「ゾンビ腸」とは何か 小林弘幸氏が語る腸内環境と食事・生活習慣
ReHacQ−リハック−【公式】便秘、お腹の張り、肌荒れ、疲れ、イライラ。こうした不調を「いつものこと」と放置していると、腸の働きが弱った「ゾンビ腸」になっているかもしれない。この回では、元テレビ東京アナウンサーの松丸友紀氏が聞き手となり、自律神経の専門家で順天堂大学医学部特任教授の小林弘幸氏に、腸内環境が全身に与える影響と改善法を聞いている。小林氏の立場ははっきりしている。「健康を語るなら、まず腸を味方にしないと絶対に無理」だという。
健康な腸はピンク、ゾンビ腸は真っ黒
小林氏によれば、「ゾンビ」という名前には、不気味で、広がっていき、なかなか抵抗できないという悪いイメージが込められている。通常の腸とゾンビ腸の決定的な違いを一言で言えば「色」だという。健康な腸はピンク色だが、ゾンビ腸は真っ黒になる。
番組では、小林氏の患者2人の腸の画像が示された。どちらも20代から30代である。1人は市販の下剤を1日100錠飲んでおり、もう1人は1日最高600錠を毎日飲んでいた。600錠は「どんぶりいっぱい」の量だと本人が話していたという。本来ピンク色できれいな腸が、こうした服用で不気味な色に変わってしまったのが、小林氏の言うゾンビ腸である。
なぜそこまで量が増えるのか。小林氏の説明では、もともと便秘で2錠ほど飲んでいたが、出ないので4錠、8錠、10錠と増えていく。そのうち便秘解消ではなく「痩せるため」に飲むようになり、下痢をして痩せようとする段階に入ると、8錠でも効かなくなって倍々に増え、600錠まで達する。小林氏はこれを「案外と危険」だと述べた。容量を守っているかと松丸氏が尋ねると、小林氏は「もう皆さん守ってない」と答えている。
色が悪い腸では「毒」が体に溜まる
色が悪い腸は、吸収も排泄も悪くなると小林氏は言う。悪いものが外に出ていかず、体の中に毒が溜まるイメージだという。そしてその影響は腸だけにとどまらず、肌、肝臓、脳、メンタルなど、さまざまなところに及ぶ。
では、下剤を大量に飲んでいない普通の人もゾンビ腸になるのか。この問いに小林氏は「なります」と答えた。食習慣が悪い、睡眠が悪い、運動をしない。こうした生活習慣が重なると、同じような道をたどることになるという。
脳腸相関と新型コロナウイルス
腸は他の臓器にも影響する。小林氏はまず「脳腸相関」を挙げた。脳で考えていることは腸に影響し、腸の状態も脳に影響する。そのため、うつ病、パニック障害、認知症なども腸と関係があり、腸を見直す必要があるという。
この関心に火をつけたのが新型コロナウイルスだった、と小林氏は振り返る。流行時には、高齢者、糖尿病の人、肥満の人は注意が必要だと言われた。小林氏によれば、この三者に共通するのは腸内環境が悪いことであり、腸内環境の悪い人が感染すると重症化してしまう。これをきっかけに腸内環境が注目されるようになった、というのが小林氏の見方である。「腸活」という言葉については、今は「腸育」、つまり育てる方の言葉の方がいいと述べている。
ゾンビ腸予備軍と増える大腸の病気
ゾンビ腸予備軍になりうるのは、生活習慣が乱れた人だと小林氏は言う。食物繊維を取らない、運動しない、睡眠が短い、暴飲暴食がある。こうした人はゾンビ腸予備軍になる。
小林氏は大腸がんや直腸がんで亡くなる人のニュースが増えていることにも触れ、それは話題として取り上げられているだけではないと述べた。女性の死因(がん)の1位は大腸がんで、男性もすぐ1位になるだろうとし、腸の病気が非常に増えているのは事実だと話した。
小林氏の著書にはゾンビ腸のいくつかのパターンが載っており、松丸氏が驚いたのは「体臭ゾンビ」だった。小林氏は便秘外来の経験として、診察室に入ってきた瞬間にひどく臭う人は、相当便が溜まっているという。いわゆる悪臭で、口臭にもなり、体からも出てくる。小さな子どもの場合は学校でいじめにあうこともあり、子どもにもゾンビ腸予備軍はいると小林氏は述べた。毒が体中に回り皮膚にも影響していると見た方がいい、というのが小林氏の説明だ。
もう1つのパターン「ムキムキゾンビ」は、筋肉質で健康そうな響きとは違う。小林氏によれば、揚げ物や肉類などタンパク質ばかりを取りすぎると、腸の筋肉だけが異常に肥厚し、かえって動きづらくなる。腸には粘膜のほかに内輪筋と外縦筋という筋肉があり、それが太ると、その分動きが悪くなるという。
セロトニンと悪循環、そして「腸は裏切らない」
メンタル面との関係について、小林氏は「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンを挙げた。小林氏によれば、セロトニンは8割方腸で作られる。ゾンビ腸になると作る機能が失われ、セロトニンが出ずにうつになる。うつになると腸の動きがさらに悪くなり、悪循環に入っていく。
一度そうなると戻すのは大変なのか、という問いに対し、小林氏は腸を「すごく利口な臓器」と表現し、やったことに対しては裏切らないと答えた。生活習慣を見直せば必ず良い方向に復活するので、絶対にやった方がいいという。
セロトニンについて松丸氏が「朝起きて日光を浴びると増える」と聞いたことがあると話すと、小林氏は、太陽の光を浴びて朝食をしっかり取ればセロトニンはどんどん増えると応じた。やっているようでやっていない人が多い、とも付け加えている。
健康にお金はかけない、習慣化が最も重要
お金もかからず簡単にできる、という松丸氏の感想に対し、小林氏は「基本的に健康はお金をかけるものではない」と述べた。今あるものを利用すればよく、お金で解決しようとしても長続きせず、良い方向にも行かないという。
小林氏が最も重要だとするのは「習慣化」だ。ハードルを上げると手が出なくなるので、1週間に1つでもできることを見つけ、それを毎週増やしていくのがいいと勧める。
小林氏自身の実践も語られた。前回の出演で「ジムに行かなくても階段の上り下りだけでいい」と話していたが、この日は電車で来て、短い距離でなぜエスカレーターを使うのかと思い、階段を1段飛ばしで上ってきたという。また10月から、スクワット100回、腕立て伏せ100回を1日の目標にした。ハードルが高いのではと問われると、この日は40回ずつ分けてやっていると答えている。
ゾンビ腸という言葉は誇張に聞こえるかもしれないが、小林氏は、最も怖いのは最後に大腸がんが待っていることだと述べる。そこに行き着く前に早めに気づき、リセットすることが重要だという。
