暗号資産が貯まるクレジットカード5枚を比較し、それでも「現時点ではおすすめしない」とする理由
家計の味方ポイントの代わりにビットコインなどの暗号資産が貯まるクレジットカードが、大手企業から相次いで登場している。SBIグループのSBI VISAクリプトカード、丸井グループのエポスカードとビットバンクが組んだEPOS CRYPTOカード for bitbank、常時1.6%還元でBNBが貯まるBinance Japan Cardなどで、SNSや投資系メディアでも話題になっている。
話者のチャンネルにもこれらのカードの案件依頼があったという。しかし調べた結果、現時点ではおすすめできないという結論に至ったため、忖度なしで解説すると話者は述べる。動画は3部構成である。まず5種類のカードの特徴を整理し、次に税金・手数料・価格変動の3つの観点からおすすめしない理由を説明する。最後に、資産形成の王道は投資信託の長期・分散・積立投資だとして、クレカ積立に向いた証券会社とカードの組み合わせを紹介する。
SBI VISAクリプトカード:3種類の暗号資産から選べるが、交換は販売所価格
1枚目は、SBIグループとVisaが組んで誕生したSBI VISAクリプトカードである。スタンダードとゴールドの2種類がある。
スタンダードの年会費は初年度無料、2年目以降は1,650円だが、年間10万円以上利用すれば翌年度も無料になる。ゴールドは初年度無料で、2年目以降は6,600円かかる。ただし年間200万円以上利用すると、年会費相当の暗号資産が還元される特典がある。
基本還元率はスタンダードが0.5%、ゴールドが1%である。リボ払いにするとそれぞれ0.8%、1.3%に上がるが、話者はリボ払い自体をおすすめしないとしている。
特徴は、貯まる暗号資産をビットコイン、イーサリアム、XRPの3種類から選べる点である。カード利用で貯まったポイントは、毎月自動でSBI VCトレードの口座に暗号資産として入金される。交換手数料は無料だが、交換レートにはSBI VCトレードの販売所価格が使われる。
話者はここで、暗号資産のレートには販売所価格と取引所価格の2種類があると説明する。取引所価格は実勢に近い価格だが、販売所価格にはおよそ3〜6%のスプレッドが上乗せされている。そのため、実際に付与される暗号資産は表示上の還元率より少なくなる。
新しいカードのため、新規入会キャンペーンは手厚い。話者によれば、2026年5月の申し込みに限り、スタンダードは最大2.5%還元、ゴールドは最大10%還元となる。ただし還元には上限があり、スタンダードで1,500円分、ゴールドで5,000円分までである。
EPOS CRYPTOカード for bitbank:暗号資産残高から直接引き落とせる
2枚目は、エポスカードと国内暗号資産取引所ビットバンクが提携して発行するEPOS CRYPTOカード for bitbankである。年会費は条件なしの永年無料で、話者はシンプルで分かりやすいと評価する。
基本還元率は0.5%で、貯まる暗号資産はビットコインやイーサリアムを含む3種類から選べる。交換レートは販売所価格のため、SBI VISAクリプトカードと同様に、実際の付与額は表示上の還元率より少なくなる。
話者が最も注目すべき点として挙げるのは、暗号資産の残高から直接引き落としができる日本初のクレジットカードだという点である。通常のカードは銀行口座から代金が引き落とされる。このカードでは、ビットバンク口座に保有する暗号資産を引き落とし先に指定できる。これまで暗号資産を日常の支払いに使うには、売却して円に換え、銀行口座に出金してから引き落としに充てる手間がかかっていた。このカードでその手間がなくなり、暗号資産と日常決済の距離が縮まったと話者は述べる。もちろん、従来どおり銀行口座からの引き落としも選べる。
Binance Japan Card:1.6%還元と取引所価格での交換
3枚目は、バイナンスの日本法人であるBinance Japan株式会社とライフカード株式会社が提携して発行するBinance Japan Cardである。年会費は初年度無料、2年目以降は1,650円だが、年間10万円以上のショッピング利用があれば翌年度も無料になる。
基本還元率は1.6%で、5枚の中で最も高い。貯まる暗号資産はBNBのみで、還元分はBinance Japanアカウントの資金決済ウォレットに自動で入金される。
