時給交渉の即興劇はセクハラ告発劇に転じた 矢野ななか vs ラバーガール大水の攻防

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概要

「佐久間宣行のNOBROCK TV」の「超面倒くさい女」シリーズで、矢野ななか(なち)はこれまで挑まれる側だった。今回は試験的な企画として、なちが自分から挑む。お題は「バイト先で時給を上げてもらうチャレンジ」である。設定は、面倒な店長を説得して時給を上げさせるというもの。店長役は久々に番組へ戻ってきたラバーガールの大水洋介で、相方の飛永翼がスタジオで見守る。佐久間は事前に「失敗するかもしれない」と念を押していた。台本のないエチュード(即興劇)は、時給交渉から始まり、録音とカメラの応酬、セクハラ告発、本社の人間の登場、店長の座の奪取にまで進んだ。

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企画前のトーク:「めんどくさい女」以降の数か月

冒頭、佐久間となちはこれまでの出演を振り返った。最初の出演はドッキリ企画で、なちは何も分からずに引っかかっただけだったという。その後「めんどくさい女オーディション」に出たのは、なちによれば「まだ寒かった」頃で、ノブロックフェスにも出演している。

なちはそこからの数か月について、NOBROCK TVの反響が大きく、ドラマの出演依頼が3件ほど来たと話した。そのうち2件は「めんどくさい女」の役だったという。佐久間は、なちが最近演じた不倫相手の役に触れた。奥さんと一緒に寝ているベッドで浮気するという凄まじいシーンで、佐久間は「まだ20歳だよね」と驚いていた。

今回の挑戦について、なちは不安も口にした。店長役が強敵だと聞いていて、怒られたら泣いてしまうかもしれない、意外と弱いから人前では泣きたくない、という。佐久間は、フェスのリハーサルで「やれと言われたらいつまでもできる」と言っていたことを持ち出した。なちは、できるけれど不安はちゃんとある、と答えた。そのうえで「出たものが全てなので」と、結果を受け入れる姿勢を示した。

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大水店長の第一印象:休憩1分前とクッキー拒否

佐久間が呼びかけると、大水はもう店長として待っていた。大水の出演は3年ぶりほどになる。なちが「お疲れ様です」と休憩に入ると、店長はすぐに「1分早いんじゃない?」と指摘し、ちゃんとお金を払っているのだから時間通り働いてもらう、と言った。人手不足でバイトが集まらず、自分が働かなければならないと疲れを見せる。

なちは「店長も疲れてるかなと思って」と、手作りのクッキーを差し出した。店長は「人んちのキッチン信用してない」と受け取らず、持ち帰って誰かに食べさせればいいと返した。最後には「今度から買ってきてね」とまで言う。スタジオでは、なちが距離を詰めるタイプとして入ってきたことが話題になった。

6:28

持ち上げてから本題へ

クッキーを断られたあと、なちは店長を持ち上げにかかった。店長は人より背負い込んでいると思う、尊敬している、自分がここで働けているのは店長のもとだからだ、と話す。バイトがこんなに続いたのは初めてで、この職場もお客さんも好きだし、これからもここで頑張りたい、とも言った。

店長は「全然続かなかったんだ」「ダメなやつだったんだね」と、ところどころで返しに毒を混ぜる。なちが試験期間の休みや急な欠勤に対応してくれたことへの感謝を述べると、店長は「尻拭いを全部僕がやってる」と応じた。佐久間たちは、本当はそれほど仲良くない二人の会話の感じが出ている、と感心していた。

そこでなちは本題を切り出した。頑張れていると思うし、今後も頑張っていくために、少しでも時給を上げてもらえないか。店長は「言いたいことはそれで終わり?」と受け止めた。

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勤続3年は長いのか

店長が勤続年数を尋ねると、なちは大学入学と同時に始めて3年だと答えた。店長は「まだちょっと早い」と言う。なちは、佐藤さんはすぐ辞めたし、社員を除けば今のバイトで自分が一番長いはずだと反論した。社員以外でいえば、よこたさんが1年8か月だという。

店長は今のバイトの中では長い方だと認めつつ、以前は5年働いた長野さんという人がいた、と持ち出した。なちは時給を上げる理由を社会の話にまで広げた。子どもが減っているなかで一人一人が貴重であり、生きていくにはお金が必要で、その基盤がなければ子どもを産み育てる人も減る、という主張である。店長は「それが矢野さんの主張ね」と受け、自分の主張を述べる番に移った。