松丸氏の体験:ヨーグルトで変わったこと
前回、自律神経をテーマにした回で小林氏がヨーグルトを勧めたのを受け、松丸氏はその後ヨーグルトを食べ始めたところ、「劇的に変わった」という。悩みだった便通がすっきり解消し、ヨーグルトだけでこんなに変わるのかと思うほどだった。小林氏は、それまで何もしていなかった人は劇的に変わると応じ、反応するものがない生活をしていると、ちょっとしたものが入るだけで全然違うと説明した。
松丸氏はその後も続けており、一時期あった胃の不調がなくなり、睡眠もぐっすり取れるようになったと話す。フリーになった時期に自律神経が乱れ、めまいなどの不調があったが、今は落ち着いているという。ヨーグルトだけが理由ではないだろうと断ったうえで、体感として腸内環境は良い状態だと話している。
高齢男性で増える便秘と定年退職
便秘は若い女性のイメージが強いが、小林氏の外来では高齢男性の便秘が増えているという。小林氏が紹介した厚生労働省の統計では、50代くらいまでは女性が多いが、60歳を超えると男女比が同じくらいになり、80歳を超えると男性の方が多くなる。65歳で急激に増えることについて、小林氏は「定年退職だと思う」と個人的な見方を示した。
小林氏の解釈では、便秘の原因は生活習慣とメンタルである。退職後は家にいると邪魔だと言われて居場所がなくなり、朝起きて出かけるという生活パターンもなくなる。そこに運動不足が加わって便秘になる。また女性は便秘に敏感で美容とも関係するため病院に行くが、男性は時間がなく行っていなかったのが、退職後に行けるようになるという面もある。小林氏は「面白い統計」として、60歳前の男性はヨーグルトなどに頼るが、60歳を超えると薬に頼るようになると紹介し、生活パターンの変化が表れた結果だと述べた。
退職して時間ができればメンタルも良くなりそうだという松丸氏の見方に、小林氏は「悪影響ですね」と返した。仕事中は若い人も仕方なく話しかけてくれたが、退職後は誰も話しかけてくれず、孤独を感じる一方だという。
腸内細菌は「善玉・悪玉」から「有用・有害・日和見」へ
腸内細菌の数について、小林氏は学説によって幅があるとしたうえで、約500種類、40兆とも100兆とも言われ、今は40兆とする研究者が多いと説明した。量にすると1.5リットルのペットボトル1本くらいだという。
呼び方も変わり、以前の善玉菌・悪玉菌は、今は有用菌・有害菌と呼ばれるという。これに日和見菌を加え、どういう腸内環境が良いかを100人の医師に聞けば、必ず「有用菌2割、有害菌1割、日和見菌7割」と答えると小林氏は言う。日和見菌は、良いときは良い方に、悪いときは悪い方に味方する菌である。
なぜ有害菌が1割いなければならないのか。有害菌がゼロで有用菌3割の方が良さそうに思えるが、小林氏によれば、有害菌がいないとかえって体調が悪くなる。小林氏はこれを政治にたとえた。野党がいないと与党がサボるように、悪玉菌がいないと善玉菌がサボってぼーっとしてしまう。悪玉菌は「かわいそうだけど必要悪」だという。
ヨーグルトは「転校生」、種類を変えるとよい
この文脈で、小林氏はヨーグルトの働きを説明した。小林氏が紹介したアンケートでは、ヨーグルトを食べると腸内環境が良くなると本当に理解している人は少なく、みんなが食べているから食べている人が多いという。
小林氏のたとえでは、ヨーグルトは「転校生」である。別の菌が入ってくると腸内がざわつき、ぼーっとしていた菌が刺激を受けて目を覚ます。ヨーグルトの菌は2週間ほどで出ていってしまうので、継続して刺激を与えることが大事だという。さらに、同じ子が転校してきても驚かないように、毎日違う子が来た方がいいので、種類も変えた方がいいと勧めた。
小林氏はここから、腸内環境は人の人生に似ていると話を広げた。良いときもあれば悪いときもあり、刺激がないとだめで、悪いことがあってもそれが刺激になって良い展開になることもある。腸内環境の正解は人生と同じだ、というのが小林氏の考えである。
長雨とインフルエンザ、免疫の7〜8割は腸に
小林氏は今年の外来で大きな変化を感じているという。雨が40日ほど続いたが、以前から便秘で通院し腸内環境を整えている患者は案外元気だった。一方、初診で来る患者は体調不良、倦怠感、頭痛、めまいなどにやられていた。検査データに異常がないため、乳酸菌と食物繊維を出すと案外改善するという。腸はこうした異常気象にも対応できる状態にしておかないと厳しい、と小林氏は述べた。
小林氏の説明では、雨が続くと低気圧で交感神経が下がり、体が動けなくなる。さらに副交感神経も上がってこないので腸が動かず、腸内環境が悪くなり、倦怠感や頭痛、めまいといった不定愁訴が起きる。患者数は例年の約2倍に増えていると小林氏は報告した。
インフルエンザの大流行についても、小林氏は腸がダメージを受けて免疫が落ちたためだろうと推測している。免疫細胞の7割から8割は腸にあり、腸がだめになると免疫が落ちるというのが小林氏の説明だ。
腸内フローラが乱れると何が起きるか
腸内フローラは腸内細菌と同じ意味で、40兆の細菌が腸の表面に埋まっている様子が花畑のように見えることからそう呼ばれる、と小林氏は説明する。
これが乱れて有害菌が増えると、硫化水素、インドール、アンモニアなどの毒を出し、それが肝臓を伝わって心臓に行き、全身に回る。その結果、糖尿病やアレルギー、全身の倦怠感、肌荒れ、不眠などさまざまな症状が出る。それが積み重なると病気になり、生活ができなくなる人も多いという。小林氏はまた、腸内環境が悪いと労働生産性が落ち、腸内環境の悪い人を多く雇っている会社は生産性が低いというデータもあると紹介した。
健康診断に腸の検査を取り入れるべきかと問われると、小林氏は「やった方がいい」と答えた。大腸がんが増えているので、行政が実施している便潜血検査を受けられるならきちんと受けるべきだという。
ゾンビ腸の先にある大腸がん
ゾンビ腸をこじらせると最終的に大腸がんになりうるかという問いに、小林氏は「言えます」と答えた。ゾンビ腸は結局「炎症のなれの果て」であり、炎症が続けば大腸がんになるという。下剤の飲みすぎも大腸がんのリスクを上げると小林氏は述べた。腸の病気には過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などいろいろあるが、便秘は大腸がんのリスクが高いので、便秘だからと放置せず改善に向かうべきだという。
