『バイオハザード』日本語吹替版舞台挨拶、下野紘・早見沙織・杉田智和が語った収録とゲームの記憶

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概要

映画『バイオハザード』の公開記念声優舞台挨拶に、日本語吹替版キャストの下野紘、早見沙織、杉田智和が登壇した。主人公ブライアン役の下野は、2日間にわたって叫び続けた収録を振り返った。3人はそれぞれのゲーム体験を語り、後半では司会の企画「タイトルコール選手権」に挑んだ。会場は全国の映画館にライブビューイングで中継され、この日が誕生日だった杉田へのサプライズも用意されていた。

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上坂すみれの欠席と、3人の自己紹介

冒頭、司会者は登壇予定だった上坂すみれが高熱を伴う体調不良で欠席すると伝え、謝罪した。

挨拶では、下野が「どうもブライアンです」と役になりきって名乗り、主人公ブライアンを演じていると改めて紹介した。ブライアンの恋人ミシェル役の早見沙織は、これからの上映を楽しんでほしいと述べた。

アンブレラ社の研究員ウェイド役の杉田智和は、最初から脱線した。この舞台挨拶は2回目で、1回目の回で誕生日をサプライズで祝ってもらったという。そのうえで「今回は私は何も知らないという体でいくので、皆さんも合わせてください」と会場に頼んだ。さらに役名について、ブライアンという名前を聞いて『バイオハザード2』のアイアンズ署長の名前もブライアンだったと思い出したという。そのため、署長がラクーンシティ警察署を建てるまでの話かと思ったと語った。下野と早見は「違う違う」と否定したが、そこから「あの警察署はあんなに仕掛けがあって、リッカーも居心地がよさそうにしている」という話でしばらく盛り上がった。

ライブビューイングのカメラが紹介されると、杉田は「日本全国からラクーンシティまで」と応じた。「ライブビューイングできるくらい安全なのか」と冗談を重ね、ゲームの世界観に絡めたやりとりが続いた。

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下野紘:オーディションから2日間に分けた「叫び続け」の収録

司会者はブライアンを、普通の配達員の青年が人類史上最悪の事態に巻き込まれ、叫び、逃げ、怯え続ける役だと紹介し、苦労した点を下野に尋ねた。下野は少し喉の調子が悪そうで、「何かのウイルスにかかっているわけではないですよ」と笑いを取ってから答えた。

下野は自分でもゲームをプレイしていたため、オーディションの段階から強く緊張していたという。オーディションでは、本番前に一度テストをして調整する流れだった。「軽く叫んでいただければ」と言われたが、下野はこの映画に日本語吹替で出られるならぜひ出たいと思っていたので、最初から全力で叫んだ。するとテストのつもりだったその声に「今のでオッケーです」と言われ、そのまま本番扱いで録られた。その後合格の連絡が来たため、下野はスタッフから強い期待をかけられているのではないかと「勝手に」感じたという。

アフレコ本番も緊張の中で臨んだ。ブライアンはほぼずっと叫んでいるキャラクターなので、自分の喉を壊すくらいのつもりで取り組んだ。しかし1日で録るには負担が大きすぎると、下野本人だけでなく周囲も判断し、叫ぶ収録を2日間に分けた。下野はこれまで「頭の黄色い子」が自分の演じたキャラクターの中で一番叫んでいると思っていたが、今回のブライアンがそれを上回り、一番叫んだ役になったと話した。

下野にとって一番過酷だったのは、喉よりも孤独だった。叫び声が他のキャストと重なってしまうため、収録はずっと一人で行われた。他のキャストには一度も会わず、休憩中にスタッフがブースに入ってくることもほとんどなかった。スタッフが来るのは「喉は大丈夫ですか」と確認するときと、水を持ってくるときくらいだったという。下野はその寂しさが一番つらかったと振り返った。

6:31

早見沙織:『バイオハザード4』の思い出と「ロケラン」

司会者は、ゲームから始まりミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画シリーズにもつながった人気シリーズだと触れ、それぞれのエピソードを求めた。

早見は子どもの頃に『バイオハザード4』をプレイしたという。ただ操作が下手すぎて、主人公のレオンがゾンビと戦うどころではなく、トラバサミなどの罠に引っかかってばかりだった。下野が「若干ブライアンみがある」と言うと、早見もブライアンに感情移入しすぎてしまうと応じ、観客もきっとそういう気持ちで結末まで見るだろうと話した。

