南沙良、初アフレコは「穴があったら入りたかった」 長谷川育美が語る現場での助言と声への評価
oricon映画『GROTESQQQUE -グロテスク-』の完成披露上映会の舞台挨拶で、収録作品の一つ『夜露死駆★少女』からステラ役の南沙良と、名無し役の長谷川育美が登壇した。アニメ好きを公言する俳優の南は、今作が初のアフレコである。トークでは、慣れない台本への戸惑い、声優への敬意からくる恥ずかしさ、そして現場で長谷川から受けた具体的な助言が語られた。
ドラマや映画とは違うアニメの台本
出演が決まったときの気持ちを聞かれた南は、もともとアニメがとても好きなので嬉しかったと答えた。ただ、台本を読んで驚いたという。普段読んでいる映画やドラマの台本とは書き方がかなり違い、どう読めばいいのか分からないまま読み進めたと振り返る。
長谷川は、アニメの台本ではカットごとにト書きが入るのだと補足した。南によれば、普段の台本ではそうした区切りがなく、全部が一続きに書かれているため、その違いを難しく感じたという。
「自分の声が好きではない」南の初アフレコ
初めてのアフレコについて、南は、もともと自分の声が好きではなく、さらに声優への強い敬意があるため恥ずかしかったと語った。「穴があったら入りたかった」と、そのときの気持ちを表現している。
一緒に収録した長谷川は、南が恥ずかしがっていたとはまったく気づかなかったという。マイクの前に堂々と立っていたので分からなかった、と長谷川は話した。
長谷川育美が台本から受け取った『夜露死駆★少女』
長谷川は、台本と資料を受け取ったとき、どんな物語や世界観で、どんなキャラクターに出会えるのかとワクワクしながら開いたという。『夜露死駆★少女』は最初から「なんだこの世界観」と驚かされる作品で、その独特な世界観にすぐ引き込まれたと話す。
長谷川によれば、この作品は3作品の中でもスピード感があり、キャラクターの数も多く、一人ひとりの個性も際立っている。いい作品だと感じる一方で、自身が演じる名無しはミステリアスな役どころである。そのため、作品のスピード感に流されず、名無しが登場する場面ではどっしりと存在感を出し、説得力のある表現をしなければならないと最初に強く思ったという。
上映後の舞台挨拶だったため、観客は内容について話したいことがあるだろうと司会が水を向けた。長谷川は、報道陣が入っているので全部は言えないとしたうえで、心では観客とつながっているはずだと応じた。
現場での助言「語尾を伸ばすと力強く聞こえる」
収録現場の様子を聞かれた南は、長谷川の「背中が大きく見えた」と答えた。長谷川は冗談めかして社交辞令ではないかと返したが、南はこれを否定した。
教わることもあったのかという質問に、長谷川は自分が教えられることなどないと謙遜した。それに対して南は、教えてもらったと具体例を挙げた。ある場面で長谷川が「語尾をもうちょっと伸ばすと力強く聞こえますよ」と言ってくれ、それに助けられたという。
長谷川はこのやり取りを受けて、現場での自分の考えを説明した。南のことはドラマで見ていたので、役者として芝居は絶対に大丈夫だと分かっていた。ただ、アフレコとなると勝手がまったく変わる。自分は後輩に色々とアドバイスできるタイプではないので、マイク前での姿で何か見せられればいいと思いながら現場にいたという。そのため、南の言葉はとても嬉しいと話した。
長谷川が評価した南の声と「ここ使ってください」
長谷川は、南が自分の声を好きではないと話したことにも触れた。長谷川はドラマを見ていた頃から、南の声を個性的で素敵だと思っていたという。感じ方は人それぞれと断ったうえで、ほの暗さの中にあどけなさも入った個性のある声で、ステラにとても合う声質だと現場でも感じていたと述べ、「素晴らしい声です」と評した。
これを聞いた南は喜び、報道陣に向かって「ここ絶対に使ってください」と繰り返し呼びかけた。
アニメの中に自分の声が重なる不思議さ
アニメが好きで声優に敬意を持つ南にとって、その世界に入ることには緊張もあったのではないかと司会が尋ねた。南は、アニメの中のキャラクターに自分の声が重なる瞬間は想像していなかったからこそ、とても不思議な感覚だったと答えた。完成した映像を観る試写のときも恥ずかしかったという。
長谷川も、その感覚には覚えがあると共感した。声優でも最初の頃は自分の声が浮いて聞こえ、戸惑う時期があったという。南もそういう感覚だったのではないか、と長谷川は話した。
最後に、楽しんでアフレコできたかと聞かれた南は、おかげさまで楽しめたと答え、素晴らしい先輩に教えてもらったと長谷川への感謝を口にした。
夜露死駆★少女よりステラ役、南沙良さんです。お願いします。
こんばんは。南沙良です。本日はお越しいただきありがとうございます。短い時間にはなるんですけど、たくさん楽しくお話できたらと思っています。夜露死駆お願いいたします。
お願いいたします。ありがとうございます。続いて同じく夜露死駆★少女より名無し役、長谷川育美さんです。お願いします。
名無し役の長谷川育美です。今日は本当に各作品の出演者の皆さんと集まれてとても嬉しいです。短い時間ですが、どうぞ夜露死駆お願いいたします。
ありがとうございます。一番最初にご出演が決まった際のお気持ちですとか、本作オリジナルのアニメーションということで、作品の内容、また読まれた時の感想も伺いたいなと思います。南さんはお話決まった時はいかがでした?