血液の質との関係については、コレステロールや糖尿病にも影響し、ひどい場合は肝臓を通って全身に回るため肝臓にもダメージを与えかねないと説明した。
食事の基本:朝食、よく噛む、寝る3時間前までに夕食
腸を整える食事について、小林氏はまず3つの基本を挙げた。朝食を必ず取ること、よく噛むこと、夕食は寝る3時間前までに終えて腹八分目にすること。これを守ったうえで、食事内容として食物繊維などを取ることが重要だという。
タンパク質については、細胞や骨を作る重要な物質だとしながらも、「皆さん極端すぎる」と指摘した。タンパク質と言えばタンパク質だけ、油と言えば油だけになりがちだが、重要なのはバランスで、普通に食事をしていればタンパク質も十分取れるはずだという。過度な食事制限やダイエットはやめた方がいいと述べた。
朝食は起床後1時間半以内に、しっかりと
松丸氏が、朝食が苦手でブランチと夕食の1日2食になっていると打ち明けると、小林氏は「正直言ってアウト」と答えた。小林氏の説明では、朝食の意義は夜から朝へ体を起こすことにある。人の体には37兆個の細胞があり、その中に時計が入っている。そのスイッチを押すのに必要なのが朝食と日光で、朝食を取らなければ体は夜のままだという。昼食でスイッチが入ればいいのではという質問がよく来るが、小林氏によれば、起きてから1時間半以内に食べないとスイッチは入らない。もっとも小林氏は、こうした論文が出て時間の重要性が分かってきたものの、1時間半でなく2時間程度でも、起きてから少しの間に食べるのが常識的になっていくだろうという言い方もしている。
量については、以前はヨーグルトとバナナだけでいいと言っていたが、今はそれでは体が動かないことが分かってきて、しっかり食べるべきだとされているという。おにぎり1個については、食べないよりは良いのは間違いないが、しっかり食べることを心がけた方がいいと答えた。
小林氏自身は、そうした論文が出てから吉野家の朝食をよく食べているという。焼き魚に牛丼の具が少し乗り、味噌汁、ご飯、サラダが付いて800円ほどだと紹介した。自宅では、ご飯、納豆、漬物を用意し、味噌汁はインスタントでもいいので添えて食べている。最低限、味噌汁と納豆とご飯と漬物、それが無理ならおにぎりと味噌汁でもいいので、とにかく食べてほしいと強調した。
食べる順番より「よく噛む」こと
野菜から食べると血糖値の上昇が抑えられるという話について、小林氏は自分でも試したが、そこまで変わる感じではなかったという。それよりも重要なのはよく噛むことだと述べた。
小林氏によれば、噛むことの最大の効果は免疫力を上げることだ。よく噛むと唾液の量が増え、唾液にはIgAという、小林氏の言葉で「ロケットミサイル」のようなものが含まれている。コロナ禍で会話を控え、食事時間を短くしたことも、免疫が落ちた原因の1つだと小林氏は考えている。
ただし、噛む回数を数えるのはストレスになり逆効果だという。小林氏が勧めるのは、朝食・昼食・夕食それぞれにかかる時間を測り、5分延ばすことだ。例えば朝食15分を20分にすれば、噛む回数は自然に増える。小林氏はさらに、源頼朝の鎌倉幕府の時代と比べて現代人の噛む回数は大きく減っており、それが免疫が落ちてきた理由ではないかと述べた。この数字は、昔の食べ物の種類から必要な噛む回数を逆算したデータに基づくと説明している。
ガムの効果、フレイル、スポーツの現場
噛むことは自律神経にも影響すると小林氏は言う。野球選手がガムを噛むのは、かつて行儀が悪いと言われたが、格好をつけているのではなく、免疫機能を上げたり自律神経を整えたりするためだという。小林氏はスポーツ選手に、試合直前までガムを噛んでリズムを取ることを勧めている。ガムを噛むと表情筋が緩み、全身がリラックスできるという。松丸氏のように本番前に一気に緊張が上がる仕事でも、ガムを噛んでから入るのと入らないのとでは「入りが全然違う」と小林氏は話した。
噛む力はフレイルとも関係する。小林氏によれば、フレイルは体力が弱って動けなくなることで、その出発点がオーラルフレイルだという。噛む力がなくなると食べられる食材が限られ、栄養が偏り、筋肉が衰えて動けなくなる。対策としては、歯に問題がなければガムやグミを噛む、食事時間を長くして噛む回数を増やす、虫歯や歯周病の治療をして丈夫な歯を保つことを挙げた。スルメも口や顎を鍛える意味で良いという。
以前の番組で歯科医が「ガムや飴は歯に良くない」と話していたことを松丸氏が持ち出すと、小林氏は、噛むことと手入れは別の話だと整理した。歯が悪くなるのはほとんど手入れの問題なので、ガムを噛んでもいいが、歯磨きなどのケアはしっかりすべきだという。
小林氏は千葉ロッテマリーンズのチームドクターの統括責任者を務めており、検査データを見るだけでなく、最も力を入れているのは腸内環境だという。5年前と比べて選手の腸内環境は明らかに良くなり、怪我が少なくなり持久力もついてきたと小林氏は話す。腸内環境をベースに整えておけば睡眠や疲労回復にもつながり、これは先に挙げた労働生産性の話とまったく同じだと述べた。
若者にも多いゾンビ腸
ゾンビ腸は若者にも多いのかという問いに、小林氏は「もういっぱいいますよ」と答えた。「腸は第2の脳」と言われるが、小林氏は逆で「脳は第2の腸」だとし、脳は腸に逆らえないと述べた。
収録はここで前半が終わり、後半では腸を整えるための具体的なアドバイスが予告されている。予告の中で小林氏は、食事・睡眠・運動に加え、腸を伸ばしたり縮めたりする動きに触れ、続ければ「1か月経ったら別人になる」と話していた。その具体的な中身は、この字幕の範囲では語られていない。
健康な方の腸の色っていうのはピンク。不気味な色になってきてしまうっていうのがゾンビですね。普通の人はなかなかそんなゾンビになってしまったりする?
なります。腸だけではなくて、いろんなところに行ってしまう。一番怖いのは、健康って語るんだったら腸を味方にしないと絶対に無理ですね。
ゾンビ腸というのは一体どういう状況? 体の中に毒が溜まるってイメージです。腸の表面に40兆の細菌が埋まっている。菌がどんどん増えると、肝臓を通って心臓から全身に回るんで。
腸っていうのはいろんな臓器にも影響を与えたりするわけですね。
ゾンビ腸予備軍っていうのは、どんな人たちがなり得るんでしょう?
