平均物件から豪邸、裏通りのシェアルームまで:マレーシア・クアラルンプール不動産の振れ幅を歩いて確かめる

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概要

「内見ゴリラの珍賃貸」のホスト(なぎら)は、世界中で土地を持つことを目標に、各国の不動産市場を見て回るシリーズを続けている。今回の行き先はマレーシアで、現地の不動産会社から招かれたことがきっかけだという。案内役は、クアラルンプールで日本人向けに不動産投資や移住のサポートをしている会社を運営するジャンナさん。ホストはマレーシアについてほとんど知らない状態で訪れたと話す。

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回るのは4件だ。現地の平均的な物件、最も安いクラスのシェアルーム、正反対の豪華な一戸建て、そして番組として「本当の最安値」を探す裏通り。物件ごとにホストが独自の指標「珍賃度」(珍しい賃貸の度合い)で採点する。

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出発前に共有されたマレーシアの基本情報

最初の物件へ向かう車内で、ディレクターの西田さんが事前に調べたマレーシアの情報を紹介した。人口は約3,400万人で日本より少なく、平均年齢は30歳前後と若い。平均気温は1年を通して26〜27度ほどだという。

さらに西田さんは、日本人が選ぶ「住みたい国」でマレーシアが15年連続1位だと伝えた。ホストは「そんなことないでしょ」と疑ったが、ジャンナさんはデータとして出ていると答えている。理由として彼女が挙げたのは多民族国家であることだ。マレー系、中華系、インド系が暮らすため、マレーシア人同士でも何語で話せばいいか分からない場面がある。だから相手の言葉が通じなくても我慢強く聞いてくれる。日本人がマレーシアの人を「優しい」と感じるのはそういうところから来ている、というのがジャンナさんの説明だ。

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1件目:都心で働く人の「平均的な物件」

1件目は、ジャンナさんが「スカイラインKL」と紹介した大型マンションだ。外からは1棟に見えるが、実際はA〜Dの4タワー構成で、総戸数は約2,200戸。最上階は47階で、今年完成予定の新しい物件だという。ジャンナさんによれば、これが中心地で働く人が住む平均的な、どちらかといえば安めの物件にあたる。ホストは「まだ信じていない」と言いながら中に入った。

ロビーの時点でホストは「もうタワマンじゃん」と驚く。内見したのは28階の1ベッドルームで、広さは約45平米。ジャンナさんは、マレーシアの基準ではどちらかといえば狭めの部類だと話す。マレーシアの建物は1階あたりの天井が高く、同じ階数でも日本の感覚とは高さが違うという指摘もあった。

部屋の構成は次のとおりだ。キッチンにはIHの2口コンロと調理スペースがあり、洗濯機もキッチンに置かれている。ジャンナさんによると、これはマレーシアでは普通の配置だ。トイレ・洗面・シャワーがまとまった水回りにはドアが2つあり、廊下側からも寝室側からも入れる。寝室には窓と、天井まで届く引き出し式の収納がある。ホストは、冬服やコートが要らない国なのでこの収納でも余るくらいだろうと見ている。

ホストが最も驚いたのは共用部だった。デザイン性の高い屋上、端から端まで続く広いバーベキューエリアからは、東京タワーのような存在だというツインタワーと、金融地区にある106階建てのタワー「106」が見える。ホストは「マレーシアの発展が全部見れるビル」と表現した。ほかにも、音楽をかけて自転車を漕ぐスタジオを含むジム、インフィニティプール、公園のような緑地、チェス盤、パックマンの装飾まであり、駅に直結している。

ホストが「富裕層の暮らしでしょ」と聞くと、ジャンナさんはブランド物件ではない中ぐらいの物件で、都心部で働く人の平均的な住まいだと答えた。家賃は45平米・家具付きで現在の相場は月9万円ほど。階数や家具の状態によって変わり、家具なしなら8万円台から、上は10万円程度までの幅があるという。

珍賃度は9でほぼ満点だった。ホストは、日本でもなかなか出ない点数だと言う。理由は、これが「平均」だというギャップと、共用部の充実ぶりだ。日本の感覚で言えばこの家賃は安い、とホストは評価した。

