相撲からボクシングへ転じた33歳、初のプロテストに挑む

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概要

かつて相撲の第一線で活躍し、ボクシングに転じた里さん(33歳、大槌町出身)がプロボクサーを目指している。テレビ岩手のシリーズ後編は、初めて受けたプロテストの様子と、挑戦を支える家族や職場の人々を追った。テストを前に、里さんは「やってきたことをやりきれるように、ベストを尽くして合格できたら」と話していた。

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後楽園ホールでのプロテスト

里さんは所属ジムの関係者とともに、世界タイトル戦も行われる「ボクシングの聖地」後楽園ホールを訪れた。プロボクサーのライセンス取得に必要なテストを受けるためだ。ホールに来るのは初めてで、「テレビで見ていたものが目の前にあって不思議な感じ」と語った。

テストは、基本的なルールを問う筆記試験と、スパーリングによる実技試験からなる。実技では基本姿勢、フットワーク、スタミナなど20項目以上がチェックされる。里さんを指導してきた盛岡市のボクシングジムの会長は、コンパクトなジャブやストレート、上下の打ち分け、コンビネーションが出せればよいと期待を語った。

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最後の練習と二つの課題

プロテスト前の最後の練習で相手を務めたのは、同じジムに所属するプロボクサーの藤村さんだ。里さんが受験するのは最も重いヘビー級で、ほかにヘビー級の受験生がいないため、藤村さんが実技のパートナーも務めることになった。藤村さんは、フィジカルが強い里さんには前へ前へ出るスタンスが合っているのではないかと見ている。

課題の一つは相手との距離感だ。相撲では意識することがなかった要素である。会長は、ボクシングでは接近戦だけでなく中間距離や離れた距離があり、距離がランダムに変わる点が相撲との違いだと説明した。そこに対応できるようになれば強くなっていくし、プロテストでもその点が見られると話した。

もう一つの課題は、複数のパンチを続けて繰り出すコンビネーションだ。会長によれば、どうしても顔ばかり狙いたくなるが、顔とボディに打ち分けることで相手のディフェンスを崩していける。里さんの強みは大きな体から繰り出す強烈なパンチだが、番組は「当たらなければ意味がない」と指摘する。コンビネーションはプロテストの審査にも関わる。里さん自身は、4発、5発、6発と続けてフィニッシュのパンチまで持っていくこと、疲れても手を出し続けること、1、2発の単発で終わらないことを意識していると語った。

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家族と、相撲を続ける息子

里さんは現在、滝沢市で家族4人と暮らしている。市内の支援学校に勤めながら練習を続け、休みの日には妻に代わって台所に立つこともある。息子は、ボクシングに打ち込む父について「かっこよかった」と話した。

その息子は父の背中を追い、相撲に取り組んでいる。里さんがコーチを務める相撲クラブでは、長男もほかの子どもたちと同じように厳しい指導を受けていた。里さんは、息子が頑張る姿を見ると自分も頑張らなければと思うと話す。また、自分がボクシングに打ち込む間、妻が家事などを支えてくれていることに感謝を口にした。

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2ラウンドのスパーリング

迎えたプロテスト本番。スパーリングは2ラウンドで行われた。里さんは序盤から前に出て、練習してきたコンビネーションを繰り出した。第2ラウンドでは課題だった距離感に気をつけながら打ち続け、昨年春から積み重ねてきた練習の成果を出し切った。終了後、関係者は「全体的に先手先手で、もう少し行ってもよかった」としつつ、内容は「基本通り」と評価した。

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合格発表と今後

テストの翌日、里さんは仕事終わりに結果をこっそり確認するつもりだったが、結果が気になる同僚たちが大勢集まってきた。皆で見守るなか、合格者の中に自分の番号を見つけた。里さんは「やってきてよかった」と振り返り、職場の理解がなければできない活動なので、周囲に感謝していると話した。

家族にも結果を報告した。妻は、最後まで結果を秘密にしていたのでほっとしたと話し、子どもたちとともに祝福した。

里さんは、今回のテストで見えた課題を見つめ直しながら練習を続けるしかないと話す。目指すのはアグレッシブな試合だ。番組によれば、里さんは県内で2人目のヘビー級プロボクサーとなる。視線はすでにデビュー戦に向いている。