尾﨑官房副長官が会見で答えた主な質問 サイバー攻撃による情報漏洩、閣僚の発言問題、高市内閣の経済政策(2026年10月9日午後)

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概要

2026年10月9日午後、尾﨑官房副長官が定例記者会見を行った。最初の二つの質問は、企業などで続いている不正アクセスによる情報漏洩についてだった。その後、閣僚の発言をめぐる問責決議案の動き、高市内閣の経済政策とリフレ政策の関係、海外の報道への受け止めについて質問があった。サイバー対策について尾﨑副長官は、政府が注意喚起を出したことと、中小企業への支援を進める方針を説明した。政治的な論点や他国に関わる質問には、答えを差し控える場面が多かった。

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不正アクセスによる情報漏洩と、政府の注意喚起

NHKの記者は、不正アクセスで企業などの情報漏洩が相次いでいる問題を取り上げた。国家サイバー統括室はこの日、個人情報を扱う事業者などに対策の徹底を求める注意喚起を出した。金融庁や経済産業省なども、所管する企業や団体に注意喚起を行う方針を示している。記者は、政府が足並みをそろえて対応した狙いと、対策の実効性をどう高めるかを尋ねた。また、被害を受けた企業には、政府がこれまで対策を強化してきた基幹インフラ以外の企業も多く含まれる。記者は、基幹インフラ以外の企業や中小企業が対策を進めることの重要性についても、政府の認識を聞いた。

尾﨑副長官はまず、分野を問わず事業者や団体がサイバー攻撃を受け、個人情報などが漏洩する事案が相次いでいるとして、対策の強化は急務だとの認識を示した。そのため、内閣官房の国家サイバー統括室が、基幹インフラ事業者以外も含め、個人情報を扱う事業者などに注意喚起を出したと説明した。尾﨑副長官によると、注意喚起で求めた内容は次の三点で、業務の委託先も含めて対策の強化を徹底するよう求めている。

  • 脆弱性への迅速な対策
  • 多要素認証などによる認証機能の強化
  • 漏洩した情報の悪用を防ぐ対策
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中小企業のサイバー対策をどう支えるか

尾﨑副長官は、日本経済の基盤である中小企業のサイバーセキュリティ対策を喫緊の課題と位置づけた。サプライチェーン全体を守るという観点からも非常に重要だと述べた。一方で、中小企業には人材や予算などのリソースを十分に確保しにくいという課題がある、との認識も示した。

そのうえで、国も中小企業の対策を後押しする取り組みを進めていると説明した。具体例として挙げたのは二つである。一つは、対策の実施に役立つガイドラインの作成。もう一つは、システムの監視や緊急時の対応支援などのサービスをまとめて提供することだ。尾﨑副長官はこうした取り組みを加速させ、中小企業のサイバーセキュリティ対策をさらに進めたいと述べた。

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AIを悪用した攻撃の可能性と、能動的サイバー防御の枠組み

続いて共同通信の記者が、同じ大規模な不正アクセス事案について質問した。自民党の国家サイバーセキュリティ戦略本部の平本部長はこの日、AIを悪用して効率的かつ自動的に大量の攻撃を仕掛ける手法が使われた可能性を指摘していた。記者は、政府としての分析と、AIを使ったサイバー攻撃の脅威をどう認識しているかを尋ねた。さらに、今月から能動的サイバー防御関連法が施行され、官民で脅威情報や対応策を共有する協議会も発足した。記者は、今回の事案を踏まえて、これらの新しい制度や枠組みの実効性をどう高めるかも質問した。

一点目について尾﨑副長官は、それぞれの事案の背景や、事案同士の関係については現時点で明らかになっていないと述べた。そのうえで、関係省庁による情報収集や警察当局の捜査の結果も踏まえ、国家サイバー統括室を中心に早急に分析を進めるとした。平本部長が指摘したAIを使った攻撃の可能性について、政府として評価を示すことはなかった。

