片山財務相、消費税・支援金法案の閣議決定と「日本版DOGE」による財源確保を説明

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概要

閣議後の記者会見で、片山財務相は冒頭に「非常に重要な」4つの発言を行った。消費税・支援金法案の閣議決定、租税特別措置と補助金・基金の見直し、金融機関へのサイバーセキュリティ対策の要請、熊本地震の復興支援ファンドの設立である。質疑では、法案成立に向けて国会でどう理解を得るのか、財源をどう確保するのかが問われた。大臣は、今回の制度設計は支援の十分性と迅速性の両面から「最善の方法」だと述べ、財源は特例公債に頼らず、今後の予算編成で具体像を示すとした。

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消費税・支援金法案の閣議決定

この日の閣議で、「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引き下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案」、通称「消費税・支援金法案」が閣議決定された。

大臣の説明によると、この法案は先に閣議決定された大綱に沿っている。所得に応じたきめ細かな給付を行う新しい制度として「就業者負担軽減支援金」を導入する。ただし本格導入は令和11年度で、それまでのつなぎとして令和9年4月1日から2年間、飲食料品に係る消費税率を臨時的に引き下げる。あわせて、飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲で支援金制度を実施し、この二つを組み合わせる。

閣議決定の際、官房長官から消費税率の引き下げと支援金制度を円滑に実施できるよう広報活動を行うよう指示があった。これを受けて局長級の関係府省庁連絡会議を立ち上げ、当日午後に第1回会議を開くという。大臣は、法案の早期成立に向けて国会で丁寧に説明し、関係省庁と連携して制度を円滑に実施していくと述べた。

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なぜ減税と支援金を組み合わせるのか

記者からは、法案に様々な議論が出ている中で国会審議でどう理解を得るのかが問われた。

大臣はまず、社会保障国民会議での中間取りまとめに向けた議論に触れた。中所得・低所得の人の税と社会保険料をトータルで見て、早期に負担を軽減すべきだという方向性は、野党とも共有できる部分が多かったと理解していると述べた。

そのうえで、給付には時間がかかるという事情を説明した。これまで批判の多かった「国民全員に同額」や「非課税世帯に同額」といった一律の給付ではなく、より公平できめ細かな給付を行うには、さらに時間がかかる。法案はこの点を踏まえて組み立てられている。大臣が挙げた前提は二つある。

  • 公的機関が現時点で保有する所得情報などを使えば、支援金でも令和9年度から先行導入できる。
  • 飲食料品の消費税率の変更は、事業者のシステム改修期間を短縮でき、令和9年4月から実施できる。

この二つを踏まえ、すべての所得階層に負担軽減が及ぶ飲食料品の消費税率引き下げ(大臣は「1%への引き下げ」と述べた)を令和9年4月から2年間先行させる。同時に、中所得・低所得層の負担を集中的に軽減できる就業者負担軽減支援金を、飲食料品の消費税率1%相当分の範囲で先行導入し、本格導入へ円滑につなげる。令和11年4月に支援金を本格導入するのに合わせ、飲食料品の消費税率は元の8%に戻す。

大臣はこの組み合わせを、支援の十分性と迅速性の観点から最善の方法だと位置づけ、国会審議でこの点を丁寧に説明していくとした。

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財源は特例公債に頼らない

財源への決意を問われると、大臣は、市場の信認を得られるよう特例公債に頼らずに確保することになっており、法律にもそう書かれていると答えた。日本版DOGEを含む様々な取り組みを進め、財源確保の具体像は今後の予算編成プロセスで確実に示すという。日本版DOGEについては、冒頭で示した基本的な考え方と見直しの着眼点に沿い、関係省庁と協議・連携して徹底した見直しを進めるとした。

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租税特別措置・補助金の見直し会議を改称

冒頭発言の二つ目は、租税特別措置・補助金の見直しに関する副大臣会議である。この日の朝、第3回会議が開かれた。

会議では、日本版DOGEの取り組みを強化してさらに深掘りする決意を示した。あわせて基金も対象であることを明確にするため、会議の名称を「租税特別措置・補助金・基金の徹底見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議」に変更した。今後の予算編成では各省庁と連携して要求内容を精査し、見直しの「ギアを上げて」徹底的に進めるという。

この日示された見直しの着眼点は、補助金と基金で分かれている。補助金については、施策の費用対効果を検証できるかを問う。また重複排除の観点から、目的や手段が近い類似施策が実施されていないかを確認する。基金については、残高が年度末の見込みで7兆円に達するとされる。そこで事業の性質に応じて、基金に滞留している資金を国庫に返納し、国庫債務負担行為の活用に切り替える。これにより予見可能性を確保しつつ、資金活用を効率化できないかを検討する。今後は副大臣会議の下に幹事会も設け、取り組みを加速させる。

租税特別措置については、政策効果の低いものは廃止すべきだとした。政府税制調査会も活用し、ゼロベースで見直す。質疑ではさらに、EBPM(証拠に基づく政策立案)の観点から政府税調を使って有効性などを検証・議論し、取り組みのギアを上げていくと補足した。大臣は日本版DOGEを、強い経済の構築と財政の持続可能性を両立させる高市内閣にふさわしい予算・税制を作るために不可欠な取り組みだと述べた。

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金融機関にサイバーセキュリティ点検を要請

三つ目は、相次ぐ不正アクセスへの対応である。大臣によると、様々な業態で不正アクセスが続き、本人確認書類の画像を含む顧客情報が漏洩するサイバーインシデントが多発している。

金融機関に対しては二つのことを求めた。一つは、経営陣がリーダーシップを発揮してサイバーセキュリティ対策に取り組むこと。もう一つは、利用者に不安が広がらないよう、金融サービス利用時の本人確認を適切に行うことである。大臣は本人確認の方法の例として、不正対策として効果が極めて高いICチップ情報の読み取りを挙げた。これを受け、金融庁はこの日、各金融機関に対応状況の速やかな点検と必要な措置を求める注意喚起を出すという。

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熊本地震の復興支援ファンド

最後は令和8年熊本地震への対応である。被災した事業者の多重債務への対応と復興支援を目的に、地域経済活性化支援機構(REVIC)が地元の地域金融機関と共同で、総額最大50億円規模の「令和8年熊本地震復興支援ファンド」を設立することを決めた。

金融庁としては、地域金融機関がREVICなどと連携し、このファンドの活用も含めて被災事業者の資金繰りや既往債務への対応に万全を期すよう促していくという。大臣は、知事とも何度も話をしてきたと述べた。またこのファンドは、8月7日に大臣が現地入りした際、財務局で開いた会合で金融機関や経済団体からかねて要望されていたものだと説明した。

会見は、財源確保の具体像を今後の予算編成で示すという説明をもって時間切れとなった。どの見直しでどれだけの財源を生み出すのかは、この時点ではまだ示されていない。