芦田愛菜主演『南田南弁護士は天才肌』制作発表 キャストが語った役作りと現場の空気

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概要

カンテレ・フジテレビ系の月曜ドラマ『南田南弁護士は天才肌』の制作発表会に、芦田愛菜、高橋文哉、細田佳央太、久保史緒里、柿原りんか、山口馬木也、平岩紙、角田晃広の8人が登壇した。本作は韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の日本リメイクで、自閉スペクトラム症の新人弁護士・南田南が主人公である。会見では、撮影開始から約2カ月が経った時点で、各キャストが役をどう捉えているか、共演者をどう見ているかが語られた。後半の記者質疑では「○○は○○肌」というお題に沿って、互いの意外な一面が紹介された。

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登壇者と役柄

司会の紹介によると、芦田が演じる南田南は、大学の法学部を首席で卒業し、司法試験にもトップで合格した新人弁護士である。クジラが大好きで、チャーミングな自己紹介が印象的な人物とされる。高橋はドラマの舞台となる広川・ハワード法律事務所のパラリーガル・港を演じる。爽やかなルックスと心優しい性格で誰からも愛される人物で、のちに南の人生に大きな影響を与える役どころだ。

細田と久保が演じるのは、南より半年前に入所し、同じチームで働く新人弁護士である。久保の演じる小春は、南と司法修習時代の同期でもある。柿原は、南の唯一の親友で良き理解者の莉々衣を演じる。個性的なファッションが特徴の役だ。山口は事務所のパートナー弁護士で、チームに加わった南を指導する上司役、平岩は南を事務所に迎え入れた代表役を務める。角田は、おむすび店を切り盛りしながら愛情深く娘を育ててきた父・南田誠を演じる。

冒頭の挨拶で芦田は、キャストが毎日温かく迎えてくれるおかげで、幸せで穏やかで楽しい現場になっていると述べた。高橋は、8人がそろう機会は撮影中でもなかなかないと話し、新鮮でありながらアットホームな空気をそのまま届けたいと語った。山口は、原作では自身の役をかなり若い俳優が演じており、雰囲気も自分とはまったく違うため若干のプレッシャーを感じていると明かした。そのうえで、自分の役は視聴者の想像力で面白くしてもらえたらと話した。角田は、自分の衣装を見れば分かるとおり、普段は弁護士チームとあまり交わらないため「正直ノリが分かっていない」と笑わせた。

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芦田愛菜が語る南田南の役作り

撮影開始から2カ月が経った心境を問われた芦田は、クランクイン前から考えていた「南の根底にあるもの」は変わらずに来られていると答えた。そのうえで、法廷シーンで役としての成長を感じる瞬間があるという。本作は法廷シーンがほぼ毎話ある。第1話の法廷シーンでは芦田自身も南も緊張していた。それが回を重ねるにつれ、意識していないにもかかわらず、南が堂々としてきたように感じるそうだ。

これまでの役柄とは異なる面を持つ南に初めて向き合ったときの難しさについて、芦田は「南田南という人物の魅力をどこに出していくか」、とりわけ話し方の節回しに悩んだと語った。法律用語やクジラの話のセリフは、文字にすると事実を述べているだけで硬く、感情が乗りにくい。しかし南の中にはしっかり感情があり、ただそれを伝えるのが苦手なのだという。

その表現をどうするか悩んでいたとき、ヒントになったのが第1話の父親のセリフだった。角田演じる父が、南には南の世界がちゃんとあると思った、という趣旨の言葉を口にする。芦田はこれを受け、南の世界をきちんと確立したうえで、周囲の人々の世界と交わっていくように考えればよいと思い至った。現在はその考えで演じているという。

弁護士役も初めての芦田は、法廷セットに入るとかなり緊張すると話した。その緊張感は生かしつつ、法廷のセリフはほかのセリフ以上に何度も繰り返し口にして硬さを和らげる。そうした準備をして、南として法廷セットに入れるようにしているそうだ。

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高橋文哉が考える港の「優しさ」

南を間近で見守る港を演じる高橋は、港が持つ優しさとは何かをずっと考えてきたと話した。優しさは大きな枠組みであり、その中でこの人物ならではの優しさを探していたという。クランクインして芦田の演じる南に会ったとき、「いい意味で隙がある」と感じた。その隙も、芦田が役を探求するなかで作り上げたものだと高橋は見ている。芦田が直前に語った「南の世界」の話を聞いて腑に落ちたとも述べた。現場で芦田の南に向き合えば、港としての感情が自然と引き出される感覚を何度も味わっているという。港を作っているのは自分だが、その自分をいちばん近くで支えてくれているのは芦田だ、と高橋は語った。

