箱根や小田原で野生のニホンジカが増加、ゴルフ場・道路・ミカン畑で被害が相次ぐ

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概要

神奈川県で野生のニホンジカが増え、観光地の箱根や小田原市の農地で被害が目立っている。日本テレビ「news every.」の特集は、住民の暮らし、ゴルフ場の営業、夜間の道路、山の植生、ミカン農家の収穫にシカがどう影響しているかを取材し、自治体と猟師が進める捕獲の現状も伝えた。

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観光地・箱根の住宅地に現れるシカ

番組が最初に取り上げたのは、年間2000万人以上が訪れる関東有数の観光地・箱根である。箱根町では野生のニホンジカが住宅のすぐ近くまで来るようになっている。

3年前に箱根町へ移住した夫婦は、カーテンを開けたらシカがいて、こんなに近くまで来るのかと驚いたと話す。ただ、角のあるシカが入ってくると怖くて近づけないという。町に70年住んでいる住民は、シカが最近一気に増えたと感じており、シカの体にノミなどの虫がたくさん付いていることを厄介だと話した。番組は、シカに付いたマダニに人がかまれると感染症を起こすことがあり、重症化すると死に至るおそれもあると伝えている。

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ゴルフ場の芝が荒らされる

創業72年のゴルフ場では、シカが営業に支障を出している。取材班は、シカの目撃が多い午前6時の巡回に同行した。コース内で親子とみられる3頭のシカが見つかり、シカはそのままコースの中を走り抜けた。

スタッフによると、シカが走ってブレーキをかけて止まると、その場所の芝が大きく傷つく。荒らされた芝を直す日々が続いているという。このゴルフ場は以前から敷地全体をフェンスで囲っていた。しかし先月の大雨と強風で倒木が何か所かで起き、フェンスが倒された。シカはそのときに入り込んだと担当者は説明している。

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生息域の拡大と捕獲数

環境省や神奈川県によると、ニホンジカは県西部や伊豆半島の山から生息域を広げているとみられ、現在は県内の多くの市町村で出没している。県は昨年度におよそ3900頭を捕獲した。それでもシカは繁殖力が強く、数は増え続けており、正確な頭数はつかめていないという。

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夜の道路での衝突

シカは夜に特に活発になる。夜間の取材では、逃げずにこちらをじっと見つめた後、ゆっくり林の中へ歩いていくシカの姿が映された。移動中には、道の真ん中に3頭のシカがいる場面や、車のすぐ前をシカが横切る場面が何度もあった。

夜の運転中にシカとぶつかった住民もいる。この住民は、気づいたときにはもう目の前にシカがいて、ドスンと衝突したと振り返る。シカの体はアスファルトの色に溶け込んで見えにくく、それが怖いと話していた。

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植生の変化と土砂災害の懸念

シカはあらゆる植物を食べ、特に柔らかい若葉などを好む。番組はこの食害による環境への影響も取り上げた。取材に応じた関係者は、このあたりの植物はシカが全部食べていて、植生がどんどん変わっていると話す。現地では、地面からシカの首の高さまでの植物が何も残っていない場所があった。

この関係者は、シカが植物を食べ尽くすと土砂災害のリスクが高まるおそれがあると指摘する。地表を覆う植物がなくなると、雨が直接土に当たりやすくなる。その結果、土が流れて土砂災害が起こることが考えられるという説明である。

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ミカン農家の収穫が半減

番組が最も深刻な問題として伝えたのは、農作物への被害である。小田原市のミカン農家では、枝が折られ、根元から引っ張られたような跡があった。農家によると、シカは実がつく前に葉を食べてしまう。葉を食べられると、その木では実が育たなくなる。

この農家では、去年のミカンの収穫量が半分に減った。農家は、葉っぱが何もなくて本当にがっかりした、今までこんなことはなかったのにという気持ちだったと話している。

神奈川県全体では、昨年度のシカによる農作物の被害額がおよそ3000万円で、過去5年で最も多かった。

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小田原市と猟師による捕獲の強化

小田原市は地元の猟師と協力し、わなを増やすなどして対策を強めている。猟師は、1日に3頭かかることもあり、この2年でシカは圧倒的に増えていると感じていると話す。

わなを設置して2日後、先ほどのミカン園の周辺に仕掛けたわなには、体長およそ150センチのオスのシカがかかっていた。ミカン農家は、ほっとした、本当にありがたいと話した。

神奈川県は今後も計画的にニホンジカを捕獲していく方針だ。ただ、県によると正確な生息数はわかっておらず、捕獲を続けてもシカは増え続けているのが現状である。