大きな特徴は、交換レートが取引所価格である点だ。先の2枚と違い実勢に近い価格で交換されるため、スプレッドによるコストがかからない。そのため、1.6%という数字がほぼそのまま実質還元率になると話者は説明する。
国際ブランドがJCBである点も重要だという。還元の対象外になるのは年会費、各種手数料、ETC利用分程度に限られる。そのため、JAL PayなどJCBブランドに対応したプリペイド決済へのチャージ分にも還元がつく。このチャージルートを経由すれば、ショッピング利用や税金の支払いでさらに還元を上乗せできる。暗号資産が貯まるカードの中でこの使い方ができるのはこの1枚だけであり、話者は現時点で最もおすすめできる1枚だとしている。
Zaifカード:ビットコインが貯まり、交換は取引所価格
4枚目はZaifカードである。年会費は初年度無料、2年目以降は1,650円で、年間10万円以上の利用で翌年度も無料になる。
基本還元率は通常利用で0.8%だが、Zaif内での暗号資産取引の決済に限って1.2%に上がる。貯まる暗号資産はビットコインである。交換レートは取引所価格のため、Binance Japan Cardと同じくスプレッドのコストがかからない点を話者は評価している。
bitFlyer Credit Card:還元面では見劣りするが既存ユーザーには導入しやすい
5枚目は、国内の暗号資産取引所ビットフライヤーが発行するbitFlyer Credit Cardである。スタンダードとプラチナの2種類がある。
スタンダードは年会費が永年無料である。プラチナは初年度無料、2年目以降は2万2,000円かかり、年間300万円以上利用すると翌年度が無料になる。話者は、裏を返せば年間300万円に届かなければ実質マイナスになるため、よほどのヘビーユーザーでなければスタンダードで十分だとする。
基本還元率はスタンダードが0.5%、プラチナが1%である。貯まる暗号資産はビットコインのみで、交換レートは販売所価格のため、実際に付与される量は表示上の還元率より少ない。特徴としては、貯まったビットコインがビットフライヤーのアカウントに自動で付与され、アプリ上でカードの利用明細と暗号資産の残高をまとめて管理できる点が挙げられる。
話者の評価では、このカードは5枚の中で還元率・交換レートの両面で見劣りする。一方で、ビットフライヤーはセキュリティ面での評価が高く、すでに利用している人には導入のハードルが低い1枚だという。
5枚を整理すると、還元率と交換レートの両面で最も優れているのはBinance Japan Cardで、話者は頭一つ抜けた存在だと位置づける。ただし、どのカードも一見お得に見える反面、共通の問題を抱えているとして、話はおすすめしない理由に移る。
理由1:税金計算が煩雑になる
1つ目の理由として話者が挙げるのは税金計算の煩雑さで、最も見落とされがちで、最も重要な問題だという。
暗号資産は、クレジットカードのポイントとは税務上の扱いがまったく異なる。話者によれば、通常のポイントは少額なら事実上課税されないケースがほとんどである。一方、暗号資産の場合は、還元を受け取った時点の時価が取得価格として記録される。その後に売却して換金すると、売却額と取得価格の差額が雑所得として課税対象になる。
具体例として話者は、毎月のカード利用で少額のビットコインが付与される場合を挙げる。付与されるたびに、その時点の時価が取得価格として記録される。後で保有分を売却するときは、過去に何度も付与された少額のビットコインの取得価格を一つずつ計算し、損益を確定する必要がある。カードを日常的に使うほど記録は積み上がり、確定申告の計算は非常に複雑になる。
税率の問題もある。暗号資産の売却益は総合課税の雑所得に分類されるため、給与所得などと合算され、最大55%の税率がかかる可能性がある。株式投資は分離課税で一律20%なので、税率の面でも暗号資産は大きく不利だと話者は指摘する。
さらに見落としがちな点として、話者は住民税を挙げる。給与所得のみの人の場合、雑所得が年間20万円以下なら所得税の確定申告は不要である。しかし話者によれば、住民税にはこの免除規定がない。つまり、暗号資産を少しでも換金した年は住民税の申告が必要になる。これは通常のポイント還元にはない大きな手間だと話者は述べる。
