簗農水相、改正家畜伝染病予防法による初の公表を報告 予算問い合わせ問題や熊本出張時の発言で質問相次ぐ

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概要

簗農林水産相は閣議後の記者会見で、改正家畜伝染病予防法に基づく外国食材店への立ち入り検査の結果を、初の公表事例として報告した。質疑ではコメ価格の見通しも問われたが、質問の大半は大臣自身をめぐる問題に向けられた。地元自治体の道路予算について国土交通省に問い合わせた件、シャトルバスの無料送迎をめぐる週刊誌報道、熊本出張時の発言などである。会見は本会議の日程があるため午前9時45分までと区切られ、終了間際には質問を続けようとする記者と司会側とのやり取りもあった。

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改正家畜伝染病予防法に基づく初の廃棄・公表

大臣は冒頭、1件の報告を行った。本年7月に施行された改正家畜伝染病予防法には、家畜防疫官による食品販売店への立ち入り検査、違反畜産物の廃棄、農林水産大臣による公表などが新たに盛り込まれた。

この規定に基づき、家畜防疫官は9月29日、茨城県古河市のアジア食材店に立ち入り検査を行った。その結果、日本への輸入が認められていないベトナム産の鶏肉製品と、インドネシア産の牛肉と鶏肉を混ぜたソーセージなどが販売されていることを確認し、これらを廃棄した。大臣によると、家畜の伝染性疾病の発生予防とまん延防止の観点から広く注意喚起を行う目的で、輸入禁止品の廃棄と店舗名などを公表することにした。法改正後に廃棄と公表を行うのはこれが初めてとなる。当日中にプレスリリースを出し、事務方が記者向けの説明会も開くとした。

背景について大臣は、アジア各国をはじめ海外でアフリカ豚熱などの家畜伝染病が続いて発生していると説明した。輸入検疫を適切に受けずに持ち込まれる肉製品が増えており、国内への侵入リスクは高いという認識を示した。今後も関係省庁や自治体と連携して立ち入り検査を的確に行い、周知と注意喚起を通じて侵入防止を徹底していく考えを述べた。

2:57

コメ価格の見通しへの受け止め

最初の質問は、コメの価格見通しについてだった。公益社団法人米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が前日に公表した調査では、向こう3か月の価格見通しが28となり、12か月連続で節目の50を下回った。記者は、生産者の間で今後価格が急落するとの見方が強まっていると指摘し、受け止めを尋ねた。

大臣は、10月8日に公表された9月分の調査結果の数値を挙げた。基準値50に対し、需給は現状16、向こう3か月19で、いずれも緩和傾向とされた。価格は現状32、向こう3か月28で、低下傾向とされている。大臣はこうした見通しが続いていることに留意し、引き続き需給と価格の動向を注視するとした。今後の需給安定に向けては、令和9年を見据え、需要拡大も含めてコメに関わるすべての関係者が強い危機感を共有し、需要に応じた生産を徹底できる環境を整えたいと述べた。価格が急落するかどうかについて、大臣自身の見通しは示さなかった。

4:23

那須烏山市・那珂川町の道路予算をめぐる問い合わせ

続いて記者は、地元の那須烏山市と那珂川町の道路予算をめぐる問題を取り上げた。記者の認識では、4月7日に令和8年度予算が成立した後、当時の国交副大臣だった佐々木氏(現・首相補佐官)から簗大臣に、両自治体への予算配分額の報告があった。一方で佐々木氏は前日、両自治体について「単独の予算は減っているが、トータルでは増えている」と説明している。記者は、なぜ両自治体単独の予算を確認する必要があったのかと質問した。

大臣は、地元から問い合わせがあったことを受けて国交省に問い合わせたと答えた。そのうえで、問い合わせたのは「道路予算」についてだけであり、県事業か市町事業かといった区別を意識して尋ねたことはないと思う、と説明した。説明を受けた内容のうち市事業・町事業の部分を、5月の支部の総会で発言したという経緯だと述べた。

記者はさらに、自民党の松山参院議員会長が前日の会見で「国会審議に影響があってはならず、簗大臣には国民の理解と納得が得られる説明を果たすことが大事だ」と述べたことを挙げ、十分な説明ができていると考えるかを尋ねた。大臣は、5月の発言に対するさまざまな指摘を厳粛に受け止めているとしたうえで、誠心誠意説明に努めてきたつもりだと述べた。そうした意見も真摯に受け止めて引き続き対応し、前日の衆参本会議で首相が答弁したとおり、しっかり説明して職責を全うしていく考えを示した。国会審議への影響はないと考えるかという追加の質問には、真摯に丁寧に説明して対応するとだけ答え、影響の有無には直接触れなかった。

