【最新型アゼライン酸セラム】同じ効果&より低刺激に!!3%非中和型セラムと20%従来型クリームを比較した最新研究が衝撃的すぎた【DRX AZAクリアセラム】

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概要

皮脂トラブルや毛穴、ニキビのケア成分として注目されるアゼライン酸について、ロート製薬から新たな研究リリースが発表された。これまで高濃度のアゼライン酸製剤はクリームへの「分散型」が主流だったが、同社はアルカリ剤などで中和することなく完全に溶解させた「非中和型」の美容液(セラム)製剤を開発した。

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本記事では、クリニック専売ブランド「DRX」から登場した「AZAクリアセラム」を題材に、新研究で示されたデータ、従来の20%配合クリームとの効果や刺激性の違い、成分設計のポイントを整理する。


日本におけるアゼライン酸の背景とロート製薬の歩み

アゼライン酸は天然に存在する飽和ジカルボン酸の一種で、油に溶けやすい酸性物質という特性を持つ。角化の正常化作用(ターンオーバーの正常化)、アクネ菌などの生育を抑える抗菌作用、抗酸化作用、チロシナーゼ活性阻害による美白作用、抗炎症作用などが報告されている。海外では尋常性痤瘡(ニキビ)や酒皶の治療薬として認可され、15〜20%程度の濃度で医薬品として広く用いられている。

一方、日本では医薬品としては認可されず、化粧品成分として流通してきた。認可されなかった背景には、アゼライン酸特有の強い皮膚刺激性がある。特に日本人の肌では20%や15%といった高濃度製法による刺激に耐えられないケースが観測されたためとされている。

この課題に対し、ロート製薬は長年にわたり研究を重ね、日本人でも使いやすい処方として2011年にクリニック専売品「DRX AZAクリア」を発売した。これはアゼライン酸を約20%配合した分散型クリームである。その後、2023年には一般流通向けブランド「ダーマセプトRX」から実質的に同等の処方とされる「AZAセラム」を発売し、セルフケアでも入手できる環境を整えてきた。


高濃度アゼライン酸化粧品の広がりと「中和型」の課題

近年、アゼライン酸の皮脂抑制やニキビ予防効果が広く知られるようになり、国内外の各メーカーから10%や15%といった高濃度をうたうスキンケア製品が相次いで登場した。

しかし、アゼライン酸は水にも油にも溶けにくい。水系の美容液に高濃度で安定配合しようとすると、主に以下の手法が取られることが多かった。

  1. 誘導体の使用: アゼロイルジグリシンKなど、水溶性を高めた誘導体を主成分とする。
  2. アルカリによる中和(中和型): 水酸化ナトリウムなどを加えて中和し、塩の形にして溶解させる。
  3. 大量の界面活性剤の配合: 10%以上の界面活性剤を使い、無理やり可溶化させる。

特に多く見られたのがアルカリ中和型だが、酸性の原体を中和すると本来の性質が損なわれ、十分な効果が得られないのではないかという懸念がかねてより指摘されていた。中和型のニキビに対する有効性を明確に検証した臨床データが乏しく、実際の効果については長らく不明瞭な状態が続いていた。


ロート製薬の最新リリース:3%非中和型セラムと20%分散型クリームの比較

こうした疑問に対し、ロート製薬は2024年9月8日の研究リリースでひとつの見解を示した。発表された技術は、アゼライン酸を中和することなく製剤中に完全溶解させるというものである。

アゼライン酸はpH条件によって電離状態が変化する。未中和の状態が最も高い殺菌作用と皮膚浸透性を持つが、製剤への溶解性は低い。アルカリを加えて中和(1中和・2中和)すると水への溶解性は高まるものの、殺菌作用や皮膚浸透性は低下してしまう。つまり、中和して溶かすと製剤化は容易になるが、アゼライン酸本来の機能は落ちてしまうことが示された。

そこで同社は「非中和型3%溶解セラム」を開発し、従来の「20%分散型クリーム」との比較試験を実施した。

12週間の臨床試験結果

  • 総皮疹数の減少(ニキビ改善効果): 12週間の比較において、3%溶解セラムは20%分散型クリームと同等レベルの改善効果を示した。特に使用開始から早い段階(4週間時点)では、セラムのほうが皮疹数を速やかに減少させる傾向が確認された。
  • 刺激感の低減: アゼライン酸製剤は使い始めにピリピリとした刺激を感じやすいが、使用2週間時点で「かゆみを感じなかった」と回答した割合はセラムのほうが23ポイント高く、「刺激感を感じなかった」割合も18.4ポイント高かった。

皮膚浸透性と殺菌力

  • 浸透効率が約4倍: ヒト摘出皮膚を用いた試験において、塗布24時間後の皮膚浸透性を比較したところ、3%溶解セラムは20%分散型クリームの約4倍の浸透効率を示した。中和せずに溶解させているため、濃度が低くても効率よく皮膚へ浸透し、7分の1近くの濃度でありながら同等以上の効果を発揮できると考察されている。
  • アクネ菌に対する殺菌効果: 3%溶解セラムは、20%分散型クリームと同等の高い殺菌効果を示した。

「DRX AZAクリアセラム」の処方設計と使用感

この研究技術が反映された製品とみられるのが、2024年7月に発売された医療機関専売品「DRX AZAクリアセラム」である。

全成分の特徴

全成分表示を見ると、DPG(ジプロピレングリコール)を主成分とし、次いで水、溶剤であるエトキシジグリコール、乳化剤のベネス-30、そしてアゼライン酸が続く。

香料、着色料、防腐剤、アルコール(エタノール)はフリーでシンプルな構成だが、DPGやエトキシジグリコールが高濃度でベースに使われており、基剤そのものが極めて低刺激というわけではない。アゼライン酸を非中和のまま完全に溶かし込むため、溶剤設計に工夫が凝らされた、いわば攻めた構成といえる。

従来クリームとの使用感の比較

実際に肌へ塗布した感触としては、製剤特有のピリッとした刺激は生じるものの、従来の20%クリーム(AZAクリア等)に比べると穏やかに抑えられている。クリームを塗った際に強く出るヒリヒリ感と比べ、セラム製剤は刺激の立ち上がりがマイルドに感じられる。

油分を多く含むクリーム基剤を避けたいニキビ肌や皮脂トラブルを抱える層にとって、ウォータリーな美容液形状で、かつ従来の20%クリームと同等の働きが期待できる点は大きな利点となる。


入手方法と今後の展望

DRX AZAクリアセラム(26mL)は現在、医療機関専売品として展開されており、基本的には取り扱いのある美容皮膚科などのクリニックを受診して購入する流通形態となっている。

従来のAZAクリアが後に「ダーマセプトRX AZAセラム」として一般向けに市販された経緯を考えると、今回の非中和型セラムも将来的にダーマセプトRXなどの一般流通ブランドへ展開される可能性は高いとみられる。ただし、製品化までには相応の期間を要すると考えられるため、早期に試したい場合はクリニックでの相談や取り扱い窓口の確認が必要となる。