止まらないサイバー攻撃と個人情報漏えい:ローソン、第一興商、IDCフロンティアの被害と広がる影響
日テレNEWS2026年10月8日放送の「news zero」は、同じ日の夜に相次いで発表された個人情報漏えいと、ソフトバンク子会社IDCフロンティアへのランサムウェア攻撃による広範な障害を伝えた。番組は企業や自治体の被害状況、利用者の不安、サイバーセキュリティ企業による攻撃の観測データ、闇サイトでの個人情報の売買を順に取り上げた。
第一興商:約872万人分の情報が漏えいした可能性
この夜に明らかになった被害のうち最も規模が大きいのは、およそ872万人分の個人情報が漏えいした可能性だった。カラオケ店などを運営する第一興商によると、個人情報の取り扱いを委託している会社の従業員のパソコンがマルウェアに感染した。その結果、ビッグエコーなどのカラオケ店で会員登録された情報などが外部に漏えいした恐れがあるという。
この夜にカラオケに来ていた男性3人組は取材に対し、相次ぐ漏えいにあきれた様子で「もうどこまで漏れればいいのかな」と話した。
IDCフロンティアへのランサムウェア攻撃と495の契約先への影響
番組はこの日夕方の茨城県の会見も伝えた。県のホームページは前日から閲覧できない状態が続いていた。県民からの問い合わせが相次いだため、県は応急措置として暫定版のホームページを開設した。電子申請・届出サービス、入札関係のシステム、災害情報、観光情報など、県民が使うのに必要と考えられる情報を中心に掲載し、順次更新していくと説明した。
原因は、県がホームページの提供を委託していたソフトバンクの子会社IDCフロンティアへのサイバー攻撃である。同社によると、運営する法人向けクラウドサービスが、データを暗号化して金銭を要求するランサムウェアの攻撃を受けた。被害は契約していた495の企業や自治体に及び、ホームページが開けない、システムが止まるといった影響が広がっている。
物流への波及:ニッスイ物流と店頭の不安
影響を受けた企業の一つが、食品大手・ニッスイグループのニッスイ物流だ。商品の入荷や出荷ができない状況になっていた。
冷凍食品や魚の加工品などニッスイの製品を扱う横浜市のスーパーは、現時点で各所に問い合わせた範囲では問題はなさそうだとしている。ただし、サイバー攻撃で一部の商品の供給が止まったという報道も耳にしているため、まったく問題がないかどうかは返答を待っている段階だという。担当者は店としてできることは正直限られていると話し、メーカーや物流の段階で何とか守ってほしいと述べた。買い物に来ていた親子は、普段お弁当に使っている冷凍食品にも今後影響が出るかもしれないと聞き、困ると答えた。ニッスイグループは早期復旧に向けて対応を進めているという。
図書館や大学にも障害
影響は公共施設にも及んだ。静岡県や津市の図書館でもホームページが閲覧できない状態になった。担当者はページに到達できない状況で、いつ復旧できるかは分からないというのが正直なところだと話した。情報漏えいについては確認中としつつも、ホームページの問い合わせフォームに入力された氏名、住所、電話番号などおよそ50件の個人情報が漏えいした可能性があるという。サイバー大学でも、履修登録ページへのアクセスなどに障害が発生している。
東京・小平市のケース:原因は未確認
番組はこれとは別の事例として、東京都小平市を取り上げた。取材に応じた女性は、この日の朝8時半に市から届いたLINEを見せた。そこには、市のホームページの保守管理を委託している事業者が使うクラウド基盤サービスが第三者によるランサムウェア攻撃を受け、ホームページが閲覧できない状況になっていると書かれていた。
これがIDCフロンティアへの一連の攻撃の影響かどうかは分かっていない。市は、問い合わせフォームなどを通じて取得した個人情報が流出した可能性があるとしている。マイナンバーカードを受け取りに来た市民は、さまざまな情報が紐付けられ、それが流出したらと思うと怖くて作っていなかったという。結局は作ることになり、受け取れてよかったものの、その日にこうしたネット上の怖い話を聞くと複雑だと話した。