理由2:見えにくい手数料がかかる
2つ目の理由は、見えにくい手数料の高さである。カード紹介でも触れたとおり、SBI VISAクリプトカード、EPOS CRYPTOカード、bitFlyer Credit Cardの3枚は販売所価格で交換される。そのため、表示上の還元率で受け取れるはずの暗号資産が、スプレッド分だけ少なくなる。話者は、0.5%という数字はあくまで額面上のもので、実質の還元価値はそれを下回ると説明する。
加えて、付与された暗号資産を日本円に換えて引き出すには、取引所の出金手数料がかかる。暗号資産をウォレット間で送金する場合は、ブロックチェーンの仕組み上、ネットワーク手数料と呼ばれる送金コストが別に発生することもある。
比較として話者は、楽天カードや三井住友カードの通常のポイント還元を挙げる。これらは1ポイント=1円で価値が固定されており、手数料なしで買い物やカード支払いに充てられる。暗号資産の複雑なコスト構造と比べると、通常のポイント還元のほうがシンプルで実質的にお得なケースが多いと話者は考えている。
理由3:価格変動リスクがある
3つ目の理由は、暗号資産特有の価格変動リスクである。話者はビットコインを例に、2021年に約700万円台の高値をつけた後、2022年には200万円台まで下落し、わずか1年で70%以上の価値が失われたと説明する。
このカードで暗号資産を受け取る人の多くは、ポイント感覚で少額ずつ貯めていくことになる。通常のポイントなら1ポイントは常に1円だが、暗号資産では今の1,000円相当が翌月には500円になっているかもしれない。逆に2,000円に値上がりしている可能性もある。話者は、価格変動はメリットにもデメリットにもなりうるもので、これが暗号資産の本質だと述べる。
そのため、このカードは価格変動リスクを十分に理解し、値動きを許容できる人だけが選ぶべきだというのが話者の見解である。貯めた分だけ確実にお得というシンプルさを求める人や、暗号資産の値動きに慣れていない人には、精神的な負担になりかねない。まずは暗号資産そのものへの理解を深めてから検討するよう話者は勧めている。
以上をまとめて話者は、暗号資産が貯まるカードは税金・手数料・価格変動という3つの問題を抱えており、暗号資産に詳しい人や値動きを許容できる人以外には、現時点ではおすすめできないと結論づける。
代わりの提案:NISAとクレカ積立
では、どうすればお得に資産形成できるのか。話者は、資産形成の王道はNISAなどの制度を活用し、証券会社で長期・分散・積立投資ができる投資信託を積み立てることだとする。毎月一定額を自動で積み立てるだけで、難しい知識も手間もほとんど要らない。
その積立をクレジットカードで行えばポイントも貯まる。暗号資産カードのような税務計算の煩雑さはなく、ポイントは1ポイント=1円で確実にお得になる。新NISAの非課税枠を使えば、運用益にも税金がかからない。話者が具体的に勧める組み合わせは2つある。
SBI証券と三井住友カード。 話者は、迷ったらまずこれを選べば間違いないという、最もおすすめの組み合わせとして紹介する。SBI証券はネット証券の中で口座数・預かり資産ともに国内最大級で、信託報酬の低いインデックスファンドも充実している。三井住友カードはゴールド以上の場合、前年の年間利用額に応じて、買い物とSBI証券での積立の還元率が変わる。例として、ゴールドカードは年間100万円の利用で1万ボーナスポイントがもらえて合計1.5%還元になり、投資での還元も1%に上がる。さらに翌年度以降の年会費が永年無料になる。対象のコンビニ・飲食店で最大20%還元などの特典もあり、日常使いのカードとしても優秀だと話者は評価する。
楽天証券と楽天カード。 楽天市場などの楽天サービスをよく使う人や、毎月の積立額を多くしたい人に特に勧めるとしている。楽天証券はSBI証券に次ぐ口座数を持つネット証券で、画面の見やすさや操作性は業界トップクラスと言われていると話者は紹介する。楽天カードの投資での還元率は、年会費永年無料の一般カードで0.5%、年会費2,200円のゴールドカードで0.75%、年会費1万1,000円のプレミアムカードで1%である。三井住友カードと違い、年間決済額に関係なくカードのグレードで還元率が固定されるので、シンプルで分かりやすいと話者は述べる。さらに楽天証券では、楽天カードで毎月10万円、電子マネーの楽天キャッシュで毎月5万円、合計15万円まで積み立てられる。話者はこれを他の組み合わせにはない大きな特徴としている。貯まった楽天ポイントを楽天証券で再投資に回せるため、ポイントを無駄なく資産形成に使えるサイクルを作りやすい点も魅力に挙げる。