ものすごい臭いがする方っていうのは、毒が体中に回って、体からも出てくる。腸がダメになると倦怠感とか頭痛とかめまいとか、最後に大腸がんっていうのは待ってますから。
どんなところに注意すればいいんでしょうか?
これが一番重要ですね。
ReHacQスペシャル。
今回MCを務めます松丸友紀です。皆様、お手柔らかによろしくお願いいたします。さあ、今回のテーマは「あなたの腸も危ない、ゾンビ腸とは」です。お腹の張り、肌荒れ、疲れ、イライラを、いつものことと皆さん放置していませんか? 実はそれらの不調、腸の働きが弱ったゾンビ腸かもしれません。今回は専門家の先生にお越しいただき、全身の健康を左右する腸内環境について、今日からできる改善方法を教えていただこうという企画となっています。
それでは早速ゲストをご紹介いたしましょう。自律神経の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンスの向上指導に携わりながら、ご自身のYouTubeチャンネルでも様々な健康情報を配信していらっしゃいます。順天堂大学医学部特任教授、小林弘幸先生です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
先生、早速本題に入っていきたいんですけれども、今ゾンビ腸という言葉が出てきましたが、ゾンビ腸というのは一体どういう状況?
やっぱりイメージですよね。不気味、それから広がる、それからなかなか抵抗できないっていうか、そういう悪いイメージがついたのはゾンビっていう名前ですね。
これ、普通の健康なというか、通常の腸の状態とゾンビ腸とでは、決定的に何が違う?
もう簡単に言うと色が違います。
色? 腸の色ですか?
そうです。健康な方の腸の色っていうのはピンク、ゾンビ腸は真っ黒。もうこのイメージだけで違いが分かると思うんですけども。
これ実際の画像ですよね。
そうですね。僕の患者さんなんですけども、両方とも20代、30代の方なんですが、左の子は市販の下剤を1日100錠飲んでる。
100錠ですか?
飲んでるんです。100錠、毎日。右の方のこの真っ赤な、真っ黒いのは、1日最高記録で600錠。600錠食べてるんですよ、毎日。そうなると、こういう本当はピンクできれいな腸が、このようにちょっと不気味な色になってきてしまうっていうのがゾンビですね。
先生、そもそもなんでそんなに何百錠も飲んで?
これはいいご質問で、元々便秘で2錠とかいってたんだけども、なかなか出ないっていうんで4錠、8錠、10錠ってどんどん増えていって。そのうちやっぱり痩せるためっていう、痩身のために飲み方が増えてる。これ案外と危険なんですね。若い子は痩せるために下痢をして、それで痩せようっていうふうな、下剤に頼ってると、そのうちもう8錠でも効かなくなって、倍になっていって600までいくっていう。
だって用法用量を守ってないですよね。
もう皆さん守ってないですね。
それちょっとどうなんですか? 体調面も。
もちろん悪くなりますし、先ほどゾンビ腸と正常の腸の一番の違いって色って言ったんですけども、やっぱり色が悪ければ吸収も排泄も悪いんで、悪いものが出てこない。体の中に毒が溜まるってイメージです。それがゾンビ腸で、腸だけではなくて、もう肌にもいくし、肝臓にもいくし、脳にもいくし、メンタルにもいくし、いろんなところにいってしまうっていうのは問題なんです。
今ちょっとごめんなさい。私も何百っていう、信じられない、600錠ですか?
そう。どんぶりいっぱいあるって言ってました。
飲んでるっていう、いわゆるオーバードーズみたいなことが起きてるって、ちょっと今受け止めきれなかったんですけど、普通の人はなかなかそんな何百も飲むってことはないと思うんですけど、そういうお薬を飲んでいなかったとしても、やっぱりこういうゾンビ腸になってしまったりすることはあるんですか?
なります。やっぱり食習慣がまずかったり、睡眠がまずかったり、運動しない。そうなってくると同じような道を辿ることにもなりますね。
これ、生活習慣っていうのが結構密接に繋がってる。
これもう本当に重要で、皆さんよく健康、健康って話するけども、健康って語るんだったらまず腸を話さなければ、腸を味方にしないと絶対に無理ですね。
前回、先生と自律神経をテーマにお話しした時に、先生が腸のお話も少しされていて、その時ヨーグルトを取り入れるといいっていうことだったので、私、先生のおっしゃったことを守って、その後ヨーグルトを買いに行って食べたんですけど、劇的に変わったんですよ。
今まで何もやってない人は変わります、劇的に。
そうなんです。その変化が如実に分かって、私は結構便通が悩みだったりしてたんですけど、そこもスコーンと解消されて、こんなにヨーグルトだけで変わるものなのかと思うぐらいでした。
やっぱりそれだけ今までは反応してないもので生活してますと、ちょっとしたものが入っただけで全然変わりますね。
その腸っていうのはいろんな臓器にも影響を与えたりするわけですね。
結局、脳腸相関って有名な、今皆さんご存じだと思うんですけど、脳と腸は繋がってる。例えば断腸の思いとか、いろんな言葉はありますよね。やっぱり脳で考えてることは腸に影響するし、腸で考えてることも脳に影響する。これ密接な関係があるんで、だからうつ病とかパニック障害、そういうものとか認知症、そういうものも腸と関係があるなら、やっぱり腸を見直さないとダメだっていうんで。それに火をつけたのがコロナウイルスですよね。
コロナウイルス、どういうふうに影響?
コロナウイルスの時に、高齢者の方と、それから糖尿病の方、それから肥満の方は注意しないといけないって言いましたよね。これなんでだと思いますか? 高齢者、肥満、糖尿病、実は共通してることがあるんですよ。これみんな腸内環境が悪い。
そうなんですね。
だから腸内環境の悪い方がコロナウイルスに感染すると重症化してしまう。これが一番の問題で、だから注意しないといけない。そこで腸内環境なんだっていうのがフィーチャーされて、皆さん興味を持つようになったっていうのが最近の話題ですね。
もう腸活っていう言葉もあるぐらいですしね。
そうですね。もう今、腸活よりも腸育でしょうね。育てる方に。そっちの方が言葉としてはいいと思います。
話をちょっと戻しますが、ゾンビっていう言葉が出てきましたけど、ゾンビ予備軍っていうのはどんな人たちがなり得るんでしょうか?