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2件目:郊外のシェアルームは1人月8,000円

食事を挟んで、一行はクアラルンプールから車で30分ほどの郊外、ジャンナさんが「プタリンジャヤ」と呼ぶエリアへ向かった。ここで安い物件を見せたいという。周辺には同じような大型の建物が並んでおり、その敷地の広さにホストは驚いていた。

物件名は「メンタリコート」。2006年完成で築約20年になる。駅までは徒歩圏内だ。ホストは、マレーシア全体で見ればこうした物件のほうが平均に近いのではないかと話し、「これがリアル」と期待を見せた。敷地では作業員が修理をしており、ホストは休憩が3時間くらい続くのだろうと冗談を言っていた。

1戸全体を借りることもできるが、この物件では部屋単位のシェアルームも用意されている。住戸の広さは69平米。入るとタイル張りの床と高い天井の共用スペースがあり、ホストは予想より綺麗なことに驚いた。内見した個室はベッドが2台置かれたワンルームで、1人で借りても、2人でシェアしてもよいという。つまり「シェアルームの中のシェア」だ。壁は白く塗り直されていて、ファンもあり、窓もある。キッチンはガスボンベ式で、シェアハウスらしい作りだった。トイレは洋式で、その上にシャワーがあり、トイレの空間でシャワーを浴びる構造になっている。

家賃は、2人で使う場合1人200リンギ、日本円で約8,000円だ。1人で部屋全体を使うなら2人分で1万6,000円になる。ジャンナさんがうっかり「1億6,000万円」と言い間違え、ホストに「日頃億超えしか扱っていないから」とからかわれる場面もあった。管理費などはすべてオーナー負担だという。都心までは電車でも30〜40分、車でも30分ほどかかるとホストは見込んでいる。

珍賃度は8。ホストは、このクオリティで8,000円は安すぎるうえ、ゴミ捨て場など共用部の管理がしっかりしていて、プールまであることを評価した。これだけ安くてこの水準なら困ることは何もない、というのがホストの感想だ。

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寄り道:マラヤ大学とジャンナさんの日本経験

次の物件に向かう途中、一行はマレーシアのトップ大学だというマラヤ大学に立ち寄った。ジャンナさんがここに通っていたことがきっかけだ。

流暢な日本語の理由を聞かれると、ジャンナさんは「素敵な話はない」と前置きして経緯を話した。留学を希望したとき、聞かれたのは何を勉強したいかだけで、留学先は選べなかった。本当は英語が使える国に行きたかったが、そのオファーはなく、日本に行くよう連絡が来たという。準備課程では子どもが習うようなひらがなやカタカナから学び、2年目には日本の大学入試を日本語で受ける必要があった。ジャンナさんはこの期間を「スパルタ」と表現し、泣きながら漢字のテストをこなしたと振り返る。

日本での生活は約7年。大学で4年を過ごしたあと、機械関係の会社で1年半、名古屋の美容関係の仕事で1年半働いた。名古屋ではカラーコンタクトの店の立ち上げに関わり、店の同僚がみな「名古屋ギャル」だったため、本人もその影響を受けたと笑って話していた。

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3件目:最大40人が泊まれる超高級バンガロー

3件目は超高級物件だ。ホストは、日本と同じく本当のお金持ちは一戸建てに住むものだと話し、ジャンナさんも同意した。

西田さんの説明によれば、この物件は最大40人が宿泊できるバンガローで、土地面積は1,700平米、建物面積は小学校の体育館と同じくらいの700平米ある。寝室は9つ、ベッドは合計20台。西田さんは、住宅というよりホテルのようだと表現した。到着時にはメイドが4人働いていた。

玄関だけで奥行きがありソファが置かれている。リビングは天井が高く、中に数段の階段があって、その奥にバーのようなエリアがある。キッチンとダイニングは別にあり、ホストが立派だと驚いたダイニングは基本的にメイド用で、家族用のダイニングは別にあるという。家族用ダイニングは大人数で食事ができる広さだった。遊び用のスペースにはサッカーゲームの台があり、ジャンナさんの会社のスタッフ石川さんと対戦する場面もあった。

