鷺ノ宮駅徒歩8分の築11年1DK、立地は良いのに内装と設備が強みを消している

YouTubeで開く ↗
概要

内見ゴリラの「珍賃貸」シリーズで今回取り上げたのは、東京都中野区、西武新宿線鷺ノ宮駅から徒歩8分の1DKである。築年数、駅からの距離、広さだけを見れば手堅い物件だ。ところが外観から玄関、リビング、寝室まで、内装デザインは独特のこだわりで埋め尽くされている。出演者の2人はこの部屋を笑いながら見て回る。そのうえで、なぜこういう部屋になったのか、オーナーは何を目指したのかを考え、最後に「珍度」を付けている。

7分で読めます
0:54

鷺ノ宮という街と「ルネサンス系」の予告

撮影は暑い日に行われ、出演者はスーツではなくシャツ姿で登場した。鷺ノ宮について、出演者は「初めて来た」と話す。西武新宿線の快速で1本で行けるため、アクセスは「良いのか悪いのか絶妙なところ」だという。一方で住んでいる人は多く、住みやすい街ではないかと評価している。駅から物件までの道のりも、落ち着いた住宅街という印象だった。

物件の系統を聞かれた案内役は、「中世ヨーロッパとでも言いましょうか」「どちらかというとルネサンス系」と答える。もう一人は話についていけず、「全然わかんない」と返す。案内役は「期待値を上げすぎない方がいいかもしれない」とも付け加えた。

3:00

レンガ調の外観と、エレベーターのない4階

建物は分かりやすいレンガ調の外観だった。物件名には「オックスフォード」が入っており、出演者は「非常に高学歴」と冗談を言う。概要は次のとおり紹介された。中野区所在、鷺ノ宮駅徒歩8分、RC造4階建て、1DKで約29平米、2015年築で築11年ほど。

外観については評価が分かれた。築10年ほどなのに、出演者の一人は「逆にボロく見える」と言い、もう一人も「もっと経っているように見える」と同意する。アンティークと言えるほどの味わいにも届いておらず、「若干中途半端」というのが正直な感想だった。夜にライトが点けばムーディーになりそうだ、という声もあった。

オートロックはカードタッチで開けられ、この点は新しいと評価された。ただしエレベーターはなく、部屋は4階にある。翌日にスクワットを控えた出演者は「筋肉に来る」と嘆いていた。玄関扉にも装飾があり、外から見える部分のこだわりは部屋の入口まで続いている。

5:23

玄関で分かるオーナーのこだわり

ドアを開けると、すぐ目の前に壁がある。間取りは1DKだが、空間はすべて扉で仕切られており、玄関から見える扉の数が多い。出演者はどちらに進めばよいのか迷うほどだと笑う。

ここで案内役は「私この物件好きですよ」と言い出す。ただし「内装外装は全く好きではない」。好きなのはオーナーの心意気だという。床には模様があり、壁にも光が当たると花のような柄が浮かぶクロスが貼られている。天井にはさらに別のクロスが使われていた。案内役の考えでは、入居者に住んでもらう賃貸物件は、本来できるだけ癖を減らして作るものだ。この部屋には普通の箇所が一つもない。

玄関の使い勝手も良くない。靴置き場の形が独特で、シューズボックスも変な位置にある。案内役は「不便でダサい」と言い切る。それでもオーナーは「これで行くぞ」と決めて、お金をかけて作った。案内役はそこを評価し、オーナーが大量の資材を投入して「わしはこれでやるんや」という姿勢を示していると語る。普通に収益を狙うならこういう設計にはしないはずなので、自分は「チャレンジャーを応援したい」という目線で見ていく、と宣言した。

7:52

リビング:一面のバラ柄と赤いキッチン

リビングの扉を開けた瞬間、2人は「やっちゃった」と声をそろえた。壁紙はバラのような花柄で、壁一面を覆っている。床の模様も面積が広くなると目がチカチカする。出演者は「ラブホでもやらない」と言い、集合体恐怖症の人にはつらい部屋だろうと話した。

キッチンは下部が赤で、さらに強いアクセントになっている。出演者はデザインがトータルで考えられておらず、「全ての世界が分離している」と表現した。外観のヨーロッパ風ともかみ合っていない。

9:16

「このデザインを止める人はいなかったのか」

案内役は最近、こういう物件を見て「なぜこうなったのか」を考えるのが好きだという。そのうえで「このデザインを止めてくれる人は周りにいなかったのか」と問いかける。止める立場にあったのは、オーナー、施工会社、賃貸の募集を担う会社だ。案内役はオーナー像を想像し、「2代目のボンボン」ではないかと冗談めかして話した。

