登録者15万人の内見チャンネルは年602万円の赤字だった:「内見ゴリラ」の1年間の収支と不動産子会社設立

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概要

不動産の内見動画を投稿するYouTubeチャンネル「内見ゴリラ」が、1年間の収支を公開した。チャンネルは登録者15万人に達し、100万回を超える再生の動画もある。それでも実際にどれだけの利益が出ているのかを、運営元である映像制作会社・株式会社ゴリラマウンテンのメンバーがプレゼン形式で報告している。

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進行は代表のなぎら(レッツゴーなぎら)と、チャンネルのディレクターを務める西田(ジャパ)である。聞き手として、ゴリラマウンテン取締役の西本と、サムネイル制作などに関わるクリエイターのジョニーが同席した。構成は「チャンネルの歴史」「収支報告」「今後のアクション」の順で、後半では不動産子会社の設立と、その社長人事が発表される。

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チャンネルの起点はなぎらの個人チャンネルにあった

内見ゴリラの初投稿は2023年11月20日である。収録時点(2026年7月)から数えて約2年半前になる。最初の動画は9分ほどの短いもので、記念すべき最初のボケは公衆トイレから登場するというものだった。なぎらは当時を「雑だった」と振り返る。

ただし、なぎらによればチャンネルの本当の始まりはさらに前にある。なぎらは約7年前から個人チャンネル「レッツゴーなぎら」を運営しており、そこで2022年5月15日に内見動画を投稿していた。内見ゴリラ開設の約1年半前である。この動画は170万回再生され、一時は個人チャンネルで最も再生された動画になった。なぎらはこれを見て不動産コンテンツにこれほど需要があるのかと気づき、自分も好きな分野なので試してみようと考えた。その結果として内見ゴリラが派生したという。

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一度は止めかけた後に急伸した

登録者数は2024年の春から急に伸び始めた。初投稿から半年弱は、伸びるかもしれないという程度の軽い気持ちで続けており、なぎらは「やめるか」とも考えていた。たまに1万回再生の動画が出るので粘っていたという。

西田によれば、実際には一度止めかけていた。3月の撮影を最後に1か月ほど止めていたところ、4月に動画が伸び、なぎらが慌てて撮影を再開した。なぎら自身は「いつか跳ねるのでは」とは思っていたが、何かを期待して始めたわけではなかったと話す。そこからは右肩上がりが続き、なぎら独自の調べでは「内見系コンテンツの中で成長率日本一」だという。ただし、登録者15万人のチャンネル自体はたくさんあるので「まだまだこれから」だとも付け加えている。

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売上1836万円、赤字602万円

収支報告は、日頃から数字に向き合っている西田がスーツ姿で担当した。対象期間は、ゴリラマウンテンの決算期(5月末締め)に合わせた2025年6月から2026年5月末までの1年間である。

売上は1836万円だった。聞き手からは「いいのか悪いのか分からない」「絶妙」という反応が出た。続いて示された支出は売上を大きく上回り、西田は「豪快に赤字」と表現した。赤字額は602万円で、支出は差し引き約2438万円になる。西田は、YouTubeで赤字はなかなかないと話した。月あたりの売上は平均150万円である。なぎらは、運営する側でありながら、この登録者数と再生数で「こんなもんか」と思ってしまうと述べ、YouTuberは意外と大変だと語った。

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収益源は広告と不動産パートナーからの報酬

西田によれば、売上は大きく2つで構成されている。

1つ目はYouTubeの広告収益で、これが主な収入である。動画の冒頭や途中に入る広告が見られた回数などに応じて1回0.何円という単位で積み上がり、YouTubeから振り込まれる。この収益は月ごとの変動が大きい。なぎらは「本当に頼りにならない」と言い、西田も今月好調でも翌月に大きく下がることがあると説明した。