下野によると、早見はプレイは得意ではないが、人がプレイしているのを見るのはとても好きだという。舞台挨拶前の取材で、早見の口から「ロケラン(ロケットランチャー)」という言葉が出てきて驚いたと明かした。早見は「大事な一発がありますからね」と返した。さらに、自分がこの世界で生きていくなら武器商人かな、とも考えていると語った。課金されれば確実に守られる立場だという話に、司会者が「新作の武器商人を早見さんに」と乗り、下野は「だいぶコアな話をしていますから、ご存じない方はぜひ映画の後にゲームをプレイしてほしい」とまとめた。

8:38

杉田智和:ラジコン操作、ハードの貸し借り、そして協力プレイの相棒

詳しいと話を振られた杉田は、入場時に3人が初期作品の「ラジコン操作」のような動きをしていたと言い出した。下野が挙げたのは、階段やはしごを上り切ったあたりで視点が切り替わり、方向キーの入力が逆になって、上ったり下りたりを繰り返していつまでも上がれない現象で、2人はこの「あるある」で盛り上がった。

杉田は当時のゲーム事情も振り返った。さまざまなゲームハードが出ていた時期で、『バイオハザード』は各ハードのキラータイトルだった。ドリームキャストで『コード:ベロニカ』が、ゲームキューブで『0』やリメイクが出たときは、周りの誰かが持っていないかと探し、友達同士で本体ごと貸し借りして回していたという。「うちにはこれがあるから、お前のこれを貸して」とやりとりし、『バイオハザード』に限らず話題作をみんなで遊んでいた。杉田は、今はオンラインで遊べるようになり時代が変わったとも述べた。

続いて、Xbox 360版の『バイオハザード5』をオンライン協力プレイで遊んだ話をした。杉田は主にシェバを使い、クリスを操作していた相手が厳しかったという。「シェバをやってるんだからちゃんとサポートしろ」「なんでそんなに突っ込むんだ」と言われ、犬を殺すつもりで撃てないのかとまで責められた。ところが、シェバがウェスカーに捕まった場面だけは、相手が「てめえ、離せ」とものすごくいい声で本気で叫んでいて、杉田は「なんて優しいんだ」と感動したという。相手の名前は出さなかったが、下野が「候補が一人しか浮かばない」と突っ込み、司会者も観客に想像を委ねた。

10:48

タイトルコール選手権:ルール説明

後半、司会者は「特別企画」として「バイオハザード タイトルコール選手権」を発表した。杉田は始まる前から「嫌です」「その振りが嫌です」と抵抗した。この企画は前作『バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』の舞台挨拶でも行われて好評だったと司会者は説明した。杉田が「マスコミがいるんですよ」と言うと、司会者は「だからこそです」と返した。

司会者が「一度聞いたら忘れられない独特の響き」と紹介したタイトルコールを、30秒の予告編に合わせて吹き込む。予告編では、ブライアンが電話で「もしもし、聞こえる?」と呼びかけながら追い詰められていき、最後にタイトルコールが入る。さらにもう一つのミッションとして、タイトルコールに続けて「一番ビビった時の声」も披露することになった。会場が一瞬静まり返り、下野は理解が追いつかないまま確認を重ねた。杉田は「3人同時にやってお茶を濁すしかない」と提案したが、司会者は一人ずつ行うと告げた。司会者はオンラインで上坂にもつなぐ案を口にしたが、杉田は「寝込んでいて声は出せない」と止めた。杉田が今はハンターが必死におかゆを作っている、と続けると、他の2人から「なんでハンターが作ってるんだよ」と突っ込みが入った。

14:15

早見沙織の挑戦:「悲鳴袋」と2種類のアシュリー

トップバッターの早見は、タイトルコールに続けて悲鳴を上げ、司会者から「素晴らしい」「素敵なビビり声」と評された。杉田はすぐに「スイッチを押したらこの声が出る袋を作ってほしい」と言い出し、下野は「怖いよ、どこで使うんだよ」と突っ込みつつ、防犯には使えるかもしれないと応じた。

早見によると、1回目の回では自分がプレイした『4』の当時のアシュリーをイメージした悲鳴だった。今回はリメイク版(RE)のアシュリーのイメージに変えたという。周りが「そこを変えたのか」と驚くと、早見はリメイク版の方が声が大きくなると説明した。

15:17

杉田智和の挑戦:ウェイドになりきった「お題」付き

杉田には司会者からお題が出た。ウェイドになりきり、夜道を一人で歩いていたら突然目の前にアンデッドが走ってきた、という状況での声を演じるというものだ。杉田は「本人よりはまだマシです」と言って引き受けた。

