パリのブランドbothの靴はなぜ手頃なのか MBが語るコラボブーツと新作ソール

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概要

秋冬に向けて靴を買い替えたいが、ハイブランドのブーツや革靴は20万円もする。かといって安い革靴やブーツはどうしても野暮ったく見えてしまう。この動画は、そんな悩みを演じる短い寸劇から始まる。ファッションYouTuberのMBは、その答えとしてパリのシューズブランド「both(ボース)」を紹介する。MB自身も過去にこのブランドとコラボした経験がある。撮影はbothの店舗で行われ、前半はコラボブーツの解説、後半は店舗スタッフに人気の新作を聞き、MBが実際に履いてみる構成になっている。

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秋冬は靴から替える

MBによると、9月から10月にかけては新しいシューズやブーツが欲しくなる人が多い。夏はサンダル中心だったコーディネートを秋冬仕様に切り替えるには、まず靴を替えるのがいちばん効果的だというのがMBの考えだ。

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コラボブーツが店舗と通販でも買えるように

最初に取り上げたのは、以前bothとMBがコラボして発売したフロントジップのブーツで、色は2色ある。当初はMBのサイトだけで販売していた。価格が高いうえに告知も十分でないまま発売したため、お金を用意できず買えなかった人もいたという。そこで今回は特別に、bothの店舗と通販でも取り扱うことになった。数は限定だと説明している。

価格は8万5000円で、MBも「そこそこ高い」と認めている。日本製のレザーを使うなど作り込んだ結果、この値段になった。bothの通常ラインなら、ベーシックなローファーは4万円ほど、サンダルは1万円台から買える。それに比べると高く見えるが、MBは実物を見れば8万5000円でも安いと思わせる自信があると話す。以前YouTubeで生産工場を取材し、どこまでこだわった作りなのかを紹介したこともある。実際に購入した人からも、このクオリティで8万5000円なら安いという声が届いているという。

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厚底でも子どもっぽく見せないセパレートソール

MBがいちばんこだわった点として挙げたのは厚底のソールだ。今後のトレンドを考えると厚底は少しずつ落ち着いていくかもしれない、とMBは見ている。それでも、アジア人や日本人には身長や脚の長さにコンプレックスを持つ人が多く、背を高く見せられる靴の需要はあると考えた。

ただし、単純に全体を分厚くしたプラットフォームソールは子どもっぽく見えやすい。多くのブランドがすでにそうした靴を出している、ともMBは指摘する。そこで採用したのがセパレートソールだ。ヒール部分と前側のソールが分かれ、土踏まずの部分がへこんでいる形状を指す。全面を平らに厚くしないことで、「盛っている」印象をある程度ごまかせるというのがMBの説明である。bothのソールは見た目より軽く、歩きやすく、履き心地も良いという。

アッパーにも工夫がある。厚底の靴はアッパーもボリュームのあるものが多いが、このブーツは足首に沿うボディコンシャスな作りにした。柔らかい素材で足になじむようにし、細身のパンツに合わせても違和感が出ないシルエットに仕上げたという。

耐久性についても触れている。MBはサンプル段階からずっと履いているが、目立つダメージはほとんどないという。ソールがラバー製なので、レザーソールのように細かい傷が増えていくこともあまりない。MB個人は革靴の小傷が好きだが、気になる人もいるだろうとしたうえで、ゴム製なので雨の日や雪の日も気にせず履けると評価している。

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安さの理由は自社工場

作り方や素材を考えれば安い、とMBは言う。では、なぜその価格で作れるのか。MBの説明では、bothは誰もが知るようなナショナルブランドの生産を請け負ってきた巨大な工場を持っている。その工場を土台に、自分たちのブランドを立ち上げた。いわゆるファクトリーブランドとは少し違い、工場の職人が作っているのではなく、デザイナーがいて、そのうえで自社工場がある形だとMBは補足している。

自社工場を持つのは当たり前ではないか、ユニクロもそうだろう、と思う人もいるかもしれない。MBはこれに対し、ユニクロは自社工場を持っておらず、契約工場はあっても自社で工場を抱えるブランドはほとんどないと述べる。さらに、靴はアッパーとソールを別々に作って組み合わせるのが一般的で、それぞれ別の工場が担当することが多い。bothはアッパーもソールも自社で作り、自社でデザインして組み立てられる。間に入る会社が少ないぶん、実際のコストに近い価格で提供できるというのがMBの見立てだ。

結果として、パリのデザイナーズブランドでありながら、品質はハイブランドと比べても遜色なく、価格は半額以下ぐらいで買える。MBはこれをbothの良さとして挙げる。一方で、日本での知名度はまだ低いとも見ている。服好きの人や感度の高い人は興味を持ち始めているが、多くの人にはまだ知られていないので「今がチャンス」だという。

コラボブーツで人気だったのは黒だが、MBが個人的に勧めるのはパープルだ。黒のロングコートなどモノトーンでまとめたコーディネートに、足元だけアクセントとして効かせるとかっこいいという。

