【資生堂の皮脂ケア美容液】気になってた奴買ってみた!皮脂テカリを吸収するSHISEIDOメン『スキンマットセラム』に脂性肌の民が大注目!

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概要

資生堂のメンズ向けブランド「SHISEIDO メン」から登場した薬用美容液「スキンマットセラム」は、皮脂によるテカリやベタつきを抑えるアイテムとして、男性のみならず脂性肌に悩む女性からも関心を集めている。従来の皮脂ケア製品の多くが成分による皮脂分泌の抑制を試みてきたのに対し、本品は美容液でありながら皮脂吸着パウダーを高濃度に配合し、物理的に皮脂を吸収するというアプローチを採用している。本稿では、美容化学者のかずのすけ氏が同製品の成分構成、皮脂抑制のメカニズム、実際の使用感、ならびに処方に見られる課題について語った検証内容を整理する。

見出し付き・読了9分

男性の皮脂分泌の特性と従来のスキンケアが抱える限界

男性の皮膚は、思春期から20代にかけて皮脂分泌量が急激に増加し、女性の約2倍の分泌量に達する。女性の場合は30代以降徐々に皮脂量が減少し、60代では乾燥に傾く傾向があるのに対し、男性は20代でピークに達した皮脂量が60代までほぼ同水準のまま減少しないというデータがある。そのため、男性にとってテカリやベタつきのケアは長期間にわたる共通の課題となりやすい。また近年では、女性であっても皮脂過剰やテカリに悩む層が多く、同様の対策が求められている。

従来のスキンケアにおいて、皮脂対策を謳う成分としては以下のようなものが用いられてきた。

  • アゼライン酸:皮脂抑制やニキビ対策に一定の効果が期待されるものの、日本国内で化粧品に高濃度(15〜20%程度)配合された製品は刺激感が出やすく、敏感肌では使いにくい側面がある。また、処方設計や中和の度合いによっては効果の実感値が落ちる場合がある。
  • ビタミンC誘導体:皮脂抑制を期待して広く使われているが、劇的な変化を感じるまでには至りにくいことが多い。
  • ライスパワーNo.6:医薬部外品として「皮脂分泌抑制」の効能が唯一承認されている成分であるが、採用されている製品数が少なく、市場での選択肢は限られている。

このように、生理学的なアプローチによって皮脂分泌そのものを抑え込もうとするスキンケアは、体感として「皮脂が止まった」と実感できるレベルに達するのが難しいという限界を抱えていた。


「皮脂抑制」ではなく「高濃度パウダーによる物理的吸着」という発想

スキンマットセラムのアプローチは、生物学的な皮脂分泌の抑制ではなく、出てきた皮脂をその場で吸着することにある。医薬部外品としての承認効能は「肌荒れ・ニキビを防ぐ」であり、皮脂分泌抑制の効果効能を取得しているわけではない。有効成分には抗炎症作用を持つ「グリチルリチン酸ジカリウム」が配合されており、紫外線ダメージや日々の刺激による微小な炎症を抑え、ニキビや肌荒れへと発展するのを防ぐ設計となっている。

本品の中心的な機能は、基剤配合された「無水ケイ酸」によって担われている。無水ケイ酸とは一般的な化粧品表示で「シリカ」と呼ばれる透明な粉体であり、優れた皮脂吸着能力を持つパウダーである。通常、皮脂吸着パウダーはメイク下地やフェイスパウダーなどのメイクアップ製品に配合されることが多いが、本品は全成分表示において精製水の直後に無水ケイ酸が記載されている。正確な配合比率は開示されていないものの、液が真っ白に濁るほど高濃度(数%から10%程度と推測される)でシリカが配合されている。

この設計により、肌表面に薄くシリカの層を形成し、分泌された皮脂を物理的に吸着・吸収する。メイクアップ製品を使用することに抵抗がある男性でも、スキンケアの1ステップとして取り入れることで皮脂テカリを防止できる点、そして物理的な作用であるため効果の実感値が得られやすい点において、新規性のある発想であると評価できる。

また、従来のスキンケア製品で皮脂吸着パウダーとして使われてきた「酸化亜鉛」は、皮脂と反応して固まる性質があり、毛穴の詰まりや肌荒れのリスクが懸念される場合があった。これに対し、シリカは皮脂を吸着しても凝固しないため、毛穴詰まりを起こしにくいという利点がある。


全成分から読み解く処方設計とメンズコスメ特有の懸念点

高濃度のシリカを液状で肌に塗布するという基本構想が優れている一方で、成分の構成には旧来の男性用化粧品に見られるステレオタイプな設計が色濃く残っている。

エタノール主体のベース成分

保湿成分の筆頭には「エタノール」が配合されている。シリカの分散性を高めるための溶剤として機能している可能性はあるものの、エタノールは揮発時の刺激感や肌の乾燥を招くリスクがあり、敏感肌の使用者にとっては大きな障壁となる。単にさらっとした感触を目指すのであれば、エタノールに頼らずとも1,3-ブチレングリコール(BG)を主体とした処方などで十分に達成可能であり、あえてアルコールを高配合する必要性には疑問が残る。