11:10

録音と「貸し」の理屈

店長が話し始める前に、なちは「録音していいですか」と断った。言った言わないになるのが嫌だから、店長がそういう人ではないことは分かっているが一応、という理由である。

店長の理屈はこうだ。店がこの時給で募集し、なちが「この時給で働かせてください」とお願いに来た。そのお願いを自分は聞いた。だから自分の側に貸しが一つある。なちは、募集をかけたのは店の側で、言い方は悪いが自分は「働いてあげている」側だと切り返した。店長は「君じゃなくても良かった」と返す。するとなちは、自分ではなくてもよかったところを自分が選ばれたのだと受け、店長も「ある意味運命かもしれない」と乗った。なちは日本は広いのにここで出会えた奇跡をなくしたくない、と言い、店長も同意した。そこまで同意しておいて「だから時給上げてなんて言って関係をこじらせちゃよくない」と言うので、なちは「じゃあ時給上げて」と返した。

生活の苦しさを訴える場面では、なちが毎日もやしで肌も髪もボロボロだと言った。店長は「毎日もやしでもいいと思うよ」とかわし、自分ももやしも食べられないと言い出す。なちが「こういう場所で嘘つくのは違くない?」と責めると、店長は「それ言ったら毎日もやしも嘘でしょ」と返した。結局、お互い嘘を一回ずつついたということで相殺された。

14:14

効率論と「君を評価していない」

なちは次に、自分が辞めたら店はどうなるのかと問うた。店長は、自分が穴を埋めることになり、今でもギリギリなのにさらに頑張って過労で倒れたらどう思うか、と情に訴えた。なちは「過労で倒れるぐらいだったら時給上げた方がいいかなっていう効率の話です」と返す。店長が倒れるのは嫌だ、と付け加えるのも忘れなかった。

店長はこの意見の正しさを一度は認めた。そのうえで「君の時給を上げてやるほど僕は君を評価してない」と言い切る。君より短い年数で、君より仕事ができるバイトはいっぱいいる、その人たちを差し置いてなぜ君の時給を上げるのか、という理屈である。なちが「安いから頑張れない」と言うと、店長は「順番が違う」と返した。安いから頑張れないのではなく、頑張ってお金が上がるのだ、と。スタジオでは「やるな、お互い」「すごい試合だ、これ」と声が上がった。

16:33

「お前」への切り替えと録音の逆襲

正論で押し返されたなちは、ここで態度を変えた。店長を「お前」と呼び、お前と一緒に働けるのは自分ぐらいだ、佐藤もお前が嫌いで辞めたのだ、と言い放つ。お前のうざさも不愉快さも、お金さえもらえれば我慢できる。だからお金をくれ、という論法である。

店長は、店長に「お前」と言う人間の時給を上げたいとは普通思わない、と返した。さらに「今の録音してたよ」と、なちが最初に始めた録音を逆手に取ろうとする。なちは、周りのバイトに言ってこいと言われたのだと責任を逸らした。そのうえで、店長が録音していなかったことを見抜き、「取ってねえじゃん」「嘘つきが」と詰め寄った。飛永は、大水もかなり押されていると評した。

なちは攻撃をさらに広げた。お前はこの店から一歩も出られない、本社に行かないのは本社から嫌われているからだろう、と。店長は、いずれは本社で管理する立場になるつもりだが、今はここにいる人たちを大事にする方が現実的だ、とかわした。

19:30

最低賃金とレジの不一致、パワハラとセクハラ

なちが「お前いくらもらってんだ」と時給を問い詰める流れから、自分の時給が1226円であることが出た。なちは、これは東京の最低賃金だと言う。店長は「じゃあ最低の仕事しかしてないってことだね」と返した。さらに、矢野さんの勤務日にはレジの金額のずれが一番多く、毎日記録を取ってある、とカウンターを放つ。

なちは「今私傷ついてんな」と繰り返し、これはパワハラだと言い出した。店長は、自分でミスをして指摘されて傷つくのはおかしいと反論する。なちは、シフトが重なっている長野さんにも疑いをかけていいはずだと粘った。そのやり取りのなかで店長がなちに触れると、なちはすかさず「今触ったね」とセクハラを指摘した。