二点目については、能動的サイバー防御を実現するには、官民が情報を共有し、それぞれの能力を発揮して一体となって対処することが重要だと述べた。尾﨑副長官は当初「10月10日に発足した」と言い、すぐに「10月1日に発足した」と言い直した。この協議会はサイバー対処能力強化法に基づくもので、今回の一連のサイバー攻撃の手口や傾向を含む情報を共有し、対処のための実践的な協力を積み重ねることを狙っているという。官民で連携して実効性を高めたいと述べた。

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閣僚の発言をめぐる問責決議案の動き

話題が変わり、閣僚の発言問題について質問が出た(字幕ではこの閣僚は「簗農水大臣」と表記されており、氏名と役職ははっきり確認できない)。この大臣は、衆院選で自分を応援しなかった首長がいる自治体の道路予算をカットした、という趣旨の発言をしたとされる。これを受けて、立憲民主党など野党各党は、大臣の問責決議案を参議院に提出する検討に入った。総理はこの大臣を続投させる考えを示している。記者は、野党の動きへの受け止めと、問責決議案が出された場合も職務を続けさせるのかを尋ねた。

尾﨑副長官は、問責決議案の提出を前提とした仮定の質問だとして、答えを差し控えた。発言そのものの評価や、続投の方針について説明はなかった。

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高市内閣の経済政策と「リフレ政策」の違い

日本経済新聞の根本記者は、経済政策について質問した。高市総理は8日の衆議院本会議で、今はリフレ政策が必要な局面ではなく、高市内閣の政策はリフレ政策とは異なると述べていた。記者は、高市政権の「責任ある積極財政」は金融緩和を進める路線とは違うのかを政府に確認した。また、ほかの経済閣僚からもリフレ政策は必要ないとの発言が相次いでいることから、いまこうした発信を強めている理由を尋ねた。さらに、日銀の利上げを容認する考えなのかも聞いた。

尾﨑副長官は、いまの日本経済は物価が持続的に下がるという意味でのデフレではなく、いわゆるリフレ政策が必要な局面ではないと述べた。発信を強めている理由については、高市内閣の経済財政運営に国民や市場関係者が強い関心を寄せていることを踏まえ、会見などで丁寧に説明している、とした。

続いて、政策の考え方を説明した。尾﨑副長官によると、高市内閣は、日本経済がいま成長の好循環に踏み出せるかどうかの分岐点にあると認識している。好循環とは、企業が投資し、賃金が上がり、消費が伸びるという流れである。そのため「責任ある積極財政」のもとで、次のような流れを目指す政策を進めているという。国内投資を引き出して潜在成長率を引き上げ、良質な雇用と所得を増やす。消費マインドを改善し、事業収益を上げ、税収が自然に増える。こうしてGDPが拡大する好循環をつくる。尾﨑副長官は、需要面の拡大に働きかけるリフレ政策とは異なり、むしろ供給力を強化して潜在成長率を高める取り組みだと説明した。

日銀の利上げについては、容認するかどうかを直接は答えなかった。高市内閣は日銀法の規定どおり日本銀行の自主性を最大限尊重しており、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねるべきだと考えている、と述べるにとどめた。そのうえで、高市内閣の基本的な考え方について、市場とのコミュニケーションを透明かつ丁寧に行い、市場からの信認を確保していきたいとした。

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海外の国防当局による公開発表への受け止め

最後の質問は、8日に海外の国防当局が、ある行事などを公開し、ライブ配信すると発表した件への日本政府の受け止めだった。字幕が不明瞭なため、どの国の、どのような行事かは確認できない。尾﨑副長官は、その報道は承知しているとしたうえで、政府として他国の内政についてコメントすることは差し控えると答えた。

会見はこの質問で終わった。サイバー攻撃については、事案同士の関係やAIが悪用されたかどうかは、まだ分析中とされた。閣僚の問責決議案と日銀の利上げについては、政府の具体的な立場は示されなかった。