2つ目は不動産パートナー経由の収入である。動画の最後で「お部屋探しは公式LINEから」と案内しており、そこから内見や面談を経て実際に契約に至った場合にだけ、不動産パートナーから一部の報酬を受け取る仕組みになっている。

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支出の半分以上は編集費、次いで地方ロケの旅費

支出が大きい理由として、西田はまず編集費を挙げた。月の支出の50%を超えているという。投稿本数が多いうえに尺も長く、50分の動画も珍しくない。初期の9分の動画は「コンパクトだった」と振り返る。最近はツアー企画が増え、動画のボリュームも増えている。

次に大きいのが地方撮影の旅費である。3〜4人で行くことが多く、交通費とホテル代がかかる。物件間の移動が多く、片道3〜4時間かけることもあるため、高速代、ガソリン代、レンタカー代も膨らむ。

さらに、ときどき「スナック代」が入る。西田によれば、カラオケ好きのなぎらが前年の年末ごろからスナックに興味を示すようになった。最初の2年ほどは、地方まで行ったからと撮影後に1軒行く程度で、翌朝の撮影に備えたリフレッシュだった。しかし最近は本格的に楽しむようになり、別府では一晩に8軒をはしごし、朝5時まで飲んだという。

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四半期ごとの推移(1):ニューヨーク出張とサブチャンネル開始

西田は、売上(青)と支出(赤)の棒グラフで四半期ごとに振り返った。

第1四半期(2025年6〜8月)は、6月の支出が売上の倍ほどになった。原因は、なぎらが海外で飲食事業をやりたいと言い出し、ニューヨークへ出張したことにある。不動産とは関係のない市場調査だったが、元を取るためにニューヨークで動画も撮影した。なぎら自身も、自分の都合のアメリカ出張をチャンネルの経費として「こじつけた」と認めつつ、撮影はしっかりやったと話している。

6月を除けば、売上は順調に伸びていた。それまで3〜4か月は登録者8〜9万人で停滞していたが、この時期に動画がヒットして伸び、8月末に10万人を超えた。

一方、支出は7月から8月で倍ほどに増えた。8月にサブチャンネルを開始し、編集費が単純に2倍になったためである。支出が100万円を下回ったのは7月だけで、それ以降はずっと100万円を超えている。それでも8月はぎりぎり黒字だった。

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四半期ごとの推移(2):出張月の赤字と年末年始の回復

第2四半期(9〜11月)は赤字、赤字、黒字という結果だった。それでも、売上のベースは150万円のラインを超える水準で安定してきた。9月は静岡、10月は福岡と鹿児島・宮崎へのロケがあり、出張が支出を押し上げた。西田は、2チャンネル体制で支出のベースが上がったため、出張がある月は売上を超えてしまうと分析している。

第3四半期の12月と1月は、どちらも地方ツアーに行きながら黒字を確保した。12月はジョニーがカメラを担当した長野・山梨、1月は南さんとの山梨・福島ツアーである。西田は、単純に売上が伸びた結果だと説明した。

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2月の支出は約700万円:北九州の古民家購入

問題は2月だった。支出は約700万円に跳ね上がった。原因は、3棟が連なる北九州のボロボロの古民家を購入したことである。なぎらは「ここまで行ったら気持ちいい」と笑った。

この古民家ではDIYをしており、先日は視聴者に呼びかけたところ約40件の問い合わせがあり、10人ほどが集まって一緒に作業したという。なぎらは「星野リゾートを超える」と冗談めかして語ったが、民泊をやるつもりではないとも話している。

西田は「初出し情報」として、この古民家には埋蔵金があると明かした。持ち主から、先代のおばあちゃんが家の中か土地のどこかに金を埋めたと聞いているという。聞き手の西本は、支出が大きく出た月は「社長が暴れた月」だとまとめた。

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四半期ごとの推移(3):引っ越しシーズンの黒字と賃貸対応の空白