演じるうえで大切にしていることとしては、改めて「優しさとは何か」を挙げた。港は気配りや目配りができ、相手を思いやる気持ちを強く持つ人物で、そこが最大の魅力だという。その優しさで南にどう向き合うのが南のためになるのか、南以外の弁護士にはどう接するのがよいのかを、港自身も考えている。高橋も台本を読みながら同じように考え、それを少しずつ「必殺技のように、隠し技のように」出していくのが楽しいと話した。

リメイクにあたって高橋が重視しているのは日本語の言葉遣いである。日本語を「世界でいちばん難しい」言語と呼んだうえで、その日本語で作品の魅力を引き出したいと述べた。接続詞や語尾を、相手に応じて敬意が伝わる言い方にしたり、逆に親しみが出る言い方にしたりと自分なりに工夫している。言葉で港を表現できているのではないか、と高橋は語った。

芦田は高橋について、南は港から受け取るものが多いと話した。高橋はいつも南を待っていてくれ、南をよく見て、それを受けて何かアクションを起こしてくれる。その安心感は南として感じるものであり、それによって南が形作られていく部分もあるという。慌ただしい撮影の中で流されそうになったときも、高橋がプロデューサーや監督と役やシーンについて話し合う姿を見ると、引き止めてもらえるような感覚になると語った。2人は今回が初共演である。

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同僚弁護士を演じる細田佳央太と久保史緒里

細田の役には、向上心が強く南の才能に嫉妬してしまう一面がある。司会から、南への嫉妬と俳優・芦田への嫉妬が重なることはあるかと問われ、細田は「今言われて、そうかもしれない」と答えた。本読みの段階で、芦田がすでに南田先生を仕上げてきていたことに驚いたという。法廷シーンをはじめ大量のセリフがあるのにまったく崩れず、間に挟まる側のほうが失敗できないと緊張するほどだと語った。それでいて芦田は現場をいつも明るくしている。役としての嫉妬の中に、細田自身の嫉妬が「半分ぐらい」混ざってきているかもしれないと笑った。

原作でも人気のある小春役について、久保は、司法修習の同期という設定から、新人弁護士チームの中でも南との距離を近く保ちたいと考えていると話した。ハートフルなチーム感は撮影初日の頃からできあがっていたが、時間を重ねるごとに強まっていると感じているという。

細田と久保は大河ドラマで夫婦役を演じた経験があり、学年も同じだ。違う関係性で再び共演することについて、細田は、同世代の中でも安心と信頼を置く数少ない俳優だと述べた。久保は丁寧に細かく芝居を作るので、作品や時代が変わっても「全部任せちゃってます」と語った。久保は恐縮しつつ、劇中でも2人の役の小競り合いが少しずつ出てくると紹介した。信頼しているからこそ、本人同士も仲良く小競り合いをしているという。

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親友莉々衣と「日本版の挨拶」

柿原と芦田も同学年である。原作で親友同士が必ず交わすポーズが日本版にも登場するのかがSNSで話題になっていた。柿原によると、監督やプロデューサー、スタッフを交えて日本版の挨拶を考え、すでに撮影しているという。日本版として独自性のあるものになっていると明かした。

莉々衣を演じるうえで柿原が強く感じるのは、南を「愛しい」と思う瞬間が多いことだという。莉々衣は南のその愛しさが好きなのだろうと感じる場面が多い。友人が弁護士として活躍していることを誇りに思い、それが自分の心の拠り所にもなっているのではないか、と演じながら感じたと話した。芦田は、南にとって莉々衣は一目惚れのような存在だと説明した。莉々衣の生き方のかっこよさや包容力への憧れから親友になったのだろうと語り、柿原からも同じような気持ちを受け取って頑張っていると話した。

莉々衣の髪型やファッションについて、柿原は、役を演じるうえで感じていた不安を消してくれる「段階」だと表現した。メイクをしてもらい衣装を着ることで、自然と莉々衣になれるという。こだわりのポイントとしては、シーンごと、服に合わせて髪の色を変え、メイクの色も髪に合わせて変えている点を挙げた。メイク担当や衣装担当と一緒に考えて作っているそうだ。