やっぱり生活習慣の乱れてる方。例えば朝食を取らない、運動しない、それから睡眠が短い、それから暴食がある。そういう方はもうゾンビ腸予備軍になりますね。最近、ものすごくニュースで大腸がんや直腸がんでお亡くなりになる方のニュース、多いですよね。あれも決してそのトピックスを取り上げてるだけではなくて、最近、女性の死因の1位は大腸がんですし、男性もすぐ1位になりますし、ものすごくやっぱり腸の病気が増えてるのは事実ですね。
このゾンビ予備軍っていうのがどういうものがあるのかっていうのを、先生の著書にも載っていましたけれども、これ私、驚いたのが、いろんなゾンビのパターンがありますけれども、体臭ゾンビっていうのがあって。体臭っていうのも腸と関係があるんですか?
ものすごく関係あります。我々、例えば便秘の外来をやっていて、入ってくるなりものすごい臭いがする方っていうのは、相当宿便が溜まってますね。
先生、それどういう臭いなんですか?
いわゆるもう悪臭ですね。
悪臭。
それが口臭にもなるし、体からも出てくるということで、小さいお子さんとかだと学校でいじめに遭ったり。
子供もゾンビ予備軍もいるわけですか?
あります。だから本当にいわゆる毒が体中に回って、皮膚にも影響するっていうふうに見た方がいいと思いますね。
あとこれ先生、ムキムキゾンビっていうのはどういうものなんでしょうか? ムキムキゾンビって。
ムキムキゾンビっていうよりも、どっちかっていうと油物とか肉類だけを取りすぎてしまう、タンパク質を取りすぎてしまうと、異常に筋肉だけが、腸の筋肉だけが肥厚してしまって、そうするとやっぱり動きづらくなる。腸って粘膜のほかに内輪筋と外縦筋っていう筋肉があって、これは平滑筋なんで、いわゆる吸収するとどんどん太ってしまう。そうするとやっぱり太った分、動きが悪くなるということですね。
ムキムキっていうと、一見聞くと健康感があるんですけど、そうじゃないんですね。あと先生、先ほどおっしゃってたように、うつ病だとか不眠とかもそうですけど、結構そのメンタル面とも直接関係してたりする。
これはものすごく大きくて、例えば有名なホルモンのセロトニンっていう、幸福ホルモンって言われるんですけども、これは8割方、腸でできている。ゾンビ腸になるとそれを作る機能がなくなってしまうんで、セロトニンが出ないんで、うつになってしまう。うつになるとまた腸の動きが悪くなるってことで、悪循環になっていくんですね。そっちに入ってしまうとあまりいいパターンではない。
1回そういうふうに陥ってしまうと、また元に戻すのは大変なことなんですか?
腸っていうのはすごく利口な生き物というか臓器で、やったことに関しては裏切らない。だからそこから生活習慣を見直して、また後で出ると思いますけども、そういうことを守っていただくと、必ずいい方向に復活します。
前回の時も、自律神経の乱れに直接効く薬はないとおっしゃったんですけど、しっかり生活習慣を整えていけば自律神経は整っていくっておっしゃってたんで、このゾンビ腸もしっかり日頃から取り組んで継続していけば復活する。
復活する。
そうなんですね。
腸っていうのは本当に裏切らないんで、ちゃんとやれば結果が出るんで、絶対やった方がいいと思いますよ。
今先生がお話ししたセロトニンって、私も聞いたことあるなと思って今思い返してたんですけど、朝起きて太陽の光を浴びるといいっていうの、セロトニンがどんどん高まっていくって聞いたことある。
もう太陽の光を浴びて、朝食をしっかり取れば、セロトニンっていうのはどんどん増えていきます。だから皆さん案外やってるようでやってない方が多いのは、普通かもしれませんね。
それなら割とお金もかからないし、簡単にできますもんね。
基本的に健康はお金をかけるものではないんですよ。全て利用すればいいだけで、それを利用しないでお金で解決しようとすると、あまり長続きもしませんし、いい方向にもいかないっていうことになりますね。
いかに日常生活で継続できるように落とし込んでいくかっていうことが大事ですね。
そういうことです。だからよく言うんですけど、習慣化、これが一番重要ですね。習慣化した者勝ちですね。
習慣化するためにはハードルを上げちゃうと、なかなか手が出せなかったりするので。
そういうことです。だから1週間に1個でもいいから、できることを見つけてやって、それが毎週毎週増えていくっていうのが一番いいと思います。
先生が前回おっしゃってた階段の上り下り。ジムは行かなくてもいいから、階段の上り下りだけでもやるといいよっていうの、ちょっと守ってます。
それは、これはもう本当に今日も電車で来たんですけど、やっぱりなんでこの短いのをエスカレーターで行くんだろうって。自分は階段の方を1段飛ばしで来るようにしました、今日は。
1段飛ばしですか?
1段飛ばし。
すごい、先生元気ですね。
もう今日、新しい目標を10月に決めて、スクワットを1日100回、腕立て100回っていうのを目標にして。
ちょっとハードル高くないですか?
今日は40回ずつやるようにして。
分けて。
分けて。それももう習慣化するっていうことですよね。
そんな感じでゾンビも、習慣化できるようなハードルの低いところから始めていくといいよっていうことですね。
そういうことですね。やっぱりゾンビ腸って言葉ではそういう感じなんですけども、一番怖いのは最後にやっぱり大腸がんっていうのは待ってますから、そこに行き着かないために早めに気がついてリセットするっていうのは重要だと思います。
今日この後、先生のアドバイスを聞けるんですよね、後半で。
はい。それをやっていただきたいと思います。
後半もお楽しみにしてください。そして先生、このゾンビ予備軍を見ていくと便秘っていうのもあって、この便秘は若い女性のイメージが勝手ながら強いんですけど、これを見ると、データを見ると高齢者や男性にも関係?
これはもう今、僕の外来も高齢の方の男性の便秘っていうのは増してますね。厚生労働省の統計を見ても、50ぐらいまでは女性が多いんです。ところが60を超えてくると男女比が同じぐらいになって、80を超えると男性の方が多い。
本当だ。逆転しますね。
これね、やっぱり65で急激に増えます。これ僕は思ってるのは、定年退職だと思いますよ。やっぱり便秘になる原因っていうのは生活習慣とメンタル。まず家にいて、邪魔だと言われるんですよ。邪魔だって言われて居場所がなくて、今度は生活パターンが、今までは朝起きて行ってたのに行かなくなった。それで、動くことがない。
確かに。
こうなってきたところへ運動不足がプラスになって、いわゆる便秘になっていくと。今まで女性は便秘に対してすごい敏感で、やっぱり美容にも関係あるんでなるんですけど、男性は時間がないんで病院に行ってないんですよね。病院に行けるようになるんで行く。これ面白い統計があって、60前までは男性はヨーグルトとかに頼ってるんですよ。60を超えると薬に頼る。もう明らかに今までの生活パターンの変化を表した結果だと思いますね。
リタイアしてゆったりした時間ができると、メンタルもゆったりして、いい方向に、いい環境になっていくのかなって思うんですけど、そうじゃないんですね。
悪影響ですね。皆さんやっぱり暗い顔してますもんね。今までは若い子も話しかけて、仕事上しょうがないから話しかけたんですけど、誰も話しかけてくれませんでしょう。もう孤独を感じる一方ですよ。
張りのある人生って大事ですね。
重要です。
でもそもそも先生、私たちの腸内っていうのは、よく細菌がいるっていう話がありますけど、どれくらい細菌っているものなんですか?
