【こんなに凄いと思わなかった】絶対やかない『無重力感UVエッセンス』ノンケミカル日焼け止め史上最高レベルの傑作!今頃の紹介になって大後悔してます…。【SPF50+】

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概要

コーセーコスメポートの「サンカット プロディフェンス」シリーズなどから展開されている「サンカット 無重力感UVエッセンス」は、紫外線吸収剤を用いないノンケミカル処方でありながら、国内最高水準のUVカット数値(SPF50+ / PA++++)と高い透明性を両立させた製品として注目を集めている。かつてまとめた新作日焼け止め特集から漏れていたことを惜しむほど完成度が高いと評価する美容化学者のかずのすけ氏が、その成分構成、使用感の技術的背景、先行製品との差異、そして酸化亜鉛をめぐる議論について詳しく論じる。

見出し付き・読了6分

異例のスペックと処方設計

本品は、紫外線散乱剤として酸化亜鉛を主体に採用したノンケミカル処方の日焼け止めである。一般にサンカットシリーズは、紫外線吸収剤やアルコールを配合することで高い防御力と安価な価格設定を実現する傾向があった。しかし本作では、紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)とアルコールフリーを同時に達成している。

全成分表示を見ると、基剤にはBGやエチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸PG、ジメチコンなどが並び、グリセリンフリーで構成されている。紫外線散乱剤としては酸化チタンを用いず酸化亜鉛のみに絞り、皮脂吸着パウダーとしてシリカを配合している。保湿成分にはカミツレ花エキス、セージ葉エキス、セリン、ヒアルロン酸ナトリウム、加水分解コラーゲンなどが並び、全体として無駄を削ぎ落としたシンプルな構成が特徴である。

さらに、香料フリー、合成着色料フリー、パラベンフリーといった各種フリー表記に加え、アレルギーテスト、パッチテスト、スティンギングテスト、ノンコメドジェニックテスト済みと、肌への負担軽減を意識した設計が前面に打ち出されている。


「エッセンス処方」によるSPF50+ / PA++++と耐水性の両立

酸化亜鉛を主成分とした高SPF日焼け止めの多くは、油分の中に水分を分散させる2層式リキッド(W/O乳化)の形態を取ってきた。2層式は耐水性に優れる反面、オイル特有のベタつきや塗布後の皮膜感が強く残りやすいという使用感上の課題を抱えていた。

対して本品は、水相をベースに油分を内包させたクリーム状の「エッセンス処方(O/W乳化)」を採用している。ウォータリーでみずみずしいエッセンスの基剤設計を保ちながら、酸化亜鉛のみでSPF50+ / PA++++という国内最高値を達成した点は極めて珍しい。

加えて、80分間の水浴テストをクリアする「UV耐水性★★」を取得している。エッセンス処方でありながら水への耐性を確保している点は、技術的に高いハードルを越えた結果といえる。


先行する酸化チタン製品「ビオレ水肌記憶UV」との比較

先行して登場し、新世代のウォータリーノンケミカルとして評価された花王の「ビオレUV アクアリッチ 水肌記憶UV(アクアプロテクトエッセンス)」と比較すると、その設計思想の違いがより鮮明になる。

ビオレの水肌記憶UVは、酸化亜鉛を配合せず酸化チタンをメインに据えたウォータリー処方であり、アルコールフリー、グリセリンフリー、無香料といった要素を共通して備えている。しかし、紫外線防御力はSPF50 / PA+++にとどまり、UV耐水性は★★に届いていなかった。酸化チタン単独でこの数値を出すこと自体が高度な技術であるものの、絶対的な紫外線防止力ではSPF50+ / PA++++かつUV耐水性★★を備えた無重力感UVエッセンスが上回る。

