32歳のげんじが密かにやめた5つの服の習慣:若さのトレンドから離れ、「無難」ではなく「品」を選ぶ

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概要

今年32歳になるげんじが、自身が密かにやめた服の習慣と考え方を紹介する動画である。10代や20代前半と同じファッション観のまま30代、40代に入ると、「めちゃくちゃ事故る」とげんじは言う。若い頃にかっこよかった服が、30代になると「きつい」「痛い」「浮いている」と見えてしまうことが普通に起きるからだ。20代後半から30代前半、場合によっては35歳以上の視聴者に向けて、今のうちにやめておいた方がいいことを自分の経験から話すのが今回の趣旨である。

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書き出してみると、やめたことはかなり多かったという。そのため今回話しきれなかった分は、3か月後くらいに第2弾として取り上げる予定で、そちらにも重要な話があると予告している。なお今回の動画はプロの編集者ではなく、AIを使って編集したものだと冒頭で断っている。ただし話の中身は変わらないという。

① 気づけば黒だけになっていたクローゼット

最初にやめたのは、黒い服だけのファッションである。げんじの見立てでは、25歳の後半から30代にかけて、大人は自分に似合う色に挑戦する気力を失っていきやすい。

げんじ自身はファッションの仕事をしているので、黒以外の服も買うし、作るし、着る。完全に黒に染まっているわけではない。それでも、ふと気づくと自宅のクローゼットが黒ばかりになっていたことがあったという。自分が着たい「一軍」の服は、視聴者にも見てほしいので撮影場所の事務所に置いてあることが多い。家のクローゼットが二軍というわけではないが、着て帰った服や、落ち着いて着回しやすい服で考えると、結局は黒ばかりになっていた。

ファッションが好きなはずなのに黒だけに固まっている状態に、げんじは「黒だけじゃないぞ」というプライドが働いたと話す。最近は黒以外の色で、大人らしく、無難ではなく品のある装いを楽しんでいる。同年代ならついつい黒になってしまう感覚は分かってもらえるはずで、そこをやめて黒以外を取り入れると「めちゃくちゃ楽しい」と勧めている。

② 若すぎるファッションを参考にすること

2つ目は、若すぎるファッションを参考にすることだ。これは最近のげんじのチャンネルで大きなテーマの1つになっているという。

かつては雑誌で情報を集めていたが、今はスマートフォンが欠かせない。セレクトショップのサイトやZOZOTOWN、ユニクロのオンラインストアにいきなり行く人も多いが、その前に「今何がいけているのか」「何が欲しいか」を探すために、ファッションインフルエンサーやPinterest、Instagramを見ることが多いだろうとげんじは言う。

そこで目に入るのは、時間とエネルギーがあり、トレンド感の強いファッションを発信している人たちで、その多くに共通するのが「若い」ことだ。若いからかっこよく、体に余計な肉もなく、顔も小さい。そのため、とても魅力的に見える時がある。さらにげんじによれば、2023年から2025年ごろはショート動画のトレンドが過剰なほど強く、トレンドを素早く読み解いて発信するのが得意な若い世代の投稿が、スマートフォンをスクロールしたときの画面を大きく占めていた。それを見て「いいな」と影響されて買う、という流れが起きやすかったという。

③ TikTokトレンドを服作りに反映させること

2つ目の話の肉付けとして、げんじは自身のブランドの服作りでTikTokトレンドを多少意識して反映させることもやめたと明かす。

理由は、若い世代がショート動画などのプラットフォームで発信するファッションが、必然的に「ステージ衣装」っぽくなるからだという。TikTokや若いインフルエンサー同士の目線に立ち、そこからの差別化で考えられているので、日常に馴染むかというと馴染まない、とげんじは説明する。