6:59

シャトルバス無料送迎をめぐる報道

別の記者は、シャトルバスによる無料送迎の問題について質問した。週刊誌報道で法令違反の指摘が出ており、大臣はこれまで取材に対し「法令にのっとり適正に処理している」と答えていた。記者が具体的な対応を尋ねると、大臣は報道を承知しているとし、適正に処理しているとの認識をあらためて示した。そのうえで、指摘を受けているため現在事実関係を確認していると説明した。

無料で送迎したという事実自体はどうなのかと重ねて問われても、大臣は事実関係を確認しているところだと繰り返し、肯定も否定もしなかった。来週から始まる予算関連の審議で問われる可能性を念頭に、あらためて説明の場を設ける考えがあるかと聞かれると、事実関係を整理でき次第説明したいと答えた。

8:16

他省庁への問い合わせや「働きかけ」の有無

TBSテレビの記者は、首相が前日の国会で調査について否定したことに触れ、選挙後に国交省以外の省庁にも自治体の予算に関する問い合わせをしたことはないのかと確認した。大臣はまず、どのような内容の問い合わせを指すのかを聞き返した。そのうえで、日々の政治活動の中でさまざまな省庁といろいろな形でやり取りはしていると認めた。個々の問い合わせについて明確な記憶はないとしつつ、予算を減額するよう働きかけたことは一切ないと強調した。

同じ記者は、週明けに那須烏山市で臨時議会が開かれ、大臣に対する決議が付される見通しだと報じられていることへの受け止めも尋ねた。大臣は報道は承知しているが、実際に決議されるのかも含めて内容を把握していないとし、内容についてはしっかり受け止めたいと述べた。

別の記者からは、党支部での発言以外に、国交省や国に対して「こちらは進めて、あちらは進めなくていい」といった趣旨の働きかけを予算や道路事業で行ったことはあるかとの質問も出た。大臣は「一切ない」と答えた。自民党の会議で鈴木議員から説明責任を果たすべきだとの指摘があったことについても問われ、そうした意見を真摯に受け止め、説明をしっかり行うと述べた。

11:05

熊本出張時の「記者」をめぐる発言

週刊誌報道に関連して、熊本出張の際に地元自治体の首長に対し、「クソみたいな質問してくる記者を連れてきてしまい、すみません」という趣旨のことを言ったと書かれている点について、記者が事実関係を尋ねた。

大臣は、どういうやり取りがあったかを明確には覚えていないとした。そのうえで自身の認識として、面会の場で自分の個人的な政治活動に関することで相手の時間を取らせてしまったことについて、申し訳なかったという趣旨を伝えたと説明した。

会見の終盤、別の記者がこの点を再び取り上げ、報道された表現を使ったのは事実なのかと迫った。司会側が時間切れを告げる中、大臣は、自分のことで時間を取らせて申し訳なかったという話をした記憶はあるが、どのような表現だったかは覚えていないと答えた。報じられた言葉を使ったかどうかについて、肯定も否定もしなかった。

12:08

参院農水委員会の所信聴取と国会への影響

参院農林水産委員会で立憲民主党が所信聴取に応じない意向を伝えていることについても質問があった。記者が、大臣は先ほど国会審議に影響はないと述べたと前置きすると、大臣は「影響はないとは申していないと思う」と訂正した。そのうえで、国会の運営について行政の立場から申し上げることはできないとし、意見を真摯に受け止めて丁寧に対応したいと繰り返した。

12:51

「箇所付け」という表現について

司会が会見の終了を告げると、記者から「まだ5分ある」と声が上がり、大臣の控室への移動時間を理由に、あと1問だけ受け付けることになった。

最後の質問は、大臣が自身の政治活動報告の書面に「箇所付けを私がしてきた」と書き、Facebookでも「私の箇所付けシリーズ」と題して投稿している点だった。記者は、箇所付けに介入しているとも受け取れる表現ではないかと問うた。大臣は、これは表現の問題だと答えた。他党も含めておそらくどの議員も「この事業をやりました、実現しました」といった報告をしているという認識を示し、表現にはいろいろな形があるが、箇所付けに介入したという意味ではないと説明した。

会見はこの回答と、前述の熊本出張時の発言に関する再質問への答えで打ち切られた。予算をめぐる問い合わせの経緯、無料送迎の事実関係、熊本での具体的な発言内容は、いずれも大臣が「確認中」または「記憶にない」とした部分が残ったまま終わった。