ローソン:215万人超の情報が流出
同じ夜、コンビニ大手のローソンも不正アクセスにより215万人を超える個人情報が漏えいしたと発表した。ローソンによると、前日にシステムの定期検査を実施したところ、先月ローソンIDとローソンアプリの予約サービスへの不正アクセスがあったことが分かった。登録されていた215万人超の氏名、住所、メールアドレスなどが流出したという。
街の利用者からは不安の声が上がった。ある人は、最近はクレジットカード情報や住所をID一つで入力できる仕組みが多く、深く考えずに入力してしまうこともあるため、便利だからこそ攻撃を受けたときに困ると話した。別の人は、これまでアプリを普通に信用して登録して使ってきたが、リスクを考えて今後は控えようと思っていると語った。
タイムズカー:免許証画像の流出と再交付の限界
タイムズカーは先月、ウェブサイトが不正アクセスを受け、登録されていたおよそ660万件の個人情報が漏えいしたと発表した。住所や氏名に加え、運転免許証の画像も含まれるという。都内の運転免許試験場などには、免許証の再交付を求める人が訪れている。
ただし警察庁によると、顔写真や番号が変わった免許証の再交付を受けても、住所や生年月日などの情報はすでに犯罪者に渡っている恐れがある。そのため、対策としての効果は限定的とみられるという。免許を受け取ったばかりの大学生は、タイムズに入ったばかりで、焼肉きんぐにも以前から登録していたと話した。どこから漏れているのかも分からず、被害者になるのはやはり怖いという。
サイバーセキュリティ企業が見る攻撃の実態
番組はサイバーセキュリティ企業を取材した。同社の画面は、日本に対するサイバー攻撃の通信が世界のどの国から来ているかを可視化したもので、中心の日本に向けて世界中から青い線が伸びていた。赤く点滅している地点が攻撃の発信元だという。同社の観測では、日本企業へのサイバー攻撃は去年10月から先月までに15億件以上あった。
攻撃数をグラフにすると、今年2月に攻撃が集中していた。担当者は、世界の注目を集める国家的なイベントが開かれると、その時期を狙って攻撃が増える傾向があると説明した。2月には衆院選があり、注目度が高いことが、政治的な主張をしたい攻撃者に都合がよいといった理由が挙げられるという。ただし担当者は、時期が重なっているようには見えるものの、相関関係は確定できるものではないと留保した。
グラフでは、今年8月から先月にかけても攻撃数が増えている。担当者は、明確なことはまだ分からないとしたうえで、攻撃の量とスピードが加速していると述べた。AIの影響について問われると、AIが攻撃に使われているという明確な証拠は必ずしもないとした。そのうえで、攻撃者もAIを使うことでスピードと量を増やしており、何らかの影響はあるとみていると答えた。
闇サイトで売られる免許証画像
漏れ出た個人情報の行き先の一つが闇サイトである。運転免許証の画像などが売買されるケースがあるという。取材班は、匿名性が高く一般的な検索では出てこない闇サイトを調べた。中国語で書かれた過去の投稿には運転免許証の画像がずらりと並び、「日本の免許1000枚」とあった。値段は122ドル、日本円でおよそ2万円で、1枚あたりわずか20円ほどになる。偽造されたものか本物かは分からないという。
政府の対応
不正アクセスによる情報漏えいが相次いでいることを受け、この日は警察庁や防衛省など29の組織が集まる関係省庁会議が開かれた。政府は、個人情報を扱う事業者にセキュリティ対策の強化を要請していくとしている。
今夜明らかになったのは、およそ872万人の個人情報漏洩の可能性。カラオケ店などを運営する第一興商は、個人情報の取り扱いを委託している会社の従業員のパソコンがマルウェアに感染。ビッグエコーなどのカラオケ店で会員登録された情報などが外部に漏洩した恐れがあると発表しました。
今夜歌いに来た男性3人組は。「ビッグエコーさんで会員登録とか、そういうのはあるんですか?」
「なんかもう一度終わるのみ感じですよ。もうどこまで漏れればいいのかな」
