相次ぐサイバー攻撃の背景にAIの進化か ハッカー集団への接触と、AIによる不正アクセスの検証

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概要

日本テレビ「真相報道バンキシャ!」は、9月下旬以降に国内で相次ぐサイバー攻撃について、身近な暮らしへの影響、利用者の受け止め方、攻撃が続く背景を取材した。番組は専門家の監修のもとで海外のハッカー集団に接触し、さらにAIを使った不正アクセスの検証を行った。どちらの取材でも、攻撃が増えている要因として「AIの進化」が挙がった。

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連休のイベント会場にも及んだシステム障害

秋晴れの連休、東京・目黒では「目黒のさんま祭り」が開かれ、来場者が焼きたてのさんまを味わっていた。神奈川県茅ヶ崎市の公園ではキッチンカーのグルメイベントが行われていた。そこに出店していた人が番組に見せたのは、食品を仕入れている卸業者からの連絡である。そこには、サイバー攻撃によるシステム障害で冷凍食品などがまったく入荷できていないと書かれていた。翌週のイベントで使う食材が手に入らない状況だという。出店者は「材料が入らなければ料理ができないので不安に思っている」と話した。

番組は、9月下旬以降にサイバー攻撃の被害を公表した企業などの一覧を示した。クラウドサービスを提供するIDCフロンティアや、カーシェアリングサービスのタイムズカーなどが含まれ、影響は身近なサービスにまで広がっている。顧客情報などの流出も問題になっている。

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流出した可能性がある情報の中身

番組は、9月から放送前日までに顧客情報が流出した、またはその可能性があると公表した企業の一部を紹介した。航空券などの予約サイト「スカイチケット」では氏名、住所、メールアドレスなど、タイムズカーでは運転免許証の画像、大和証券では口座番号、HISではパスポート情報などが流出した可能性があるという。

街の人からは「こういう情報が何に使われるのか想像がつかなくて怖い」「もう防ぎようがない。どうしていいのか分からない」という声が聞かれた。

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利用者はどう受け止めているか

番組が話を聞いた親子は、24歳の娘のスマートフォンに登録されているサービスを確認した。タイムズ、dカード、ローソン、JR東日本と、それだけで4つにのぼった。母親は、通販サイトに登録していたクレジットカード番号をすべて消したという。買い物のときにまた自分で入力すればよいと考えたからだ。

別の2人連れは、「書いてください」「登録してください」と言われると、そのまま気軽に登録してしまうと話した。今後は個人情報をあまり出さず、なるべく登録しないよう気をつけるという。被害の公表が続くことについて、「こんなに多くの被害が急に同時に起きているのがとても不思議だ」という疑問の声もあった。

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ハッカー集団が挙げた理由は「AI利用の増加」

なぜいま日本でサイバー攻撃が相次いでいるのか。番組は専門家の監修のもと、世界でサイバー攻撃を行っているとされる複数のハッカー集団に接触を試みた。そのうち1つの集団から返信があった。この集団は、これまでにニュージーランドの医療系サイトをハッキングするなど、世界中の政府や教育機関などにサイバー攻撃を仕掛けているとされる。

攻撃が続く理由を尋ねると、集団は「サイバー犯罪者がAIの使用を増やしたことが関係しているのではないか」と答えた。AIは説得力のあるフィッシングメールを作ったり、弱点を特定したりと、攻撃を効率化する面で力になるという。

監修した専門家も、AIが一気に進化したことで攻撃側が圧倒的に有利になっているとの見方を示した。そのうえで、ほとんどの企業はまだセキュリティ対策が追いついていないと思う、と述べた。

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架空の通販サイトでAIによる不正アクセスを検証

AIによる攻撃がどれほどの脅威なのかを確かめるため、番組はサイバーセキュリティ会社の協力を得て、架空の通販サイトを作った。

番組の説明によると、不正アクセスとはホームページなどから情報システムの内部に侵入する行為である。機密情報にたどり着くには、いくつものセキュリティの壁を突破しなければならない。人の手で行う場合は、壁を突破するための攻撃を1つずつ試し、弱点を見つけて1つ目の壁を破る。これを何度も繰り返して、ようやく機密情報に届く。一方AIは複数の攻撃を並行して進められるため、人より短時間で機密情報にたどり着けるという。

今回の検証でAIに探させたのは、検証用のサイトに登録した架空のクレジットカード情報である。AIには短い言葉で、情報を見つけ出すよう指示しただけだった。AIはすぐに1つ目の壁を突破するための調査を始め、約5分後には調査が一気に分岐して、新たに3つの調査が同時に走り始めた。協力会社の担当者は、この様子を「人が3人並んで作業しているような形」と表現した。人間なら1つずつしかできない攻撃を、AIは同時に進めていく。

その後もAIは複数の攻撃を並行して進め、画面に「目的達成」の文字が表示された。開始から約49分で、AIは検証用に登録した利用額およそ100万円分の架空のクレジットカード情報を取得した。協力会社によると、今回設定したセキュリティレベルでは、人の手で攻撃すると1日から2日はかかるという。

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企業に求められる認識

番組によると、こうした弱点の検証は、企業などのシステムを守るために役立てられている。協力会社の担当者は、サイトを公開することは、AIによる攻撃が必ず来るものだと認識することとイコールであり、企業はその認識を絶対に持つ必要があると話した。