「このままだと火事になる」と偽り給湯器交換を契約させた疑い リフォーム会社の男8人逮捕、社内マニュアルに詳細な手口
日テレNEWS給湯器などの点検を装って高齢者宅を訪れ、「このままだと火事になる」などと嘘を言って交換工事を契約させ、現金をだまし取ったとして、リフォーム会社の男8人が逮捕された。被害に遭いかけた女性の証言と、会社が作成していたとされるマニュアルから、その手口を追う。
「安心と信頼」を掲げた会社の実態
逮捕されたのは、リフォーム会社「大安設備」(字幕表記)の実質的経営者の男と社員の男ら、合わせて8人だ。同社のホームページには「安心と信頼の提供」が使命として掲げられていた。番組はこれに対し、実際に提供していたのは「不安と裏切り」だったと伝えている。
警視庁によると、8人は去年、70代から80代の男女4人に対し、「一酸化炭素濃度が安全な数値の7倍出ている」「このままだと火事になる」などと嘘を言って給湯器などの交換工事を契約させ、現金合わせておよそ100万円をだまし取った疑いなどが持たれている。同社は同様の手口で全国で6000件近い契約を結んでいたとされ、被害額は8億5000万円にのぼるという。
前日の電話から始まった「定期点検」
番組は、この会社の被害に遭いかけた女性から話を聞いた。女性が特に巧妙だと感じたのは、訪問の前日に電話がかかってきた点だという。
去年6月、女性の自宅に事務員のような女性から電話があり、「明日の3時から6時にガスの定期点検で伺ってもいいですか」と尋ねられた。女性は定期点検ならそういうものもあるのだろうと考え、疑うことなくカレンダーに予定を書き込んだ。
翌日、予定の時間どおりに男2人が訪ねてきた。1人が室内の機器を操作して「大丈夫ですね」と言ったあと、「今度は外を見てきます」と1人で屋外へ出て行った。女性はその間、もう1人の男と家の中で待っていたという。
「いつ止まるかわからない」と交換を迫る
しばらくして戻ってきた男は、ガスの出る部分が詰まってきていて何十パーセントにもなっており、効率が悪く「いつ止まるかわからない」ので交換したほうがいい、という趣旨の説明をした。そしてガス給湯器の交換を勧めてきた。
女性は、詰まっているならそうなのかもしれないと思い、費用を尋ねた。提示された総額は60数万円で、女性は「ありえない」と感じたという。そこで「じゃあ考えます」と答えたところ、男が怒り出した。この反応で女性は完全におかしいと思い、契約はしなかった。
マニュアルに記された誘導の手順
警視庁によると、同社は手口を記したマニュアルを作成していた。そこには客をどう誘導するかが具体的に指示されていた。
まず一酸化炭素の濃度を測り、「右のボタンを押すとppmのマックス数値が出ますので、基準値の○倍出てますと伝える」。さらに「周りで作業していたら具合が悪くなるような数値です」と不安をあおる。そのうえで、客の側から「交換しなきゃダメってことだよね」と言わせる流れを作るよう求めていた。
契約を急がせる文言もあった。「今日作業の予定まで入れていただければ○万円お値引きが取れます」と即決を促し、客が「メーカーに聞いてみる」と言った場合には「メーカーだと定価になってしまうので高くつきます」と返すよう指示していた。メーカーへの確認という、客が自分で判断するための手段を封じる内容である。
背後関係も捜査
番組はこれを高齢者を狙った手口だと伝えている。警視庁は、事件の背後に匿名・流動型犯罪グループ(匿流)が関与している可能性についても調べている。
リフォーム会社のホームページ。「大安設備の使命、安心と信頼の提供」。しかし、実際に提供していたのは不安と裏切りでした。
詐欺などの疑いで逮捕されたのは、大安設備の実質的経営者、糠信秀企容疑者と社員の男ら、合わせて8人。警視庁によりますと、8人は去年、70代から80代の男女4人に「一酸化炭素濃度が安全な数値の7倍出ている」「このままだと火事になる」などと嘘を言って、給湯器などの交換工事を契約し、現金合わせておよそ100万円をだまし取った疑いなどが持たれています。
同様の手口で全国で6000件近い契約をしていたという大安設備。被害額は8億5000万円に上るといいます。一体どんな手口なのか。
私たちは大安設備の被害に遭いかけた女性から話を聞くことができました。
やっぱりその前の日に電話をかけてきたっていうとこは、すごいミソというか。
去年6月、家に電話がかかってきたといいます。
女の事務みたいな方から、明日の3時から6時にガスの定期点検で伺っていいですかって。定期点検だから、年に何回とかあるんだなって。
疑うことなくカレンダーに予定を書き入れたという女性。翌日、時間通りに男が2人訪ねてきたといいます。
このパーって感じたりやるのが、すごいガチャってやってて、それで大丈夫ですねって言って、じゃあ今度外見てきますって言って、1人で外に出てったんだけど。
点検をしていた男は外へ。女性はもう1人の男と待っていたといいます。しばらくして男が戻ってくると。
ガスのその、なんかちょっとこう詰まってきてるから、そのガスが出るところたかなが何十%。だから効率が悪いから、もういつ止まるかわかんないんだから、もう替えちゃった方がいいんでしょう、みたいな感じでは言いました。
男はガス給湯器の交換を勧めてきたといいます。
私はその、詰まってて、そうかなと思ったから、じゃあいくらぐらいですかって聞いて、トータルが60何万だったから、まずそれで、ありえないと思って。私がじゃあ考えますって言ったら、今度から、もうこれは完全におかしいと思って。
女性は不審に思い、契約しなかったということです。
警視庁によりますと、マニュアルを作っていたという大安設備。そこには詳細な手口が指示されていました。
まず一酸化炭素の濃度を測る。右のボタンを押すとppmのマックス数値が出ますので、基準値の丸出てますと伝える。周りで作業してたら具合悪くなるような数値です。
お客様から「交換しなきゃダメってことだよね」と言われる流れを作る。今日、作業の予定まで入れていただければ、万円お値引き取れます。
「メーカーに聞いてみる」と言われたら、「メーカーだと定価が価格になってしまうので高くつきます」。
高齢者を狙った手口。警視庁は背後にトクリュウが関与している可能性についても調べています。
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