そうですね。嬉しかったです。元々アニメがすごく好きなので嬉しかったんですけど、その脚本を、台本を読ませていただいた時に、普段読んでる映画とかドラマとかの台本となかなか違うんですよ。
ですよね。違いますね。出たこと……すいません、ドラマには。
違くて、すごくどうやって読むんだろうと思いながら読みましたね。驚きました。
アニメーションだと、秒数とかも入ってたり、またちょっとト書きの書き方……。
秒数は入ってないですけど、カットごとにト書きが出てって感じですね。
そうですね。いつもだと全部一緒なんですよ。ダーッて書いてあるから。難しいなと思いましたね。
なるほど。今回、南さん初アフレコになりましたよね。
そうですね。
どうでした?
もう本当に自分の声も元々好きじゃないですし、やっぱり声優さんにものすごくリスペクトがあるので、恥ずかしかったですね。
恥ずかしさがあったんですね。
穴があったら入りたかったです。
そんな気持ちでアフレコしてたんですね。一緒に長谷川さん、アフレコしたわけですもんね。
そうですね。まさか恥ずかしがっていたとは思わなかったんですけど、でもすごい、もう立派に堂々とマイク前に立たれていたので、全然わからなかったです。
長谷川さんはお話来た時いかがでした?
そうですね。最初お話いただいて、台本と資料いただいた時に、どんな物語、世界観で、どんなキャラクターに出会えるのかなって、すごくワクワクしながら台本を開かせていただいたんですけど、私は出演したのが夜露死駆なので、もう最初から、なんだこの世界観っていうすごく驚きもあったし、その夜露死駆の独特な世界観にすぐに引き込まれた感覚がして。
やっぱりすごくこの三作品の中でもスピード感もすごくある作品だし、皆さん見ていただいたと思うんですけど、キャラクターもすごくいっぱい出てきて、そのキャラクターの一人一人の個性もすごく際立っている作品だったので、そこがすごくいい作品だなと思いつつも、逆に私はその名無しという役柄というところで、結構ミステリアスな役どころだったので、このスピード感に流されず、やっぱり名無しが出てくるシーンではどっしりと存在感をちゃんと出して、説得力のある表現をしていかなきゃいけないなっていうことを最初すごく思いました。
今日見終わった後なんでね、いろいろ話したいことも、皆さん多分ニヤッとしてると思うんですけど、ちょっとマスコミさんが入ってるんで。
そうです。言えないんですよ、全部はちょっとね。でも心ではきっと皆さんと繋がっているかなと思います。伝わっているはずです。
ありがとうございます。夜露死駆★少女、お二人、南さん、長谷川さんはアフレコどんな感じでした?
ねえ。
何の「ね」だろう? 本当にもう背中が大きく見えました。
本当?
はい。
物理的にじゃない? それ。
違う違う違う違う。
教わったりもしながらやってたわけですかね。
え、ですか?
教わったりもしながらやってたんですか?
全然、そんな私、教えられることなんてって思って。
教えてくださいましたよ。
教えましたっけ?
教えてくださいました。
教えた。
この場合は、語尾をもうちょっと伸ばすと力強く聞こえますよっておっしゃってくれて。
そう、そう。
助かりました、本当に。
良かった、そういうことができていたら。やっぱりもちろん私も南さんはドラマの方で拝見していたのもあったので、役者さんとしてもちろんプロなので、お芝居っていうところはもう絶対大丈夫なのは分かってるんですけど、やっぱりアフレコってなると全く勝手が変わってくるから。
私もあんまり後輩とかにもいろいろアドバイスできるような人じゃないので、何か言えないかもしれないけど、私はマイク前の姿で何か見せられればいいなって思いながら現場にはいたので、そう言ってもらえてすごく嬉しい。
でも、さっきあんまり自分の声が好きじゃないっておっしゃってたんですけど、私はすごく素敵な声だなって以前から思って。本当にドラマとか見ていて、すごく個性的で素敵な声を持ってる方だなって思って。
はいはいはい。
感じ方、人それぞれですけど、なんていうか、ほの暗い感じにまたあどけなさとかも入っている。すごく個性を持った素敵な声がしてて、そのステラにすごく合う声質だなって現場でも思ったので。素晴らしい声です。
ありがとうございます。絶対使ってください。ここ絶対に使ってください。
ぜひ。南さんはね、さっきおっしゃってた通りすごくアニメがお好きで、声優の皆さんにもリスペクトがあったってことですけれども、そこに入るっていうのは結構緊張感もあると思うんですが。
変な感じですよね。
そうですよね。
本当に、人に……巻き込んで、自分の声が重なる瞬間って。
そうそうそう。
想像してなかったからこそ、すごく不思議な感じでしたね。
映画の中に自分、みたいな変な感じですよね。
へえ。
だから試写の時も恥ずかしかったです。ちょっと……。
確かにちょっと分かります。
分かります。わっとした気持ちで。
確かに最初にやっぱり声優とかって、ちょっと自分の声浮いて聞こえたりとかね。うわ、うわってなってた時期もやっぱりあったよね。
そう、そう、そう。そういう時期もあった。
そういう感覚もあったのかなって、きっと。
結果、楽しんでアフレコできました? 南さん。
私ですか? もう、はい、おかげさまで。
良かったです。
素晴らしい先輩に教えていただいて。
記事公開 · 更新
