとかね。
商品の機能自体は最近のスペックのものなので、現行の。おっしゃる通り、柄が、ご覧いただいているようにこちらはストライプ、こちらは花柄なんですけども、昭和レトロのようなイメージの商品が近年復刻をさせていただいたという。
懐かしい。ちっちゃい頃、これでした。
これでしたか。
うん。よくおじいちゃんとかおばあちゃんの家にあった。昔あったみたいな感じで。
こちらはかき氷器ですよね。
はい。目のところに注目をしといていただきたいと思うんですが。
はい。うんうん。かわいい。
削っていくと目がキョロキョロと。
だからきょろちゃんですね。
左右に動いて、なおかつ削ってる間ずっとそれが楽しんでいただける。
そしてミキサーですよね。
はい。
へえ。見たことない、この形。
一般的なミキサーの刃は上に向いているが、その角度を45度に傾けた斜め型ミキサー。芯をくり抜いたリンゴをカットせずに入れてみると。
でも実はいけるんですけどね。せーの、よいしょ。
従来品は水が水平方向にのみ回転するが、斜め型では3方向の水流で食材を刃に効率よく当てているという。
すごい。
もう一目瞭然ですね。リンゴが結構丸のまま残っちゃってますよ。一方ですよ、こちら。もうすっかりなくなってますね。
そうですね。全部粉砕しましたね。
普通のカッターですと、リンゴだったら例えば1/8にカットしてから入れるとかっていう説明書がついてるぐらいなんですけれども、それに対して、こういったものでも入れていただければ見事にする。最近、皆さんタイパ、料理の下ごしらえもできるだけ手を省きたいっていうお話も多いし。
そうですね。
都内の家電量販店、炊飯器コーナーをのぞくと、実に80種類もの商品が並ぶ。試食もできるこの売り場で、最近一押しの3機種を教えてもらった。まずは象印の炎舞炊き。
お米に360度、全方位から熱が入るんですね。なので本当に柔らかくて、もちもちした感じ。
パナソニックが開発したのはAI炊飯器。
今、熱がどれだけ必要か、蒸らしがどれだけ必要か、本当にAIがお米を炊いてくれる。
そしてタイガー。あの土鍋を使った炊飯器だ。
これは土の遠赤外線になりますので、お米の外ではなくて中にどんどん熱が入るんですね。輪郭を保ちながらも、中はしっかり炊き上がる。
土鍋炊飯器が発売されたのは20年前。そのヒットに後押しされて、タイガーの炊飯器全体の市場シェアはここ数年急激に拡大。30%を超えた。
タイガーから土鍋の製造を任されているのが、三重県にあるこの会社。創業90年を超える老舗の土鍋メーカーだ。しかし、精密機械である炊飯器に焼き物の土鍋を組み込むのは至難の業だったという。
ここが炉になってまして、入り口から出口まで約50メートルほど。最高の温度が大体1250度から1300度ほど。
普通の土鍋は900度ほどから徐々に温度を上げていくが、炊飯器用は1300度ほどで一気に焼き固める。実は土鍋は焼くと縮むので、サイズにばらつきが出やすい。超高温で焼き固めることでサイズが均一になり、炊飯器用に量産できるのだ。
ものづくりのハードルとしてはすごい高いといいますか、一般的な土鍋と比べると全然段違いな精度がいるっていう。
この土鍋で重要な役割を果たすのが、タイガーが独自開発したシール。金属が練り込まれている。炊飯器の本体には土鍋の底を覆うようにIHコイルが内蔵。これが発する熱をシールを通して土鍋に伝えるのだ。職人技で伸ばしながら貼っていく。
一方、タイガー魔法瓶の本社では、炊飯器の技術を生かし、新製品の開発が進んでいた。
お、パリッとね。
ワンタッチで絶品グリル。その秘密とは。
土鍋炊飯器で知られるタイガー魔法瓶の本社。炊飯器の技術を生かし、新製品の開発が進められていた。
本当に家にある調理家電を1つにぎゅっとまとめた調理家電。
使い方は超簡単。鶏のもも肉を丸ごと2枚並べて、メニューの中からグリルチキンを選択。冷蔵していた肉か、冷凍していた肉かを選び、スタートボタンを押したら、しばらくほったらかし。
おお。パリッとね。
ワンタッチで手軽に作れるグリル調理器だ。
肉汁が、わっと出てきた。
そうなんです。そんだけ閉じ込めて焼けてる。
皮はパリッ、中はジューシーに焼き上がった。炊飯器で培ったIH制御技術と、オーブントースターのヒーター技術。上下から違う方法で熱を伝える。さらに5つの高精度センサーで、1万通りもの温度制御のパターンからレシピに合わせた最適なものを選び、調理してくれる。自動メニューは全部で50。煮込みハンバーグなど、焼きと煮込みが必要な料理もお手のものだ。
一方、こちらはクラフトビールの醸造所兼レストラン。味わいの異なるできたて生ビールが楽しめる。そこへやってきた常連客。手にしているのはタイガーの水筒。
1番と2番お願いします。
はい。
ステンレスを二重にして真空状態を作り、温度を保つ真空断熱ボトル。しかも炭酸対応だ。通常の水筒には炭酸を入れることができない。ガスがたまり、破裂する恐れがあるためだ。そこでタイガーは蓋の部分に独自の仕組みを施した。ボトル内にガスがたまると自動的に弁が開き、外に排出する安全装置。炊飯器の蓋についている、圧力を調節するための安全弁を応用した。
コロナ禍に発売すると、家飲みやアウトドア需要と相まって大ヒット。飲み頃の温度を6時間以上キープできるという。
おお。冷たい。
うん。しっかり冷たいね。
しっかり冷たい。
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