また、酸化チタンはどうしても肌表面で白浮きしやすく、しっかり塗り広げないと白さが目立つ傾向がある。これに対し、本品は酸化亜鉛の特性を活かし、極めて高い透明性を実現している。塗布時のテカリや被膜感、原料臭も抑えられており、「無重力感」という製品名にふさわしい、肌に重さを感じさせない使用感に仕上がっている。


塗布膜の強さと落とし方

使用感は非常に軽快である一方、UV耐水性★★が付与されているため、肌表面に形成される被膜の耐久性は高い。パッケージには石鹸で落とせる旨が記載されているが、顔などの凹凸が多い部位や、毛穴詰まり・ニキビを避けたい肌質においては、オイルクレンジング等を用いた丁寧なオフが推奨される。

本品に採用されている「無重力感ヴェール(アクアホールド処方・ミクロスムースブロック技術)」は、花王のアクアカプセル技術に類似したアプローチとみられ、水分を含んだカプセルが肌の上で均一に崩れて密着する仕組みと考えられる。汗や水には強い設計だが、皮膜自体が完全に落ちないわけではないため、長時間の屋外活動や海水浴などでは定期的な塗り直しが不可欠となる。

価格面では、50gで1,430円(Maison KOSÉ販売価格)に設定されている。サンカットの標準的な価格帯よりはやや上だが、デパコスで数千円台で販売されていても遜色のない使用感と処方完成度を考慮すると、極めてコストパフォーマンスが高い。


酸化亜鉛の機能性と肌質適性

酸化亜鉛は、紫外線防止剤として極めて優れた特性を持つ。酸化チタンに比べて長波長UVA(ロングUVA)やブルーライト、近赤外線といった領域まで広くカットできるほか、コーティング処理がされていない酸化亜鉛は皮脂中の遊離脂肪酸と結合して「脂肪酸亜鉛」を形成し、化粧膜を固化させて崩れにくくする働きを持つ。

その一方で、この脂肪酸亜鉛を形成する固化作用が原因となり、毛穴の詰まりやニキビの誘発につながる肌質が存在する。自身の発信が酸化亜鉛フリーの潮流を作った一因であると認めたうえで、かずのすけ氏は肌質ごとの割合と向き合い方を次のように整理している。

  • 約8割の人: 酸化亜鉛による毛穴詰まり等のトラブルは起きにくく、その高い紫外線防御力と透明性の恩恵を最大限に享受できる。
  • 約1〜2割の人: 酸化亜鉛が肌に合わず、毛穴詰まりや炎症を起こすため、酸化チタンベースなどの「酸化亜鉛フリー」製品を選択する必要がある。

酸化亜鉛を完全に避ける必要のない8割の人にとっては、本品のように高い防御性能と負担感のない質感を両立した製品は最良の選択肢の一つとなる。


成分をめぐる過剰な忌避と発信のあり方

近年、SNS上などで「酸化亜鉛やグリセリンが悪者扱いされすぎている」という指摘がなされることがある。これに対し、情報発信者ひとりの影響力だけで根拠のない風評が定着することはあり得ないと反論する。

発信によって特定の成分を避ける動きが広がったのは、潜在的にそれらの成分で肌トラブルを抱えていた層が一定数存在し、情報に触れて試した結果として肌状態が改善したという実体験と共感があったからにほかならない。1割から2割という少数派であっても、人口換算すれば1,000万人規模に達するため、化粧品選びにおいて無視できない切実な問題となる。

「酸化亜鉛は毛穴に詰まらないから使うべき」と合わない人の存在を透明化することも、「酸化亜鉛は悪だから全員避けるべき」と過剰に煽ることも適切ではない。合わない人には酸化チタンを主とした代替品が提示されるべきであり、問題なく使える人には酸化亜鉛の優れた防御性能を活かした製品が推奨されるべきである。

本品は、酸化亜鉛が肌に合う人にとって、紫外線吸収剤フリー・アルコールフリー・グリセリンフリー・最高値UVカット・高耐水性をエッセンスの軽さで享受できる選択肢として提示されている。