止まらないサイバー攻撃や個人情報の漏洩。今日夕方、会見を開いた茨城県。
「発生いたしました。復旧に向けて、暫定版のホームページを開設いたしましたので、本日はそのご報告をさせていただきます」
昨日からホームページが閲覧できない状態になっていました。
「あ、本当だ。現在いただけばなってるんですよ」
県民からの問い合わせも相次いだため、応急措置として仮のホームページを作ったということです。
「電子届け出サービスですとか、入札関係のシステム、それから災害情報ですとか観光情報、県民の方々がお使いいただく、必要と思われる情報を中心に掲載いたしまして、これから順次更新を進めてまいりたいと考えてございます」
となったのは、ホームページの提供を委託していたソフトバンクの子会社、IDCフロンティアが受けたサイバー攻撃です。
IDCフロンティアによると、運営するクラウドサービスが、データを暗号化し金を要求するランサムウェアの攻撃を受けたといいます。企業など法人向けにサービスを行っているこのクラウド。被害は契約していた495の企業や自治体に及び、ホームページが開けない、システムの停止など、影響が広がっています。
その1つが食品大手ニッスイグループのニッスイ物流。商品の入荷や出荷ができない状況になっていました。食卓に迫るサイバー攻撃の影響。冷凍食品や魚の加工品など、ニッスイ製品を取り扱っている横浜市のスーパーでは。
「現段階では一応、問い合わせを各所の方にしたところ、問題はなさそうではあるんですけども、やっぱりサイバー攻撃で一部、商品の供給がストップという報道も耳にはしてるので、全く問題がないかっていうところは返答を待ってるという状況にはなっております」
買い物に来ていた親子は。「冷凍食品はあります」
「もしかしたら、お弁当に普段使ってるものも今後影響が出てくるかもしれないというところですが、どうでしょう」「困ります」
「店としてなかなかできることっていうのも、正直限られてる分ではありますので、大元のメーカーさんなり、物流のところでなんとか守ってもらいたい」
ニッスイグループは早期復旧に向け対応を進めているということです。影響はこんなところにも。
「ページの方に到達ができないっていうような状況になっております。いつ復旧できるかというのが、分からないというのが正直なところです」
静岡県焼津市の図書館でもホームページが閲覧できない状態に。情報漏洩については確認中だといいますが、ホームページの問い合わせフォームに入力された氏名や住所、電話番号など、およそ50件の個人情報が漏洩した可能性があるということです。また、サイバー大学も履修登録ページへのアクセスなどに障害が発生しているとしています。
サイバー攻撃の被害はこれだけではありません。女性が見せてくれたのは、東京・小平市から届いたLINE。
「これが今日の朝8時半に届いた。現在、市ホームページの保守管理を受託している事業者が使用するクラウド基盤サービスが、第三者によるランサムウェア攻撃を受け、ホームページの閲覧ができない状況が発生しています」
一連のIDCフロンティアへのサイバー攻撃の影響かは分かっていませんが、小平市のホームページがランサムウェアの攻撃を受け、閲覧できない事態に。さらに、問い合わせフォームなどを通じて市が取得した個人情報が流出した可能性があるというのです。
マイナンバーカードを受け取りに来た市民は。
「紐付けられて、いろいろ、もしそれが流出したらって本当怖くてやってなかったんですけど、いろいろ仕方なく作ることになって。受け取れてよかったけど、そういう日にこういうまたネット上の怖い話聞くと、複雑ですけど」
また今夜、コンビニ大手ローソンは、不正アクセスを受け、215万人を超える個人情報が漏洩したと発表しました。ローソンによると、昨日システムの定期検査を実施したところ、先月ローソンIDとローソンアプリ予約に不正アクセスがあったことが判明。ローソンに登録されていた215万人を超える氏名、住所、メールアドレスなどが流出したということです。
相次ぐ企業へのサイバー攻撃や情報漏洩。