第4四半期(2026年3〜5月)は、3月に利益が出た。引っ越しシーズンで不動産の繁忙期にあたり、売上が伸びた。しかし4月と5月は売上が落ち込んだ。

西田は、その一因として不動産パートナーのテラさんの卒業を挙げた。テラさんは賃貸の対応も担っていた。現在のパートナーである南さんはもともと売買が専門で賃貸を扱っていないため、いまは賃貸を希望する視聴者に対応できていない。なお、4月の支出には別府のスナック8軒が含まれている。

最後に西田は、古民家を買っていなかったらどうなったかを試算した。それでも赤字で、額は1万8000円だった。西田は、スナックを8軒ではなく7軒で止めていれば黒字で終われたと締めくくった。なぎらは、赤字の原因は全面的に自分にあり、言い訳のしようがないと述べた。

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今後のアクション1:不動産子会社の設立

赤字決算を受けて、なぎらは2つのアクションを発表した。1つ目は、ゴリラマウンテンの子会社として不動産会社を立ち上げることである。

なぎらは理由をこう説明する。テラさんの卒業で賃貸を扱えなくなり、チャンネルは伸びて問い合わせも来ているのに、サービスの受け皿がない。売買は当たれば大きいが、タイミングがなかなか来ない。またチャンネルの動画はエンタメ寄りなので、高級感のある売買とは相性があまり良くない。視聴者の多くは一般の人で、不動産会社と接点を持つのは、引っ越しや結婚を機に広い部屋に移りたいときなどだとなぎらは考えている。いまはその接点がまったくないため、賃貸仲介に取り組みたいという。

なぎらは、不動産が自分の好きな分野であり、市場も非常に大きいので、あらゆるチャンスがあると見ている。数か月から数年では利益があまり出ないかもしれないが、5年、10年の視点で考えていると話した。会社名はまだ決まっていない。

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今後のアクション2:東京23区の「最安値」物件を本社として購入

2つ目は本社の購入である。なぎらは、収録当日の朝にすでに決済を済ませてきたと明かした。聞き手は誰もこのことを知らなかった。

物件は1975年築で、築約50年になる。強みは駅徒歩3分という立地で、スカイツリーから2駅ほどの駅の近くにある。土地面積は16平米、約8畳分である。聞き手からは、収録している和室より狭いという声が上がった。2階建てで、間取りは2K。再建築不可などの厳しい条件があり、東京23区内で最安値の物件だった。

もともとは「都内最安」の企画で内見の撮影に行った物件だった。西田によれば、なぎらはその物件をすっかり気に入り、次の撮影が押しているのに家の中をうろうろしたり座り込んだりして動かなかった。そのうち不動産会社に電話してほしいと言い出し、購入を決めたという。

なぎらは買った理由を3つ挙げた。1つ目は、帰る場所を持つことである。現在住んでいるシェアハウスも、借りている世田谷の本社も賃貸で、何かあれば誰かの都合で追い出されかねない。都内に8畳分でも土地があれば、何度でも立ち上がれるという。2つ目は、選択肢を絞ることである。シェアハウスはあと2年でなくなり、その後の拠点はいくらでも考えられてしまう。本拠地を先に決めておけば、その周辺で戦うと決められる。3つ目は「底値のプライド」である。なぎらは、順調でなくていい、ミスってからが本番だと語り、家を仕入れるときも底値から行くのだと説明した。

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新会社の社長に西田が就任

新会社の社長には西田が就任する。なぎらは親会社の社長と兼任もできるが、いろいろ器用にこなせるタイプではないので任せたいと話した。

なぎらは、2023年3月に自身が投稿したツイートを紹介した。西田が2社目の会社を解雇された日の夜の内容である。当時シェアハウスに住んでいた西田が浮かない顔で帰ってきたので話を聞くと、外資系の会社で1年間売上予算の10%しか達成できず、解雇されたのだという。なぎらによれば、西田は神戸大学卒で英語も話せるハイスペックな人物だが、数字をまったく作れなかった。そこから一緒に働き始めた。