これ、いろんな学説もあるんですけども、大体500種類で、40兆とか100兆とも言われてる。大体今40兆って言われる先生が多いんですが、大体ペットボトル、1.5Lのペットボトル1本ぐらいですね。
これだと3本ぐらいですか? 4?
そのぐらいいます。この腸の中にです。
腸の中に。よく私も聞くんです、善玉菌と悪玉菌って聞くんですけど、これはそれぞれ善玉菌だからいいとか、悪玉菌だから悪いとか、そういう問題じゃないんですか?
これは最新の情報なんですけども、今まで善玉菌、悪玉菌って言いましたよね。今、有用菌、有害菌って言うんですよ。
言い方変わったんですか?
変わってるんです。有用菌、有害菌、日和見菌。これ100人の先生に聞いて、どういうのが腸内環境いいんですかって言うと、必ずこう言います。有用菌2割、有害菌1割、日和見菌7割って言うんですよ。
先生、その日和見菌っていうのは?
日和見菌っていうのは、どっちつかずで適当なやつ。いい時はいい方に味方して、悪い時は悪い方。日和見のやつっているじゃないですか。そういうことですね。でもこれよく言うんですけども、先生方にも言うんですけど、なんで悪玉菌が1割いないといけないんだってことなんですよ。
確かに。
腸内環境がいいんだったら、善玉菌、有用菌が3割、日和見菌が7割がいいじゃないですか。悪玉菌いない方が。でも悪玉菌がいないと余計、体って体調が悪くなる。これはもう全く政治と一緒で、野党がないとダメなんですよ。野党がいないと何が起きるかっていうと、与党はサボる。だから悪玉菌がいないと善玉菌がサボるんですよ。何もやらないでぼーっとしてるんです。
働いてくれなくなっちゃった。
そうなんです。だから悪玉菌って言われる彼らはかわいそうなんだけども、必要悪なんですよ。先ほどおっしゃったヨーグルト。ヨーグルトは何をやってるんだってことなんですよ。案外、皆さんにアンケート調査をやると、ヨーグルトを食べると腸内環境が良くなると思ってる人ってそんなにいないんですよ。皆さん、みんなが食べてるから食べてる。
なんとなくですか。
っていうイメージなんですけど、これは案外といい働きをしてて、転校生ですよ。転校生が来ると僕なんか昔すぐ見に行きました。誰が来たんだろうって言って。ところが同じ子が来ても刺激ないじゃないですか。ヨーグルトっていう別の菌が入ってくるとざわつくんですよ。それでそのぼーっとしてるやつらが刺激を受けて目を覚まして。ヨーグルトは2週間ぐらいすると菌は出てしまう。だから継続して刺激を与えてるといいのと、もう1つはやっぱり種類を変えた方がいいよ。同じ子が来てもびっくりしないじゃないですか。毎日違う子が来た方が違うじゃないですか。だから種類も変えた方がいいっていうのもあります。
やっぱり刺激が大事なんですね。
何でも刺激ですね。だから腸内環境って人の人生と似てますよ。
深いお話になりました。
やっぱりいい時はいいし、悪い時は悪いし、刺激がないとダメだし、悪いことがあってもそれが刺激でいいことに展開するっていうことを考えると、腸内環境の世界っていうのは、人生と一緒ですねと思います。
すごい、ちょっと哲学的な話になってきましたけど、私、先生から教えていただいたヨーグルト、転校生を取り入れて、取り入れた時は本当に変化を感じたんですけど、その後、今ずっと続けていて。自分の腸内環境が悪い時から比べると、確かに例えば私、胃が不調だった時期があったんですけど、胃と腸も密接に繋がってるじゃないですか。今、胃の不調っていうのがなくなったっていうのは正直あるのと、睡眠も結構ぐっすり眠れるようになってきて。一時期、それこそ私もフリーになった時に自律神経が乱れてしまったっていうのがあって、めまいとかちょっと不調があったんですけど、今落ち着いてるんですよ。ヨーグルトだけではないと思いますけど、割と今、自分の体感として腸内環境は落ち着いてる方、いい感じかなっていうふうに思うんですけど。
今年は外来で患者さんを拝見してると大きな変化があって、やっぱり便秘で来られて腸内環境をやってる方は、案外とこれだけ雨が40日ぐらい続いても、皆さんお元気なんですよ。ところがそういう感じじゃなくて、初診で来る患者さんは皆さんやられてます。体調不良、倦怠感、頭痛、めまい、食欲不振でやられていて。そこで治療はどうするんだっていうと、検査データで異常がないんで、いわゆる乳酸菌と食物繊維、そういうものを出すと案外と改善する。だからやっぱり腸っていうのは、こういう異常気象の時にも対応できるぐらいになってないと厳しいですよね。
今年はもう本当に異常な長雨ですもんね。
やっぱりこれだけ雨が続くと低気圧なんで、交感神経が下がってしまうと動けないんですよね。動けないから余計になって、今度、副交感神経が上がってこないんで腸が動かない。やっぱり気候が悪い、動かなくなって腸内環境が悪くなって、いろんな不定愁訴っていう、倦怠感とか頭痛とかめまいとか、そういうのが起きてくるんだと思いますよ。
先生のところの患者さんも、そういうことが影響していらっしゃる方って増えました?
相当増えてますね。今年は大体2倍ぐらいの患者さんが例年に比べて多い。特にやっぱり雨が降ってる期間に多いっていうこともありますし、今皆さんも気をつけられた方がいい、インフルエンザがものすごい大流行してるんで。これもやっぱり腸がダメージを受けて免疫系が落ちて、それでインフルエンザが増えてるんだと思います。
やっぱり免疫って大事ですもんね。
免疫細胞の7割から8割が腸にあるんで、腸がダメになるとやっぱり免疫が落ちてしまいますね。
そんな8割ぐらい腸なんですね、免疫。
そういうことですね。
じゃあもう腸、大事ですね。腸は超大事ですね。
だから本当に、コロナの先ほどの話でも出たように、高齢者の方とか肥満の方、糖尿病の方っていうのは、免疫機能がやっぱりちょっと落ちちゃうんで、注意をした方がいいと思います。
あと先生、よく聞くのは腸内フローラっていう言葉を聞くんですけど、いまいち私もちょっと理解できてないんですが、改めて腸内フローラっていうのはどういうものなんですか?