結論:話題性や還元率の数字だけで選ばない
話者は最後に、話題性や高い還元率の数字に惹かれるのは自然なことだと認める。そのうえで、裏にある税金・手数料・価格変動のリスクを理解してから判断することが大切だと述べる。よほど資産があって暗号資産に詳しい人や、詳しくなりたいという意欲のある人以外は、わざわざ手を出す必要はない。まずはシンプルで王道のNISAでの投資信託の積立を着実に進めるべきだ、というのが動画の結論である。
最近、ポイントの代わりに暗号資産が貯まるクレジットカードが増えてきているのをご存知でしょうか? 例えばSBIグループからはSBI VISAクリプトカード、丸井グループのエポスカードとビットバンクが組んだEPOS CRYPTOカード for bitbank、そしてBinance Japanからは常時1.6%という高い還元率でBNBが貯まるバイナンスジャパンカードなど、大手が手がける暗号資産還元カードが次々と登場しています。SNSや投資系メディアでも大きな話題になっています。
このチャンネルにも案件依頼がありましたが、調べているうちに現時点ではおすすめできないという結論になったため、今回は忖度なしで解説していきます。この動画では3つのテーマを話します。まず、現在登場している暗号資産が貯まるクレカ5種類の特徴を整理します。次に、これらをおすすめしない理由を税金、手数料、価格変動という3つの観点から解説します。そして最後に、結局のところ資産形成には長期分散積立投資ができる投資信託が王道のため、クレカ積立でお得な、おすすめの証券会社とカードの組み合わせを紹介します。
それでは、現在登場している暗号資産が貯まるクレジットカードを1枚ずつ見ていきましょう。まず1枚目はSBIグループとVISAが組んで誕生したSBI VISAクリプトカードです。スタンダードとゴールドの2種類があります。年会費から見ていきます。スタンダードは初年度無料で、2年目以降は1,650円かかります。ただし、年間10万円以上の利用があれば翌年度も無料になります。ゴールドは初年度無料、2年目以降は6,600円かかりますが、年間200万円以上の利用で年会費相当の暗号資産が還元される特典があります。
基本還元率はスタンダードが0.5%、ゴールドが1%です。一応、リボ払いにするとスタンダードカードで0.8%還元、ゴールドカードで1.3%還元に上がりますが、リボ払い自体おすすめしません。そして、特徴として大きいのは、貯まる暗号資産をビットコイン、イーサリアム、XRPの3種類から選べる点です。カードの利用で貯まったポイントが、毎月自動でSBI VCトレードの口座に暗号資産として交換、入金される仕組みになっています。
交換手数料は無料ですが、交換レートはSBI VCトレードの販売所価格が適用されます。暗号資産の交換レートには販売所価格と取引所価格の2種類があり、取引所価格が時価であるのに対し、販売所価格にはおよそ3%から6%のスプレッドが上乗せされています。そのため、表示上の還元率よりも実際に付与される暗号資産は少なくなる点は覚えておいてください。
また、出たばかりのカードということもあり、現在は新規入会キャンペーンが手厚くなっています。26年5月の申し込み限定で、スタンダードカードは通常0.5%還元のところ最大2.5%還元、ゴールドカードは最大10%還元というキャンペーンが実施されています。ただし、それぞれ還元上限額が設けられており、スタンダードカードで1,500円分、ゴールドカードで5,000円分までとなっております。
続いて2枚目は、丸井グループのエポスカードと国内暗号資産取引所のビットバンクが提携して発行するEPOS CRYPTOカード for bitbankです。年会費は永年無料です。条件なしにずっと無料で使える点はシンプルで分かりやすいですね。基本還元率は0.5%です。貯まる暗号資産はビットコイン、イーサリアム、アスターの3種類から選択できます。交換レートは販売所価格のため、1枚目のSBI VISAクリプトカードと同様に、表示上の還元よりも実際に付与される暗号資産は少なくなります。
