駅から遠くても行列ができる3店 鮮魚店直営の海鮮定食、元介護職の立ち食いそば、ギネス記録のカレーパン

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概要

日本テレビ「news every.」の特集は、最寄り駅から歩くと20〜50分かかるのに行列ができる店を取り上げた。紹介されたのは、千葉市の鮮魚店直営の海鮮定食店、東京・清瀬市の立ち食いそば店、神奈川県相模原市のパン屋の3軒である。番組は、不便な場所でも客が集まる理由を、名物の中身と店主の考え方から探っている。

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駅から徒歩30分、オープン前から並ぶ海鮮の店

1軒目は千葉市稲毛区にある。モノレールのスポーツセンター駅から歩いておよそ30分かかる。バスは1時間に数本あるが、リポーターは運動を兼ねて歩いた。店に着くと、開店前からすでに客が並んでいた。

店は5年前にオープンした「海ごはん おさかな家族」で、休日は開店前から行列ができるという。車で30分ほどかけて来た客は「こんなところにこんな店があるんだ」と驚いたと話していた。

客のお目当ては量の多い海鮮料理である。一番人気の「漁港メシ定食」には、特大のアジを使ったアジフライと、天然マグロの中トロ・赤身にブリを加えた刺身の3種盛りが付く。リポーターはアジフライについて、身がふわふわで脂がよく乗り、アジならではのうま味があると伝えた。中トロの刺身はかなり分厚く、口の中がマグロのうま味でいっぱいになるという。食べ終えたリポーターは「30分かけて歩く価値あり」とまとめている。

漁港メシ定食は3種類ある。刺身と大きなマグロのセット、海鮮丼と天ぷらのセットなどから選べる。店側は、アクセスが不便なので遠くから来た客に喜んでもらおうとしていたら、ここまで量が増えてしまったと笑って話した。

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鮮魚店の目利きと市場との長い付き合い

店を営むのは、車で10分ほどの場所にある鮮魚店である。創業から25年、地元で親しまれてきた。店主の早川さんは、魚屋とご飯が一緒になれば完璧だと考え、飲食店を開くことがずっと夢だったと語る。質の良い魚をできるだけ安く出したいという考えから、駅から遠い格安の物件を買ったという。

早川さんは千葉市の卸売市場で魚を仕入れている。市場の担当者とのやり取りでは、脂の乗りや値段について細かく話し合う様子が映った。長年培った目利きに加えて、市場側との付き合いも長い。良い魚をできるだけ安く買えるように応えてもらっているという。仕入れた鮮魚は鮮魚店でさばいてから店に届ける。

刺身をたくさん食べたい客には「特上海鮮丼」が人気だ。その時期に旬の魚など13種類以上が入っている。脂の乗ったタイ、ねっとりしたマグロの赤身、しっとりした食感のアジなどがのり、客は「新鮮」「最高です。また来ます」と話していた。

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清瀬駅から徒歩20分、朝7時から並ぶ立ち食いそば

2軒目は東京都清瀬市の清瀬駅から歩いて20分ほどの場所にある。取材班が着いた朝7時の時点で、すでに行列ができていた。店は去年オープンしたそば・うどんの立ち食いセンターである。店内は8人ほどが入れる広さしかなく、待つ列が外まで伸びている。

客は人気の理由を「体が求めちゃう」「週に1回ぐらいは食べたい」と語り、麺が少し太めで食べ応えがある点を挙げた。メニューはそばとうどんを中心に20種類ほどある。客を引きつけているのは太麺のそば、濃いめのつゆ、さくっと揚げた大ぶりの天ぷらだと番組は紹介した。

一番人気は「かき揚げそば」で610円。たっぷりのワカメと、小エビや玉ねぎなどのかき揚げがのる。つゆは出汁の効いた濃い醤油味で、歯ごたえのある麺によく合うという。ゲソ天そばも人気で、ゲソのコリコリした食感が癖になると紹介された。遠くから通う客も多い。散歩がてら来てみたらおいしかったので、毎週土曜日に来るようにしているという客もいた。

7:47

介護職から転身した2人の再出発

店主の林さんは異色の経歴を持つ。20代から30年以上、高齢者福祉の仕事を続け、介護事業の経営もしてきた。もともと立ち食いそばが好きで、50歳を過ぎて個人的に好きなことをやりたいと考え、一念発起したという。介護職の仲間で、同じくそば好きだった男性も誘った。誘われた男性は、新しいことに挑戦してみようと思って「ついてきちゃいました」と話す。