杉田はまず低い声でタイトルコールを入れ、続けて電話口で「もしもし、エヴリン、今から入れられるもの何かない?」と頼み、断られて「終わった」と嘆く寸劇を演じた。最初の声について司会者に問われると、杉田は「ウェスカーのような概念」だと答えた。さらにその声は「ちょっと悪質な某悠一君の真似」だとも明かした。後半の研究員の台詞には『バイオハザード7』のエヴリンを持ち込んでいて、下野と早見は「エヴリンって言うなよ」「エヴリンにもらうなよ」と突っ込んだ。

最近ビビったエピソードを聞かれると、杉田は「今この瞬間です」と即答した。もう一つ、『バイオハザード外伝』を遊んでいて、最後にレオンが緑色の血を流したときだとも挙げたが、司会者には伝わらなかった。

17:25

下野紘の挑戦:「心の叫び」

最後は下野だった。司会者は、本編でこれ以上ないほど多彩な叫びを見せているのでハードルは高いと前置きし、「ビビり声」で締めるよう求めた。下野はタイトルコールに続けて「もうこんな企画やめて!」と叫び、杉田が「声優さんに大喜利をさせて火傷させるな」と加勢した。

下野は「本編よりもいい叫びが出た気がする。心の叫びが出た」と振り返り、「今俺が泣きそうだ」と付け加えた。感想を求められると、観客が楽しんでくれたならよかったと答えつつ、今後は声優にこういう企画をさせないようスタッフと相談したいと述べ、「働きかけていきますよ、私は」と笑いを誘った。

19:25

杉田の誕生日ケーキと、新しい1年の抱負

締めのメッセージの前に、司会者はこの日10月11日が杉田の誕生日だと紹介した。冒頭で「何も知らない体で」と頼んでいた杉田は「今日は僕の誕生日だった」と驚いてみせた。運ばれてきたのはアンブレラ社のロゴをかたどった大きなケーキで、杉田は「食べられるケーキですか、何かが混ざっていないですか」と警戒しながらも、「絶妙にアンブレラのマークなんだけど嬉しい」と喜んだ。さらに「これは『魔界村』で取ったら5000点くらいになる」と例えた。続けて「これがボカーンと爆発して会場がラクーンシティになる」と言うと、他の2人が「ボタンを一瞬で押せば回避できる」「早見さんがいるから大丈夫」と応じ、早見は「悲鳴は任せてください」と答えた。

この1年をどうしたいかと聞かれ、杉田は「何があっても自分の好きと比べないように」と答えた。今回も「こんなのバイオじゃない」と言う人ほど実は映画を見ていなかったりするので、そういう声に惑わされないでほしいと観客に呼びかけた。自分は愛情を比べず穏やかに1年を生きていきたいと話した。下野は「杉田君のこういうところが本当に好き」と口にした。

21:06

最後のメッセージ:杉田、早見、下野それぞれの見どころ

最後の挨拶で、杉田はシリーズの源流をたどると『スウィートホーム』というタイトルにたどり着くと語った。現代に「スウィートホームRE」が出せないかと思っていると話し、下野と早見も「いいと思う」と賛同した。杉田によれば『スウィートホーム』をリスペクトしたゲームは数多く出ており、『バイオハザード』はその最高峰だという。命ある限り、何かあってもなんとかウイルスで復活してでもシリーズのラストを見届けたいと述べた。今回の映画もシリーズの歴史に組み込まれるべきタイトルだと考えているので、寛大な心で見てほしいと締めくくった。

早見は、今回は普通の一般市民がこの世界に飛び込んでしまう物語で、どうなるか読めないまま進むと説明した。ブライアンの視点は今を生きる自分たちにも近いものとして感じてもらえるだろうと話し、シリーズを知っている人にも初めて触れる人にも楽しんでほしいと語った。見終わった後に周りに広めるのも、2度3度とブライアンと一緒に楽しむのもいい、と繰り返しの鑑賞を呼びかけた。

下野は、映画にはさまざまな「バイオハザード愛」が詰まっていると話した。ゲームをプレイしてきた人なら「あれ、ここって」と発見や懐かしさを感じられるのではないかという。ホラーが苦手な人に向けては、怖い部分はあるがそれだけではなく、コミカルな場面や人と人とのつながりを感じるシーンもあると説明した。そのうえで、個人的には本当にエンターテインメント作品だと思っていると述べた。早見と同じく何度も見てほしいと呼びかけ、舞台挨拶はフォトセッションへと移った。