ここからは監視カメラをめぐる応酬になった。店長は、あそこのカメラはダミーで、抑止のために付けているだけだから誰も見ていない、と言う。なちは、実は自分がバックヤードにカメラを置いていて、2〜3か月前からだと明かした。佐久間は「デスノート?」と反応した。店長がカメラを止めようとすると、なちは、なぜ止めたのか、やましいことがあるのか、今止めてもこれまでの記録はすべて残っている、と追い詰めた。後の場面で、カメラには水がかけられていたことが分かる。

23:47

えみちゃんの件と30秒のカウントダウン

なちは、店長と一番仲の良かったバイトのえみちゃんが、店長からのセクハラで精神を病んでしまったと告発した。えみちゃんの親はまさか店長が原因だとは思っていないだろう、とも言う。店長は、あの子は精神的に弱い部分があった、仕事もそれほどできず客からきついことも言われていた、早めに辞めてよかったのではないか、と話をずらした。なちが「それにつけ込んだんですよね」「お尻触りましたよね」と迫ると、スタジオではこのやり取りがサスペンスドラマのようだと評された。

なちは「今ここで言うか後でバレるかの違い」だとして、30秒の猶予を与えた。カウントダウンの末、店長は触ったことを認めた。ところがすぐに、彼女が自分の手を無理やり持っていった、自分は抵抗したのだと言い逃れを始める。なちが「その様子もカメラに映ってますね」と返すと、最終的に、自分から触った、彼女は驚いていて次の日には辞めた、と全面的に認めた。

26:59

本社の飛永が登場し、狙いが明かされる

なちはここで、外に本社の飛永さんを待たせていると明かした。時給の話を自分一人でするのは失礼だと思ったから、という説明だった。店長は、一介のバイトが本社の人間を呼び出せるはずがない、そんな人は来ない、と信じなかった。そこへ飛永が本社の社員として入ってきた。

なちは飛永に、セクハラを認めさせたと報告した。カメラには水をかけられたが、データは残っているはずだ、と付け加える。そして時給の件は本題ではなかったと明かした。上がれば嬉しいが、本質はそこではない、と。飛永も「お前を捕まえるためだよ」と店長を責め、えみちゃんの人生をどうするのか、いいおっさんが何をやっているのか、と詰め寄った。

店長は「僕は何もしてません、信じて」と繰り返したあと、最後の反撃に出た。なちの勤務日にレジの金額がおかしい、と本社の人間の前で持ち出したのである。なちは「じゃあ証拠はどこにあるんですか、証拠出してくださいよ」と切り返した。佐久間は「やっぱすげえな、こいつ」と漏らしている。

追い詰められた店長は、時給を1000円上げる、2000円、3000円と提示額を吊り上げた。なちたちは「遅い」と突っぱねる。店長が自分がバイトになると言い出すと、なちは「私店長になります」と宣言した。大学生でその経歴を持つのは大きいし、もっとこの町のために働きたい、という。飛永もこれに乗り、店長は連行された。佐久間は「こいつら永遠にできるな」と笑っていた。終盤には「よかった、金ばれなくて」という台詞も聞こえ、レジの件に含みを残す形でエピローグが閉じられた。

32:14

演者たちの振り返り

終了後、佐久間は、時給交渉は店長を引っかけるための口実だったのかと確認した。大水もセクハラしていたという設定を笑いながら認めた。大水は、録音やカメラの取り合いで自分も負けまいと色々繰り出したが、なちがまったく怯まずに来たと振り返った。

飛永は、大水が最後まで押し切ると思っていたという。それなのになちがひるまず次々と展開を進め、大水があれほど困っているのはあまり見たことがない、と語った。大水も、エチュードは何度もやってきたが今回が一番ヒリヒリしたかもしれない、なかなか骨のある相手だった、と認めた。正論で押し切る大水の運び方や、途中のサスペンス展開が面白かったという声も出た。

一方、途中から本社の人間として入った飛永は、緊張していたと明かした。笑いそうになるのをこらえ、こんな感じの人がいるだろうかと考えながら演じていたという。なちが店長を攻略できるかという企画は、時給の額ではなく、店長の座を奪う形で決着した。