21:27

山口馬木也が明かす現場の様子

司会がプロデューサーからの情報として、山口が現場のムードメーカーだと紹介すると、山口は「初めて聞きました」と返した。最年長なのにいじられているだけだと話し、会場を笑わせた。

現場の雰囲気は抜群だという。山口によると、会見ではみな立派な答えをしているが、現場ではご飯の話しかしていない。細田が意外にもご飯にこだわりがあり、ある共演者といつも意見が合わずに揉めているそうだ。芦田がそれをまとめ、高橋が優しく見守り、山口はニヤニヤしながら眺めている、という構図だと説明した。

さらに山口は高橋のエピソードを披露した。ロケ現場として借りている会社に、社員の効率向上のための「瞑想部屋」がある。部屋の中は真っ暗で、社員は1人15分程度までというルールがあるが、高橋は20分入っていたという。高橋は、撮影チームは好きなときに入ってよいと言われていたので好きなだけ入らせてもらったと説明し、「全部落としてきました」「すっきりです」と語った。

司会は、山口が冒頭で役の年齢差を気にしていた点にも触れた。高橋の笑顔がまぶしすぎる世代には山口のスーツ姿の渋さが刺さる、と熱を込めて話した。

25:06

平岩紙が演じる事務所代表

平岩の演じる代表は、南に大きな可能性を感じて採用した人物で、特に前半は何を考えているのか分からないミステリアスな存在である。平岩は、前半は思惑が謎の人物なので表現の仕方が難しかったと話した。ただ、彼女の中には筋が通っていて考え方もはっきりしているため、そこまで悩むことはなかったという。そうした点が好きで、魅力を感じながら演じているそうだ。

前半は各話で少しずつしか登場しないため、平岩は現場に馴染むまで時間がかかりそうだと不安だったという。行くたびにみんながご飯の話や面白い話をしていて、それを眺めていると、芦田がどんな話をしていたのかを丁寧かつ端的に教えてくれた。そうして話の輪に入れてくれたと平岩は語った。代表室のセットに初めて入ったときは、その広さに、ついにこういう役をもらう年齢になったのかと感慨深くなったという。人を束ねる力のある女性像は撮影後半の今でも毎回の課題で、しなやかに演じたいと話した。

27:24

角田晃広が演じる父親

南と父・誠の親子の物語は本作の見どころの一つとされる。角田は、もうすっかり親子になっていると話した。最初の撮影は、南が初めて出社する場面だったという。初めて見るのに「あ、南だ」と感じさせてくれる完璧な南で、スタートから「行ってらっしゃい」という気持ちになれたと語った。芦田を幼い頃から一方的に知っているため、大きくなったなという思いで送り出しやすいとも付け加えた。

原作では父親の店はキンパ店だったが、日本版ではおむすび店になっている。角田によると、撮影初日におむすびを握るシーンがあった。事前に練習はしておらず、その場でプロのフードコーディネーターに教わったという。完成品として映る「南田南セット」は自分が作ったものではなく、握っている場面だけを実際に演じている。自分で握った出来栄えは「30点ぐらい」で、手で隠しているのでバレないようにしていると笑った。

親子の描写で伝えたいことについて、角田は、自身にも娘がいるので娘を持つ親の気持ちは当たり前のものとして持っていると話した。温かく見守りながら南を送り出し、南が成長していく姿を、視聴者にも同じように感じてもらえるのではないかという。職場の人々も南を通して共に成長していく面があるので、その点も見てほしいと述べた。

角田の撮影は主に家のシーンで、弁護士チームとはほとんど現場が重ならない。ご飯の話も瞑想部屋の話もこの日初めて知ったという。「本当に頑張ってんだなって」父親目線で会見を見ていたと語った。

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記者質疑:「○○は○○肌」

記者からは、ドラマのタイトルにちなみ、撮影中の意外な一面を踏まえて共演者に「○○は○○肌」というタイトルをつけてほしいという質問が出た。

最初に答えた角田は、柿原を「芸術肌」と名付けた。劇中に出てくる絵、たとえば第1話で莉々衣がタブレットに南を描く場面の絵は柿原本人が描いているという。南の部屋にある絵や、南にメイクを教える場面の絵も、すべて柿原が実際に描いている。本人がそれをあまり言わないので、代わりに言いたくなると角田は話した。