げんじが自分の年齢で行きたくなる場所として挙げるのは、暗い店内に落ち着いたBGMが流れ、若い男性だけでなく年上の人もいて、恵比寿や代官山、青山にいるような落ち着いた感性の綺麗な女性がたくさんいる店だ。そういう場所で浮きたくない。若い頃なら、クラブや飲み会で誰よりも目立つ格好、大学のキャンパスやフードコートで差別化できる格好を意識した面もあったはずだが、今行きたいのはそういう場所ではない。場に馴染み、そのうえで無難ではなく品のあるファッションがしたい、というのがげんじの考えである。

参考元の変化と、年々広がったギャップ

げんじは、自分も誰かに影響を受けて生きる人間だと認める。昔の参考元は、ドメスティックブランドのルック、海外ブランドが発表したコレクション、Instagramに突然出てきた名前も国籍も分からないかっこいい男性や時には女性、そして自分の過去のクローゼットだった。好きなセレクトショップに足を運び、好きなものを試着して「いいな、よし着る」と決めていたという。

ところが2年ほど前から、大学生でもスマートフォン1つで発信できるようになり、自分より年下の人を参考にすることが増えていった。当時は28、29歳だったので、それでもよかったとげんじは振り返る。しかし29、30、31と年齢を重ね、今年32歳になる中で、年下の発信を見て「かっこいい、真似しよう」と想像しても、「明らかに場所が違う」「明らかに今の自分とは違う」と感じるようになった。若い世代の発信と、自分が行きたい場所や過ごしたい場所、抱きたい感情とのギャップが年々大きくなっていることに気づいたという。

ネット中心でファッションを吸収するのが当たり前になった今、すべての情報が自分にとって有益なわけではない。それ自体は昔からそうだが、今はより一層そうだとげんじは言う。自分も無心でスクロールしてしまう人間だと認めたうえで、ふと格好いい男の子が出てきたときに、それが若い世代向けのトレンドなのかどうかを見極められるようになった。そうすることで、自分が本当に着たいものや、自分が好きだった過去がより見えてきたという。

げんじはこの変化が服作りにも影響し、自身のブランドであるLIDNMやWYMの服が、過去に例がないほど多くの人に買われ、反響を得ていると報告している。

④ 「無難に抑える」こと

4つ目にやめたのは、無難に抑えることだ。

29歳ごろ、つまり2年前に、げんじは若いトレンドに対して「違う」と強く感じた。SNSでは足し算のファッションが流行っていたが、足し算だけでなく引き算もしなければと考え、いろいろと引き算を試していた。ところが引き算は引き算で、結局どこか諦めのような感じになり、無難すぎる方向に行ってしまった時期があったという。ずっとそうだったわけではなく一時的なことだとも断っている。その結果、どうしても黒に落ち着いてしまった。

ここでげんじは、黒そのものを否定しているわけではないと強調する。黒は素晴らしい色で、黒の中にもおしゃれな格好はあると感じているので、オールブラックのスタイリングは今後も自信を持ってやるという。そのうえで気づいたのが、「無難と品は違う」ということだった。年齢に合うファッションは確かにあるが、全部を無難にしようと言いたいわけではない。げんじにとって無難は、逃げや諦めの感覚に近い。目指すのは、大人に合う品と清潔感のあるファッションである。

焦りから、若い世代には届かないファッションへ

げんじは、若い世代のファッションが「騒がしさ」の中で楽しむのに適していることを、ポジティブな意味で認めている。だからこそ若いインフルエンサーたちはそういう発信をしている。一方で自分たちがこれから求めるのは、自分だけが知っている美しさや、一周回って大切にしているものを見つけられたこと、若い子たちと同じではないことへの自信だという。

29歳のころは焦りを感じていたし、30歳でも正直焦っていた、とげんじは打ち明ける。身近な人たちのファッションを変えてきた実績や、それで評価されてきたことが自分のアイデンティティになっていたため、「もう若くない」ということに絶望を感じた時期もあった。しかし考え方を変え、その状況を俯瞰して客観視し、違う美しさや楽しさに自ら挑戦していった。そこで得たファッション性はかけがえのないもので、今の高校生や大学生には到達できないファッションだと考えたとき、むしろ楽しくなってきたという。もちろん10代でも大人の美しい感性を持ち、げんじのような品のあるファッションを追求しようと見ている人もいるだろう、とも付け加えている。

