【全部が優等生】花王のシャンプー最近はコレが1番好きかも!MEMEMEの「青」、コスパ・使用感・敏感肌適正・香りの全てが丁度良い。
かずのすけ花王のハイプレミアムヘアケアブランド「MEMEME(ミーミーミー)」より、青を基調とした「スムースブースト シリーズ」が登場した。先行して発売された赤の「モイストブースト シリーズ」は、印象的な外観ながらも極めて洗練された処方構成を持ち、市販ヘアケア市場において高い完成度を示していた。
今回新たに加わった青のスムースタイプは、赤の優れた骨格を踏襲しつつ、どのような処方変更が施され、どういった髪質や肌質に向く設計となっているのか。美容化学の視点からシャンプー、インバストリートメント、そして完全新作のアウトバストリートメント「シャワーヴェール トリートメント」の成分を詳細に分析するとともに、人毛エクステンションを用いた検証結果について解説する。
花王のヘアケア事業変革と「MEMEME」の位置づけ
近年、花王のヘアケア開発は大きな転換点を迎えている。かつて同社のドラッグストア向けヘアケアといえば、安価でサルフェート系の洗浄力が強いシャンプーが主流であり、サロン関係者や成分に関心を持つ層からは画一的な評価にとどまる傾向があった。花王自身は100年近いヘアケア研究の歴史を持ち、独自原料を数多く開発してきた国内有数の大企業であったが、その研究資産が一般消費者向けの普及品に十分に還元されていない印象を持たれていた。
その流れを変えたのが、2022年から2023年にかけて登場した「エッセンシャル バリアシャンプー(現エッセンシャルプレミアムの原型)」である。この製品によって基本骨格となる処方が確立され、1,000円未満の価格帯から脱却し、1,500円〜2,000円未満の「ハイプレミアム」価格帯への本格参入が始まった。
この変革の流れから「melt(メルト)」や「THE ANSWER(ジアンサー)」といったブランドが誕生し、その第3弾として投入されたのが若年層(20代前後)を主なターゲットとする「MEMEME」である。従来の赤のボトル(モイストブースト)が保湿やしっとり感を志向していたのに対し、今回の青のボトル(スムースブースト)は、毛先まで軽やかに弾む「さらツヤ髪」を目指したシリーズとして位置づけられている。
「スムースブースト シャンプー」の成分分析
洗浄成分の骨格
「MEMEME スムースブースト シャンプー」の全成分表示を確認すると、赤のモイストタイプと極めて近い構成であることがわかる。
主成分には、タウリン系のアニオン界面活性剤である「ココイルメチルタウリンNa」と、アミノ酸系のアニオン界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」が配置されている。これらは適度な洗浄力を確保しつつ刺激を抑えたバランスの良い洗浄成分である。ここに起泡性を高める「コカミドメチルMEA」、刺激緩和と泡質調整を担う両性界面活性剤「ココアンホ酢酸Na」「コカミドプロピルベタイン」、そして花王が得意とする酸性石けん系(カルボン酸系)の「ラウレス-11カルボン酸」が組み合わされている。
この組み合わせは、花王のハイプレミアム帯製品に共通して見られる基本骨格であり、十分な洗浄力とマイルドさを両立させた万人向けのバランスを誇る。
モイストタイプとの相違点
赤のモイストブーストとの違いは、微量成分の調整にある。 まず、保湿型のアミノ酸系洗浄成分である「ラウロイル加水分解シルクNa」の配合順位が青ではやや下がっており、さっぱりとした洗い上がりを意識した配合量に微調整されていると見られる。また、保湿剤である「グリセリン」の記載位置もモイストに比べて後方に移っている。
植物エキス類においては、赤に配合されていた「ロイヤルゼリーエキス」が省かれ、代わりに「ユーカリ葉エキス」が配合されている。ユーカリ葉エキスは清涼感のある植物由来成分であるが、配合量から見て頭皮に強い清涼感をもたらすほどではないと推察される。
毛髪補修成分とカチオン界面活性剤の安全性
毛髪補修成分としては、以下の成分が共通して採用されている。
- PPT系補修成分:加水分解ケラチン(羊毛)、加水分解シルク、加水分解コンキオリン(真珠母貝由来タンパク質)
