マツコ・デラックスさんが渋谷署の一日警察署長に 「偽警察詐欺」と闇バイトの手口を学ぶ

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概要

東京・渋谷で特殊詐欺と闇バイトの被害防止を呼びかけるイベントが開かれ、マツコ・デラックスさんが警視庁渋谷警察署の一日警察署長を務めた。会場では、渋谷署の担当者が管内で特に多い「偽警察詐欺」の手口や闇バイトの勧誘の特徴を説明し、マツコさんが自身の体験も交えて「とにかく疑うこと」を繰り返し訴えた。

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渋谷署管内で多発する偽警察詐欺

冒頭で渋谷署の担当者は、管内でも特殊詐欺が多く発生しており、なかでも多いのが偽警察詐欺だと説明した。被害者は高齢者に限らず、20代、30代、40代といった若い年齢層も騙されているという。典型的なのは「あなたの通帳や銀行口座が犯罪に使われている」と告げ、相手を信じ込ませて金を振り込ませる手口だ。

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マツコさん自身も「乗っかりそうになった」

登場したマツコさんは、自分にも身に覚えがあると話した。首の手術を受けた直後に体調を気遣うような連絡が来ると、知り合いかもしれないと思ってしまい、マネージャーに「どう思う」と相談したことがあるという。普段ならすぐに「これは違う」と分かるものでも、タイミングが合うと乗っかってしまいそうになることがある、とマツコさんは振り返った。そのうえで、ただコスプレをしに来たと思っている人もいるかもしれないが、今回は本気で来ている、と強調した。

任命を受けたマツコさんは、一日警察署長はやらせてもらえないだろうとずっと思っていたと明かした。前年に別の人が滋賀県で一日署長を務める姿を見て、自分の中に湧き上がるものを感じていたといい、声をかけてもらって「天にも昇るような思い」だったと語った。一生に一度の経験として、しっかり務めたいと述べた。

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「大体の電話は聞かなくていい」

司会からは、分かっているつもりでもいざという時にどうすればよいかを自分のこととして捉えてほしい、という呼びかけがあった。これに対しマツコさんは、電話の大半は聞かなくていいと思うと答えた。本当に必要な用件であれば、もう一度かかってくるはずなので、何の電話か分からなければまず無視するのが一番だという。

さらに、会場に「人の良さそうなおばちゃん」がたくさん来ているが、犯人はそういう人の良さにつけ込んでくると冗談交じりに注意を促した。誰からか分からなければ切る、よく分からなければ無視する、自分たちのレベルではそれしか方法がない、というのがマツコさんの考えだ。

メールについても同様で、詐欺のメッセージは無作為に送られているのだろうが、自分にとって都合のいいタイミングで届くと、人間は「もしかして」と思ってしまう。本当にその人からの連絡なら、もう一度連絡が来るはずなので、すべてのメールを疑うくらいでちょうどいい、いつもと雰囲気が違うと感じたらそのまま返信しないことだ、とマツコさんは述べた。

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都内の被害額は282億円

続いて、前年の東京都内の特殊詐欺被害額を当てるクイズが出された。「3桁」というヒントに対し、マツコさんは、3桁と言われると後半の数字を期待してしまうし、もし900億円と答えて実際は300億円だったら「意外と少ない」という印象になってしまう、と数字の受け止め方の難しさを指摘した。300億円と答えたところ、正解は282億円だった。

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海外拠点に「警察のセット」 劇場型の手口

担当者は、前年から被害が大きく増えているのが偽警察詐欺だと改めて説明した。マツコさんはこの手口を知っていたといい、海外に拠点を置く詐欺集団のアジトを現地の警察が捜索したところ、日本の警察の取調室や会議室のようなセットが組まれていたというニュースを紹介した。

担当者はこれを「劇場型」と呼ばれるパターンだと説明した。電話に出た人から個人情報を聞き出しながら、LINEなどのSNSやトークアプリに誘導し、ビデオ通話で偽物の警察手帳などを見せて相手を追い詰めていくという。マツコさんは、本物の警察が警察施設の中からテレビ電話をかけてくることは絶対にないと念を押した。