9:45

ベランダと、外観・内装のちぐはぐさ

ベランダの建て付けはしっかりしていた。4階なので抜け感があり、ぼんやり過ごせる程度の広さもある。騒音もなく、とても静かだという。ベランダの手すりなどにも装飾が見られた。

出演者はここで、外観はヨーロッパにしたかったのだろうと推測する。では内装は何と呼ぶべきか。意見を求められた出演者は「ゴスロリメンヘラ」と答えた。フリフリした可愛いデザインに見せておきながら、下に目をやると床ががっつり主張してくる。その感じがゴスロリっぽい、という説明で、もう一人は「天才だ」と笑った。

11:16

洗面所:これまでで最小の洗面台と後付けの鏡

玄関近くの扉の先は水回りだった。脱衣所には独立洗面台があるが、出演者は「今まで見た中で一番小さい」と驚く。トイレに付いている手洗い台ほどのサイズで、洗面台はこれ以外にない。案内役は「非常に不便」と言い、「何か文句あります?」とおどけた。

鏡は既存のものに加えて、物足りなかったのか壁掛けタイプが2枚追加されていた。照明にもこだわりがある。タオルホルダーは付いている。一方で収納は「スズメの涙ほど」で、配管が通っているためほぼ使えない。化粧水と乳液くらいなら置けるかもしれない、という程度だった。

出演者はこの内装なら入居者は女性を想定しているのだろうと考える。しかし女性が住むならこの洗面台は厳しく、化粧品も入らない。むしろ男性向けに感じるが、男性でもギリギリだという。案内役は「狙ったターゲットと作ったものがすべて崩壊している感じが大好き」と話した。

洗濯機置き場は問題なく設けられている。浴室には目立った特徴がなく、出演者は「これでいい」と評価した。ユニットは既製品なので癖を出しようがない、という見方である。出演者は、オーナーが大きなリスクを取って賃貸物件を作ってくれたことに感謝しないと、とも語った。投資家は普通そんなリスクを取らないからだ。ただしもう一人は「リスクしか取ってない」「リターンを狙っていない説」と返している。

13:55

トイレは普通、寝室は「お腹いっぱい」

トイレは温水洗浄便座付きの洋式で、ここも「これでいいんですよ」と好評だった。

最後の部屋は引き戸の寝室である。出演者は、寝室くらいは普通だろうと思っていた。実際にはここも柄に囲まれていて、2人は「しんどい」「お腹いっぱい」「本当に落ち着かない」と口々に言う。置くとすればベッドだが、どんな家具なら合うのかは難しい。白い家具か、Francfrancのようなふわふわした可愛い家具くらいしかないのでは、という話になった。

カーテンを開けると光が入り、印象が少し変わった。こちら側の窓からは木がたくさん見え、景色はかなり良いと評価された。

この部屋で出演者は壁紙の色違いを見つける。同じ柄が場所によって青、ピンク、紫になっていた。これはデザインではなく、日が当たったことによる紫外線での経年劣化だろうと2人は結論づけた。

17:02

家賃8万8000円と「強みを消しに来る内装」

家賃は8万8000円。出演者の反応は「そんなもんか」と微妙で、一人はもう少し高いと思っていたという。エレベーターなしの4階という条件も家賃に響いていそうだ、と話す。

案内役によれば、立地と間取りだけを見れば安い部類に入る。それでも中身を見ると判断が難しい。出演者はこの部屋を「強みをわざわざ消しに来る内装」と表現し、案内役も、普通の入居目的から見ればその表現は正しいと認めた。

18:15

珍度は6。理由は「振り切れていない」

この物件の珍度は6だった。出演者は思ったより低いと受け止めたが、案内役は「かなり悩んだ」と明かす。純粋な珍しさだけなら9でもおかしくない。それでも点数を抑えたのは、オーナーが振り切れていないと感じたからだ。案内役には「オーナーさんの心の揺れが見える」という。住めないくらい、家と呼べないくらいまでやってもよかったのではないか、というのが案内役の意見である。

オーナーの背景について、案内役は「オーナーさんと勝手に通信している」と冗談めかしたうえで推測を語った。オーナーはアート作品を作りたかったのだろう。外観を見ても、人と同じものにはしたくなかったはずだ。ただ、投資物件で儲けたい気持ちと芸術を作りたい気持ちがぶつかってしまい、その結果が珍度6だった、と案内役は締めくくった。