- 毛髪脂質補修:ラノリン脂肪酸(花王が開発した毛髪表面の天然脂質「18-MEA」の誘導体)
- 擬似セラミド:ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン(花王の独自成分。毛髪の脂質構造を補う)
- ヒートプロテクト成分:γ-ドコサラクトン(ドライヤーやアイロンの熱によって毛髪と結合し補修する成分)
成分表示の末尾には「ステアロキシプロピルジメチルアミン」が記載されている。これはカチオン界面活性剤の一種(第3級アミン塩)である。一般に市販シャンプーで問題視される「第4級アンモニウム塩」に比べると、第3級アミン塩は皮膚刺激性が極めて低く、配合量も微量であるため、頭皮への刺激リスクはほとんど無視できるレベルであると話者は評価している。
全体として、花王のハイプレミアム帯の中でも最もさっぱりとした、サラサラ感に特化したシャンプー処方となっている。
「スムースブースト トリートメント」の成分分析
第4級アンモニウム塩フリーの低刺激処方
「MEMEME スムースブースト ヘアトリートメント」の処方は、市販のトリートメントとして非常に珍しい特徴を備えている。一般的な製品に高配合される刺激の強いカチオン界面活性剤(ステアルトリモニウムクロリドやセトリモニウムクロリドなどの「第4級アンモニウム塩」)が一切配合されていない。
柔軟基剤には、ハンドクリームや低刺激製品にも用いられる第3級アミン塩「ステアロキシプロピルジメチルアミン」が採用されている。肌荒れしやすい首回りや背中にトリートメントが付着した際の刺激が大幅に低減されており、敏感肌にとっても適性の高い設計である。
シリコーン控えめの軽やかなベース
通常の花王製トリートメントは、ベース成分の2番手前後に「ジメチコン」をはじめとするシリコーン油を高配合し、重厚な皮膜感を出すことが多い。しかし本製品は「グリセリン」と「ステアリルアルコール」を基幹とし、ジメチコンの配合順位が比較的後方に控えられている。これにより、重たくならず、指通りの軽い仕上がりを実現している。
さらに、近年うねり補正成分として注目される「乳酸」が配合されている。乳酸は髪の内部に入り込み、縮まろうとする応力を緩和する働きがあるため、サラサラとしたまとまり感を付与する。
青(スムース)独自のエステル油構成とラメラ構造
モイストタイプと比較すると、青のスムースタイプは擬似セラミド(ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン)の配合順位が上がっており、加水分解コラーゲンなどのしっとり系成分が控えめになっている。また、「PPG-3カプリリルエーテル」や「パルミチン酸イソプロピル」といったエステル油、および「ポリグリセリン-3」が追加配合されており、皮膜感を残さずにサラッとした質感を生み出す工夫が見られる。
特筆すべきは、トリートメント自体に「ラメラ構造」を採用している点である。一般の油分リッチなトリートメントとは異なり、ラメラ構造化された処方は水分を抱え込みやすい特徴を持つ。これにより、半透明のジェル状でありながら塗布した瞬間に毛髪の水分と急速に馴染む「爆馴染み」のテクスチャーが実現されており、すすぎの際もヌルつきを残さず素早く洗い流すことができる。
完全新作「シャワーヴェール トリートメント」の特長
青のシリーズで新たに追加された洗い流さないトリートメント「シャワーヴェール トリートメント」は、ミストタイプのアウトバス製品である。
【シャワーヴェール トリートメントの主要骨格】
水、エタノール、DPG、γ-ドコサラクトン、ラノリン脂肪酸、
加水分解ケラチン(羊毛)、加水分解シルク、加水分解コンキオリン、
加水分解コラーゲン、乳酸、PEG-12ジメチコン ほか
エタノール高配合の利点と低刺激性の両立
成分表示の前方にエタノールが記載されているが、洗い流さないヘアミストにおけるエタノール配合には実用上のメリットがある。毛髪に噴霧後、エタノールが揮発する際に水分を素早く抱え込んで蒸発を助けるため、ドライヤーによるヘアドライの時間を大幅に短縮できる。頭皮に直接刷り込むものではないため、肌刺激への懸念も少ない。