「クレジットカードとか住所とか、PSIDで打てちゃうみたいな、最近結構あると思うんですけど、何も考えずに入力とかをしちゃうこともあったりするので、便利だからこそ、そういう攻撃を受けた時に困っちゃうな」
「これからは登録できないかなと、ちょっと心配なんでね。今までは結構アプリ使って、使ってましたね。普通に信用して登録してましたけど、リスクの面で、ちょっとこれからはよそうと思ってます」
タイムズカーは先月、ウェブサイトが不正アクセスを受け、登録しているおよそ660万件の個人情報が漏洩したと発表しました。住所や氏名などのほか、運転免許証の画像も含まれるといい、都内の運転免許試験場などには免許の再交付を求める人が訪れているといいます。
ただ、警察庁によりますと、顔写真や免許証が変わった免許証の再交付を受けたとしても、住所や年などの情報は犯罪者に渡っている恐れがあり、対策としての効果は限定的だとみられるということです。
今日、免許を取ったという大学生は。
「自分もちょうどタイムズは入れたばっかで、焼肉きんぐも元々入っててみたいな感じで、どこに漏れてんのかも分かんないし、被害者ってなっちゃったらやっぱ怖いなっていうのは」
「具体的にお願いします」
今夜、zeroはサイバーセキュリティを行う会社へ。
「こちらは何ですか?」「こちらは、日本に対するサイバー攻撃の通信が、世界中のどの国から来ているかということを表現したものになっています」
青い1つ1つ。画面の中心にあるのが日本。そこに目がけて世界中から伸びてきている青い線は、サイバー攻撃を可視化したものだといいます。赤く点滅しているのは攻撃の発信元だということです。
「世界中から、日本に対しての攻撃を受けている」
そして。「この数字は何ですか?」「観測をした日本企業に対するサイバー攻撃の件数を集計したものになって」
去年10月から先月までに15億件以上のサイバー攻撃が観測されていました。一方、こちらは攻撃数をグラフ化したもの。今年2月に攻撃が集中していることが分かります。
「何か理由があるんですかね?」「国家的なイベントですね。世界中の注目を集めるようなイベントが開催されると、その時期を狙ってサイバー攻撃が増えて」「今年の2月っていうと何があったか?」「衆院選です」
世界中から注目されるため、政治的な主張をしたい攻撃者にとって都合がいいなどの理由があるといいます。
「その時期と被っているかなっていう気がいたしますけれども、その相関関係は、ちょっと確定できるものではないかなと」
さらにグラフをよく見ると、今年8月から先月にかけて攻撃数が増えてきているのも分かります。
「明確なことはまだ分かりませんけれども、サイバー攻撃の量とスピードが加速してきていると」
「AIの影響などはあるんでしょうか?」「はい。必ずしもAIが攻撃に使われているという明確な証拠はありませんけれども、攻撃者もAIを使うことによって、スピードと、これを増えているということは、何らかの影響はあるというふうに見ています」
今この瞬間も行われているサイバー攻撃により、日本から漏れ出る個人情報。その行き先の1つが闇サイトです。運転免許証の画像などが売買されるケースがあるといいます。私たちは匿名性が高く、一般的な検索では出てこない闇サイトを取材。中国語で書かれた過去の投稿には。
「あ、免許証の画像がありますね」
ずらっと並んだ運転免許証の画像。
「日本の免許1000枚と書いてあります。これ値段見ると、122ドルで売られてるんですね」
偽造されたものか本物かは分かりませんが、大量の免許の画像が日本円でおよそ2万円。1枚あたりわずか20円ほどで出品されていました。
不正アクセスによる情報漏洩が相次いでいることを受け、今日一室に集まったのは警察庁や防衛省など。29組織による関係省庁会議が開かれました。
「大変な状況となっております」
個人情報を扱う事業者に対して、セキュリティ対策を強化するよう要請していくということです。サイバーセキュリティ。
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