堤聖也、「盗まれた防衛戦を取り戻す」 王座剥奪への思いと増田陸との再戦への構え

YouTubeで開く ↗
概要

『U-NEXT BOXING.7』の記者会見後の囲み取材で、堤聖也は増田陸とのWBA世界バンタム級タイトルマッチについて語った。堤は負傷による休養の間に王座を剥奪され、今回は挑戦者として増田に挑む。取材の中心は、この剥奪をどう受け止めているかと、ルール上は挑戦者となる再戦にどう臨むかだった。堤は剥奪に納得していない思いを率直に話したうえで、気持ちのうえでは「防衛戦」として戦うと述べた。

5分で読めます
0:02

「奪われた」ではなく「盗まれた」

会見の場にはベルトを持参していた。堤によると、ベルトを用意する話は最初から出ていたという。特別な意図で持ってきたのではなく、必要なものだから持ってきたと説明している。

記者から「ベルトを奪われたと考えてモチベーションにする考え方もあるのでは」と問われると、堤は言葉を訂正した。「奪う、奪われる」は勝負をしてベルトが移るときに使う言葉なので、自分の場合は「盗まれた」が正しいという。気持ちとしてはチャンピオン同士の統一戦であり、自分の防衛戦を盗まれたので、それを取り戻す試合だと位置づけた。

一方で、増田に対して何か思うところがあるわけではないとも強調した。自分が怪我で試合ができず、マッチメイクの都合で今回の形になった。増田は何も悪くないし、プロモーターも動かなければならない立場なので、なるようになったことで仕方がないと述べている。

ただし個人の考えとしては納得していない。試合で負った怪我で戦えなかっただけで、この程度の期間なら待てる範囲だろうと考えていた。その中での剥奪なので、変わったのは表面上だけで中身は何も動いていない。ずっとそういう感情だと語った。

1:50

ルール上は挑戦者であることを意識する

記者が「チャンピオンとしてのプライドと自信をリングで証明する試合か」と確認すると、堤は同意した。そのうえで、ルール上は自分が挑戦者だという現実も意識していると付け加えた。挑戦者にとって引き分けは負けと同じであり、引き分けになるくらいなら負けたほうがいいとまで述べている。試合のルールでは向こうがチャンピオン、自分は挑戦者という役割になるので、そこはしっかり頭に入れて戦わなければならないと語った。

2:18

増田の勝ちパターンをどう想定しているか

記者が、増田側から「3ラウンド以内に倒す」という発言もあったことに触れ、白黒をはっきりつけたいかと尋ねた。堤は勝ち方がどうなるかは分からないとしたうえで、増田には複数の勝ちパターンがあると分析した。序盤で仕留めにくる形、中盤から終盤に倒す形、ダウンを奪ってポイントで逃げ切る形である。とくに序盤で自分を倒しにくる可能性は大いにある選手だとして、そうした展開も想定しながら準備に入っていると話した。

増田からの気迫を感じたかという質問には、あまり感じなかったと答えた。増田は感情を表に出さないタイプで、内側で静かに心を動かしているような選手だと堤は見ている。そのため、会見の場で外に伝わってくるものは特になかったという。

3:55

鼻の怪我は回復が遅れた

怪我の状況については、問題は鼻だったと説明した。鼻はこれまで何度も折っており、以前より回復が遅かったという。当初は9月ごろには試合ができるという見通しでいたが、7月に試合が組まれる形となり、結果的に11月までずれ込んだと話している。気にせず本格的に練習できるようになったのは7月ごろからだという。

目の状態を問われると、目はもう問題ないと答えた。4月の時点で、実際は鼻の怪我なのに目の怪我だという情報が出回ったことに触れ、なぜそうした誤った情報が出たのか分からないと述べた。怪我はドネア戦で負ったものだけで、それ以外の影響はないと強調した。

5:16

比嘉戦の判定は「増田の勝ち」と採点

記者からは、増田がスプリットデシジョン(2-1)で勝った比嘉選手との試合についても質問が出た。判定に疑問の声もあった試合だが、堤自身の採点は増田の勝ちだったという。3人のジャッジのうち最も差をつけたジャッジとほぼ同じ採点だったと話した。身内に対して少し厳しめに見てしまう面もあると断ったうえで、それが自分の見方だったと述べている。

その試合が参考になるかについては、参考になる部分はあるものの、比嘉選手と自分では戦い方が違うと答えた。今回の試合が決まってから、増田を見直す目的でもう一度その試合を見たという。そこで見えたのは弱点よりも強みのほうが多かった。堤はそれを以前からの増田の成長だと捉えている。

6:40

前回の対戦とは別物になる

堤は以前にも増田と対戦して勝っている。前回は自分が目の上をカットしたので激しい試合に見えたが、実際はかなり自分のプラン通りの試合だったと振り返った。そのうえで、今回は前回とはまったく違う展開になると予想し、そう簡単にはいかない難しい試合になると述べた。

前回はスイッチを交えながら左を使って崩していく戦い方を取っていた。当時の増田はキャリアが浅く、その点も戦略上のポイントの一つだったという。しかし今の増田は十分にキャリアを積んでいる。その強打を12ラウンド相手にすることは「考えたくない」「めんどくさい」と冗談めかして話した。

7:40

スパーリングと今後の展望

スパーリングでは優太選手と手合わせをしていると明かした。先週と今週に実施したという。記者から増田とはタイプが違うのではと問われると、そもそも増田に近いタイプの相手はいないと答えた。そのうえで、センスがありサウスポーで速く、強い選手なので、いい緊張感を持って練習できると評価した。他のジムでそうした張り詰めた空気の中で練習できること自体が幸せだと話している。

この先に見据えているものを問われると、見たい景色はいろいろあるとしながらも、すべては今回の試合次第だと答えた。いつ終わるか分からない競技だからこそ、まずはこの試合だけは確実に勝ちたいという言葉で取材を締めくくった。