具体的なアイテムとしてげんじが挙げるのは、無地で素材を追求したシャツやスラックス、レザーなどだ。無地は「つまらない」と言われたり、別のファッション性を提示されたりすることもあるだろう。それでもげんじは、デザインの引き算ができる大人の感性があり、過剰な足し算のファッションは自分たちの理想とは違う場所にあるからこそ、自信を持って無地を着ると語る。

げんじの考える「品」は、特定の高級な場所のためだけのものではない。ディズニーランドでもUSJでも、どんな騒がしい場所でも自分たちが好きな格好で過ごせることが大人の選択肢であり、品のあるファッションだという。それは無難に走ることではなく、逃げでも諦めでもない。むしろ品を追求することは知的で、賢く、楽しく、贅沢で、豊かなことだとげんじは述べる。引き算の美学は昔から感じていたが、それは無難ではなく品である。だから「無難に逃げること」をやめた、というのがこの項目の結論である。

⑤ 「服を買うのをやめる」ことをやめた

最後は、服を買うのをやめることをやめた、という話だ。これも28、29歳ごろに一時的に起きたことだという。足し算ばかりになっていくインターネットの世界から一歩引こうと考えるうちに、「今ある服で足りるじゃん」と一瞬思ってしまった。こうした活動をしながらそう考えたのは「やばい」と、げんじ自身も振り返っている。

ところが服を買わなくなると、自分の感覚や、生きている実感としての自己肯定感がどんどん失われていった。短い期間でもそれを感じ、「違うぞ」と思ったという。どうすればいいのかと考えた答えは、4つ目の話と直結していた。大人には大人に合うファッションがあると気づくことだ。当たり前のことだが、それに気づいてあらためて服を買おうと思えたという。

最初は、それまで好きだったものから卒業するのが寂しく、自分が年を重ねたことへの落ち込みもあった。大人のファッションを追求する動機そのものがネガティブだった、とげんじは話す。それでも一歩ずつ進んでみると、「このブランドは今まで買う頻度が少なかったけれど、買ってみたらめちゃくちゃ楽しい」という発見があった。4、5年前によく買っていたブランドが今年は特に楽しく感じられる一方、TikTokトレンドや若い世代向けのトレンドが強かった3、4年前は、トレンド感がないという理由でドメスティックブランドをあまり買っていなかったと正直に明かしている。今はむしろ「ドメだな」と感じることもあるという。

LIDNMの売上から見えた、同年代の客の変化

げんじによれば、LIDNMでは現在、サイトのアクセス数も、1人あたりの購入金額も大きく上がっている。その理由を考えたとき、客も自分と同じマインドなのだと思い至ったという。

LIDNMの服はこれまでもこれからも、良い意味で変わらないとげんじは言う。シルエットやカラーはその時々のファッションのムードを取り入れ、作りたいものも変わるので反映はしているが、一貫性はある。ベースは綺麗めで、柄物が多いわけでもない。そのため、ハチ公前で目立ったり、宮下パークで映える動画を撮ったりできるステージ衣装のような服を探している人には、必ずしも勧めないという。

一方で、げんじと同じように年齢を重ねる人たちがどんな場所に行きたくなるのか、たとえば結婚した場合などを考えると、LIDNMの服が求められる需要は年々増えていく。WYMについても需要が大きく伸びている感覚があるという。だからこそ自信を持って、自分自身が大人のファッションを模索し、体験し、それをチャンネルやショート動画で発信していくと語る。

むすび:AI編集でも伝えたかったこと

げんじは最後に、プロの編集に時間をかけたいが今はそれができない状況だと説明した。それでも諦めるのではなく、AI編集を使ってでも自分の思いや体験を伝えたかったという。大人のファッションに向き合うことを「どんと来い」と受け止める姿勢で、今回の5つを紹介したとして動画を締めくくっている。話しきれなかった「やめた習慣」は、予告どおり第2弾で扱う予定である。