腸内フローラって腸内細菌と一緒ですね。今の言葉で言うと、先ほど言ったように40兆の細菌が埋まっている、腸の表面に。それが花畑のように見えるんで、腸内フローラっていうんです。
お花っていうことですね、フローラ。
そういうことです。
この腸内フローラが乱れるとどうなっちゃうんですか?
乱れると、先ほどの悪玉菌がどんどん増えると、硫化水素やインドールやアンモニア、こういう毒を出して、これが肝臓を伝わって心臓にいって全身に回ってしまう。そうするといろんな症状が出てしまうんですね。
その症状っていうのがさっき先生おっしゃってたように、糖尿病もそうですし、あとアレルギーなんかもそうなんですか?
アレルギーもそうですし、それからやっぱり皆さん感じる全身の倦怠感、あと食欲不振、あと肌荒れですね。今の季節、相当肌荒れを気にされる方が多いんで、あと不眠。そういうものがどんどん積み重なっていくと、うつ病になってしまって、それで生活ができなくなるっていうパターンの方も多い。
放置しておくと大変なことになりますね。
そうなんです。またこういうデータもあって、腸内環境が、フローラが乱れて悪くなると労働生産性が落ちてしまう。だから会社で腸内環境の悪い方をいっぱい雇ってるところは生産性が悪いという、そういうことですね。
じゃあ健康診断で腸の検査みたいなのを取り入れて。
僕はやった方がいいと思います。なぜかというと、先ほどお話ししたように大腸がんがものすごい増えている。だから行政がやってる便の潜血検査、ああいうのを受けられるんだったら、ちゃんと受けてやった方がいいと思いますよね。
先生、ゾンビを長くこじらせていくと、最終的に大腸がんになり得るということも言えるんですか?
言えます。やっぱりゾンビ腸って結局は炎症のなれの果てなんで、炎症が続けば大腸がんになりますし、売ってる下剤、こういうのも飲みすぎると、下剤っていうのは大腸がんになるリスクを上げますから、それも注意しないといけないし。腸の病気って便秘とかクローン病とか潰瘍性大腸炎とか、いろんなのがあるんですけども、便秘はやっぱり大腸がんのリスクが高い。だから便秘だからといってほっとかないで、ちゃんと改善する方向へ持っていった方がいいと思いますね。
あと腸内環境っていうのは、血液の質を左右するとも言えるんですかね。
特にコレステロールと糖尿、こういうものにも影響ありますし、ひどいものですと、先ほど言ったように肝臓を通って心臓から全身に回るんで、肝臓にもダメージを与えかねない。だからやっぱり良くないといろんな臓器に影響してしまうと考えた方がいいと思います。
じゃあ、その腸を整えていきたいなと思うんですけども、何といっても食生活が大事だと思うんですけど、どんなところに注意すればいいんでしょうか?
これ基本的なんですが、食事の時、3つありまして、1つは絶対朝食を取った方がいい。それとやっぱりよく噛むということ。それと夕飯は寝る3時間前には終わらせておくこと。腹八分目にする。これを基本的に守っていただいた上で内容になるんですけども、やっぱり乳酸菌と食物繊維、これを取るっていうことが重要だと思いますね。
よく日本人はタンパク質を取るのが少ないから、タンパク質を取った方がいいっていうのを聞いて、なるべくタンパク質を取ろうと思ってるんですけど、それは先生はどういうご見解でしょう?
タンパク質は重要で、やっぱり細胞の骨を作るのには重要な物質なんで取るんですけども、皆さん極端すぎるんですよね。タンパク質っていうとタンパク質だけ、油っていうと油だけ。やっぱりバランスが重要なんで、一般に普通に食事してればタンパク質も十分取れるはずなんで、過度な食事とか過度なダイエットは避けた方がいいと思いますよね。
私、1日3食って先生おっしゃったんですけど、朝がどうしても摂取するのが苦手で、結局ブランチというか、朝と昼一緒で1食で、夕飯ってなっちゃうんですけど、それはどうでしょうか?
これは正直言ってアウトです。
アウトですか? よく2食がいいとか、何なら1日1食でいいみたいなの、あるじゃないですか。
朝食の意義って何かっていうと、いわゆる朝食の意義っていうのは夜から朝に体を起こすことなんですよ。起こすためにはどうするかというと、朝食と太陽の光を浴びる。体の中には我々37兆個の細胞があるんですけども、その細胞の中に時計が入っている。その時計のスイッチを押すのに必要なのが朝食で、だからもう朝食を取ってなければ夜のままなんですよ。こういうお話をすると、皆さんこういう質問が来る。「でも先生、お昼食べたんでお昼にスイッチが入ればいいじゃないですか」。そんな、起きてから1時間半以内に食べなきゃスイッチが入らないんですよ。1時間半以内。だからもう起きて、早く起きてですね、それで1時間半ぐらいでご飯を食べて出かけるっていう方がよっぽど健康にはいい。
先生、量はどうですか?
それもいいご質問で、昔はヨーグルトとバナナだけ食べればいいなんて言ってたんですよ。ところが今、そんなんじゃ動かないっていうのが分かってきて、しっかり食べないとダメだっていう。
おにぎり1個とかでもダメですか?
食べないよりは食べた方がいいには間違いないんですよ。でもしっかり食べるっていうのを心がけた方がいいっていうことで、僕はそういう論文のあれが出てからは、朝、吉牛の朝、よく食べてますよ。
朝から吉牛ですか? 牛丼いきます?
吉牛の鮭、焼き魚定食っていうのがあるんですよ。
ありますね、朝食。
焼き魚にちょっと牛丼の具が乗ってて、味噌汁とご飯とサラダ。それで800円か、そのぐらいですね。
生卵もつければタンパク質になりますね。
もう本当に。そういう、いわゆるよく旅行先の旅館で出てくる朝ご飯みたいな、ああいう感じの和な感じで、ああいうのが取れればいいんだけど、なかなか難しいじゃないですか。
難しいです。
朝からそれを求められると。例えば僕の場合、ご飯と、例えば納豆と漬物だけ用意しといて、味噌汁はもうインスタントでもいいんで、味噌汁を用意して食べるようにしてます。
それでもいいから。
そういうことですね。朝は絶対。
朝、大事なんだ。なるほど。
もう絶対に朝は食べた方がいいと思いますよ。
ヨーグルトとかバナナで済ませずに、食べないよりはいいけど、食べるんだったら最低限、お味噌汁と納豆とご飯とお漬物。
ですね。じゃなければ本当におにぎりでもいいんで、おにぎりと味噌汁を1杯飲むとか、そういうのでもいいんで、とにかく食べていただきたいっていう。
しかも1時間半以内っていうのが、ちょっと鍵なんですか?
