防災メールが止まった:IT企業へのサイバー攻撃が約300自治体の防災情報配信に影響

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概要

サイバー攻撃による個人情報の漏洩が相次ぐなか、今回は住民の命に関わる防災情報の配信システムが止まった。日本テレビの報道番組「zero」は、大阪府のIT企業アルカディアへの不正アクセスをきっかけに、全国の自治体で防災メールなどの配信が止まった問題を取材した。番組は、影響が全国47都道府県、少なくとも295の自治体に及んでいる可能性があると報じた。住民や自治体担当者からは「あってはならないこと」「災害なので配信がないと困る」といった不安の声が上がっている。

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発端は大阪のIT企業への不正アクセス

アルカディアによると、日曜日にシステムへの第三者による不正アクセスが確認された。同社は応急措置を講じたが、個人情報が漏洩した可能性があるとしてシステムを緊急停止した。このため、同社のシステムを通じて行われていた災害情報などの配信が止まった。

アルカディアが運営する情報提供サービスは、全国875の自治体が利用している。災害情報のほか、弾道ミサイルの発射情報などを瞬時に伝えるJアラートの情報も扱い、国民に重要な情報を届ける役割を担っていた。そのサービスが不正アクセスによって配信できなくなり、命に関わる防災情報をすぐに届けられない状態になったと番組は伝えている。

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千葉県南房総市:生活の中の情報源が途絶える

影響を受けた自治体の一つが千葉県南房総市である。市は現在、防災情報や気象警報を市民に知らせるメールを止めている。配信が再開されるまでは、防災無線や市のSNSなどで情報を確認するよう呼びかけている。

番組によると、先月の台風25号の際には、気象警報や台風の接近情報などがメールで配信され、市民のスマートフォンにもさまざまな防災情報が届いていた。取材に応じた市民は、配信停止を「何かで知った」と話した。この市民は、先日も天気予報が当てにならないほどの急な大雨があったと振り返り、そうしたときこそ情報が必要になるので、届かないと困ると語った。

別の市民は、防災メールが生活の中で重要な情報源の一つになっていると話した。仕事をしているとどうしても外からの情報が入ってこないため、メールで情報が届くのはよい点だと考えているという。メールが職場などにいる人にとって大事な情報経路になっていたことがうかがえる。

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埼玉県の町と石川県:復旧の見通し立たず、手動配信へ

自治体も対応に追われている。人口およそ3万人の埼玉県のある町では、前日から住民への防災メールの配信が止まり、復旧のめども立っていない。担当者は思わず「ちょっと大変なことになったな」と漏らした。担当者は、災害はいつ起こるか分からないものであり、伝達手段の一つが止まっていることは防災の観点からも非常に困る状況だと話した。

石川県は、防災情報を手動に切り替えて配信していく方針だという。

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漏洩の可能性と、すでに出ている被害

漏洩した可能性があるのは、最大でメールアドレスおよそ313万6000件、電話番号およそ10万5000件の個人情報だ。

静岡県菊川市では、漏洩によるとみられる被害がすでに出ている。市によると、市民から、市の防災メールのドメインを使った架空請求のようなメールが届いたという通報があった。市は、不審なメールが届いた場合は添付ファイルを開いたり本文中のリンクをクリックしたりせず、削除するよう呼びかけている。

報道の時点では、配信停止がいつ解消されるのかは示されていない。各自治体は、防災無線やSNS、手動での配信といった代わりの手段で住民に情報を届けている。