そして、特徴として最も注目すべきは、日本初の暗号資産残高から直接引き落としができるクレジットカードという点です。通常のクレジットカードは銀行口座から引き落とされますが、このカードはビットバンクの口座に保有している暗号資産を引き落とし先に指定することができます。今まで暗号資産を日常の支払いに使おうとすると、暗号資産を売却して日本円にし、銀行口座へ出金してからクレジットカードの引き落としに充てるという手間がかかっていました。このカードではその手間がなくなり、暗号資産と日常決済の距離が一気に縮まったと言えます。もちろん、従来通り銀行口座からの引き落としも選択できます。
次に3枚目は、バイナンスの日本法人であるBinance Japan株式会社とライフカード株式会社が提携して発行するバイナンスジャパンカードです。年会費は初年度無料、かつ2年目以降は1,650円かかります。ただし、年間10万円以上のショッピング利用があれば翌年度も無料にすることができます。基本還元率は1.6%で、この5枚の中では最も高い水準です。貯まる暗号資産はBNB一択となっています。還元されたBNBは、バイナンスジャパンアカウントの資金決済ウォレットに自動で入金されます。
そして、特徴として大きいのは、交換レートが取引所価格という点です。先に紹介した2枚は販売所価格でしたが、このカードは時価で交換できるため、スプレッドによるコストが発生しません。還元率1.6%という数字が、そのまま実質還元率に近い形で反映されます。
さらに、国際ブランドがJCBであることも見逃せないポイントになっています。還元対象外となるのが年会費、各手数料、ETC利用分程度に限られているため、JAL PayやファミペイといったJCBブランドに対応したプリペイド決済のチャージ分にも還元が適用されます。これを活用すれば、チャージルートを経由することで、ショッピング利用や税金の支払いでさらに還元を上げることができます。暗号資産が貯まるカードの中では唯一このような使い方ができるという点で、現時点で最もおすすめできる1枚と言えます。
次に4枚目はZaifカードです。年会費は初年度無料、2年目以降は1,650円です。ただし、年間10万円以上の利用で翌年度も無料になります。基本還元率は通常利用で0.8%、Zaif内での暗号資産取引決済に限り1.2%還元に上がります。貯まる暗号資産はビットコインです。交換レートは取引所価格のため、バイナンスジャパンカードと同様にスプレッドによるコストが発生しない点は評価できます。
最後、5枚目は国内の暗号資産取引所ビットフライヤーが発行するビットフライヤークレジットカードです。スタンダードカードとプラチナカードの2種類があります。まず年会費について、スタンダードが永年無料。プラチナは初年度無料、かつ2年目以降は2万2,000円かかります。プラチナカードは年間300万円以上の利用で翌年度の年会費が無料になりますが、裏を返すと年間300万円に届かなければ実質マイナスになるため、よほどのヘビーユーザーでなければスタンダードカードで十分と言えます。
基本還元率はスタンダードが0.5%、プラチナカードが1%の還元です。貯まる暗号資産はビットコイン1本に絞られています。ただし、交換レートは販売所価格のため、表示上の還元率よりも実際に付与されるビットコインは少なくなります。そして、特徴としては、カードの利用で貯まったビットコインがビットフライヤーのアカウントに自動で付与され、アプリ上でカードの利用明細と暗号資産の残高をまとめて一元管理できる点が挙げられます。この5枚の中では還元、交換レートの両面で見劣りするカードと言えますが、ビットフライヤーはセキュリティ面での評価が高く、すでにビットフライヤーを使っている人にとっては導入のハードルが低い1枚になっています。
以上、5枚のカードを見てきました。整理すると、還元、交換レートの両面で最も優れているのはバイナンスジャパンカードで、暗号資産が貯まるカードの中では現時点で頭1つ抜けた存在と言えます。ただし、どのカードも一見お得に見える反面、共通して抱える問題点があります。ということで、これらのカードを現時点でおすすめしない理由を3つの観点から解説していきます。