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新作ソール「ニューガム」

これだけでは宣伝のようになってしまうとして、MBは店舗スタッフに人気商品を3つほど紹介してもらう。スタッフがまず挙げたのは、新しく登場したソール「ニューガム」だ。スタッフは、細胞や種子の鞘をヒントに作られた、自然で生命感のあるフォルムが特徴だと説明した。説明文を読み上げる様子にMBが「むっちゃ読んでるじゃないですか」と突っ込み、笑いが起きる場面もあった。

スタッフによると、このソールは天然ラバーと軽量のEVAを組み合わせており、定番のガオソールより軽い。MBも、自身のコラボで使ったソールと比べてもさらに軽いと感じた。見た目は重厚でヘビーな印象だが、スニーカー並みに軽いのではないかと話す。アッパーのレザーが重厚なのでそれなりの重さはあるが、この種の靴としては相当軽いというのがMBの感想だ。

ソールはブランドのオリジナルで、このソールを使ったブーツは4万9000円。MBは、他のブランドなら10万円ほどしてもおかしくないとして、自社オリジナルのソールを使ったブーツがこの価格なのは珍しいと言う。スタッフも、客に驚かれることが多いと答えている。

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スニーカーとローファー

新しいソールは複数のモデルに使われている。スニーカーは黒、白、白黒の加工を施したものの3色展開だ。黒も真っ黒ではなく、少しかすれたようなヴィンテージ風の雰囲気に仕上がっている。人気モデルで、価格は3万9900円。MBは、bothの靴は見た目にボリュームがあっても履くと形がシャープに見えるものが多いと話し、スタッフは、幅はやや広めだがボリュームはしっかりある作りだと補足した。

もう一つの人気モデルは黒のローファーだ。以前から定番として出ていたモデルのソールを替えた新作で、スタッフによればアッパーの作りも少し変わっている。MBは、フォルムがやや丸みを帯び、明らかに軽くなったと感じた。最近はスニーカーソールのローファーが多いが、MBはこのモデルについて、スニーカーのソールとローファーのアッパーを単純に組み合わせたものではなく、デザインとして一体化していると評価する。そして、それが自社一貫工場の強みだと述べている。

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コンバットブーツとチェルシーブーツ

新作ソールを使ったブーツにはコンバットブーツとチェルシーブーツがある。チェルシーは以前からあるモデルだが、ソールが変わり、アッパーにもヴィンテージ風の仕上げが加わった。コンバットブーツは完全な新作で、MBはアッパーも見たことのないデザインだとして「めっちゃかっこいい」と反応した。ミリタリーっぽい雰囲気だが、本物のコンバットブーツはもっとノーズが短いことが多く、このモデルはフォルムがきれいだとMBは話す。色はブラウンと黒の2色で、価格は4万9900円。スエードは起毛感のあるヴィンテージ風の風合いに仕上げられている。

MBは、bothの靴は相変わらず価格が安く、デザインは振り切ったものが多いと評価する。そのため、普通の靴に飽きた人やデザイン性の高いものが好きな人に響きそうだという。店内には天然ゴムの実物も展示されていた。天然ゴムがラバーに成形され、最終的に靴のソールになるまでの工程を示すためのものだという。

履いてわかるフォルムの繊細さ

MBはまずチェルシーブーツを試し履きした。ソールは分厚く重厚だが、履くとフォルムがきれいに見えるという。履き口の高さが低く、筒が細いことを、MBは視聴者に向けて指摘する。どのブランドにもある作りだと思われるかもしれないが、靴のフォルムは非常に繊細だとMBは強調する。自分たちも靴を作っているからわかるが、1cm高いか低いかで印象がまったく変わるため、木型作りはとても難しいという。丸みがあるのにカジュアルになりすぎず、大人が履いても様になる。プラットフォームのように見えないのにしっかり背を高く見せられる点も良いとMBは評価した。

続いて試したコンバットブーツについては、ちょうど靴紐の長いタイプが欲しかったと話し、筒が細くシャープな作りを評価した。こうしたブーツはもっとごつく作るブランドが多く、ここまでシャープなものはなかなかないという。

オリジナルソールを手頃な価格で作れる理由

締めくくりに、MBは新作ソールの価値を、靴づくりの事情から説明した。中国などの安価なソール工場で型に流し込んで作るソールは、いろいろなブランドで使い回されている。MBのブランドでも靴を作る際にそうした工場と取引があるが、工場側が提案してくるソールは、GUが使っているものやZOZOの安価なブランドが使っているものなど、どこかで見たことがあるものがほとんどだという。ソールによって靴の形にはある程度の制約が生じるため、アッパーに良い素材を使っても限界がある。

一方で、ソールを別注で作ろうとすると、最小ロットが1000〜2000足になる。尖ったデザインを手がけるデザイナーズブランドで1000足売れるところはなかなかないため、コストを販売数で割り返すと価格が高くなってしまう。MBは、自社工場だからこそ本格的なオリジナルソールを手頃な価格で楽しめるのであり、それができるブランドは「ここ以外知らない」と述べて動画を締めくくった。