マツコさんはまた、この手口はこれまでの特殊詐欺の傾向とは真逆で、現役世代が騙されていると指摘した。担当者も、現役世代がターゲットになっており、社会的な状況を考えると偽警察詐欺には引っかかりやすいと述べた。マツコさんは、高齢者はそうしたことを言われても身に覚えがない人のほうが多いだろうが、若い人は「もしかしたら自分かも」となりやすいのではないか、という見方を示した。

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「保釈金」名目の要求も

担当者によると、犯人は相手を不安にさせて信じ込ませた後、「マネーロンダリング捜査のためにあなたの口座を確認しなければならない」「逮捕を逃れるために保釈金が必要だ」などと言って金銭を要求してくる。マツコさんは、警察が金品を求めてくることは絶対にないと応じた。

そのうえで、注意すべき点として次の3点が示された。

  1. 警察官がLINEなどのSNSやトークアプリを使って連絡を取ること
  2. 警察手帳や逮捕状などを、LINEなどのSNSやトークアプリを通じて提示すること
  3. 警察がマネーロンダリング捜査や保釈金の名目でお金を要求すること

担当者は、これらを警察がすることは絶対にないと断言した。マツコさんは、よほどのことがなければそもそも警察から電話がかかってくること自体がなく、かかってきたとしてもこうした用件ではない、金品などありえないと整理した。ただ、分かっていても急にかかってくれば焦るものだとも認めたうえで、会場に向けて「そんな焦らなきゃいけないような生き方してきましたか?」と問いかけ、自分の人生に自信を持ってほしいと呼びかけた。

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闇バイトの勧誘は求人サイトにも

話題は、特殊詐欺と深く関係する闇バイトに移った。担当者によると、闇バイトの入り口はInstagramやXのほか、求人サイトにもあり、「誰でも簡単に稼げる」「隙間時間に高収入」「運ぶだけ」といった文言で募集されているという。

マツコさんは、求人サイトに載っていることに驚き、そこにあればまず信じてしまうと述べた。本当に困っている時は思考能力が落ちてしまう部分もあるが、世の中にそんなうまい話はない、皆さんも苦労してきたから簡単にお金を稼げないことは分かっているはずだと話した。一方で、分かっていても本当に困っていると焦ってしまうものだ、とも付け加えた。

担当者も、病気や怪我で困っている時などに、うまくはまり込んでくると説明した。そのため、分かっていることでも普段から耳に入れ、人と話しておくことが、日頃からみんなでできる対策ではないかと述べた。

マツコさんが、こちらが把握したつもりでも犯人は次々と新しい手口を使ってくると言うと、担当者はこれからはAIなども使ってくるだろうと応じた。マツコさんは、本物の人だと思って話していたらAIだったということも最近はあると述べ、「悲しい」としながらも、だから全員を疑えばいいと繰り返した。

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防犯アプリ「デジポリス」

最後に、警視庁の防犯サポートアプリ「デジポリス」が紹介された。マツコさんは、これまでの話に共通するのは、周りに人がいないから騙されてしまう面があることだとし、事情があってすぐに相談できる家族や親戚、友人がいない場合にはこうしたアプリが役立つと評価した。

担当者の説明では、デジポリスでは都内の自分が住む町や身近な町を設定し、その町でどのような犯罪が起きているかを知ることができる。電車内などで痴漢被害に遭った場合には、助けを求めるメッセージを表示したり、音声を発したりする機能もある。

特に設定してほしいとされたのが国際電話のブロック機能だ。担当者によると、特殊詐欺の入り口となる電話の多くは現在、国際電話を使って固定電話だけでなく携帯電話にもかかってきている。この機能を設定すると、国際電話だけでなく、犯罪に利用されている電話番号からの着信もブロックできるという。

マツコさんはデジポリスを知らなかったと話し、特に痴漢対策の機能に関心を示した。被害に遭っている時は声を上げたり行動に移したりするのが難しく辛い状況なので、さっと見せられるのはいいと述べた。担当者は、周囲の人が痴漢に遭っている人に対して「痴漢に遭っていませんか」という表示を無言で見せることもできると説明した。マツコさんは、警察のアプリでやりとりしている様子を後ろにいる加害者に見せるだけでも相当な効果があるのではないかと述べ、担当者もその通りだと応じた。