ゴリラマウンテンは「底辺から成り上がる」をコンセプトに掲げ、採用でも「底辺採用」を打ち出している。なぎらは、ビジネスを効率よく進めるならエリートと組む方が話は早いとしつつも、それでは物語を感じられず興奮しないと話す。失敗した人と組む方が楽しいという。2社を解雇された西田が代表になれば面白い物語が作れるのではないか、というのが起用の理由の1つである。

一方でなぎらは、西田のポンコツキャラは基本的に嘘だと思ってほしいとも言う。地方ツアーや都内物件の下調べで、西田はこの2年間に約6万件の物件をリサーチしてきた。1回の内見では30〜40件の候補から3件を選んで撮影に行く。西本も、西田は普通の不動産会社より細かい情報を持っていると感じているという。なぎらは、間取りと外観を見ただけで珍物件かどうかが分かるほどになっていると評価し、仕事を任せられる段階に来ているので、ここに賭けると話した。

西田本人は、今年30代になると述べた。会社設立はまだ20代のうちになりそうだが、30代は丸ごと不動産に注ぎ込むつもりだという。20代で2社を解雇されているので、次がラストチャンスだと思ってここまでやってきた。ゴリラマウンテンでのメディアの仕事は正直あまり好きではなく、向いていないとも思っていた。それでもベストを尽くした結果チャンネルが伸び、この機会を得たので、会社と一緒に人生を跳ねさせたいと語った。

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目標は年商1億円、テーマは「泥臭く」

なぎらは、新会社の目標として「ひとまず」年商1億円を掲げた。達成時期は決めていないが、まずは切りのいい数字を目指すという。テーマは「泥臭くやる」である。当面は賃貸仲介など、引っ越しを希望する人への対応が中心になる。地味な仕事も多いはずだが、基盤と基礎力を作るうえでそこが大事だとなぎらは考えている。

あわせてなぎらは「どん底から成り上がる」というスローガンも示した。現在登記している世田谷の本社は3年前に契約した物件で、家賃2万円と都内の賃貸で最安値だった。今回は売買物件で最安値を手に入れたので「フェーズが変わった」とし、これを「底辺2.0」と名付けた。

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子会社での採用条件

なぎらは、リソースが足りず経験も積みたいとして、不動産子会社で新メンバーを本気で探していると述べた。条件は次のとおりである。

  • 宅地建物取引士の資格を持っていること
  • 業界経験が3年以上で、即戦力になること
  • 賃貸仲介ができることを前提に、売買の経験があれば優遇
  • 良いやつ、面白いやつであること
  • 直近で何かやらかしていれば「最高」

最後の条件について、なぎらは子会社でも底辺採用は譲れないと話した。順調な人を採用する可能性もあるが、やることはやってきたのにミスしてしまった人、詐欺に引っかかった人、こんなはずではなかったと思っている人が来れば、マッチする可能性が高いという。詳細は概要欄のGoogleフォームで受け付け、質問にはすべて答えたうえで面接などに進める。なぎらは、今の不動産の仕事に刺激が足りないと感じている人にも来てほしいと呼びかけた。

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西田の締めの言葉と、社名を決めるライブ配信

最後に西田は視聴者に向けて話した。これまでの自分を見て不安に思う人も多いだろうが、やるべきことをやり、それを動画でも見せていくので、いろいろ意見を言ってもらって構わないという。引っ越しを考えている人には全力で真摯に対応する。応募者に対しては、人生をかけて取り組み、会社にも事業にも人にも本気で向き合うと述べた。新年の次の引っ越し繁忙期に間に合うよう会社を作って始動する予定で、今後の変化を見てほしいと締めくくった。

動画の最後には、未定の新会社名を決める会議を、7月17日(金)21時からライブ配信で公開すると告知された。西田となぎらが話し合う様子を配信し、視聴者のコメントからもアイデアを募るという。