芦田は山口を「おしゃれ番長」と呼んだ。朝早く遠方へ移動する撮影日でも、私服がかっこいいという。山口は、つなぎやサロペットのような服が好きで、53歳がそういう服を着ていると株が上がると話した。芦田によると、メイクスタッフも山口のおしゃれぶりを見て、自分たちも新しい服を買いたくなると話していたそうだ。

高橋は細田を「探求肌」とした。高橋にとって細田との共演は3回目で、前回は2年ほど前に高橋の主演作で共演した。細田は演出を受けると1人でずっと考え込み、まとまった様子を見せないまま本番に入る。それでも本番ではすべてがまとまっていて、毎回違う芝居を見せてくれるので一緒にやっていて楽しい、と高橋は語った。細田は、自分は不器用で、言われたことを整理する時間が人より長く必要なだけだと謙遜した。考え込んでいる自分を共演者たちが無理に巻き込まず、見守りながら現場を明るくしてくれることに救われているとも述べた。そのうえで高橋について、台本を常に俯瞰しており、自分の役以外の流れにも気を配って「前のシーンでこうなったから行きづらいよね」と声をかけてくれる、視野の広い人だと返した。

平岩は「みんなすごい」とまとめた。47歳になる自分と若い共演者たちが対等に楽しく話してくれることに感心しているという。山口や角田との芝居では膝をさすりながら頑張ろうという雰囲気だが、若い共演者とのときはいい意味で背筋が伸びる緊張感があると語った。司会によると、中央の5人は2000年以降の生まれで、角田と山口は1973年生まれである。山口は、角田とは現場がほとんど重ならず、この日が一番話した日だと明かした。出てくる話題は病気と怪我、平岩とは「最近の若い人は素晴らしい」という話ばかりだと笑わせた。

柿原は久保を「お姉ちゃん肌」と名付けた。事務所のシーンで緊張していたとき、久保が会うたびに「大丈夫?」と話しかけてくれたという。久保は、普段は妹なのでうれしいと話した。そのうえで、自分も撮影初日に芦田から同じように話しかけてもらいうれしかったので、芦田のように何かできたらと思っただけだと語った。

40:53

プロデューサーのキャスティング裏話

この流れで司会は、加藤プロデューサーから聞いた話を紹介した。プロデューサー陣は本作を作るにあたり、「本当にいい人だ」と思える人にオファーしたいと考えていたという。久保については、直接やり取りした経験から間違いなくいい人だと確信していた。ほかのキャストについては、役に合うかどうかに加えて、マネージャーに「この人はちゃんといい人ですか」と聞いて回ったそうだ。司会は、いい人たちが作る世界を映像にしたかったのだろうと述べた。

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「努力の天才肌」と芦田のメッセージ

質疑の最後に、高橋が自ら手を挙げ、芦田を「努力の天才肌」と評した。いちばん近くで南を支える役として、芦田なら南をこう演じてくれるだろうという信頼を持って一緒に作品を作っているという。そのうえで、とてつもない努力と計算で、自分の中にあるものを形にし、南を生きた人物にしていると日々感じていると語った。しかもその努力を見せない。この数カ月、現場で芦田が台本を開くのを見たのは数回だけで、あのセリフ量にもかかわらずだという。長ゼリフがある日でも、みんなが話していれば会話を盛り上げ、笑っている。どこで努力しているのか自分たちには分からないのが「もはや悔しい」と高橋は述べた。

芦田はこれを受け、高橋も「努力の天才肌」だと返した。セリフを読んである程度想像して臨んでも、港の反応に「そう反応するよね」と驚かされることが多いという。それは高橋が台本と役に深く向き合っているからだと芦田は語った。

最後に芦田は、話を受けてから役作りを経て今に至るまで、試行錯誤しながら南に向き合ってきたと振り返った。どう受け止められるか不安な部分もあるが、まずはこの温かいドラマを届ける日が近づいていることがうれしいと述べた。物語の中で南はさまざまな事件や人に出会い奮闘していく。登場人物たちの温かい人間模様も描かれているので、月曜の夜に南を応援しながら見てほしいと呼びかけ、会見を締めくくった。