堤聖也と増田陸が3年ぶりに再戦 「王座剥奪」後も王者を名乗る堤の真意

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概要

『U-NEXT BOXING.7』の記者会見で、WBA世界バンタム級タイトルマッチ、王者・増田陸対同級1位・堤聖也の一戦が発表された。試合は11月29日に行われる。増田にとっては初防衛戦で、プロ4戦目で喫した唯一の黒星の相手に挑み返す再戦でもある。一方の堤は、昨年末の試合で負った怪我による長期離脱を経て、1年ぶりにリングへ戻る。会見で堤はベルトを持参して「WBA世界バンタム級チャンピオン」と名乗り、王座を剥奪されたという扱いを自分だけは認めない姿勢を示した。

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増田陸:世界王者になって増えた「背負うもの」

増田は7月20日に初めて世界タイトルを獲得した。会見の冒頭では、試合を組んだ本田会長をはじめとする関係者、対戦相手の堤、そしてこのカードを待ち望んでいたファンに感謝を述べた。

王者になってからの変化について、増田は「背負うものが増えた」と話した。地元の広島や自分のルーツをたどる中で、このベルトの価値と、これから目指す場所を意識しながら練習に取り組んでいるという。

初防衛戦のプレッシャーについては、プレッシャーはあると認めたうえで、それもすべて力に変えて臨むつもりなので気負いはまったくないと答えた。

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増田にとっての「節目」となる再戦

増田は堤戦を楽しみにしており、必ず勝って「真のチャンピオン」であることを証明したいと語った。今回の再戦について、プロ4戦目で初めて負けを味わって以来、自分自身も、周囲やボクシングファンも熱望してきたカードだと位置づけている。これまで練習や試合を重ねる中で、この試合を実現して堤に勝つことをひとつの目標にしてきたといい、勝利は自分にとって非常に大きな節目になると述べた。

対策については、大和トレーナーをはじめジムのスタッフ全員と作り上げており、さまざまな展開を想定していると説明した。そのうえで自分の勝ち筋はしっかり見定められているとし、試合までそれを磨いて研ぎ澄ましていくと話した。今後の長期政権や他団体、複数階級への期待を問われると、まずはこの試合をクリアするとしたうえで、11月29日に真のチャンピオンが増田陸であることを証明すると締めくくった。

堤の印象を聞かれた増田は、非常にタフな選手で、タフな試合をする選手だと評した。久しぶりに目の前で見た印象としては「少しくたびれたかな」と口にしている(字幕では「くびれた」と表記されている言葉)。

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堤聖也:「3」という数字の縁と1年ぶりの復帰

堤は「WBA世界バンタム級チャンピオン、堤聖也です」とあいさつした。試合が決まったときに感じたのは、数字の縁だったという。3年前、増田とは自身の日本王座3度目の防衛戦で戦った。今回は世界王座の3度目の防衛戦として増田と戦う。その重なりを堤は「3という数字に縁があるな」と表現した。

コンディションについては、前回の試合で負った怪我で長く休むことになり、そのせいでいろいろと迷惑をかけ、ややこしい状況にしてしまったと振り返った。現在は準備を進めている最中で、11月29日には「完全な堤聖也」を見せられるよう頑張ると話した。ファンには「大変長らくお待たせいたしました。堤聖也、11月29日帰ってきます」と呼びかけた。所属ジムの会長も、練習はうまくいっていると思うとコメントしている。

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堤が見る増田の変化と、難しい再戦の準備

堤は増田について、気が強く気持ちも強い一方で、感情的な部分が多い選手だという印象を持っていた。ただ現在は、理性で自分を律し、感情をコントロールしながらボクシングをするようになってきていると見ている。

対策について、堤は具体的に言うことはないとしつつ、準備の難しさを語った。前回うまくいった部分が今回はうまくいかなくなるかもしれない。逆に前回悪かった部分は改善しなければならない。前回の試合と照らし合わせるべき部分と、まったく気にせずに進めるべき部分があり、非常に難しい準備になっているという。

再戦に向けたモチベーションについては、表面上はいろいろと状況が変わっている試合なので、そこを意識しすぎないようにしていると話した。そのうえで最も警戒しているのは、前回負けた側の心境だという。再戦に臨む敗者のモチベーションの怖さや強さ、実力以上のものが出ることを、堤はとても警戒していると述べた。

故郷・熊本への思いを問われると、「熊本のために」という感情は今は特にないと率直に答えた。ただ、自分が戦う姿を見て勇気づけられたり元気をもらえたりする人がいるなら、そういう試合ができればいいと話した。

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ベルトを持参し「チャンピオン」と名乗った理由

会見で最も注目を集めたのは、堤がベルトを持参して置き、チャンピオンとして自己紹介した点だった。現在は王者ではない扱いになっていることについて意図を問われ、堤は「僕だけは認めたらダメかな」と答えた。この状況に自分だけは納得してはいけないのではないか、という気持ちだという。表面上の肩書きのような目に見えるものは変わっても、本質的な部分は何も変わっていないと考えていると説明した。

王座剥奪への怒りが試合のモチベーションになるかと問われると、堤はそもそも怒りという感情ではないと否定した。そのうえで、いろいろな人が意見を言うこの状況で負けるのは一番ダサい、ここで勝たないと本当に嫌だという気持ちで頑張れると思う、と語った。

増田から「くたびれた」と言われたことについては、「くたびれるでしょうね。我が身になって考えてみてくださいよ。くたびれますよ」と返した(字幕表記はいずれも「くびれる」)。

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増田の受け止め:堤へのリスペクト

堤がベルトを置き、王者として発言した一連の振る舞いについて、増田は堤がチャンピオンであるという思いは自分の中にも確かにあると答え、リスペクトを示した。いま自分の目の前にあるベルトをさかのぼると、堤が井上拓真とのタイトルマッチで獲得したベルトにたどり着く。増田はそのことを意識しており、その点で堤を尊敬していると述べた。

会見は、互いに「真のチャンピオン」であることを証明しようとする両者の立場が交差するかたちで終わった。増田は現王者として初防衛と雪辱を、堤は自分が王者であるという認識を勝利で示すことを、11月29日の試合に懸けている。