案外、こういう論文が出てから、やっぱり時間って重要なんだなっていうのはあって。1時間半って言っても、2時間、やっぱり朝起きてからちょっとの間には食べた方がいいっていうのは、常識的になってくるかもしれませんよね。
これ先生、食べ方というか、食べる順番とか、そういうのも意識した方がいいんですか?
よく皆さん、野菜から食べて血糖値を上げる、上げないとあるんですけど、自分でも実験してみたんですけど、そこまで変わる感じではなかったんですよね。それよりもやっぱりしっかりよく噛むっていうのが重要です。噛むっていうのの一番大きいのは、やっぱり免疫力を上げてくれる。よく噛むことで唾液量が増えるんで、IgAっていう、いわゆるロケットミサイルですね、我々からすると。それを持ってるんで、それが唾液の量が減っちゃうと減ってくる。コロナの時って人と喋っちゃいけないとか、食事の時間を短くしてなんてやったんで、案外と落ちたのはそれも原因だと思いますよ。
先生、噛むの苦手なんですよ。
数えろって言っても無理なんです。よく皆さんいつも、1回何回噛めばいいですかなんて。数えてる暇にもうストレスがかかって。
そうなんです。
逆効果じゃないですか。これよく言うんですけども、時間を測ってみるんですね。朝食何分かかるか、昼何分、夕食何分。その時間を5分伸ばしただけで噛む回数って増えます、人間。
そうなんですね。
だから例えば朝15分っていったら20分にすれば、噛む回数って自然に増えるんですよ。そういうのも1つの工夫なんで、やっていただくといいのかなと。源頼朝の時代って人間ってこのぐらい噛んでたのが、今このぐらいですからね。
そうなんですか。昔の人ってよく噛んでたんですか?
もう昔の鎌倉時代はこんだけ噛んでたのが、今こんなになって。これがやっぱり免疫系が落ちてきた理由じゃないか。噛むっていうのはそういうこと、さっきからお話に出てる自律神経、そういうものにもよく影響ありますし。野球選手、今ガム噛んでるじゃないですか。あれ、昔は礼儀正しくないとかって言ってたのは、あれ噛んでるのは格好つけて噛んでるんじゃなくて、免疫機能を上げたり、自律神経を整えるために噛んでる。
そうなんですか。格好つけてるのかと思ってました。
違うんです。
違うんですね。
だからスポーツ選手に僕なんかも勧めるのは、試合の直前ぐらいまでガムを噛んで、いわゆるリズムを取るっていうことをやってるとリラックスもできる。やっぱりガムを噛むと表情筋が緩むんで、体全身がリラックスできるようになるんですね。
これ、私のような仕事も結構一気にガーッて上がるんですけど、その前ちょっと気持ちを。
噛んどいた方がいいと思います。もうガムを噛んどいてそこから入るのと、入らないのでは、入りが全然違うと思います。
ガムって効果的なんですね。
効果的だと思います。
さっき先生、頼朝の話が出てきたんですけど、頼朝情報はどこからの情報なんですか?
こういうデータがちゃんと残ってて、それでもう全部、昔の時代から食べ物の種類で、これだけ噛まないとっていうのを逆算して出してるデータがあるの。
そんなのもあるんですね。
あります。だから噛むっていうのは重要だ。噛むのを忘れてしまうと、よく皆さんフレイルって言葉を言うじゃないですか。フレイルっていうのはいわゆる体力が弱くなって動けなくなることなんですね。でもそれってオーラルフレイルから来る。いわゆる噛む力がなくなると食べられる食材が決まってきて、栄養が偏るんで、筋肉の不均衡が起きて動けなくなる。だから今、そのフレイルのために、オーラルフレイル、噛むっていうのをしっかりやる訓練を、皆さんに健康の情報として、すごい重要だって言われてる。
これ具体的にはどうやってやるんですか? 口。
具体的には、本当に歯が悪くなければガムを噛めばいいし、グミを噛んだらいいし、食事の時間を長くして噛む回数を増やして。あとやっぱり虫歯の治療をしっかりして、噛める丈夫な歯にしとくっていうことで、今、歯科の先生たちは相当力を入れてますよね。
スルメも先生、いいですか? スルメ。
いいんじゃないですか。噛むんだったら。
顎、痛くなりますけど。でもとにかく口、顎を鍛えるというか、口を鍛えるような感じ。
そういうことですね。それもやっぱり腸内環境にも影響していきます。
そうなんですね。先生はスポーツ選手の指導もされてらっしゃるんですもんね。
はい。今、野球だとロッテマリーンズのチームドクターの統括責任者をしてて。もちろん検査でデータを見るだけではなくて、やっぱり一番力を入れてるのは腸内環境ですね。だから明らかに5年前とかと比べると、選手の腸内環境はみんな良くなってる。そうすると怪我が少なくなるし、持久力もついてくるんで、やっぱり腸内環境っていうのをベースにしてやっておくと、睡眠や疲労回復にも繋がるんで、いいことになると思いますね。
パフォーマンス全体が上がっていくっていう感じ。
そうですね。先ほどお話ししたように、労働生産性が腸内環境がいいと上がって、悪いと落ちるっていうのと全く一緒だと思います。
先生、さっきガムのお話がありましたけど、以前このReHacQでも歯科の先生にお話を聞いた時に、ガムとか飴は本当に歯に良くないっていう話があったんですけど。なのでガム、良くないんだって思ってましたが。
やっぱり噛むのと手入れっていうのは別ですよね。やっぱりダメなのはほとんど手入れなんで、歯の磨き方、そういうものをやらないとダメだと思いますね。
両方で、ちゃんとガムを噛んでもいいけど、しっかり歯のケアはしようねっていうことですね。そうすればいいわけですもんね。なるほど。これ、ゾンビっていうのは若者にも今、多くいるっていう話も聞きましたけど。
もういっぱいいますよ。特に腸は第二の脳って言うでしょ。また逆ですからね。脳は第二の腸で、脳は腸に逆らえない。
腸を整えるために大切なことっていうのは何なんですか?
やっぱり食事、睡眠、運動。腸を伸ばして縮めて。
気持ちいい。
1か月経ったら別人になりますよ。
ゾンビっていうのは若者にも今、多くいるっていう。
もういっぱいいますよ。これは本当に注意しないと。
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