庭には10人ほどがくつろげるスペース、燻製までできるバーベキュー設備、プライベートプールがある。ホストはプールの広さを伝えるため、浮き具に乗って対岸まで渡ろうとし、着地に手間取っていた。2階には多数の寝室があり、複数の部屋がバスルームを共有できるよう連結されている。麻雀卓のある部屋もある。離れにはキッチン、ダイニング、ベッドルームがそろい、そこだけで生活が完結する。バルコニーにはブランコもあった。1周を終えたホストは、700平米は大きいと実感していた。

ジャンナさんによると、賃料は月100万円ほど。ただしこのエリアは自分で住むために家を建てる人が多く、賃貸物件はなかなか出ない。基本は購入で、価格は2億8,000万〜3億円ほど。ホストはプール付き700平米でこの値段なら安いと話している。

珍賃度は200で、満点を大きく超えた。ホストは日本の高級住宅地として田園調布などを挙げ、この面積に豪邸を建ててプールを付けるような物件は見たことがないと説明した。ジャンナさんは、マレーシアに住む選択肢の1つとしてこうした物件もあると紹介した。

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4件目:大通りの裏にある「西成的」なエリア

ジャンナさんと別れたあと、ホストと西田さんは番組の恒例どおり「最底辺」を探しに行った。ホストは、安い所を見るだけでなく最底辺まで行くことに番組としてプライドを持っていると話す。集めた情報によれば、マレーシアにはフィリピンで見たようなスラム街はあまりないかもしれない。ただ、大阪の西成のように、街中にありながら明らかに雰囲気が違うエリアがあるという。ジャンナさんは「危ない」として同行せず、2人は自分たちの判断で向かった。

そのエリアは、ショッピングモールやブティック通りのすぐ裏にあった。ホストはこれを「西成現象」と呼び、ドバイでも表通りの裏に密集地帯があったと振り返る。路地に入ると強い臭いがし、ネズミが大量に走り回っていた。ホストは歩いている男性たちの様子を「ゆっくりの横揺れ」と表現し、こうした場所ではなぜか人がゾンビのような歩き方になると話している。ホストは「ギャップがすごい」と繰り返した。

さらに別の一角も探索した。綺麗なマンションのすぐ裏が先ほどの通りにつながっている。表は六本木交差点のように華やかだが、大通りから1本入っただけで雰囲気が一変し、壁には落書きが増える。ホストはロサンゼルスの治安の悪い地域に似た空気を感じたという。

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飛び込みで内見できたシェアルーム

2人はこのエリアの物件に片っ端から問い合わせた。マレーシアではWhatsAppで連絡するのが一般的だと聞き、その方法で内見までこぎつけた。

案内された部屋は、外の印象とは違っていた。シャワールームは綺麗で、キッチンも広く調理器具がそろっている。リビングにも1人が住んでいた。ホストたちが見た個室にはバルコニーがあり、街のシンボルタワーや「光り輝く」パビリオンが見える。ホストは「普通に気持ちいい」と感想を漏らした。

英語でのやり取りによると、住戸全体の家賃は約2,500リンギ。1リンギ40円で換算して約10万円、1部屋なら約2万円になる。同じ住戸のほかの部屋にも6人ほどが住んでいるようだった。

調査を終えたホストは、身の危険を感じるような場面はそれほどなかったが、臭いや空気で体力を消耗したと話す。裏道に入ればネズミだらけで、世界のどこにでも表と裏がある、というのがホストの感想だ。

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4件を回ったホストの感想

最後にホストは、マレーシアを「ナイスギャップ」とまとめた。訪問前はあまり印象のない国だったが、実際に回ってみると住むにはとても良く、日本人に合うアジアの国だと感じたという。ジャンナさんは嬉しいと応じた。どの物件に住みたいかと聞かれたホストは、冗談めかして約3億円の豪邸を選んでいた。

ジャンナさんは、物件の購入から賃貸の部屋探しまで不動産全般をサポートしていると説明した。ホストは、彼女のYouTubeチャンネルでマレーシアの情報に触れてみるのもよいと紹介した。次は物件を買うときに会おうと話し、また家族を連れて訪れる約束をして、マレーシア編は締めくくられた。