清涼成分と香料の付与

処方中には「セイヨウハッカエキス」が含まれており、塗布時に微弱なスースー感(メントール様の清涼感)を生じさせる。また、ウッディ系と謳われる香料も強めに配合されている。男性用スキンケアにおいて「アルコールでさっぱりさせ、ハッカで清涼感を出し、強い香りを付ける」という設計は古くから見られるが、現代のスキンケアユーザー(男性・女性を問わず)の多くは無香料や低刺激な処方を求めており、時代に即していない印象を与える。

その他の美容成分

肌を整える成分としては、以下のものが確認できる。

  • アクアインプール(ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル):資生堂独自の浸透促進成分。乳化補助や成分の角層浸透を助ける目的で配合されているとみられる。
  • グリシルグリシン:不全角化によるすり鉢状毛穴の開きをケアする成分として知られる。
  • ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド):ビタミンB群の一種で、整肌効果を担う。
  • ツバキエキス:植物エキスとしての保湿・整肌効果を目的とした配合。

全体として、美容液としての薬効や栄養補給というよりは、シリカパウダーを肌に均一に定着させるための基剤設計が中心となっている。


実際のテクスチャーと塗布後の肌変化

製品はグレーのキャップを備えたスポイト式の透明ボトルに収められている。内容液を取り出すと、透明感はなく、高濃度のパウダーが分散しているため乳白色に濁っている。

香りは公式にはウッディ系とされているが、柑橘系や一般的なメンズ製品のトニック臭とは異なり、フローラル調やシャンプーに近いニュアンスを持つ。塗布の瞬間にはしっかりと香るものの、時間の経過とともに揮発して落ち着く。

肌に伸ばした際、アルコール高配合の製品にありがちな「瞬時に蒸発して乾く」ような挙動は示さず、意外にも肌の上に油分とは異なる保湿膜が残るような、やや上滑りする感触がある。また、塗布直後にはエタノール特有のじわりとしたヒリつきと、ハッカエキスによるわずかなスースー感が感じられる。

メーカーの宣伝では「9秒」という数字が強調されているが、これは顔全体に塗布するのに要する時間を示した注釈であり、9秒でサラサラに乾くわけではない。実際に馴染ませてから完全に乾くまでには約30秒を要する。

30秒ほど経過して完全に乾くと、表面の膜感が消失し、指通りがサラサラとした質感へと変化する。高濃度のパウダーを含んでいるにもかかわらず、白浮きや粉っぽさが残ることはなく、肉眼では塗布したことがわからない透明な仕上がりとなる。この時点で肌表面にシリカの均一な塗膜が形成されており、後から分泌される皮脂を待ち受けて吸着する状態が整う。


効果的な使用順序と製品の適性

スキンマットセラムの内容量は20mlで、価格は5,500円(税込)となっている。公式の使用目安では「約1ヶ月分」と記載されているが、これはスポイト1回分を毎日朝晩などに使用した場合の消費ペースを指しており、品質保持期限が1ヶ月というわけではない。防腐設計や成分構成から見ても、開封後1年程度は問題なく使用できる設計である。

油分を避ける使い方の重要性

資生堂が推奨する使用ステップには以下の2通りが示されている。

  1. 洗顔 → 化粧水 → 美容液(アルティミューン等) → 乳液・クリーム → スキンマットセラム
  2. 洗顔 → 化粧水 → スキンマットセラム(単品使用)

しかし、本品の皮脂吸着メカニズムを考慮すると、乳液やクリームなどの油分を含むアイテムの後に使用することは推奨されない。シリカが吸着できる油分の許容量には物理的な上限があるため、スキンケアに含まれる油分(エモリエント成分)を先に吸着してしまうと、日中に分泌される自身の皮脂を吸収するキャパシティが著しく低下してしまう。

したがって、テカリ防止効果を最大限に引き出すためには、以下の手順が合理的である。

  • 洗顔後、油分を含まないウォータリーベースの化粧水や水性美容液で肌を整える。
  • 乳液やクリームをスキップし、スキンマットセラムをテカリの気になる部位(Tゾーンなど)に塗布する。
  • その後、必要に応じて日焼け止めを使用する。

油分を多く補給しなくても乾燥しにくい脂性肌や混合肌にとって、乳液やクリームを排したシンプルなステップと本品の相性は極めて良好である。

結論と今後の期待

スキンマットセラムは、「スキンケア成分で皮脂を止めようとする」という難易度の高いアプローチを避け、「美容液のステップで高濃度のシリカを仕込み、物理的に皮脂を吸着する」という実用的な解決策を提示した点において、極めて理にかなった製品である。

一方で、エタノールの刺激感、ハッカの清涼感、強めの着香といった、旧来の男性向け化粧品特有の処方思想が残っている点は惜しまれる。アルコールや香料が苦手な肌質にとってはハードルが高く、これらの要素を排した低刺激処方が実現すれば、性別を問わずより幅広い層にとっての定番アイテムになり得ると考えられる。アルコールや香料に過敏でない脂性肌の使用者にとっては、日中の頑固なテカリを物理的に抑え込む有力な選択肢となる。