パティシエ夫婦の洋菓子店、108年続くパン屋のシベリア、かぼちゃスイーツ専門店:夫婦で営む3つの店

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概要

日本テレビ「every.」の特集から、夫婦で営む3つの菓子・パンの店を紹介する。東京・国立市のパティシエ夫婦による洋菓子店、横浜・桜木町で100年以上作られてきた菓子「シベリア」を守るパン屋、そして三軒茶屋でかぼちゃスイーツだけを売る専門店である。どの店も、夫婦が役割を分け、時に意見をぶつけ合いながら、自分たちの味を守っている。

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国立市の洋菓子店:パティシエ同士の夫婦

国立市の洋菓子店「アンヌ」には、ホールケーキ、フルーツを乗せたタルト、濃厚で滑らかなプリン、焼き菓子など50種類以上が並び、子どもから大人まで幅広く支持されている。店を営む宮野さん夫婦は2人ともパティシエだ。17年前に修行先で出会い、お互いの菓子作りへの思いに惹かれて2011年に結婚した。2018年に妻の地元である国立市で店を開いた。町の洋菓子店が減っていくなか、地元の客に寄り添う店を2人で築いてきたという。

夫婦は「ずっと一緒ですから」と互いの理解を口にする。夫は、子どもたちが店の菓子を見て「これが食べたい」「お菓子屋さんになりたい」と思うきっかけになれば嬉しいと話す。

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夫が土台を作り、妻が盛り付ける

作業の分担ははっきりしている。夫が生地やクリームなど菓子の土台を作り、妻がそこにセンスを生かした盛り付けをする。チョコレートで書くメッセージプレートも妻の担当で、夫は「私はできないです。圧倒的にうちの奥さんだ」と認める。

人気商品の「アンヌショート」(5508円)は、たくさんのフルーツを乗せたケーキだ。客は、スポンジがふわふわで、クリームが甘いのにしつこくなく軽く食べられると評する。スポンジはしっとり、ふわふわに焼き上げ、みずみずしい果物にも合うという。生クリームは果物の味を引き立てるために砂糖を減らし、優しい甘さにしている。

果物は5種類を厳選する。甘さと酸味のある栃木県産の果物、爽やかな酸味のオレンジ、金柑などだ。夫は「甘いフルーツだけだとバランスがちょっと気になる」ので、酸味のある果物や季節の果物をなるべく乗せるようにしていると説明する。

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「感覚」と「合理」のぶつかり合い

盛り付けで妻がこだわるのは、きれいだと思った果物を見せること、色の偏り、形、バランス、そして「雰囲気」だという。その盛り付けを見た夫は「まあ、いいんじゃないの」と言いつつ、少々納得していない様子だった。夫は妻のやり方を「感覚的」で、こうしたら喜ぶだろうという考えはあるが「合理的ではない」と言う。夫の言う合理的な盛り付けとは、持ち運びを考え、果物が崩れないよう左右対称にすることだ。

夫は「基本的な決まっている飾りは絶対変えない」としつつ、自由にしてよい部分もあると話すが、2人のやりとりは番組が「まるで夫婦喧嘩」と表現するほどだった。パティシエとして互いを認め合いながらも、夫婦だからこそ素直になれないのだという。

それでも新しい味を作るときは、互いの意見を大事にしている。この日夫が試作していたのは、サクサクのパイ生地とカスタードクリームのミルフィーユだった。妻は「いい匂いといい食感がします」と評価した。夫は、妻は「厳しい時は本当に厳しい」ので、今回は分かってくれていると感じたと話す。

国立市では毎年、地元の商店や飲食店が集まるイベントが開かれ、夫婦も菓子の美味しさを広めたいと毎回出店している。イベント限定の抹茶やほうじ茶のカヌレなど15種類以上を用意した。夫婦は、来てくれた客に毎回喜んでもらえるよう、こつこつと頑張りたいと語った。

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横浜・桜木町、108年続くパン屋のシベリア

横浜・桜木町のコテイベーカリーは大正5年創業、108年続くパン屋だ。3代目を継いだのは、パン職人の夫・俊夫さんと、5歳年下の妻・いつ子さん。互いを「とおちゃん」「いっちゃん」と呼び合う。毎日10種類以上のパンを焼いている。

店の名物が「シベリア」だ。見た目はサンドイッチに似ているが、妻の説明では、カステラと羊羹がくっついた、パン屋で売られている菓子である。一番人気で1個400円。カステラで挟んだ水ようかんは甘さ控えめで、幅は約10cmもある。

シベリアを目当てに連日多くの客が訪れ、まとめ買いも多い。1度に5個買った女性は、美味しかったのを思い出してまた買いに来たという。自転車で1時間かけて来たという客もいた。シベリアが潰れないように専用の容器を持参する客もいる。試食したリポーターは、カステラはふかふかで、中の水ようかんはぷりっとした食感、噛むほどにじわじわなじむ「癒される味わい」だと話した。