最も注目すべき点は、アウトバストリートメントでありながらカチオン界面活性剤(第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩ともに)が完全にフリーであることだ。皮膚に触れやすいアウトバス製品において、カチオン界面活性剤を含まない設計は敏感肌への配慮として高く評価できる。
ビルドアップを防ぐ成分設計
高粘度のシリコーン油や植物オイルを主成分としたヘアオイルは、髪の表面に皮膜が蓄積してゴワつく「ビルドアップ(被膜蓄積)」を引き起こすリスクがある。対して本品はミスト設計であり、重質な油分による蓄積が起きにくい。
熱反応型の補修成分である「γ-ドコサラクトン」がしっかりと配合されているため、ドライヤーやヘアアイロンの熱を利用して毛髪表面のめくれを補修し、摩擦ダメージを防ぎながら自然なサラサラ感を作り出すことができる。
人毛エクステを用いた使用感・機能性の検証
人毛100%のエクステンションを使用し、実際の使用感と仕上がりについて検証が行われた。
シャンプーの泡立ちと香り
シャンプー液は透明感のある液体である。同社の「THE ANSWER」が極めてマイルドでやや泡立ちが穏やかな設計であるのに対し、MEMEME スムースブーストは非常に豊かで弾力のあるもこもことした泡が素早く立ち上がる。髪の摩擦を感じることなく洗髪でき、泡切れも非常に良好でヌルつきを残さない。
香りは「ロゼスパークリング×アンバー」と定義されている。赤のモイストタイプがフルーツ系の甘さを強く押し出していたのに対し、青は爽やかですっきりとした香調であり、過度な残り香がない。花王の近年の製品群(meltやTHE ANSWERなど)と比較しても、香りの主張が控えめで扱いやすいと評されている。
トリートメントの馴染みとすすぎ性
トリートメントは完全な白濁ではなく、やや透き通ったジェル状のテクスチャーである。毛束に塗布すると瞬時に髪全体へと行き渡り、水分と一体化して「とろとろ」の質感へ変化する。ラメラ構造の特性通り、馴染みの速度は極めて速い。
流す際も水と素早く混和するため、いつまでもぬるつきが残ることがなく、短時間のすすぎで作業が完了する。入浴時のすすぎ時間を短縮したい層にも向いている。
シャワーヴェールによる仕上げとドライ
水気を切った毛束に「シャワーヴェール トリートメント」を塗布すると、カチオン界面活性剤フリーでありながら、18-MEA誘導体(ラノリン脂肪酸)等の働きによって毛束が瞬時にとろみと滑らかさを帯びる。
ドライヤーを当てると、エタノールの揮発補助効果も相まって乾燥が非常に早い。乾燥後の毛髪は、オイルを塗り重ねたような重さやべたつきが一切なく、一本一本が独立して空気を含んだような、ふわっと軽やかなサラサラのストレートヘアに仕上がった。赤のシリーズと比べても、明らかにサラサラ感の度合いが高い結果となった。
価格比較とシリーズの総括
花王が展開するハイプレミアムヘアケア各ブランドと「MEMEME」の価格設定は以下の通りである。
- MEMEME スムースブースト
- シャンプー(400ml):1,540円(税込)
- トリートメント(400g):1,540円(税込)
- シャワーヴェール トリートメント(180ml):1,540円(税込)
- THE ANSWER
- 約1,700円台(内容量により異なる)
- melt
- 480ml:1,760円(税込)
容量あたりの価格を考慮しても、MEMEMEは同社のハイプレミアム帯の中で最も手に取りやすい価格に設定されている。
従来の「真面目で堅実だが市販品としては無難」という花王のパブリックイメージを覆すポップなパッケージデザインを採用しつつも、中身は第4級アンモニウム塩フリー、ラメラ構造の採用、花王独自の脂質補修成分(18-MEA誘導体・擬似セラミド)の配合など、極めて高度な技術が投入されている。
「MEMEME スムースブースト シリーズ」は、髪を重たくしたくない人、自然なサラサラ感や指通りの良さを求める人、そして頭皮や肌への低刺激性を最優先にしたい敏感肌のユーザーにとって、コストパフォーマンスと機能性の両面で極めて完成度の高い選択肢となっている。