1つ目の理由は税金計算の煩雑さです。これが最も見落とされがちで、かつ最も重要な問題です。暗号資産はクレカのポイントとは税務上の扱いが全く異なります。通常のクレカで貯まるポイントは、少額であれば事実上課税されないケースがほとんどですが、暗号資産の場合は、還元を受け取った時点の時価が取得価格として記録され、後でその暗号資産を売却、換金した際に、売却額と取得価格の差分が雑所得として課税対象になります。
具体的に考えてみましょう。毎月のカードの利用で少額のビットコインが付与されたとします。そのビットコインが付与されるたびに、その時点の時価が取得価格として記録されます。その後、保有しているビットコインを売却、換金した際には、過去に何度も付与された少額のビットコインの取得価格を1つ1つ計算して、損益を確定する必要があります。カードを日常的に使うほどこの記録は積み上がっていき、確定申告の計算は非常に複雑になります。
また、暗号資産の売却益は総合課税の雑所得に分類されるため、給与所得などと合算した上で、最大55%という高い税率が適用される可能性があります。株式投資の場合は分離課税で一律20%ですから、税率の面でも暗号資産は大きく不利になっています。
さらに、見落としがちな点として住民税の問題があります。給与所得のみの場合、所得税の確定申告は雑所得が年間20万円以下であれば不要ですが、住民税にはこの免除規定がありません。つまり、暗号資産の売却が1円でも発生した時点で住民税の申告が発生します。カードを使って暗号資産を受け取り、少しでも換金した年は必ず住民税の申告が必要になるという点は、通常のポイント還元にはない大きな手間と言えます。
2つ目の理由は見えにくい手数料の高さです。先ほどカードの紹介の中でも触れましたが、暗号資産の交換レートには販売所価格と取引所価格の2種類があります。SBI VISAクリプトカード、EPOS CRYPTOカード、ビットフライヤークレジットカードの3枚は販売所価格が適用されるため、表示上の還元で受け取れるはずの暗号資産が、スプレッド分だけ実際には少なく付与されることになります。つまり、0.5%という数字はあくまで額面上のものであり、実質の還元価値はそれを下回ります。
また、付与された暗号資産を日本円に換算したい場合には、取引所の出金手数料がかかります。さらに、暗号資産をウォレット間で送金する際には、ブロックチェーンの仕組み上、ネットワーク手数料と呼ばれる送金コストが別途発生することもあります。比較として考えてほしいのですが、楽天カードや三井住友カードを使った通常のポイント還元であれば、1ポイント=1円として価値が明確に固定されており、手数料なしでそのまま買い物やクレジットカードの支払いに充当できます。暗号資産による還元の複雑なコスト構造と比べると、通常のポイント還元の方がシンプルかつ実質お得なケースは多いと思います。
3つ目の理由は暗号資産特有の価格変動リスクです。ビットコインを例にすると、2021年には約700万円台の高値をつけた後、2022年には200万円台まで下落し、わずか1年で70%以上の価値が失われました。このカードで暗号資産を受け取る場合、多くの人はポイント感覚で少額ずつ貯めていく形になります。通常のポイントであれば1ポイントは常に1円ですが、暗号資産は今の1,000円相当が来月には500円になっている可能性がある一方、2,000円に値上がりしている可能性もあります。価格変動はメリットにもデメリットにもなり得る。これが暗号資産の本質です。
そのため、このカードは暗号資産の価格変動リスクを十分に理解した上で、値動きを許容できる方だけが選択すべきものと言えます。貯めた分だけ確実にお得というポイントのシンプルさを求める方や、暗号資産の値動きに慣れていない方にとっては、精神的な負担になりかねません。まずは暗号資産そのものへの理解を深めてから検討することをおすすめします。
ここまでの話をまとめると、暗号資産が貯まるクレジットカードは税金、手数料、価格変動という3つの問題点を抱えており、暗号資産に詳しい方や値動きを許容できる方以外には、現時点でおすすめできないという結論になります。