場所選びについて林さんは、好きで始めても客が来なければどうしようもないと考えたと説明する。そのうえで失敗したときのリスクも考え、駅から遠く賃料の安いこの場所を選んだという。

2人とも飲食業の経験はなかった。最初に試作したそばについて尋ねられると、2人は「くそまずかった」「まずいのばっかり」と振り返り、本当にうまくいかなかったと明かした。

8:50

かつお節店の指導と、つゆの研究

途方に暮れていた2人を助けたのは、かつお節・削り節店の駿河屋さんである。2人が立ち食いそばをやりたいと訪ねてきたので、何でも教えると引き受けたという。駿河屋さんは、教えているうちに途中から自分を超えるスピードで追い抜いていったと話し、研究ぶりに驚いたと語った。

2人は出汁の取り方を徹底的に研究し、つゆの味を磨いた。出汁には昆布、かつお節、サバ節、ソウダ節、そして水でじっくり戻した干し椎茸を使う。そこに濃口醤油の返しを加え、風味とともに甘さもしっかり出している。本人たちは、それでも「まだまだ奥深い」と話す。

天ぷらは、いろいろな店を食べ歩きながら試行錯誤した。食べ応えのあるボリュームが評判を呼んでいる。客の声から生まれたメニューもある。納豆の天ぷらを使った「納豆天そば」(550円)で、数量限定のため午前中には売り切れるという。

2人は、モチベーションが上がるのはおいしいと言ってもらえたときだけだと話す。「ここのおつゆっておいしいな」と思ってもらえるよう、今も頑張っているという。番組は、2人が二人三脚で奮闘中だと伝えた。

11:10

橋本駅から徒歩50分、カレーパンが名物のパン屋

3軒目は神奈川県相模原市にある。橋本駅から歩くと50分ほどかかり、距離はおよそ4kmだ。リポーターはバスを使った。取材日は暑さのせいか客が少なめだったが、別の日に訪れると長い行列ができていた。

店は2010年オープンの「パンパティ こむぎのおはなし」である。都内から車で30分ほどかけて来た客は、種類が多くておいしく、選ぶのも楽しいと話す。食パン、菓子パン、惣菜パンなど150種類以上が並び、多い日には5000個以上売れるという。定番は自家製クリームのクリームパンで、毎朝届く養鶏場の卵を使った濃厚でなめらかなクリームが特徴だ。福岡県のブランド豚を使ったパンも紹介された。

一番人気は「牛肉ゴロゴロカレーパン」で357円。甘めのカレーで牛肉を柔らかく煮込んでおり、補充してもすぐに売れていく。店頭には「世界記録達成」の表示がある。7年前、8時間で5947個を売り、売れたカレーパンの数でギネス世界記録を達成したという。リポーターは、生地がふっくらしていて、ほろほろに煮込まれた牛肉がすぐほぐれると伝えた。

14:16

わざわざ来て、その場で食べてもらう店づくり

オーナーの大泉さんは18歳でパン職人を目指し、28歳で独立した。店のコンセプトについて大泉さんは、ついでに買うのではなく、わざわざパンを買いに来てもらう店だと説明する。パンをその場で楽しんでほしいという思いから、駅から離れた広い土地を選んだ。売り場だけでなく、開放的なテラス席や子ども用の遊具も設けている。客は、子どもが行きたがる、外で食べると気持ちいいと話していた。

1日5000個を作れる理由は、広い工房にある。10人以上の職人が6つの部門に分かれて作業を担当している。大泉さんは、作業を細分化しないとこの量は作れないと述べ、吟味した素材でちゃんと作っていると強調した。

カレーパンの仕込みも紹介された。牛肉を赤ワインとスパイスに1日漬け込んでから焼き、フルーツを使ったカレーに入れて野菜と一緒に煮込む。これを1日寝かせてから生地で包み、カラッと揚げて仕上げる。

16:00

次に力を入れるフランスパン

大泉さんが今力を入れているのはフランスパンだ。フランスではパンが料理の付け合わせとして食べられていると話し、自分はパン屋なので、素朴な食卓パンをどういう食のシーンで食べてもらうかまで提案したいと語る。

そのために大泉さんは6年前にフランスへ渡り、本場のシェフから料理を学んだ。食事のお供として作ったのが「パン・ド・ロデヴ」である。一般的なフランスパンより水分量が多く、もちもちした食感がある。リポーターは、外側は少しハードだが中はみずみずしく、スープに浸して食べるのも合いそうだと評した。そして焼きたてをテラス席で食べられることを「贅沢」と表現し、わざわざ来る価値のある店だと締めくくった。