シベリア以外にも、店主がぶどう好きで干しぶどうをこれでもかと散りばめたぶどうパンや、昭和のおやつ「甘食」が並ぶ。甘食はスポンジケーキとクッキーの間のような食感で、バターやジャムをつけて食べるのも勧めている。妻は夫のパンを「日本で一番美味しい」と言う。

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店の歴史とシベリアの作り方

初代は祖父の冬太郎さん、2代目は息子の一郎さん。孫の俊夫さんは18歳でパン職人の道に入り、30歳で3代目を継いだ。その4年後にいつ子さんと結婚し、以来夫婦で店を守ってきた。

シベリアは大正時代に日本で生まれたとされる。まず自家製のあんこから水ようかんを作る。ムラができないよう10分かき回し、火を止めてボウルごと水で冷やす。これにおよそ1時間かかる。型は先代からの特注品で、ボリュームを出すため底の深いものを使う。

型にカステラを敷き、固まりかけた水ようかんを流し込む。ポイントは硬さだ。柔らかすぎるとカステラに染みてしまい、硬すぎるとカステラがくっつかないことがある。店主は、流し込むタイミングが一番難しく、緊張すると話す。水ようかんの上にカステラをそっと乗せて押さえ、2時間置けば完成だ。手間と時間がかかるため、シベリアを作る店は次第に減っていったと番組は伝える。

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町の変化と、妻が始めたホームページ

昭和の終わり、桜木町の町は変わり、店は存続の危機を迎えた。商店街だった通りにスーパーやコンビニができ、店が次々に消えていった。シベリアも売れなくなった。

それでも妻のいつ子さんは「これは美味しいぞ、もっと多くの人に知ってもらわなきゃいけない」と考えた。夫の作るシベリアを残したいと、20年前に独学でホームページを作り、シベリアの魅力を発信した。手作りのシベリアのグッズでも店をアピールした。

夫は当時を振り返り、今思えば斬新なことを言ってくれていたが、当時は理解できず、生活を成り立たせなければという一心だったと語る。その後SNSの普及で情報が広まり、シベリアは再び人気を得た。最近のレトロブームで若い客も増えたという。

休みの日、夫婦は横浜・みなとみらいのイタリアン店で毎週ランチデートをしている。いい時も悪い時も同じ道を歩んできた。妻は、もう店をやめてもいいのではと思ったこともあったが、夫が楽しいからやっているのだと気づいた瞬間に、頑張って応援しようと決めたと話す。

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三軒茶屋のかぼちゃスイーツ専門店

三軒茶屋駅から徒歩約7分の店は、かぼちゃを使ったスイーツだけを扱う専門店だ。店主の宮本さんは夫の香二さんと店を切り盛りする。夫によると、店主は「かぼちゃって聞いたら振り向く」ような人だという。

看板メニューは「かぼちゃの焼きプリン」(742円)で、かぼちゃプリンとカスタードクリームの2層になっている。リポーターは非常に濃厚で、皮の近くはほろ苦さもあり、かぼちゃそのものの甘みが生きていると評した。メープルシロップをかけるとさらに深い味わいになるという。

プリンはかぼちゃを丸ごと使う。取材時は北海道産の「栗マロン」という品種で、栗のようなほくほく感と上品な甘さが特徴だ。店主は、砂糖の量は極力使わず、かぼちゃの甘さを引き出すように作っていると話す。オーブンで焼いたかぼちゃの中身をくり抜き、卵、砂糖、牛乳などと混ぜて液を作り、再びかぼちゃの中へ注いでおよそ1時間焼く。仕上げにカスタードクリームを乗せて一晩寝かせることで、皮まで食べられるという。

ほかにも、素揚げしたかぼちゃとナッツに塩キャラメルを絡め、バニラアイスやかぼちゃチップを乗せたメニューがある。客はかぼちゃとキャラメルの甘さが合い、ナッツのサクサク感もいいと話した。

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「必ずかぼちゃブームが来る」

店主がかぼちゃにはまったのは幼い頃だ。祖母と同居していたこともあって、かぼちゃの煮物がよく食卓に出た。満腹にもなり美味しく、「これだけで生きていける」と思うほどだったという。1人暮らしを始めてからは毎日かぼちゃを食べるようになり、その生活が30年近く続いている。ある日の食卓にも、かぼちゃのきんぴらや肉巻きなどが並んだ。ただし子どもたちはかぼちゃが好きではないようで、食事は別メニューだという。

夫婦が当初営んでいたのは一般的なケーキ屋だった。しかし夫によれば、店主は「これは違う」と思い、かぼちゃ以外のものを急にすべてやめてしまった。いつか必ずかぼちゃブームが来ると信じ、かぼちゃ1本で勝負して約20年になる。

店主は「なかなか流行らない」と認めつつ、ここまで来たら流行るまで頑張りたい、ブームはきっと来ると話す。かぼちゃがなくなったら生きていけない、みんながかぼちゃを買い漁る時代が来るのではないかと「勝手に思っている」と語った。ブームはまだ来ておらず、店主はその途中にいる。