では、本当にお得に資産形成するにはどうしたらいいのか。結局のところ、資産形成の王道はNISAなど節税につながる制度を活用して、証券会社で長期分散積立投資ができる投資信託をクレカ積立することです。毎月一定額を自動で積み立てるだけでよく、難しい知識も手間もほとんど必要ありません。さらに、その積立をクレカで行うことで、ポイントまでお得に貯めることができます。暗号資産カードのような税務計算の煩雑さもなく、ポイントは1ポイント=1円で確実にお得になります。新NISAの非課税枠を活用すれば、運用益に対する税金もかかりません。具体的には、SBI証券と三井住友カードの組み合わせ、楽天証券と楽天カードの組み合わせがおすすめです。
まず、SBI証券と三井住友カードの組み合わせに関しては、迷ったらまずこれを選んでおけば間違いないというくらい、1番おすすめな組み合わせになっています。SBI証券自体はネット証券の中で口座数、預かり資産ともに国内最大級で、信託報酬の低いインデックスファンドのラインナップも充実しています。そして、そのSBI証券でクレカ積立ができる代表的なカードは三井住友カードになっていますが、ゴールドステータス以上だと、前年の年間利用金額に応じて、お買い物での還元率、SBI証券の投資での還元率が変動する仕組みになっています。
具体例として、ゴールドカードは年間100万円の利用で1万ボーナスポイントをもらえて合計1.5%還元、投資でも1%還元にアップ。これに加えて、ゴールドカードの場合は翌年度以降の年会費も永年無料になります。あとは対象のコンビニ、飲食店で最大20%還元、テストバスで最大8%還元など、日常使い用のカードとしても非常に優秀です。
次に、楽天証券と楽天カードの組み合わせに関しては、楽天市場や楽天サービスをよく使う方、または毎月の積立額を多く設定したい方に特におすすめです。楽天証券自体はSBI証券に次ぐ口座数を誇るネット証券で、画面の見やすさや操作のしやすさは業界トップクラスと言われています。
そして、楽天カードの投資での還元率については、年会費永年無料の一般カードで0.5%の還元、年会費2,200円のゴールドカードで0.75%の還元、年会費1万1,000円のプレミアムカードで1%の還元を受けられます。三井住友カードと異なり、年間の決済額に関係なく、カードのグレードに応じて固定で還元率が決まる点がシンプルで分かりやすいと思います。
さらに、楽天証券では楽天カードでの毎月10万円の積立に加え、楽天の電子マネー、楽天キャッシュでも毎月5万円の積立が可能で、合計で積み立てることができる点は、他の証券会社やクレカの組み合わせにはない大きな特徴になっています。貯まった楽天ポイントはそのまま楽天証券で再投資に回すこともできるため、ポイントを無駄なく資産形成に活用するサイクルが作りやすい点も魅力になっています。
どちらの組み合わせを選ぶにしても、証券口座、クレジットカードなどを新たに申し込む時は、ポイントサイトのモッピーを経由することで、入会先のキャンペーンでもらえるポイントと、モッピーからも表示のポイントがもらえるため、二重取りができ、非常にお得になっています。モッピーをまだ使ったことがない人は、画面の紹介コードで新規登録をして5,000ポイント以上を獲得すると、2,000ポイントを追加でもらえますので、ぜひご活用ください。また、過去の動画でより詳しく、各証券口座でお得に投信積立を行う方法やモッピーの使い方について徹底解説していますので、興味があれば併せてご覧いただければと思います。
今回の動画では、暗号資産が貯まるクレジットカード5枚の特徴とおすすめしない理由、そして代わりにおすすめできる資産形成の方法をご紹介しました。話題性や高い還元の数字に惹かれるのは自然なことですが、その裏に税金、手数料、価格変動というリスクをしっかり理解した上で判断することが大切です。よほど資産があって暗号資産に詳しい方、もしくは詳しくなりたいという意欲のある方以外は、わざわざ手を出す必要はありません。まずはシンプルで王道なNISAでの投信積立を着実に進めていきましょう。
本日は以上です。このチャンネルでは他にもおすすめなクレジットカードや銀行口座など、お得な情報を発信していますので、気になる内容があれば他の動画も見ていただけると嬉しいです。この動画が参考になりましたら、高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします。
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