アジの水揚げが4割減、アジフライ専門店は代替魚、定食店は太刀魚で対応

YouTubeで開く ↗
概要

身近な大衆魚であるアジの不漁が続いている。この番組では、東京駅の地下街にあるアジフライ専門店、都内の鮮魚店、千葉県の定食店を取材し、水揚げの減少が店のメニューや店頭価格にどう影響しているかを伝えた。専門家が挙げた不漁の原因も紹介している。

3分で読めます
0:15

東京駅の地下街の行列店でアジの在庫が減っている

東京駅の地下街に、行列ができるアジフライの専門店がある。揚げたてのアジフライにはソースもタルタルソースも合い、肉厚なのにいくらでも食べられそうな味だと番組は紹介した。午後2時半以降は1600円でアジフライが何枚でも食べ放題になる。過去には54枚食べた客もいたという。

この店は、「4年連続日本一」と紹介された長崎県松浦市にある自社工場で、鮮度の良いアジをフライに加工して直送している。しかし店側は、アジの水揚げがないため、今は在庫を吐き出している状態だと話す。番組によると、今年4月から9月の水揚げ量はおよそ6180トンで、前年の同じ時期より4割ほど少ない。

2:12

アジのたたきをサバに切り替える予定

この店にはアジフライと並ぶ名物として、ランチタイムに食べ放題になるアジのたたきがある。店側は、今ある在庫がなくなり次第、たたきをサバに変更する予定だという。アジ以外の魚に切り替えなければ営業できなくなりかねないところまで来ている、とも語った。アジフライの専門店でありながら、アジを出せなくなるおそれもあるという。

2:36

鮮魚店の店頭価格は前年より約3割高い

不漁は家庭の食卓にも影響している。都内の鮮魚店では、長崎県産のアジが1匹378円で売られていた。前年は200円台だったという。買い物客は、昔と比べるとやはり高くなったようだと話した。

店側は、アジは本来庶民の魚なのに、前年に比べて3割ほど値上がりしてしまったと説明し、毎日心苦しい思いで販売していると語った。番組によると、東京・豊洲市場での長崎県産アジの卸売価格も、前年より4割ほど高くなっている。

3:33

専門家は海水温の高さと捕食者の増加を挙げる

アジの不漁は全国的に起きているという。専門家はその理由として、海水温が非常に高く、アジにとって望ましい環境ではなかったことを挙げた。周辺の海域の環境そのものが大きく変化したとの見方だ。

番組は関連する例として、鳥取でサメが出没し、魚の食害や網の被害が深刻になっていることにも触れた。専門家によると、海水温の上昇による海の環境の変化に加えて、アジを捕食する魚が増えていることも不漁の一因ではないかという話もあるという。

4:04

千葉の定食店はアジと同じ値段で太刀魚を出す

番組によると、千葉県はアジの水揚げ量が全国有数の県だが、今年はここでもアジが不足している。取材した定食店では、地元で獲れた大きなブランドアジを使った定食が創業以来の人気メニューで、これを目当てに訪れる客もいる。一時減っていた客足はようやく戻りつつあるというが、店側によると、アジは最近少なくなり、まったく水揚げがない日もある。肝心のアジが手に入らない日もある。

そこで店を救ったのが太刀魚だった。この店は、高級魚である太刀魚を使った定食を、アジの定食と同じ値段で出すことにした。物によっては太刀魚のほうがアジより倍ほど高いという。食べた客は、値段は高いはずだが、こちらのほうがおいしいと話していた。

番組は最後に、アジは大衆魚だったからこそ、不漁の影響が広がりを見せていると伝えた。